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志方と島袋に連れ去られる話
口聞いてやらないから *
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「よく言った駿里。それでこそ男だ。」
別にそんなふうに褒められても嬉しくは無いけど松下が上機嫌になったのでまぁよしとしよう。でも駿里は新たに悩みが生まれた。それはこの部屋が明るいということ。そんな状態で自慰なんてすれば松下にその姿を見られてしまう。それならせめて暗い方がいい。だけど松下はそれを許してくれるだろうか。いや言ってみなければ分からない。だから駿里は駄目元で松下に聞いてみることにした。
「…電気、消してもいい?」
「駄目だ。」
やっぱりか…と駿里は肩を落としたが明るいのはやはり耐えられない。なので駿里は再び松下にお願いしようと涙目ですがりついた。
「なんで…っ、おねがいっ、」
「なんでじゃねぇよ。電気消したらせっかくお前が1人でするっていうレアなことしてんのに見えねぇだろうが。」
「…………。」
松下はつい本音が漏れてしまった。駿里が1人で出来ないからそれを確かめさせるためにという口実で駿里が1人でしている姿を見たいという思いが膨れ上がるあまり松下の本当の気持ちが漏れた。しかしその気持ちが駿里にバレたところで今更何も変わらない。今更逃してやるつもりなんて松下にはサラサラないから。
「康二さんぜったい楽しんでるよね…。」
「当たり前だろ。」
「さいてい…。」
駿里はここでやっと気づく。松下の罠にかかってしまったんだな…と。だが今更気づいても遅い。あれだけやると言ったのだ。それも駿里は自分の口で言った。だからもう遅いのだ。今更言葉を取り消せないから。
「何とでも言えや。でもどっちにしろ電気は消させねぇよ。だから早くやれ。」
「急かさないでよ…っ、」
本当はもうやりたくない。松下の罠にかかってしまったとわかったから。だから駿里は一人で出来ると言うことを証明するという意思も消えてしまった。しかしそれを松下はきっと許してくれない。いや確実に許さないだろう。だから駿里は腹を括りやろうとしたが松下がやけに急かしてくるので集中できずにいた。
「お前がタラタラするからだろ。」
「もううるさいなぁ…っ。」
このままこれ以上駿里が時間をかければかけるほど松下に急かされる。そうなれば最悪駿里はお仕置きをされてしまうかもしれない。そのため駿里は自慰をする決意をした。そして手を自身のペニスまで持っていき両手で包み込むようにして持った。しかしここで異変に気づいた。駿里がそこを触ったのはいいけれど…。
「あ、れ…?」
なんだこれ…。全然気持ちよくない。むしろ痛いかも…。あれ?どうやってするんだっけ?こうだっけ?いや違うな。どうだっけ?
「ふ…っ、ぅ、」
駿里は想定していなかったこの事態に慌て始める。そして少し荒々しく手を動かしてしまった。そんな駿里をみて松下は顔をしかめると駿里を押し倒して無理やり自慰をやめさせた。
「ちょ、なにっ!」
松下がやれと言ったからやっているのに押し倒されてしまった駿里。そのため松下に声を荒らげたが松下の顔を見た瞬間駿里は縮こまってしまった。それは…。
「誰がそんなに荒々しくやれって言った?」
「…な、なんで、怒ってんの康二さんっ、」
「そりゃ怒るだろ。俺は1人でしろと言ったが自分を傷つけろとは言ってねぇんだから。」
「傷つけてなんかないっ、俺はただ…っ、」
気持ちよくなりたかっただけだ。駿里はただそれだけだ。なのに出来なかったのだ。自分で触れても何も感じない。気持ちよくない。そのため焦りからこうなってしまった。決してわざとでは無い。だがそんなこと松下には関係ないのだ。駿里が自分を傷つけようとした。その事実だけで充分なのだ。
「今度は言い訳か?」
「ちがう…っ、何もそんな怒らなくてもいいじゃんか…っ、怖いよっ、」
