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松下康二の過去
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*寛也視点
「康二、降りてみろ。」
「お肉着いたんですか?」
「いや肉じゃねぇ。」
「ならどこですか…?」
「まぁとりあえず降りてみろ。話はそれからだ。」
「は、はい…。」
俺の事まだ不審がってるなこのガキ…。つーかまだ10歳なのによ。なんでお前はそんなに強いんだろうな。泣くこともせず母親に執着して。馬鹿じゃねぇのって思うけどそれが子供ってやつか…。
「あ、康二。」
「はい。」
「降り方わかるか?」
俺はそういやこいつが車を初めて見た事を今思い出した。やれるんならやって欲しいが何だか不安だな…。
「や、やってみます…!」
「いいじゃねぇか。やってみろ。」
「これを引くんですよね…?」
「ああ。そうだよ。」
「…っ、うわ!」
レバーを引いたら車のドアが開く。俺からしたら当たり前のもんだが康二からしたら未知のもんだ。だから一々反応がおもしれぇ。
「はは、おもしれぇやつだな。」
「そんなに笑わないでくださいよ…!」
「あー悪い悪い。おもしれぇからよ。」
「俺は本気なのに…っ。」
「悪かったって康二。外行くぞ。」
「…はい。」
はは、拗ねてやがる。そういうところはちゃんと子供してんだな。こいつは子供離れって…いうか子供なのに子供じゃない感じがする。まぁ借金取りに追われる生活してたらそうなっちまうよな。これからは俺が守ってやらねぇと…な。
「康二、こっちだ。」
「ま、待ってください寛也さん。」
「早くしろ。」
「あ、足が痛くて…。」
はぁ!?今こいつなんつった…?足が…痛い…だと?
「なんて?」
「足が…痛くて…っ。」
「お前それ早く言えよ!馬鹿じゃねぇの!」
「…だ、だって寛也さんがお肉連れて行ってくれるって。」
「変な遠慮すんなよ馬鹿。見せてみろ。」
「このくらい大丈夫ですっ、ゆっくり歩けば大丈夫です!」
「いいから見せろ。足折られてぇのか?」
「…………っ!?」
あ、まずい…。いつもの癖で脅してしまった。あーあ。こいつに悪い影響になる。康二が大人になった時俺そっくりに育ったらどうしようか。それもそれで面白いが腹が立つかもしれねぇな。康二は康二らしく育ててやらねぇと。
「康二。いいから見せろ。」
「…はい。」
俺も康二の怪我をこのまま放置するのは嫌だったんで少し怖い顔をした。足は大切だからな。歩けなくなっちまう。歩けることが出来るやつが歩けなくなることを自らするのは許せねぇんだ。せっかく歩くことが出来るんだから。
「んーこれは捻挫か?なぁ康二。お前足をさ、グキってやった?」
「グキ…?」
「そうだ。捻ったりした?」
「…わからない…です。」
「そうかそうか。」
これは…見るからに折れてはない。ちゃんと足も曲がるしな。脛にヒビが入ってる感じもねぇ。だから捻挫だろうが…痛いのは痛いなこりゃ。だったら仕方ねぇ。おんぶでもしてやるか。つか…こんな腫れてんのに康二も黙ってるとか阿呆かよ。全部親のせいだな。全てが片付いたら殺すか。
「康二、お前おんぶって知ってる?」
「…知らないです。」
「なら俺が教えてやる。そのままにしてろよ。」
まぁそうだろうな。知らねぇよな。愛を知らずに育ったやつが抱っこやおんぶを知ってるはずがない。それを親が子にするわけが無いんだから。自分から産んどいて最低だよな。
「分かりました。」
「いい子じゃねぇか。よーし…、よっこらせ。」
「な、なにですか…!?」
「いいから大人しくしろ。」
おんぶをしたのはいいものの康二は初めてだからか少し暴れる。俺からすりゃなんてことないがここは海だ。俺はこいつに海を見せてやりたかった。だから連れてきたんだが暴れられたら困る。落ちてしまうからな。
「康二。落ち着け。」
「こ、これは…だって!」
「大丈夫だ。俺に抱きついてろ。そうすりゃ安心するから。」
「はい…っ。」
たかがおんぶなのにな…。されて嬉しいはずの事なのに康二は今初めてされた。10歳にしてよ。学校もこの調子じゃ行ってねぇんだろうな。よく言葉が汚くならなかったな。もしかしたら昔は康二も愛されてたのかもしれねぇな。
「落ち着いたか?」
「はい。大丈夫です。」
「なら良かった。あと康二。ここはな、海ってところだ。」
「…俺ここ…知ってる。」
それはまさかの発言だった。初めてかと思って連れてきたのによ。誰だよ。俺が康二を初めて連れてきたかったのにふざけんじゃねぇ。
「は?そうなのか?」
「俺の家の壁にもある…あ、あります。」
「そうかそうか。ならこれが本物の海だ。目に焼き付けとけ。海ってのは広いんだぞ。」
なんだ。ポスターかなんかか…。ならいい。俺が本物の海を初めて見せてやれたってことだからな。
「キラキラしてる…。」
「そうだな。今のお前の目みたいだ。」
「…え?」
「お前すげぇ幸せそうな顔してるぞ。」
「ほんとに…?」
「ああ。だからここにいろ康二。借金を返した後も俺の元にいろ………いやそれは違うな。居ていいからな。いつでも俺を頼るといい。俺がお前の知らないこと全部教えてやるから。」
