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chap10.騒がしい朝

181.処刑の時

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 処刑の時は、すぐにきた。

 明るい太陽が城に照りつけ、暖かい風が吹いていた。

 フィズは、リリファラッジとジョルジュ、二人の兵士と共に、白竜の小屋の前に立たされていた。実際はただの処刑だが、表向きは、フィズがリリファラッジと共に、忠誠を示すため、白竜たちと、国を脅かすトゥルライナーを破壊しにいくことになっている。

 小屋の前に立ったフィズを、城壁の歩廊に立ったチュスラスが見下ろしている。その後ろには、イルジファルアの姿もあった。

 そして、チュスラスの隣には、王にしなだれるようにして立つ、カルフィキャットがいる。フィズは、きっと、チュスラスに脅されてその場にいるのだろうと思った。けれど、城壁からフィズを見下ろす彼の口角が、かすかに上を向いた気がした。気のせいだろうか。きっとそうに決まっている。フィズはそう思って、心配させないように、無理矢理作った笑顔で返した。

 他にも、城の窓やバルコニーに、フィズたちを見下ろす人々が並んでいる。

 誰もが、うまくいけばそれでいい、失敗したらフィズとともにあの面倒な白竜をチュスラスが始末する。とにかく、白竜たちが暴れ出して被害が周りに飛び散らないうちに、全て終わってほしい、そう考えていた。成功すると思っている人は誰もいない。むしろ、失敗してチュスラスが白竜を始末してくれることを心待ちにしているようだった。

 集まった人々がフィズを見下ろす中、小屋の前に立ったジョルジュがフィズに振り向く。そして、フィズたちに同行することになった兵士二人が、フィズたちに、小屋の中に入るよう促して来た。

 ジョルジュの話では、彼らは、フィズを救おうと出てきたシグダードを殺すための二人らしい。無論、シグダードは死んだことになっているので、シグダードの亡霊退治と言うことになるらしいが。兜と鎧で身を包んでいる、フィズと同じくらいの背の二人だった。

 フィズは、ジョルジュと共に、リリファラッジが待つ小屋の中に入った。

「あの……そろそろ時間です……出発しましょう…………お、起きてください!!」

 フィズが叫んでも、白竜たちは面倒臭そうにあくびをするだけだ。

 白竜たちは、後々魔法使いと戦わせることを条件に、トゥルライナー退治に渋々同意してくれたが、誰もがやる気など全くない。

 ダラックが、あくびをして言った。

「嫌だ。まだ朝早い。なんでこんな時間に行かなきゃならないんだ」
「朝早くありません! もう正午です! 出発する時間なんです!」
「それはお前たちが勝手に決めた時間だ。俺たちにしてみれば、まだ朝早すぎる」
「そ、そんなこと言わないでください……もう、出発することになっているんです……」

 フィズがそう言っても、ダラックも他の竜たちも、乗り気ではないようだ。

 彼らにしてみれば、時間は城の人間が勝手に決めたもので、トゥルライナーや城下町がどうなろうが、知ったことではない。ここ最近の相手の不甲斐なさも手伝って、すっかりやる気を失っているようだった。
 しかし、このまま出発しなければ、チュスラスが何を始めるかわからない。出てこないからと言って、小屋ごと雷で撃たれるかもしれないのだ。

 フィズは、思い切って口を開いた。

「あ、あの……城壁のところに、チュスラスがいるみたいなんですが……」
「なんだと!?」

 ダラックが顔を上げる。やっとやる気を出したらしい。彼は小屋から飛び出して行こうとする。

 しかし、不用意に彼らを外に出すわけにはいかない。フィズが先頭に立って白竜の手綱を持って出ていかなくては、手懐けに失敗したとみなされ、チュスラスの雷で、白竜たちもフィズたちも殺されてしまう。

「ま、待ってくださいっ……!」

 白竜の首輪から垂れる鎖を握り、フィズは必死に止めた。ジョルジュも手伝って、二人で鎖を引いて、ダラックを小屋に押しとどめることはできたが、ダラックは、血走った目を小屋の扉にむけている。