「お前がそうさせたんだろ。」
「ちがうもん…っ、」
駿里だって混乱しているのだ。自分でできると過信していたためその分出来なかったこの焦りにただでさえ混乱している。なのにそれに加えての松下のこの怒りよう…。だから駿里はそれもあってか悔しそうな顔をしながら怯えた顔をしていた。しかしそんな駿里をみても松下は甘やかさなかった。
「あのな駿里。いくらやり方を忘れて驚いたとしてもあんな風にやっていい理由にはなんねぇんだよ。」
「………っ。」
松下が怖い。直視できない…。駿里は怖さのあまり松下から目を背けた。だが…。
「おい顔背けんな。」
「だ、だって…っ。」
「また言い訳か?それにお前が1番知ってんだろ。俺はお前が傷つく事が大っ嫌いって事をな。」
そうだとしてもここまで怒る必要ないじゃないか…。怯えさせる必要なんてないのに…と駿里は思いながらも松下に言い返せなかった。それほどまでに今の松下が怖かったから。そんな駿里をみて松下はさすがに言いすぎたと思ったのだろう。ため息をついたあと松下は話し始めた。
「次同じ事したら組長に言いつけるからな。」
「それはいやだ…っ、」
寛也にこの場面を見られでもしたら駿里はとんでもない目に遭うだろう。そもそも駿里は自慰をすることを許されていない。だからそれに対しても怒られるだろうし荒く自分を扱ったことに対しても怒るだろう。その後どうなるかなんて容易に想像できる。そのため駿里は震え上がった。
「だったら二度とするな。分かったな?」
「……わかった。」
「よし。いい子だ。じゃあ続きをするか。」
「…ん?なんの?」
「何のって決まってんだろ。お前が俺の事を怖がらないか確認だ。」
「え、なにそれ?」
怖がらないように…?なにそれ。駿里は初耳だった。じゃあなんだ…。もしかして駿里が今こんなに目に遭っているのって…。
「ずっと俺お前に聞いて確認してただろうが。ここはどうだってよ。」
「う、嘘だよね…?」
やっぱり…やっぱり…そうだ。そんなしょうもない確認のために駿里は酷い目にあっていた。ただ松下が確認したかっただけ。その為だけに駿里は泣かされた。1人でさせられることを強いられた。その事実を知った駿里は怒りが混み上がってきた。
「嘘つかねぇよ。お前が俺怖がっちまったら抱けねぇだろうが。」
「さいていだっ!!!!」
「はぁ?」
駿里がいきなりそう声を荒らげたことに対して松下はどうしたと言わんばかりに首を傾げた。だがそんな松下にすら駿里は腹が立ってしまう。
「俺そんなことのためにこんなに泣かされてんの!?こんな目に遭ってたの!?意味わかんない!!」
「何怒ってんだよ。」
「怒るに決まってんだろ!!康二さんとはもう口聞かないから!!」
「はぁ!?ふざけんな!意味わかんねぇ!」
「意味わかんないのはこっちだよ…っ!!」
駿里は怒りのあまりそう言いながら松下を押しのけて立ち上がった。もう松下と一緒にいたくないと思うほどにまで怒りが増してしまっていたから。しかし松下はそれを許してくれず…。
「おいどこ行くんだよ!」
「はなしてっ、康二さんと一緒にいたくないから離れるんだっ!」
駿里は立ち上がって直ぐに松下に腕を捕まれソファに押し倒されてしまった。またこの体制だ。でも今回はされるがままになんてならない。駿里はそう決意し暴れまくった。だが松下も松下で駿里を逃がさまいと強い力で腕を掴み駿里に馬乗りになる。
「行かせねぇよ。」
「ちょ、離してっ!」
「離したらお前逃げるだろ。」
「当たり前だ!」
「じゃあ離してやれねぇな。」
「なんでっ、離してってば!」
「お前から逃げる気が失せたら離してやるよ。それまでは離さねぇ。」
それいつだよ!駿里はこの怒りが長いこと収まりそうにない。それなのにそんなことを言われても困る。だけど馬乗りになられて腕を掴まれている以上は逃げられない。どうしよう…逃げたいのに…心を落ち着かせたいのに…。でもそれが出来ない。
