極道の密にされる健気少年

安達

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駿里がお仕置きされた話

狸寝入り *

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「………ぅ………あ…。」

「は…………ぃ…………。」



なんか聞こえる…。誰の声だろ。何話してるのかな。眠っている駿里の耳に誰かの声が入ってきた。だがあまりにも眠い駿里はまだ目を覚ましたくなかった。しかし声が大きい。こんなに眠いのに…。その声を聞いていたら駿里は自然と目が覚めてきてしまった。そしてそれと同時に耳も脳も覚醒してきて会話の内容が駿里にしっかりと聞こえてきた。



「つかお前なんであん時駿里を助けたんだよ。」

「あ?なんの事だ?」



志方と松下の声だ。志方が何やら松下に尋ねていた。駿里はなんだか楽しくなってきた。こうしていつも聞けないみんなの会話を聞くのも悪くない…と。



「何じゃねぇよ。お前駿里を助けてたじゃねぇか。くすぐってる時口塞いでやってたろ?」

「ああ、そういうことか。」



志方が駿里にとって振り返りたくなかった内容を話し始めた。そのせいで駿里は少し嫌な顔をしてしまったが直ぐにそれを治す。狸寝入りがバレてしまうから。そして松下が志方の言葉に対してそう答える。駿里はもうこの時には完全に目が覚醒していたが寝ているふりを続けていた。そうすることでいつも聞けない彼らの話が聞けると思ったから。何か彼らを脅せるような内容が聞けるかもしれないから。そしたら駿里が松下らに襲われた時危機一髪逃げられるかもしれない。だから駿里は狸寝入りをしていたのだ。



「だってよぉ、駿里があんまりにもキツそうだったからな。さすがに可哀想だと思っちまってよ。まぁ正直こいつ擽るのは楽しかったけどな。」

「くそ、羨ましい。俺もやりたかったぜ。」



松下の言ったことに対して今度は島袋がそう言ってきた。本当に最低だ!あれだけ駿里は苦しんでいたのに楽しかったのんて松下は言ってきたんだ。でもその松下のおかげで助かったのは事実。だから駿里は心の底で松下を恨みながらも松下に少しだけ感謝した。



「島袋、俺もだ。俺もやりたかった。」

「だよなぁ志方。まぁ俺らがやったら駿里を本気で泣かせちまうだろうけどな。」

「それもありだろ。」



志方が島袋に同感してそこからのとんでもない2人の会話に駿里には思わず飛び起きた。



「お、駿里。起きてたのか。」



飛び起きた駿里の元に松下がいち早く来てくれた。そして松下は頭を撫でてくる。おはようの挨拶の意味だろう。だが駿里は今とんでもなく機嫌が悪い。それは言うまでもなく志方と島袋のせいだ。



「…康二さん達に起こされたんだ。」

「悪い悪い。そんな顔すんなって。」



駿里が狸寝入りをしていたことを松下は本当は分かっていたがそう言った。きっと他の連中は気づいていない。圷でさえも。松下だけが気づいていた。志方や島袋が話す内容によってコロコロと表情を変える可愛い駿里の姿に。



「ん?駿里まだ寝みぃの?」

「うん…。」



起きたとはいえ駿里はやはり眠そうだ。寝起きということも関係しているかもしれないがそれでも眠そうだった駿里。そんな駿里をみてどうするかと松下は悩んだがもう少しできっと森廣たちも来る。だから松下は駿里を起こすことにした。



「でもよ駿里、せっかく起きた事だしなんか食うか?腹になんか入れたら眠気も無くなるだろ。」

「…うん。食べる。」



どうやら駿里はお腹は空いていたようで松下の方を真っ直ぐ向いてそう言ってきた。ああ、なんて可愛いのだろうか。松下は思わず駿里の頬にキスをしてしまった。



「やめ、て!」

「そんなこと言うとまたすんぞ。」

「………っ。」



駿里は松下のその言葉にまたくすぐられると思ったのだろう。そのため駿里は松下に反抗をしなくなった。そんな駿里をいいことに松下は駿里に再びキスをする。今度は唇に。そして満足した松下は駿里の手を引いた。