「チュスラス……雷の魔法使いか……」

 涎を垂らすダラック。
 すると、彼の前に、羽衣を纏ったリリファラッジが降りてきた。

「ダラックさん。陛下は遥か高い城壁の上です。どうか今だけ、堪えてはいただけませんか?」
「ああ!? 嫌だ!! 城ん中突っ込んでってあいつを殺す!」
「ですがそれだと、無力なものを幾人も殺すことになります。それはあなたにとって、不本意なことでは?」

 落ち着き払った様子のリリファラッジに、凛とした声で言われて、ダラックは唸りながらも前へ出ることはなくなった。

「…………だが俺はもう我慢できない……」

 ダラックはずっと荒い息を吐きながら涎を垂らしている。今にも、リリファラッジに噛み付いてしまいそうだ。

 このままでは危ない。そう思ったフィズは、リリファラッジとダラックの間に立った。

「やめてください!! ラッジさんは踊り子で、戦うための手段を持ちません!! そんなに戦いたいなら、私と戦いましょう!」
「あ? お前と? お前は一回俺に負けてるだろうが!!」
「だ、だってあれは、私は鎖に繋がれてる時だし……ずるいです!! 私はあなた方よりずっと弱いんだから、ハンデをください!」
「馬鹿言え!! なんで弱い奴を相手にしなきゃならないんだ!! 弱いものを殺すと、その程度を嬲ることしかできないと俺が笑われる!! 弱い奴は失せろっ!! 強者を食い殺してこそ名誉だ!!」
「わ、私は……確かに、力ではあなた方に敵いません! だけど、弱いけど……そうだ!! 逃げ足の速さなら、あなたにだって負けません! だから、こうしませんか? さ、先に無傷でラッジさんを連れて外に…………一番に街の外に出た方が勝ちです!」

 フィズが小屋の扉の方を指して言うと、ダラックは意味がわからないらしく、首を傾げた。

「なんだそれは……力での勝負でなければ意味がない!」
「あ、足の力の勝負じゃないですか!! 私には牙も爪もないんだから、足で勝負です!」
「……嫌だ。力がいい……」
「だ、ダメです! 私を弱いと言ったのはあなたなんだから、力勝負はダメです!」
「ああ!?? ガキが無茶苦茶言ってんじゃねえぞ!!」
「それに、私はあなたよりずっと小さいんだから、この羽衣アリで!」

 フィズは、リリファラッジの羽衣を取り上げて、自分に巻きつける。いきなりの追加ルールに、ダラックは怒り出す。

「そんなもの、足の力でもなんでもないだろう!!」
「ついでにフライングもありです!」

 フィズは言うが早いか、羽衣を纏ったままリリファラッジを抱きしめ、飛び上がった。

 ふわりとフィズの体が浮く。まるで水の中にいるかのようだ。

 そして、扉のほうに向かって走り出そうとすると、突然スピードが上がり扉目がけて飛んでいく。

「わ、わーー!!」
「フィズ様!! それはそう使うのでは……せ、制御してください!!」

 リリファラッジがフィズにしがみついて叫ぶが、制御と言われても、フィズはこんなものを使うのは初めてだ。







 フィズたちが小屋の扉に向かって飛んでいくのを見て、ジョルジュが慌てて扉を開く。開け放たれた扉から、フィズたちは飛び出した。

 突然小屋から飛び出して来たフィズたちに、城の至る所に集まった観客たちは驚き、悲鳴とも歓声とも言えないような声をあげる。

 そのまま飛んで行こうとするフィズに、ダラックが飛びついてきた。彼に羽衣の端を足で踏みつけられたお陰で、止まることはできたが、リリファラッジと二人して地面に落ちてしまった。

「おいっ!! スタートの合図もろくにしないとはどういうことだ!?」

 ダラックは怒っているようだが、フィズは、彼が飛びついてきてくれてありがたいと思った。彼に手綱をかけるか、少なくとも首輪から垂れている鎖を握らなくてはならないのだから。