「やだっ、はなしてっ!」
「だからお前が落ち着いたら離してやるって。でもそれまでは絶対離さねぇからな。」
別にそんなふうに褒められても嬉しくは無いけど松下が上機嫌になったのでまぁよしとしよう。でも駿里は新たに悩みが生まれた。それはこの部屋が明るいということ。そんな状態で自慰なんてすれば松下にその姿を見られてしまう。それならせめて暗い方がいい。だけど松下はそれを許してくれるだろうか。いや言ってみなければ分からない。だから駿里は駄目元で松下に聞いてみることにした。
「…電気、消してもいい?」
「駄目だ。」
やっぱりか…と駿里は肩を落としたが明るいのはやはり耐えられない。なので駿里は再び松下にお願いしようと涙目ですがりついた。
「なんで…っ、おねがいっ、」
「なんでじゃねぇよ。電気消したらせっかくお前が1人でするっていうレアなことしてんのに見えねぇだろうが。」
「…………。」
松下はつい本音が漏れてしまった。駿里が1人で出来ないからそれを確かめさせるためにという口実で駿里が1人でしている姿を見たいという思いが膨れ上がるあまり松下の本当の気持ちが漏れた。しかしその気持ちが駿里にバレたところで今更何も変わらない。今更逃してやるつもりなんて松下にはサラサラないから。
「康二さんぜったい楽しんでるよね…。」
「当たり前だろ。」
「さいてい…。」
駿里はここでやっと気づく。松下の罠にかかってしまったんだな…と。だが今更気づいても遅い。あれだけやると言ったのだ。それも駿里は自分の口で言った。だからもう遅いのだ。今更言葉を取り消せないから。
「何とでも言えや。でもどっちにしろ電気は消させねぇよ。だから早くやれ。」
「急かさないでよ…っ、」
本当はもうやりたくない。松下の罠にかかってしまったとわかったから。だから駿里は一人で出来ると言うことを証明するという意思も消えてしまった。しかしそれを松下はきっと許してくれない。いや確実に許さないだろう。だから駿里は腹を括りやろうとしたが松下がやけに急かしてくるので集中できずにいた。
「お前がタラタラするからだろ。」
「もううるさいなぁ…っ。」
このままこれ以上駿里が時間をかければかけるほど松下に急かされる。そうなれば最悪駿里はお仕置きをされてしまうかもしれない。そのため駿里は自慰をする決意をした。そして手を自身のペニスまで持っていき両手で包み込むようにして持った。しかしここで異変に気づいた。駿里がそこを触ったのはいいけれど…。
「あ、れ…?」
なんだこれ…。全然気持ちよくない。むしろ痛いかも…。あれ?どうやってするんだっけ?こうだっけ?いや違うな。どうだっけ?
「ふ…っ、ぅ、」
駿里は想定していなかったこの事態に慌て始める。そして少し荒々しく手を動かしてしまった。そんな駿里をみて松下は顔をしかめると駿里を押し倒して無理やり自慰をやめさせた。
「ちょ、なにっ!」
松下がやれと言ったからやっているのに押し倒されてしまった駿里。そのため松下に声を荒らげたが松下の顔を見た瞬間駿里は縮こまってしまった。それは…。
「誰がそんなに荒々しくやれって言った?」
「…な、なんで、怒ってんの康二さんっ、」
「そりゃ怒るだろ。俺は1人でしろと言ったが自分を傷つけろとは言ってねぇんだから。」
「傷つけてなんかないっ、俺はただ…っ、」
気持ちよくなりたかっただけだ。駿里はただそれだけだ。なのに出来なかったのだ。自分で触れても何も感じない。気持ちよくない。そのため焦りからこうなってしまった。決してわざとでは無い。だがそんなこと松下には関係ないのだ。駿里が自分を傷つけようとした。その事実だけで充分なのだ。
「今度は言い訳か?」
「ちがう…っ、何もそんな怒らなくてもいいじゃんか…っ、怖いよっ、」
「お前がそうさせたんだろ。」
「ちがうもん…っ、」
