極道の密にされる健気少年

安達

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志方と島袋に連れ去られる話

いわせないで!

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*寛也視点






































「…おれも。寛也すき。」



は?恥ずかしがって滅多にそんな事言わねぇくせに何急に可愛い事言ってんだ馬鹿。いや、待てよこの際だから…。



「駿里。もう1回。」



普段駿里があまり愛を伝えてくれないため俺は言ってくれる時に駿里に沢山言わせてやろうと思った。だから駿里の頬にキスをしてそう言った。だが…。



「…やだ。」



と、言われてしまった。まぁそうだよな。さっきは恥ずかしがり屋のお前が勇気を振り絞って言ってくれたんだから。けど恥ずかしさに慣れたら何回でも言えると思わねぇ?俺はそう思うぞ。



「頼む。」

「…いや。言わない。」

「なんで。」

「恥ずかしいもん…。」

「1回だけ。頼む。」

「やだ…っ。」

「駿里。頼む。」



言わせたい。愛していると駿里にどうしても言わせたかった俺は駿里のことを抱きしめ抱き寄せた。そんで駿里の口にキスをした。早く言え…その意味を込めてな。そしたら駿里は俺に応えてくれた。従順にな。



「…あい、してる。」



ああ。可愛いな。顔を真っ赤に染めて恥ずかしさを隠すように俺に抱きついてきた。そんな駿里をもちろん俺も抱きしめ返す。けどやっぱ顔が見たくなった俺は駿里を無理やり離して顔を覗き込んだ。そしたら駿里は目を泳がせた。俺と目を合わせることだけで恥ずかしくなっちまったらしい。



「こっち見ないで…っ!」

「可愛いやつ。」



見ないでと言われれば逆に見たくなる。だから俺は駿里の顔を鷲掴みにして抱き寄せた。駿里が身動き出来ないようするために。



「ちょ…ちょっと、寛也!」

「おら。逃げんじゃねぇよ。」

「やだっ、離してってば…っ!」



ああ。なんて可愛んだろうなぁ。これを前にして我慢?無理だな。よし、可愛がってやろう。俺がそう決めたその時…。



ガチャ




と、玄関が開く音がした。その音が聞こえた瞬間駿里は助かったみたいな顔をしやがった。こいつ…後で覚えてろよ。



「ち、ちかやっ、誰か来た…っ、」

「そうだな。」

「離してよっ、見られちゃうってば…っ!」

「今更だろ。」

「で、でも…っ、やなのっ!」

「たく…仕方ねぇな。どうせ来たのは康二だろ。」



駿里があまりも嫌がるから俺は解放してやった。お仕置きした後だからな。優しくしてやんねぇと。



「…あ、新しい人?」



駿里は初めなんで康二?みたいな顔をしていた。けど
康二が来る理由が分かったらしく俺にそう言った。その顔が可愛くて俺はまた駿里にキスを落とす。



「そうだ。」



俺はそう言うと面倒だが起き上がった。新しくこれから仲間になるやつが来たからな。駿里との時間を楽しみたいが少しだけ我慢だ。そう思って立ち上がると何故か駿里も起き上がろうとしていた。あ?何してんだこいつ。俺はそう思い半無理やり駿里を寝かしつけた。



「うわっ、なにすんだ!」

「そりゃこっちのセリフだ。お前はここにいろ。」

「やだっ、俺も行きたい。」

「駄目だ。」

「なんでよ。」

「会わせたくねぇ。」

「……………。」



駿里も新しいやつに挨拶がしたかったんだろう。だが今は本調子じゃねぇし俺は駿里に無理をして欲しくない。挨拶なんていつでも出来るからな。だから…。



「お前はまだ体も痛ぇだろ。休んでろって。」

「痛くない。」

「嘘つけ。」

「嘘じゃない。」



あーこいつ…。こうなったら俺が何を言っても無駄なんだよなぁ。どうすっかな…。



「お願い寛也。長い付き合いになるなら尚更挨拶したい。」



駿里にそう言われて正直俺は迷った。別にそれは今じゃなくてもいいからな。けど駿里の意見を尊重してやることも大切…。くそ、俺の負けだ駿里。



「…分かった。けど俺から離れるなよ。」

「うん。分かってる。」

「それと必要以上に喋るな。」

「わかったってば!」



駿里の体が心配のあまりおれは口うるさくなってしまった。だから当然駿里に嫌な顔をされてしまう。これ以上駿里に嫌われるのも嫌だったので俺は駿里の腕を引いて歩き出した。



「…行くぞ。」

「寛也。そんな顔しないで。」

「無理だ。」

「もー仕方ないなぁ。」



…は?今こいつ俺にキス、した?自分から?



「機嫌直った?」

「ああ。」

「じゃあ行こ!」



そう言って駿里が俺の手を引いてきた。ああ。ほんとにこいつは。こいつには叶わねぇな。そんなことを思いながら駿里と2人でリビングに行くと康二と翔真がいた。



「寛也さん。駿里さん。お疲れ様です。」

「翔真…だったよな。基本的にお前の事は康二に任せるが分からないことがあれば俺にも聞け。それと明後日の商談はお前と行くから準備しとけ。」

「承知しました。」

「じゃあ今日はこの辺でいい。康二、商談の事を翔真に詳しく教えといてやれ。」

「はい。では失礼します。」

「失礼します。」

「ああ。」



俺は駿里と翔真が話すことを極力避けたかったので迅速に終わらせた。そんな俺の事を駿里はちらっと見たが何も言ってこなかった。それよりも翔真の事が駿里は印象に残ったらしい。



「いい人そうだね。」

「そうだな。まぁそれがいいとも限らない。だからその辺も康二が鍛えるだろ。」



極道において優しいは弱点だ。その点の強化も康二に頼まねぇといけねぇなと俺は思いながら駿里のことを見た。俺は駿里との時間を楽しみたいからな。



「この話はこれで終わりだ。こっち来い駿里。」

「うわっ!」



俺は駿里を引き寄せて強く抱き締めた。俺といる時に他の男のことを考えられんのはどうも許せねぇからな。



「うぅ…苦しいってば寛也。」
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