 手綱の方は明らかに無理だ。今の彼にそんなものをかければ、きっと頭を食いちぎられてしまう。

 地面に落ちたままになっている鎖を、フィズは握りしめた。

「よ、よかった……」
「ああ!? 何がよかっただ!! こんなもの、勝負でもなんでもない!! どういうつもりだ!!」

 怒鳴るダラックは、フィズたちの羽衣の端を踏んだままだ。

 鎖は握った。あとは、この白竜と共に出発するだけだ。どんな形でもいい。この竜の鎖を握って、城門を出る方法はないかと考えた。

 城中からの視線が注がれる中、チュスラスの声が聞こえる。

「どうした!? 早く出発しろっっ!!」

 嘲りを含んだその声を聞いて、フィズは焦った。急がなくては、チュスラスに狙い撃ちにされてしまうかもしれない。

 なんとかしなくてはと考える。そしてフィズは、ダラックが踏みつけたままの羽衣を見つけた。

「あ、あのっ……!! あ、あっちにある門がスタート地点です! 一緒に行きましょう!」
「黙れ! さっきのフライングの件がまだだ!! 貴様、卑怯な真似をするなら、頭から食いちぎるぞ!!」

 怒鳴るダラックは怒りを抑えてくれそうにない。フィズたちに近づこうと、鼻先を近づけてきた。しかし、彼が足を動かしてくれたことで、羽衣はふわりと浮き上がった。

 フィズは、急いでそれを白竜の足に巻きつけた。

「こ、これで大丈夫……」
「なにがだ!! これじゃ勝負になんかならない!! この布を解け!!」

 白竜に喚かれ、フィズは耳を抑えるが、制御できない羽衣は、羽衣を巻きつけたままフィズが腕を上げたのを、何かの合図と勘違いしたのか、フィズとリリファラッジ、ダラックの体まで持ち上げてしまう。

「うわっ……! な……なんだこれっ……!」

 思いがけず、自分の体が浮き上がり、ダラックも焦り出す。

 チャンスだ。白竜の鎖は握った。このまま出発してしまえば、とりあえず、チュスラスに言われたことはすべてやり切ることができる。

「行きましょう! ダラックさん!! 門まで行って、さ、先に街から出たほうがかっ……」

 勝ちだ。そう言おうとして、はやる気持ちに任せて城門の方を指してしまったのが悪かったらしい。
 フィズたちの体はダラックと共に浮き上がり、羽衣は指さされたほうに向かって、目にも留まらぬ速さで飛び始める。

「わっっ…………!!」
「おいっ……! なんだこれはっ!!」
「フィズ様っ……! 羽衣を振り回してはなりません!!」

 リリファラッジが叫ぶが、風の音がその声を打ち消してしまう。そのままフィズは、彼らを抱きしめたまま、空高く飛び上がった。

 このまま上空に向かっていては、城門からどんどん遠ざかってしまう。

 フィズは羽衣を握りしめて、城門が見える方になんとか頭だけを向けた。

 すると羽衣は、城門のほうに墜落していく。とても制御などできるスピードではない。

 どんどん門が近づいてくる。このままでは、三人で激突してしまう。なんとか羽衣を止めようと引っ張るが、それはまるで言うことを聞いてくれない。

 城門が近づいてくる。あと少しと言うところで、門はゆっくり開いた。

 城門の下に、ジョルジュと、他の白竜たちの姿が見えた。彼らが門を開いてくれたらしい。どうやら、チュスラスは門を開ける気すら、なかったようだ。

 そのまま、フィズたちの体は、外に飛び出した。

 堀を越えて、街が見えてくる。この城に囚われてから、やっと見ることができた自由の景色だった。

 しかし、美しいその景色を見ることができたのは一瞬で、羽衣に絡みつかれたまま、フィズたちの体は、城下町の大通りに墜落する。

「い、いた……」

 ダラックの体が、フィズたちの下敷きになってくれたおかげで、フィズたちは無傷で済んだ。

 けれど、勝手に外に放り出される形になったダラックはフィズを怒鳴りつける。

「お前……何をする!! 喧嘩を売っているのか!?」
「ち、違いますっ……そんなんじゃ……」
「俺を外に放り出してどういうつもりだ!! こんなものは勝負でもなんでもない!」
「お、落ち着いてください……外に出れたんだから、いいじゃありませんか」
「何がいいものか!!」