駿里だって混乱しているのだ。自分でできると過信していたためその分出来なかったこの焦りにただでさえ混乱している。なのにそれに加えての松下のこの怒りよう…。だから駿里はそれもあってか悔しそうな顔をしながら怯えた顔をしていた。しかしそんな駿里をみても松下は甘やかさなかった。
「あのな駿里。いくらやり方を忘れて驚いたとしてもあんな風にやっていい理由にはなんねぇんだよ。」
「………っ。」
松下が怖い。直視できない…。駿里は怖さのあまり松下から目を背けた。だが…。
「おい顔背けんな。」
「だ、だって…っ。」
「また言い訳か?それにお前が1番知ってんだろ。俺はお前が傷つく事が大っ嫌いって事をな。」
そうだとしてもここまで怒る必要ないじゃないか…。怯えさせる必要なんてないのに…と駿里は思いながらも松下に言い返せなかった。それほどまでに今の松下が怖かったから。そんな駿里をみて松下はさすがに言いすぎたと思ったのだろう。ため息をついたあと松下は話し始めた。
「次同じ事したら組長に言いつけるからな。」
「それはいやだ…っ、」
寛也にこの場面を見られでもしたら駿里はとんでもない目に遭うだろう。そもそも駿里は自慰をすることを許されていない。だからそれに対しても怒られるだろうし荒く自分を扱ったことに対しても怒るだろう。その後どうなるかなんて容易に想像できる。そのため駿里は震え上がった。
「だったら二度とするな。分かったな?」
「……わかった。」
「よし。いい子だ。じゃあ続きをするか。」
「…ん?なんの?」
「何のって決まってんだろ。お前が俺の事を怖がらないか確認だ。」
「え、なにそれ?」
怖がらないように…?なにそれ。駿里は初耳だった。じゃあなんだ…。もしかして駿里が今こんなに目に遭っているのって…。
「ずっと俺お前に聞いて確認してただろうが。ここはどうだってよ。」
「う、嘘だよね…?」
やっぱり…やっぱり…そうだ。そんなしょうもない確認のために駿里は酷い目にあっていた。ただ松下が確認したかっただけ。その為だけに駿里は泣かされた。1人でさせられることを強いられた。その事実を知った駿里は怒りが混み上がってきた。
「嘘つかねぇよ。お前が俺怖がっちまったら抱けねぇだろうが。」
「さいていだっ!!!!」
「はぁ?」
駿里がいきなりそう声を荒らげたことに対して松下はどうしたと言わんばかりに首を傾げた。だがそんな松下にすら駿里は腹が立ってしまう。
「俺そんなことのためにこんなに泣かされてんの!?こんな目に遭ってたの!?意味わかんない!!」
「何怒ってんだよ。」
「怒るに決まってんだろ!!康二さんとはもう口聞かないから!!」
「はぁ!?ふざけんな!意味わかんねぇ!」
「意味わかんないのはこっちだよ…っ!!」
駿里は怒りのあまりそう言いながら松下を押しのけて立ち上がった。もう松下と一緒にいたくないと思うほどにまで怒りが増してしまっていたから。しかし松下はそれを許してくれず…。
「おいどこ行くんだよ!」
「はなしてっ、康二さんと一緒にいたくないから離れるんだっ!」
駿里は立ち上がって直ぐに松下に腕を捕まれソファに押し倒されてしまった。またこの体制だ。でも今回はされるがままになんてならない。駿里はそう決意し暴れまくった。だが松下も松下で駿里を逃がさまいと強い力で腕を掴み駿里に馬乗りになる。
「行かせねぇよ。」
「ちょ、離してっ!」
「離したらお前逃げるだろ。」
「当たり前だ!」
「じゃあ離してやれねぇな。」
「なんでっ、離してってば!」
「お前から逃げる気が失せたら離してやるよ。それまでは離さねぇ。」
それいつだよ!駿里はこの怒りが長いこと収まりそうにない。それなのにそんなことを言われても困る。だけど馬乗りになられて腕を掴まれている以上は逃げられない。どうしよう…逃げたいのに…心を落ち着かせたいのに…。でもそれが出来ない。
「やだっ、はなしてっ!」
「だからお前が落ち着いたら離してやるって。でもそれまでは絶対離さねぇからな。」
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