「康二、降りてみろ。」
「お肉着いたんですか?」
「いや肉じゃねぇ。」
「ならどこですか…?」
「まぁとりあえず降りてみろ。話はそれからだ。」
「は、はい…。」
俺の事まだ不審がってるなこのガキ…。つーかまだ10歳なのによ。なんでお前はそんなに強いんだろうな。泣くこともせず母親に執着して。馬鹿じゃねぇのって思うけどそれが子供ってやつか…。
「あ、康二。」
「はい。」
「降り方わかるか?」
俺はそういやこいつが車を初めて見た事を今思い出した。やれるんならやって欲しいが何だか不安だな…。
「や、やってみます…!」
「いいじゃねぇか。やってみろ。」
「これを引くんですよね…?」
「ああ。そうだよ。」
「…っ、うわ!」
レバーを引いたら車のドアが開く。俺からしたら当たり前のもんだが康二からしたら未知のもんだ。だから一々反応がおもしれぇ。
「はは、おもしれぇやつだな。」
「そんなに笑わないでくださいよ…!」
「あー悪い悪い。おもしれぇからよ。」
「俺は本気なのに…っ。」
「悪かったって康二。外行くぞ。」
「…はい。」
はは、拗ねてやがる。そういうところはちゃんと子供してんだな。こいつは子供離れって…いうか子供なのに子供じゃない感じがする。まぁ借金取りに追われる生活してたらそうなっちまうよな。これからは俺が守ってやらねぇと…な。
「康二、こっちだ。」
「ま、待ってください寛也さん。」
「早くしろ。」
「あ、足が痛くて…。」
はぁ!?今こいつなんつった…?足が…痛い…だと?
「なんて?」
「足が…痛くて…っ。」
「お前それ早く言えよ!馬鹿じゃねぇの!」
「…だ、だって寛也さんがお肉連れて行ってくれるって。」
「変な遠慮すんなよ馬鹿。見せてみろ。」
「このくらい大丈夫ですっ、ゆっくり歩けば大丈夫です!」
「いいから見せろ。足折られてぇのか?」
「…………っ!?」
あ、まずい…。いつもの癖で脅してしまった。あーあ。こいつに悪い影響になる。康二が大人になった時俺そっくりに育ったらどうしようか。それもそれで面白いが腹が立つかもしれねぇな。康二は康二らしく育ててやらねぇと。
「康二。いいから見せろ。」
「…はい。」
俺も康二の怪我をこのまま放置するのは嫌だったんで少し怖い顔をした。足は大切だからな。歩けなくなっちまう。歩けることが出来るやつが歩けなくなることを自らするのは許せねぇんだ。せっかく歩くことが出来るんだから。
「んーこれは捻挫か?なぁ康二。お前足をさ、グキってやった?」
「グキ…?」
「そうだ。捻ったりした?」
「…わからない…です。」
「そうかそうか。」
これは…見るからに折れてはない。ちゃんと足も曲がるしな。脛にヒビが入ってる感じもねぇ。だから捻挫だろうが…痛いのは痛いなこりゃ。だったら仕方ねぇ。おんぶでもしてやるか。つか…こんな腫れてんのに康二も黙ってるとか阿呆かよ。全部親のせいだな。全てが片付いたら殺すか。
「康二、お前おんぶって知ってる?」
「…知らないです。」
「なら俺が教えてやる。そのままにしてろよ。」
まぁそうだろうな。知らねぇよな。愛を知らずに育ったやつが抱っこやおんぶを知ってるはずがない。それを親が子にするわけが無いんだから。自分から産んどいて最低だよな。
「分かりました。」
「いい子じゃねぇか。よーし…、よっこらせ。」
「な、なにですか…!?」
「いいから大人しくしろ。」
おんぶをしたのはいいものの康二は初めてだからか少し暴れる。俺からすりゃなんてことないがここは海だ。俺はこいつに海を見せてやりたかった。だから連れてきたんだが暴れられたら困る。落ちてしまうからな。
「康二。落ち着け。」
「こ、これは…だって!」
「大丈夫だ。俺に抱きついてろ。そうすりゃ安心するから。」
「はい…っ。」
たかがおんぶなのにな…。されて嬉しいはずの事なのに康二は今初めてされた。10歳にしてよ。学校もこの調子じゃ行ってねぇんだろうな。よく言葉が汚くならなかったな。もしかしたら昔は康二も愛されてたのかもしれねぇな。
「落ち着いたか?」
「はい。大丈夫です。」
「なら良かった。あと康二。ここはな、海ってところだ。」
「…俺ここ…知ってる。」
それはまさかの発言だった。初めてかと思って連れてきたのによ。誰だよ。俺が康二を初めて連れてきたかったのにふざけんじゃねぇ。
「は?そうなのか?」
「俺の家の壁にもある…あ、あります。」
「そうかそうか。ならこれが本物の海だ。目に焼き付けとけ。海ってのは広いんだぞ。」
なんだ。ポスターかなんかか…。ならいい。俺が本物の海を初めて見せてやれたってことだからな。
「キラキラしてる…。」
「そうだな。今のお前の目みたいだ。」
「…え?」
「お前すげぇ幸せそうな顔してるぞ。」
「ほんとに…?」
「ああ。だからここにいろ康二。借金を返した後も俺の元にいろ………いやそれは違うな。居ていいからな。いつでも俺を頼るといい。俺がお前の知らないこと全部教えてやるから。」
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