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あや様リクエスト
到着まで
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*駿里視点
「ちーかーやー!何してるの!早く来てよー!」
「ちょっと待て。分かったから。」
いざ家を出ようってなったのに寛也が中々リビングから出てこない。何してんだろーって俺は寛也の名前を玄関から呼ぶけどちょっと待てと言われてしまった。
「…何かあったのかな?」
もしかしたら誰かから電話がかかってきたりしたのかもしれない。あるいは準備物に足りないものがあったのかもしれない。そう思った俺は寛也のことが心配になってリビングまで行くことにした。
「寛也?大丈夫?」
と、俺がリビングの中に入ると寛也は案の定電話をしていた。だけどリビングに入ってきた俺を見つけた寛也は電話をしながら俺の事を抱きしめてくれた。だから俺も大人しく待った。そんなこんなで電話を終えた寛也は俺の頭を撫でてくれた。
「悪いな駿里。どうしても出ないといけねぇ相手でよ。待たせちまったな。」
「ううん。待ってないよ。」
「優しいなお前は。よし、じゃあ行くか。康二が駐車場で待ってる。志方も圷も準備出来たそうだ。」
「ほんと…!?」
「ああ。」
「やったっ、早く行こ…!」
「そうだな。」
俺は久々の寛也の実家に行けることが嬉しくて口角を上げたまま歩き始めた。そんな俺を見て寛也も嬉しそうに笑うから余計に嬉しくなるんだ。
「あ、駿里。」
「どうしたの?」
エレベーターに乗った時寛也が何かを思い出したように俺の名前を呼んできた。もしかして何か忘れたのかな。
「そういえば海斗も来るぞ。」
「え!?ほんとに!?」
俺は海斗にしばらく会えてない。なんでかって言うと圷さんのせいだ。圷さんが海斗を外に出さないから。だから本当に海斗に会うのは久しぶりなんだ。
「ああ。本当だ。」
「嬉しい…!」
「お前は海斗にしばらく会えてないもんな。」
「うん。なかなか会えないから。」
「そうだよな。圷はあー見えて独占欲の塊だからな。それもあって俺は圷を実家に連れて行くことにしたんだ。」
「どういうこと?」
「圷が俺の実家に来るってなったら海斗は1人になるだろ?それを圷が許すわけが無い。だからだ。」
なるほど…。圷さんを遠くに連れ出せば海斗も外に出れるってことか。寛也ってほんと優しいよね。
「そういうことだったんだ。」
「ああ。よし、1階に着いたぞ。駿里、行こう。」
「うん…!海斗も車に乗ってるの?」
「いや、あいつは圷の車だ。定員オーバーになるからな。俺達が乗る車には志方、康二、そんで俺とお前だけだ。」
「じゃあお義父さんの家に着いた時に海斗に会えるってことか!」
「そういうことだ。」
楽しみが増えた…!海斗にも会えてお義父さん達にも会える…!いい事ばっかりだ!
「あ、康二さんの車だ。」
「だな。」
俺は駐車場に止まっていた1台の車を見つけてそう言った。何度も見た康二さんの車。忘れるはずがない。
「康二。志方。待たせたな。」
「いえ。待ってませんよ。俺らもさっき来たところですから。」
本当は多分、康二さんも志方さんも待ってる。けど俺たちを気遣っていつもそう言ってくれる…ってのもあるけど待ちきれないってのもあるんだろうな。なんだかんだ言って志方さんも康二さんもお義父さんたちが好きだから楽しみなんだろうな。
「そうか。」
「はい。てことで乗って下さい。車出しますよ。」
「ああ。安静運転で行けよ康二。」
「お任せを。」
運転は大抵康二さんだ。ていうか志方さんが運転してるところ見たことないかも…。
「志方さん。」
「どうした駿里。」
「志方さんってあんまり運転しないの?」
「駿里。志方は運転が下手なんだよ。」
「おい康二!余計なこと言うなよ!」
康二さんにそう言われて志方さんが否定しないところを見る限りほんとっぽい。なんか意外かも。
「あはは、そうなんだ。志方さんにも苦手なことあるんだね。」
「そりゃあるさ。けど駿里がドライブ行きたいって言うなら俺は車運転すんの練習するぞ。」
ドライブかぁ…。行きたいなぁって俺が思っていると康二さんが…。
「やめとけ志方。車が壊れる。勿体ねぇ事すんな。」
「…康二、てめぇ。駿里の前でそういうこと言うな。」
そ、そんなに志方さんって運転苦手なんだ…。練習なんてしたら志方さんが怪我しそう…。