「よし駿里、飯を食おう。」

「うん…!」



松下に手を引かれるようにして起き上がった駿里は椅子に座った。その時駿里は気づいた。寛也が居ないことに。



「康二さん、寛也はどこにいるの?」

「組長は事務所に行ってる。森廣さん達の様子を見に行ったんだ。」

「そうだったんだ。」



それを知った駿里はご飯を食べようとした手を止めた。そんな駿里の行動に松下は首を傾げる。



「ん?食べねぇの?組長ももう少しで戻ってくると思うぞ。」

「もう少しで帰ってくるなら食べずに待ってる。一緒に食べたいから。」



みんなで一緒に食べたい。寛也はもちろんのこと森廣も北風も一緒に。だから駿里はその行動を取った。それを知った松下は駿里の頭を撫でた。



「そうだな。優しいなお前は。」

「康二の言う通りだ。優しい子だお前は。」



圷が松下に続くようにそう言ってきた。それには駿里も恥ずかしくなってしまう。みんなに言われるとやはり恥ずかしいのだ。もちろん嬉しい。だが恥ずかしさが勝ってしまうようで駿里は顔を赤く染めていた。それを面白がった志方が駿里を揶揄い始める。



「駿里、お前美味そうな顔してんじゃん。こっち向けよ。」

「ちょ、やめ…っ!!」



志方が後ろに急に現れたと思えばなんと志方は駿里の服の中に手を入れてきた。そして乳首を触りだす。



「なにすんだっ、やめっ、さわんないでよ…っ!」



志方に乳首を擦られるように触られ駿里は必死で身をよじる。今周りには松下や圷らが居る。だから助けてくれればいいのに彼らは誰も助けてくれなかった。島袋に至ってはズボンがモッコリしている。松下もしているだろうけど座っているためそれが見えない。手を出してこないだけマシなのだろうか。いやそんなことは無い。だから助けてよと駿里は松下のことを必死に見た。だが松下は悪い笑みを浮かべるだけで助けてくれない。



「やめっ、志方さんっ、やだってば…!!」



志方は後ろから駿里に抱きつきながら首元に吸い付いてきた。つまり痕をつけてきたのだ。今から寛也が帰ってくるのにとんでもないことをしてきた志方。それにはたまらず駿里は大暴れた。なのに志方は…。



「嫌じゃねぇだろ馬鹿。気持ちよさそうじゃん。」

「それがやだっ、やなの…!!」



志方は乳首も相変わらずずっと擦ってくる。気持ちよくて駿里は喘ぎ声が出そうになった。これ以上我慢できない。もうやめろと駿里は必死に身をよじるが志方が離してくれない。それに加えてみんな楽しそうに見ていた。ただ一人を除いて…。そしてその1人は駿里のことをやっと助けてくれた。



「おい志方、その辺にしとけ。そろそろ組長達帰ってくんぞ。」



好き放題する志方に圷がそう言ってきた。そのおかげで志方はやっと駿里から離れてくれた。森廣というパワーワードが聴いたのだろう。そして駿里は一目散に志方から離れて松下の膝の上に座る。その駿里を松下は優しく抱きしめた。



「チッ、つまんねぇの。森廣さん怖いからなぁ。」

「まぁそう言うなって志方。組長とかが居ない時にまたすりゃいいだろ。」



駿里とこれ以上戯れられないことに拗ねた志方がソファに座りながらそう言った。そんな志方に島袋が励ますようにそう言う。



「そうだな。そん時にこいつ拉致って行けば完璧だな。」

「ああ。」



志方と島袋はとんでもない計画を立てながら悪い顔をしていた。駿里はそれ見ないことにした。それは言わば現実逃避だ。駿里がそんなことをしていたその時玄関から音がした。その音は…!!



「寛也が帰ってきた…!」



寛也が帰ってきてくれた嬉しさから駿里はお出迎えしようとした。おかえりなさいって言いたかったから。だが駿里はその時松下に何故か止められた。



「こら駿里。どこ行くんだ。わざわざ行かなくても組長は来るって。」

「いいじゃんか行っても…!」

「駄目だ。ここにいろ。お前が慌ててる時大体怪我すんだから大人しくしてろ。」



確かに松下の言う通りだ。怪我をしたらまた寛也に怒られる。それは嫌だ。そう思った駿里は松下の膝の上へと戻って行った。



「…わかった。ここにいる。」

「いい子。すぐ組長来るから安心しろ、な?」

「うん…!」

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