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番外編.触手です
18.俺は一体何をしているんだ!
しおりを挟む柔らかくてふわふわで、真っ白なベッド。その端に、ちょこんと少しだけ怯えながら座る俺。
ど、どうしよう……やるって決めたのに、緊張する……
だけどやるって決めたし、これまで、ドレス破られて乳首責めされたり、拘束されたまま抱かれたり、色々されてるんだ。今更魔王様に跨るくらい、なんだよ!!
「じゃあ……し、失礼します!!」
俺は魔王様に跨ろうと、ベッドの端から近づきかけたけど、魔王様はニヤニヤ笑いながら、俺を手で制止する。
「裸でだ」
「はあ!? そ、そんな必要ないですっ……!! し、触手取るだけなのにっ……!!」
いきなりそんなハードル高いの無理っ……! 跨るだけで真っ赤になってるの、魔王様なら気づいているはずなのにっ……!
だいたい今は、魔王様の拷問のおかげで、股間だって先走りで濡れてる。こんなところ、見られるだけでも恥ずかしいのに、今脱いだりなんかしたら、触手にいじられて濡れたところまで丸見えになってしまう。
それなのに、魔王様はこうして、俺が真っ赤になるようなことばっかり言って、俺に意地悪をするのが好きなんだ。
「今日は存分に、恥ずかしい思いをしてもらうと言っただろう?」
「うぅ…………」
惚れた弱みなんて、俺の方が普段から実感していると思う。やだって言いたいのに、言えないじゃないか!
それに、恥ずかしいけど、触手は俺のせいだ。
裸で跨ってでも、あれは取らなきゃいけないし、俺がやりたい。
着ていた服のボタンに手をかける。脱ぐのなんか、別になんでもない。だって、魔王様は俺の体、全部見てるし知ってるんだから。
だから……今更ドキドキしなくったっていい。
できるだけ、魔王様から視線を背けて、そっちを見ないようにして、俺は脱いだ。さっさと脱がないと、恥ずかしくてできなくなりそう。
魔王様の赤いあとは俺のせいだし、裸で奉仕するくらいならできる!!
恥ずかしいのを何とか押し殺し、俺は着ていたものを全部脱いだ。
いざ着ていたものが全部なくなると、肌に空気があたるだけで恥ずかしい……魔王様は服を着ているのに。
も、もう早く終わらせようっ……!
「じ、じゃあ……触手……取ります…………わっ!!」
始めようとした俺の両手が、急に背後から強く引かれて、俺は後ろ手に縛り上げられてしまう。何かと思えば、これ、触手じゃないか!
両手の自由を奪われた俺は、顔から魔王様の足に倒れてしまった。
「何するんですか!!!! こ、こんなの聞いてないです!!」
「せっかく触手があるんだ。使わないと勿体ないだろう」
「交通のための触手って言いましたよね!?」
「最初に、こんなことにも使えると、実演して見せたじゃないか」
「そんなのずるい!!!!」
ずるくてひどい魔王様は、ベッドの上で俺を手招いている。
「早くしろ。触手を取ってくれるんじゃないのか?」
「う……ぐ……」
なんだよそれっ……!! 約束破ったくせに!! ずるいぞ! 俺だけ裸にされて縛られて、こんなのあんまりだ!!
だけど魔王様、めちゃくちゃ楽しそう。やりませんなんて言ったら、今度はもっと酷い方法で辱められる。
「わ、分かりました!! やればいいんだろ!! やりますよ!!」
ヤケクソで返事をして、俺は縛られたまま、魔王様の足に跨った。裸だから、見られたくないものまで全部見られてしまう。さっきお風呂に入ったからなのか、それとも羞恥心のせいか、ちょっと赤らんだ肌も、少しだけ膨らんだ俺自身も。
裸なのは俺だけ。魔王様は服を着ている。両手も縛られて、俺は一体何をしているんだ!
もう早く終わらせよう!! 深く考えたら、余計に恥ずかしくなって、魔王様を楽しませるだけだ!
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