「事実だろうが志方。それにお前は運転禁止だ。忘れたのか?俺の車で事故ったからな。しかも駐車場で。」
「そ、それはすんません組長…。」
「駐車場で事故したの…!?!」
俺は驚きのあまり声を荒らげてしまった。俺は運転をしないし、まだ免許も取れないから運転についてはよく分からないけど駐車場って事故するとこがあるように思えなかったから。
「そうだ。駐車してる最中に壁に軽くぶつけたんだ。車をな。怪我がなかったから良かったものの。」
寛也が怒ってる理由って車が傷つけられたからじゃなくて志方さんが怪我をしそうになったからなんだ。なんか寛也らしいね。
「知らなかった…。」
「お前には言ってなかったからな。志方に言うなって言われてたから。」
「なのになんで言うんですか組長…。」
「別にいいじゃねぇか。車運転出来なくたってなんも困らねぇだろ?」
「そうですけど…もうこの話は終わりです!終わりにしましょ!」
志方さんが恥ずかしそうにそう言った。その横で康二さんが少し笑ってた。
「ははっ、志方さん顔赤い。」
「駿里!そういうこと言うな!お前後で抱き潰すぞ!」
「おい志方。今なんつった?」
「じょ、冗談ですよ組長…あはは。」
寛也は怒った風に志方にそう言ったけど実際はそこまで怒ってなかった。それは近くにいる俺が1番わかった。
「寛也。そういえば何泊するの?」
「んー仕事が入らなければ5泊だな。」
「そんなにするの…!?」
「嫌だったか?」
嫌なわけないじゃん!むしろ嬉しいすぎる!けどそんなに俺のわがままに付き合わせて申し訳ないって気持ちも出てきちゃう…。
「嫌なわけないよ!けど仕事は大丈夫なの…?」
「大丈夫だ。森廣に事務所任せてるから安心しろ。それに今はこうして康二と志方も連れ出せるほど余裕があるからな。」
「それなら良かった。」
「ああ。そうだぞ。だから何も気にせずに楽しもう。」
「うん!」
「ちーかーやー!何してるの!早く来てよー!」
「ちょっと待て。分かったから。」
いざ家を出ようってなったのに寛也が中々リビングから出てこない。何してんだろーって俺は寛也の名前を玄関から呼ぶけどちょっと待てと言われてしまった。
「…何かあったのかな?」
もしかしたら誰かから電話がかかってきたりしたのかもしれない。あるいは準備物に足りないものがあったのかもしれない。そう思った俺は寛也のことが心配になってリビングまで行くことにした。
「寛也?大丈夫?」
と、俺がリビングの中に入ると寛也は案の定電話をしていた。だけどリビングに入ってきた俺を見つけた寛也は電話をしながら俺の事を抱きしめてくれた。だから俺も大人しく待った。そんなこんなで電話を終えた寛也は俺の頭を撫でてくれた。
「悪いな駿里。どうしても出ないといけねぇ相手でよ。待たせちまったな。」
「ううん。待ってないよ。」
「優しいなお前は。よし、じゃあ行くか。康二が駐車場で待ってる。志方も圷も準備出来たそうだ。」
「ほんと…!?」
「ああ。」
「やったっ、早く行こ…!」
「そうだな。」
俺は久々の寛也の実家に行けることが嬉しくて口角を上げたまま歩き始めた。そんな俺を見て寛也も嬉しそうに笑うから余計に嬉しくなるんだ。
「あ、駿里。」
「どうしたの?」
エレベーターに乗った時寛也が何かを思い出したように俺の名前を呼んできた。もしかして何か忘れたのかな。
「そういえば海斗も来るぞ。」
「え!?ほんとに!?」
俺は海斗にしばらく会えてない。なんでかって言うと圷さんのせいだ。圷さんが海斗を外に出さないから。だから本当に海斗に会うのは久しぶりなんだ。
「ああ。本当だ。」
「嬉しい…!」
「お前は海斗にしばらく会えてないもんな。」
「うん。なかなか会えないから。」
「そうだよな。圷はあー見えて独占欲の塊だからな。それもあって俺は圷を実家に連れて行くことにしたんだ。」
「どういうこと?」
「圷が俺の実家に来るってなったら海斗は1人になるだろ?それを圷が許すわけが無い。だからだ。」
なるほど…。圷さんを遠くに連れ出せば海斗も外に出れるってことか。寛也ってほんと優しいよね。
「そういうことだったんだ。」
「ああ。よし、1階に着いたぞ。駿里、行こう。」
「うん…!海斗も車に乗ってるの?」
「いや、あいつは圷の車だ。定員オーバーになるからな。俺達が乗る車には志方、康二、そんで俺とお前だけだ。」
「じゃあお義父さんの家に着いた時に海斗に会えるってことか!」
「そういうことだ。」
楽しみが増えた…!海斗にも会えてお義父さん達にも会える…!いい事ばっかりだ!
