極道の密にされる健気少年

安達

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本気

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*駿里視点





「約束だ駿里。その約束破った時は朝まで解放されねぇ上にそれが1週間続くと思え。」



1週間…。まさか…はは。まさか本気で言ってるわけじゃないよね…。だって寛也も仕事があるんだ。だから絶対冗談に決まってる…はは。



「…はは。冗談だよね寛也っ、もーやめてよ!」

「駿里。この状況で組長が冗談を言うと思うか?」



やめて康二さん。俺は今現実逃避をしてるの。現実を突きつけないで。



「うるさい康二さん…っ!」

「は?なんで怒ってんだよ。」

「怒ってない…っ!」

「どう見ても怒ってんだろ。なんか俺変な事言ったか?」

「…知らない。話しかけないで。」



八つ当たりって分かってる。いけないことしてるのも分かってる。けど今だけ許して…。いやいつもか…。俺いつも康二さんに迷惑かけてんじゃん…。けど康二さんは嫌がってはない。だから…いっか。



「たく、もう。組長どう思いますこいつ。」

「駿里らしいな。」

「え、組長怒んないですか。」

「怒るも何も駿里は別に今は何もしてねぇだろ。なぁ駿里。俺との約束ちゃんと守れるもんな。守れねぇなら話は違ってくるけどよ。」

「守る。」



寛也が微笑んで俺にいいえとは言わせないと言わんばかりに言ってきた。この寛也の笑顔が1番怖かったりする…。俺…一番怖いものが日に日に更新されていってる気がするよ…。



「いい子だ駿里。」

「あいっかわらず組長は駿里に甘々ですねぇー。」

「仕方ねぇだろ。つかお前が言うな康二。お前は結局何されても駿里を許してるし俺より甘々だ。」

「まぁ確かに。それより組長、いつしますか?パーティー。」

「あーそうだったな。」

「しっかり31日にするのもいいと思ったんですけど待てなくないですか?店とか言ったら飾りとか付けられてますし。世間の皆さんも楽しんでますよもう。俺らも早めに楽しみましょうよ。普通に待ちきれません。」



待ちきれない…?康二さんってそんなに仮装したかったの?何年か康二さん達と暮らし始めてから経つ。けどそんな事これまで言ってたっけ?んー…って言ってなかった気がするなぁ。



「そうだな。俺も待ち切れる気がしない。」



え…寛也も…?待ちきれないってどういうこと?普通に皆集まってこうやってパーティーするのが中々ないからかな…。俺もしかして…変なことされる…?いやけど海斗も来るんだ。さすがの寛也も康二さんも海斗の前で変なことするわけが無い。だから安心していい…はず。



「2人とも凄く楽しみそうだね。」

「当たりめぇだろ。中々ないぜこんなに楽しみな事。んで駿里、お前は何の仮装するんだ?せっかくなら可愛い系にするか?例えば…ナース服着るとか。」



う…っ。何それ…。嫌に決まってんじゃん!寛也とか康二さんの前だけならまだしも圷さんや森廣さん、海斗に危険な志方さんまで来るんだ。そんなことできるか…つ!



「…そっ、それは康二さんの変態趣味だからしない!」

「えー面白くねぇ。せっかくなんだから着てくれよ。」

「あーっ、も、離れて…っ、くっつくな…っ!」



康二さんは余程俺にナース服を着て欲しいのか俺にくっついてきて離れなくなった。しかもなんかほっぺとか色んなところ触ってくる…!寛也も止めてくんないし…!



「離れて……っ!!」

「ならナース服。着ろよー。な?」

「嫌だー!」

「着ろって。お前の大好きな組長も喜ぶだろ。」

「喜ぶのは康二さんだけだからっ、退いて…っ!」



ぜんぜっん康二さん離れてくれない…!これまさか俺がナース服着るって言うまで離れてくれないパターン!?それは…それはまずいぞ…。



「退かねぇよ。お前が可愛いから。」

「理由になってないからっ、寛也助けて…!」

「俺は結構お前らの戯れを見るのが好きなんだ駿里。」

「な、なんだよそれっ、助けてってば…っ!」



一番寛也が意味わかんないこと言ってるし!どうしよ…っ。このままだと俺一生康二さんの腕の中にいることになる…っ。いやそれの方がマシだ…。ナース服なんか着るぐらいなら…っ。



「助けて欲しいのか駿里。」

「助けて寛也…!」

「なら駿里。ゾンビの仮装とかどうだ?」

「…え?」



ほんとに寛也何言ってんの…!?助けて欲しいって話からなんでゾンビの仮想の話になるんだよ…!!



「なんかの仮装をお前がするって言うなら康二から助け出してやるよ。どうする?駿里。」



なんかの…ってことは別にナース服じゃなくていいってことだよね。ゾンビとかなら変な服じゃないだろうし…。それなら…!



「や、やるから何かは…!」

「なら解放してやる。」

「あー組長。奪わないでくださいよ。」
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