極道の密にされる健気少年

志方と島袋に連れ去られる話

駿里の爆発寸前 ＊

＊駿里視点






｢おい駿里。返事はどうした。｣



約束は確かに寛也とした。勝手に外に出ない。だから当然家出もしちゃいけない。確かに約束したんだ。でもやりすぎる寛也も悪いと思う。そう思うのは俺がおかしいのかな…。だけどここで返事をしなかったらもっと怒られる…。



｢…わかった。｣



やっぱり寛也に何を言われても納得できない部分が俺にはあった。約束を破ったのは俺でそれはちゃんと反省してる。だけど全部が全部俺が悪くて寛也は何も悪くない。それはやっぱりおかしいんじゃないかな…。俺がそんなことを思っていると寛也が俺の頭を撫でてきた。



｢よし。いい子だ。｣



寛也に怒られた後だからか頭をただ撫でられてるだけなのに俺は安心感を覚えた。いくら同じ時間を多く過ごしても寛也が怖いという感情は少し残っている。そのためだろう。寛也が怒っていないと確認することで俺は心から安心できるんだ。だから今も安心出来る…はずだった。



｢ならまずは服を脱げ。｣

｢…え？｣

｢あ？｣



え？寛也…俺に服脱げって言った…？



｢な、なんで服…脱ぐの？｣

｢そんなの決まってんだろ。やるからだ。｣

｢さっき散々やった…っ！｣

｢それとこれとは別の問題だ。これはお前が家出をしようとしたことに対しての仕置きなんだから。｣



俺が家出しようとしたのには寛也も関係してるのになんで…。約束事は約束事。寛也が悪くても俺はそれを破ってはいけない。どんな理由があっても？そんなの…おかしいよ。



｢…いや、です。｣

｢は？｣



俺がまさか拒否すると思わなかったんだろう。寛也は少し目を見開いて驚いた表情をした。けど直ぐに真顔になった。俺はこの寛也の顔が嫌いだ。怖いから。でも怖くても嫌なものは嫌なんだ。だから俺は…。



｢…やだ。｣



と、言った。そしたら寛也が俺の乳首を急にぎゅっと摘んできたんだ。



｢いっ、ぁ、いたい…っ。｣

｢そりゃそうしてるからな。約束を破った挙句にこんな態度を取られちゃ俺も怒るぞ。｣



納得いかない…。俺も俺で我慢してる。ずっと我慢してることもある。なのになんで俺がこんなに怒られなきゃいけないんだ。でもやっぱり寛也は怒らせないにこしたことはない。だから俺は思うことは色々あったが謝ることにした。



｢っ、ごめ、んっ、なさぃ…っ。｣

｢涙目で謝るぐらいなら初めからすんな。｣



初めからすんなって…なんだよ。俺にそうさせてんのは寛也じゃんか。だから俺は思わず寛也を睨んでしまった。そんな事したら自分の首を絞めるだけなのに。そのため案の定…。



｢そうか。お前がそういうつもりなら俺も容赦しねぇ。｣

｢…………っ。｣



寛也の低い声に俺は震えそうになった。いつもはあんなに優しくて大好きな人。だけどこういう時の寛也は嫌いだ。



｢おい駿里。何震えてんだ。｣

｢…………っ。｣



何も俺は喋れなくなった。あまりの寛也の怖さに…。そんな俺を見て寛也がため息をついてきた。



｢あのな駿里。俺も怒りたくて怒ってるわけじゃねぇ。お前が心配なんだ。だから分かってくれ。そうしねぇとお前をガチガチに拘束して死ぬほどイカせてお前が気絶するまで折檻することになるからな。｣

｢い、いや…っ！｣



俺は寛也の言葉が冗談に聞こえなかった。いやこれで済むならまだマシかもと思ったほどに今の寛也は本気に見えた。だから俺はすぐにそう言った。そうしないと本当にそうなってしまいそうだったから。



｢そうだよな。嫌だよな。｣



俺は涙目になりながらその寛也の言葉に頷いた。そしたら寛也が優しく俺にキスをしてくれた。



｢ん…っ、んんっ！？｣



軽く唇が当たるだけのキスのはずだったのに寛也の舌が俺の口の中に入ってきた。その瞬間思わず俺は体を硬直させてしまった。これからお仕置きが行われる。それを思い出してしまったから。



