極道の密にされる健気少年

安達

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シマリス様リクエスト

パーティ

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*松下視点




「こら駿里!それは酒だっつーの!!」



あれから志方や森廣さん、早めに来た圷達を含めて全員が揃った。けどな、だけどな!駿里が楽しさのあまり羽目を外してんだよ。



「あ、間違えた。」

「間違えたじゃねぇ!」



これにはさすがに俺も声を荒らげた。酒なんで飲んだらこいつはベロベッロになっちまう。そんな姿他の奴らに見せられっかよ!



「もう康二さん声大きい…!」

「そりゃ大きくもなるだろ。酒とジュースを間違えるやつがいるかよ馬鹿。」

「…ちょっと間違えただけじゃんか。」

「そうだぞ康二。そんな怒る事ねぇだろ。せっかくのパーティなのに駿里にそんな顔させんなよ。」



あーあ。めんどくせぇやつが来た。圷はいつも駿里を庇うよな。けど俺はある意味ちゃんと駿里を守ってんだよ。こいつはまだ未成年。酒なんて飲ませたら身体に悪いだろうが。



「うっせぇな。てめぇは引っ込んでろ圷。」

「お前ら喧嘩すんなよ。なぁ駿里。こいつらうるせぇよな。こっちおいで。」



くそ志方…。まるで俺が悪者みてぇじゃねぇかよ。



「…志方。お前な。」

「うるせぇって康二。ほら駿里、こっち来い。守ってやるぞ。」

「うん、志方さんのとこ行く。」

「駿里!」



たく、こいつは…!なんで俺から離れようとするんだよ全く!まぁ離れられたならまた近づけばいい話だけどよ。けどな駿里、俺より志方のとこに行く方が危険だぞ。



「組長…。駿里縛っといていいですか?」

「やめとけ康二。好きにさせとけ。今はな。」



今は…?てことは組長も実はご立腹か。なるほどなるほど。後からお仕置きをするつもりですね。それなら俺も今は我慢しますよ。



「そうですね組長。今は好きにさせときましょ。」

「ああ。」



おお。こりゃ俺が思ってるよりも組長怒ってるかもな。そうとも知らずに駿里は呑気に笑っていた。ま、今だけだからな。こんなパーティもそうそう出来ねぇし。楽しませてやるか。



「海斗!これ食べてみてよ!美味しいよ!」

「これなに?駿里が作ったの?」

「ううん、寛也が作ったんだよ!」

「凄い!寛也さん料理上手だね!」

「おい海斗。俺の方が上手いだろ。」



見苦しいぞ圷。分かりやすく嫉妬しやがって。海斗見てみろよ。苦笑いになってんじゃねぇかよ。



「圷さんの料理もピカイチだよね!」

「よく分かってんじゃねぇか駿里。」



お、ナイスフォローだな駿里。なんかパーティだけどよ。食って飲むよりも駿里を見てた方が楽しいな。あいつの笑った顔はほんっといい顔だからな。



「でしょー!」 

「なぁ駿里。俺は?」

「志方さんも凄く上手。俺はいつも康二さんか寛也に手伝って貰ってるから尊敬してるよ。」



駿里にそう言われて志方は分かりやすく嬉しそうな顔をした。ほんと分かりやすいやつだな。



「なぁ康二。」

「組長?どうしました?」

「そろそろお開きにするか。」

「あ、確かに日付変わってますもんね。」

「ああ。海斗もいる事だしよ。」

「賛成です。」



俺がそう言うと組長は立ち上がってガヤガヤしてる駿里達のところに行った。



「お前らお開きだ。」

「えーもうですか組長。」

「うるせぇ志方。さっさと帰れ。」

「…はーい。」



組長の言うことには逆らえないもので志方はゆっくりとした足取りで帰って行った。まぁあいつ結構飲んでたからすぐ寝るだろ。圷と海斗もこの後お楽しみなのか圷は嬉しそうに海斗の腕を引いて帰って行った。よし、これで全員帰った…



「組長。」

「あ?森廣か。どうした?」



まだ森廣さんがいた。珍しいな。この人いつもはすぐに帰るのに。



「程々にしてあげて下さいね。」

「なんの事だ。」

「駿里ですよ。楽しかったみたいですしこのまま楽しい気持ちのまま今日を終わらせてあげてください。」

「それは無理かもな。」

「まぁそうでしょうね。ですがあまり駿里を泣かせないように。では、俺も失礼します。」



森廣さんはそう言って帰って行った。組長…はどうするつもりだ?優しくしてやんのか…?



「組長。」

「あ?」

「優しくしてやるんですか?」

「いいや。そんなつもりはサラサラない。康二、服持ってこい。あの服だ。」

「分かりました。」



あー良かった。組長はしっかりするつもりのようだ。こうでなくっちゃ。俺はこのために仕事も全部頑張ってきたんだから。一日で終わらせたんだぞあの量を。このためにな。だから俺は口角を上げて服を取りに行こうとした。けど駿里が…。



「あ、あの!」

「どうした駿里。」

「寛也…ほんとにするの…?」

「何を今更。それにお前も期待してんじゃねぇの?パーティしてる最中もやけに俺の事チラチラ見てたじゃねぇか。」

「…そんなの、意識しないとか無理だもん。」



はっ…。なんだよそれ。あー今ので完全にスイッチ入ったわ。駿里のせいだ。出来るだけ理性を抑えるようにはするが…無理だろうな。



「組長。電気暗くしましょっか。」

「そうだな。駿里、パーティはどうだった?」

「…た、楽しかったよ。」

「じゃあこれからもっと楽しませてやる。夜は長いからな。」
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