 怒鳴るダラックの前に、リリファラッジが立った。

「落ち着いてください。ダラックさん。あなただって、何も正々堂々の勝負がしたかったわけではないはずです。どんな手段を用いようが、勝つこと、それがあなた方の矜持では?」
「確かにそうだが、俺は今、外に投げ飛ばされたんだぞ!」
「ええ。そうです。しかしそれは、ここにいるフィズ様が、あなたが相手をするに足る人物だと言う証拠ではありませんか?」
「…………そのひ弱な男がか?」
「それはあなたが勝手にそう思い込んでしまっているだけです。フィズ様は、フィズ様に使えるあらゆる手を使って、あなたを投げ飛ばしたんだから、フィズ様の勝ちです」
「……」

 ダラックが低い声で唸り出す。
 その声を聞いただけで、フィズは震え上がりそうだった。しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。武器など、何一つ持たせてもらえなかったので、代わりに羽衣を握りしめ、フィズはダラックと対峙した。

 ここは城下町の大通り。普段なら、多くの人が行き交う賑やかな通りだ。
 しかし今は、誰一人歩いていない。いくつかの家はカーテンを閉めていたが、ほとんどの民家の窓から、フィズたちをたくさんの人が見下ろしている。それどころか、屋上や屋根に登って、フィズたちを見下ろすものもいた。

 誰もが、唸るダラックの姿を見て怯えている。しかし、怖いもの見たさなのか、じーっとこちらから目を離そうとしない。

 ダラックはそんな視線には気づいていないのか、それとも気にしていないのか、フィズたちの方しか見ていなかった。

 ダラックの顔がかすかに綻んだ。

「……確かにそうだ。その男の力は認めよう……なるほど……面白くなってきた」

 その目と牙を向けられると、フィズは恐怖で体が凍るようだった。これでフィズは、ダラックのターゲットのうちの一人になってしまったのだから。

 そこへ、ジョルジュと兵士二人、他の白竜たちが出てくる。ダラック以外で出てきた竜は、リアンを含めて五頭。

 卑怯な真似をして、怒っているのではないかと思ったが、先頭のリアンは、満足気に言った。

「なかなかやるじゃないか…………ダラックを負かすとは。ひ弱な魔族と侮ったな。ダラック」

 鼻先を向けて言われて、ダラックは牙を剥く。

「黙れっ……! 次は俺が勝つっ……! おい、ひ弱な魔族!!」
「フィズです! ひ弱な魔族はやめてください!!」
「……フィズ。今度は俺が勝つ!!」
「わ、わかりました! 一緒に街の出口まで行きましょう!!」
「一緒に行くんじゃない! 勝負するんだ!! 用意しろ!!」
「え……あ、わ、わかりました!」

 フィズは慌てて、自らに羽衣を巻きつけた。そのまま地面を蹴ると、フィズの体が浮かび上がる。しかし、フィズはまだ、これの扱いに慣れていないどころか、どう使うのかすらも分かっていない。浮き上がったフィズの体は、大通りを一直線に飛んでいく。

「わっ……わああーーーーーーっっ!! どーやって止めるんですかーー!!」
「貴様っ! またか!!」

 喚いて、ダラックはフィズを追って走っていく。そのまま街を出てくれればよかったのだが、何をどう制御したのか、フィズの体は途中で細い路地に入っていく。

 あんなところにあんなスピードで入っていけば、フィズはただでは済まないだろうし、もしも人とぶつかれば、相手もフィズも大怪我をする。なにより、フィズを追って路地に入って行ったダラックが何をするかわからない。

 リリファラッジは、ジョルジュに振り向いた。

「ジョルジュ様、私たちも追いましょう」
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