｢どうした駿里。そんなに怯えなくていい。｣

｢だ、だって…っ。｣

｢大丈夫だ。酷くはしない。｣

｢ほんと、に…？｣

｢ああ。ほんとだ。｣

｢…よかった。｣

｢だから早く脱げ。酷くされたくなければな。｣



ここでやっと寛也の思っていることがわかった。酷くしない。それは嘘だ。酷くされたくなければ寛也の言うことを聞くしかない。そんなの俺は納得いかなかった。けど酷くはされたくないので俺は寛也の言う通り上の服を脱ぎ始めた。



｢何をしてる。下も脱げ。｣

｢うぅ…っ。｣

｢文句は言わせねぇぞ。チンたらすんな。早くしろ。｣



寛也が怒ってしまう。俺はそれを恐れて言うことを聞いていた。でもこんなの…恋人でもなんでもないじゃないか…。そんな俺とは裏腹に満足そうに寛也は笑っていた。



｢いい子じゃねぇか駿里。｣

｢……………っ。｣



いつもなら嬉しいはず。褒められて喜ぶはずなのに今日は嬉しくなかった。そんな俺を寛也はさらに追い込んできた。



｢じゃあ自分でいじってみろ。｣

｢…え？｣

｢ここに指を入れて慣らすんだ。｣



何言ってんの…寛也。俺そんなことしたことないのにできるわけが無いじゃんか…。



｢で、できない…っ、｣

｢まぁそうだろうな。やらせた事ねぇしよ。｣



それなら分かってよ…。なんで急に俺にそんな事させるの…。



｢けどやるんだ。これはお仕置きだから無論、異論は認めねぇぞ。｣

｢…む、むりっ、｣

｢無理じゃねぇ。ほら手を貸してみろ。ここに指を挿れるんだ。｣

｢あっ、ちょ、ちょっと！｣



俺はなるべく寛也を拒否しないように頑張っていた。だけど寛也は容赦ない。俺の手を無理やり掴むと俺の指を無理やり俺の後孔に挿れてきた。寛也とは違う。自分の指なんだから当たり前だけど俺は気持ちが悪かった。



｢や、やだっ、気持ち悪い…っ、｣

｢何言ってんだ。いつも俺が挿れたら気持ちよさそうに喘いでんじゃねぇか。｣

｢だってちかやのじゃ、ないもん…っ。｣

｢可愛い事言うじゃねぇか。けど今は俺はやらねぇ。だから自分で慣らしてみろ。｣

｢うぅ…っ。｣



寛也が怒ってしまう。やらないと酷いことされる。それを思うと俺はやるしかなかった。だから嫌だけど俺は頑張って指を動かしてみた。



｢どうだ？｣

｢へ、変な感じ…っ。｣

｢そうか。仕方ねぇ。手本見せてやる。｣



よかった…。これでやっと終わる。そう思って俺は指を抜こうとした。だがその手を何故か寛也に掴まれた。



｢おい。お前は指を中に挿れたままだ。｣

｢え？ち、ちかやが今から指挿れるんだよね…？｣

｢ああ。｣

｢なら抜く…っ！｣

｢駄目だ。抜くな。｣

｢なんで…っ。｣

｢いいから言うことを聞け。そのままにしてろ。｣



横暴だ…っ、なんでここまでするんだよ…っ。って俺は思ったけど言えなかった。いや言う勇気がなかったんだ。俺は意気地無しだから。



｢あっ、ぅ…っ、｣

｢しっかり感じてんじゃねぇか。｣



当たり前だ。毎晩毎晩俺を泣かせている指なんだから。どこいじれば俺が泣くか気持ちよくなるのか全部知ってる。だから気持ちよくないわけが無いじゃないか。



｢駿里。よく覚えとけ。こうやって優しくやるんだ。｣

｢ふっ、ぅ、ぁっ、｣



気持ちいい…。それが俺は悔しかった。だから俺は乱暴に指を動かした。早くこの地獄を終わらせたかったから。でもそれが寛也を怒らせてしまった。



｢おい。誰が乱暴にやれっつったか？｣

｢だって…っ、｣

｢言い訳をするな。｣



寛也の顔が変わった。さっきの怒った顔だ。それも本気で怒った顔。そうだ。寛也は俺が傷つくのが1番嫌いだったんだ。



｢…ごめんなさいっ。｣

｢また同じ事やったら気絶するまで泣かせるからな。｣



俺は寛也のその言葉に頷いた。そしたら寛也は俺を優しく撫でてくれた。だけどそれは決して俺のことを許したわけじゃない。二度とやるなよっていう俺への忠告なんだ。



｢駿里。指をもう少し奥に挿れてみろ。｣

｢…っ、ぁ、うっ、こわいっ、｣

｢大丈夫。怖くねぇから。｣