極道の密にされる健気少年

安達

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誘拐

朝 *

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「お、起きたか。調子はどうだ。」

「…………っ。」



駿里が目を覚ますと目の前に凪がいた。だから駿里は咄嗟に距離を取ろうとしたが身体が痛くて動くことが出来なかった。



「そう怯えなくていい。俺はただお前の世話に来ただけだからよ。」



そう言いながら凪は駿里の頬にキスを落とす。その瞬間駿里は震え上がった。怖くて怖くて仕方がなかったから。そんな駿里をみて笑いながら凪は口を開いた。



「駿里はビビりだな。つかお前さ、俺の名前覚えてるか?」



名前…?名前…。なんだっけ…。駿里は暉紘の名前は覚えていたがこの人の名前は覚えていなかった。そのため駿里は焦り始める。名前を言えなかったらまた酷いことをされてしまうかもしれないから。けど嘘をつく方がダメだ…。だから駿里は…。



「…、わか、りませっ、」



と、声を震わせながら言った。そしたら意外にも凪は怒らなかった。怒るどころか駿里にまたキスをして頬を撫でてきた。



「ボスにちゃんと調教されたみたいだな。いい子だ駿里。



凪はそう言ってまた駿里にキスをする。何度も何度もキスをした。その度駿里は必死に耐えた。嫌悪感と戦いながら拒む事をせず頑張って耐えた。そうすればきっといつか逃げ道が出てくるから。



「俺の名は凪だ。覚えとけ。一生付き合うことになるからな。」

「…………っ。」

「おい。返事は?」

「…、はっ、ぃ、」

「そうだ。いい子だぞ。」



駿里が言うことを聞く度に凪は執拗に褒めてくる。暉紘と同じだ。多分凪は暉紘にそうしろと指示をされているのだろう。駿里が拒めばとことん痛めつける。そして言うことを聞けばこうして優しくする。そうすれば必然的に駿里は従うことしか出来なくなってしまうから。



「昨日はあんなに暴れまくってたのに意外とお前調教されると弱いんだな。」



そう言いながら凪は駿里の体を撫でる。駿里は今裸の状態だ。布団を被っているとはいえども恥ずかしかった。だから布団から決して出ないようにしていたのに凪は容赦なく布団をはいだ。



「ボスの痕だらけじゃねぇか。俺も付けるか。」

「…………や、」

「あ?」



凪が駿里の上に覆いかぶさってきた。そしてその後凪は駿里の首元に顔を近づけた。だがその時駿里は思わず嫌と言いそうになってしまう。それを凪は見逃さなかった。



「お前今なんて言おうとした?」



拒めばどうなるかなんて昨日痛いほど知ったはずなのに駿里は反射的に言ってしまった。寸前で止まったものの凪は許してくれない様子だ。



「まさか拒もうとしたのか?俺を。」



そう言った凪に駿里は必死で首を横に振る。そうしないと酷い目に遭う。またイキ狂う。それが怖くて怖くて駿里は涙が溢れてきた。



「そうだよな。違うよな。お前が俺を拒むなんてことねぇよな。」



凪の機嫌が良くなった。駿里は危機一髪躾を回避出来たようだ。そのため慌てて駿里は話し出した。この機会を逃せば躾をされてしまうから。



「ごめ、んなさいっ…。」

「お、ちゃんと謝れて偉いな。でも次はねぇからな。分かったか?」



これは脅しなんかじゃない。本気だ。凪は本気でそう言ってる。だから駿里は…。



「はい…っ。」



と、言うしか無かった。そう言わなければ昨日のようになってしまうから。



「いい子いい子。でもまじでお前いい子になったな。昨日は帰る帰るって騒いでたのに。もう帰る気も失せたのか?」

「………………っ。」



そんなわけが無い。帰りたくて仕方がない。寛也に会いたい。抱きしめて欲しい。けどそれは今はできない。だから駿里は必死に我慢しているだ。なのにそんなことを凪に言われて駿里は思わず黙り込んだ。今は黙りこまずにそうですと言う場面だったのに。そのため案の定凪が…。



「おい駿里。また無視か?無視はよくねぇよな。」

「…っ、ごめん、なさっ、ぃ、」



駿里はとりあえず凪に謝った。そしたら多分機嫌だけでも取れるから。しかしその駿里の態度が凪のカンに障ってしまったらしい。



「なんだその態度は。まさかお前まだ旭川が助けてくれるとか思ってんのか?」



馬鹿にするように凪にそう言われた駿里。そのため駿里は我慢出来なかった。だってそもそもこの人はマフィアでこの顔面。駿里なんかを相手にしなくても相手には絶対困らない。いつだってやろうと思った時にやれるだろう。なのにこうして駿里を監禁し侮辱する。だから駿里は耐えきれず…。



「…思ってて悪いですか。」 

「あ?」

「俺はここにいたくてここにいるんじゃないっ、だから帰りたいと思うのは普通だ…っ!!」

「ああ。そうだな。だがそれは無駄な事だ。」

「や、っ、ぅ…やめっ!」



駿里が反抗してきたのがお気に召さなかったらしく凪は駿里の乳首で遊び始めた。先っぽを転がしカリカリと擦る。そのため駿里は暴れて逃げようともがいたが凪に両手首を片手で捕まれ身動き出来なくなってしまった。



「は、はなせ…っ!!」

「離さねぇよ。ほらここ気持ちいいだろ?」

「く゛…っ、ぅ、やめっ、ろ、」



勝手に体が反応してしまう。気持ちよくなりたくないのに駿里は感じてしまっていた。それを面白がって凪は駿里の乳首を触ることをやめない。



「おねがっ、ぃ、やめて…っ!」

「やめねぇって。話したい事あるならそのまま話せよ。まぁ話した所で旭川は助けに来ねぇけどな。」



相変わらず駿里の乳首をいたぶりながら凪がそう楽しそうに話した。そんな凪に駿里は声を荒らげた。



「ぅ、そんなのっ、分からないっ、じゃないですか…っ、く゛っ、ふっ、ぅ、ちかやはぜったいっ、」

「絶対助けてくれるって?笑わせんな。お前がここに来てもう1日経つ。2日目を迎えたんだよ。なのに旭川は助けに来ない。相手が俺達だからだ。俺の言っている意味が分かるか?」

「でも…っ、ちかやは…っ、」

「はは、ほんとに腹立つなお前。どんだけ旭川が好きなんだよ。」



凪はそう言うと一旦駿里の乳首を解放した。そして今度は駿里の顔を鷲掴みにする。



「な、なにっ…、」

「いいか?お前はそもそも旭川に拉致られてあそこにいたんだろ?そんであいつを好きになった。けどそれは愛とかそういう感情じゃねぇんだよ。お前はこの世に旭川しか頼る人がいなかった。だからお前は単に依存してんだよ旭川にな。」

「ちが…っ、ぅ、」

「いいや違わない。俺らが先にお前の事を拉致ってたら多分お前は俺らのこと好きになってたぞ。」

「そんなわけない…っ!!」

「いいやあるね。お前みたいに親に愛されずに育った人間はそうなるんだよ。たとえ相手がヤクザだろうがマフィアだろうがな。」

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