「あ、康二さんの車だ。」
「だな。」
俺は駐車場に止まっていた1台の車を見つけてそう言った。何度も見た康二さんの車。忘れるはずがない。
「康二。志方。待たせたな。」
「いえ。待ってませんよ。俺らもさっき来たところですから。」
本当は多分、康二さんも志方さんも待ってる。けど俺たちを気遣っていつもそう言ってくれる…ってのもあるけど待ちきれないってのもあるんだろうな。なんだかんだ言って志方さんも康二さんもお義父さんたちが好きだから楽しみなんだろうな。
「そうか。」
「はい。てことで乗って下さい。車出しますよ。」
「ああ。安静運転で行けよ康二。」
「お任せを。」
運転は大抵康二さんだ。ていうか志方さんが運転してるところ見たことないかも…。
「志方さん。」
「どうした駿里。」
「志方さんってあんまり運転しないの?」
「駿里。志方は運転が下手なんだよ。」
「おい康二!余計なこと言うなよ!」
康二さんにそう言われて志方さんが否定しないところを見る限りほんとっぽい。なんか意外かも。
「あはは、そうなんだ。志方さんにも苦手なことあるんだね。」
「そりゃあるさ。けど駿里がドライブ行きたいって言うなら俺は車運転すんの練習するぞ。」
ドライブかぁ…。行きたいなぁって俺が思っていると康二さんが…。
「やめとけ志方。車が壊れる。勿体ねぇ事すんな。」
「…康二、てめぇ。駿里の前でそういうこと言うな。」
そ、そんなに志方さんって運転苦手なんだ…。練習なんてしたら志方さんが怪我しそう…。
「事実だろうが志方。それにお前は運転禁止だ。忘れたのか?俺の車で事故ったからな。しかも駐車場で。」
「そ、それはすんません組長…。」
「駐車場で事故したの…!?!」
俺は驚きのあまり声を荒らげてしまった。俺は運転をしないし、まだ免許も取れないから運転についてはよく分からないけど駐車場って事故するとこがあるように思えなかったから。
「そうだ。駐車してる最中に壁に軽くぶつけたんだ。車をな。怪我がなかったから良かったものの。」
寛也が怒ってる理由って車が傷つけられたからじゃなくて志方さんが怪我をしそうになったからなんだ。なんか寛也らしいね。
「知らなかった…。」
「お前には言ってなかったからな。志方に言うなって言われてたから。」
「なのになんで言うんですか組長…。」
「別にいいじゃねぇか。車運転出来なくたってなんも困らねぇだろ?」
「そうですけど…もうこの話は終わりです!終わりにしましょ!」
志方さんが恥ずかしそうにそう言った。その横で康二さんが少し笑ってた。
「ははっ、志方さん顔赤い。」
「駿里!そういうこと言うな!お前後で抱き潰すぞ!」
「おい志方。今なんつった?」
「じょ、冗談ですよ組長…あはは。」
寛也は怒った風に志方にそう言ったけど実際はそこまで怒ってなかった。それは近くにいる俺が1番わかった。
「寛也。そういえば何泊するの?」
「んー仕事が入らなければ5泊だな。」
「そんなにするの…!?」
「嫌だったか?」
嫌なわけないじゃん!むしろ嬉しいすぎる!けどそんなに俺のわがままに付き合わせて申し訳ないって気持ちも出てきちゃう…。
「嫌なわけないよ!けど仕事は大丈夫なの…?」
「大丈夫だ。森廣に事務所任せてるから安心しろ。それに今はこうして康二と志方も連れ出せるほど余裕があるからな。」
「それなら良かった。」
「ああ。そうだぞ。だから何も気にせずに楽しもう。」
「うん!」
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