極道の密にされる健気少年

安達

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駿里がお仕置きされた話

素直になったら

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「………うごけない。」



あれから駿里は嫌ってほどイカされ続けた。どれだけ抵抗しても解放して貰えず気絶寸前までいった。そんなことをされて駿里がまともに立てる訳もなく今はソファの上で寝転んでいる。



「それなら寝てていい。あいつらがゆっくり休んどけ。お前はほんとに体力ねぇからな。」

「…だれのせいだと思ってんだ。」

「お前のせいだろ。反省してないならもう1回やり直してもいいんだぞ?」



そうだった。これは駿里が勝手に外出しようとしたことで始まってしまったことだ。しかし今は違うような気がする。だってお仕置きが終わったあと話し合って料理を作り始めた。そこから勝手に寛也が興奮したんだ。なのに自分のせいなのか?と駿里は考え込んだがこれ以上自分の身体が悲鳴をあげるようなことになるのは御免なので駿里は寛也に反抗することなく答えた。



「ちゃんと反省してる。ごめんなさい…。」

「お?意外だな。」

「なにが?」



駿里は何が意外なんだろうと思い寛也にそう聞き返した。駿里は何もおかしな行動をしていないし寛也が驚くようなこともしていないから。だから駿里はそう聞いたのだ。しかし寛也はそんな駿里を見て笑ってきた。それは言うまでもなく駿里が可愛かったから。



「お前の素直な姿を見れるのは稀だからな。」

「そ、そんなことないし…っ!」

「そうか?いつもだったら謝んねぇだろ。何かと言い訳して反抗してくるからな。」

「…それはっ、」



寛也にそう言われて駿里は言葉に詰まってしまった。それは寛也の言う通りだったから。抱き潰された後は特に寛也に対して態度が出てしまう。それほど身体が辛いから。しかし大体駿里が原因でお仕置きをされている。だから駿里は寛也のその言葉に返すことが出来なかった。



「まぁ俺も悪い所もある。どうも抵抗してるお前の姿を見ると止められねぇんだよな。」

「…悪趣味だ。」

「今更だろ。」

「認めないでよ…!」

「俺はお前と違っていつも素直だからな。」



そう言ってきた寛也に駿里は黙り込んだ。それは寛也が遠回しにもっと素直になれよと言ってきたから。だがそれは無理な話だ。イカされて気持ちいいだなんて言えばきっと寛也は止まってくれないだろうから。だから駿里は言わないのだ。そしてそれが今となっては癖付いてしまいすぐに嫌だとかやめてだとか言ってしまうのだ。そんな自分を振り返り駿里は少し不安になった。いつまでも拒否され続けるのは気分は決して良くならない。だからいつか寛也に愛想をつかされてしまうのでは…と。



「寛也はさ…っ、」



駿里はあることを聞こうとしたがそこまでで止まってしまった。それは面倒臭い…って思われることを恐れたから。不安な時それを寛也に伝えたいけど伝えるのは怖い。それを言うことで嫌われてしまうかもしれないから。そんなふうに黙り込んでしまった駿里を見て寛也が優しく微笑んで頭を撫でてくれた。



「駿里。」

「…え、ぁ、なに?」



相当考え込んでいたのだろう。寛也に名を呼ばれただけで駿里は狼狽えていた。そんな可愛い駿里に寛也は上がった口角が下がらなくなっていた。



「愛してる。」



急に言われたたった五文字の言葉。それなのにそれを言われるだけでこんなに嬉しい気持ちになる。幸せになる。それに駿里はまさか寛也がそう言ってくれるとは思わなかった。だから駿里は嬉しさからどうしたらいいか分からなくなってしまった。



「どうした駿里。恥ずかしいのか?」



当然だ。恥ずかしいに決まってる。駿里は寛也と違って思っていることを素直に伝えられない。だからその分伝えられた時どうしたらいいか分からなくなってしまう。そんな駿里はひたすら顔を赤く染めそれを隠そうと下を向いてしまった。



「顔上げろ駿里。」

「…いやだ。」

「だったら上げさせるまでだな。」

「や、っ、やだ!」



駿里はそう言って嫌だと言ったが当然寛也の力には勝てない。そのため駿里は顔を上げさせられてしまった。その上寛也に抱きしめられた。



「可愛い奴だな。」

「…っ、かわいくない!」

「いや可愛いよ。お前は1番可愛い。」

「そんな言わないで…っ、恥ずかしいからっ、」



そういった時の駿里の顔を見て寛也が真顔になった。それは格闘していたから。こんな可愛い顔を見せられて寛也の陰茎が元気にならないはずがない。けれど先程抱き潰したばかりだ。だから抑えた。必死に性欲を押えながら駿里を抱きしめ続ける。



「たく…お前はなんて顔してんだ。とって食っちまいたくなるだろ。」

「…………。」

「冗談だ。あんだけやったんだ。さすがに休憩させてやるよ。」



寛也が黙り込んでしまった駿里を見て笑いながらそう言った。しかし駿里は黙ったままだ。どうしたのだろうかと寛也は駿里の顔をのぞきこんだ。



「駿里?」

「…………したいならすればいいじゃん。」

「それは本気か?」



駿里の思ってもいないその一言に寛也はそう問いかけた。冗談ならやめてやらないといけない。だが本気だったら話は別だ。寛也は出来ることなら四六時中駿里と繋がっていたいのだから。そんな寛也の問いかけに駿里は小さく頷いた。



「…うん。」



その駿里の小さな声を聞いた瞬間寛也の顔色が変わった。そして目をギラギラとさせ始める。



「で、でも手加減はしてよ…っ!」

「ああ。当然だ。」

「ほんとに?…ってはやすぎっ、手加減してってば!」



あっという間に寛也によって服を剥ぎ取られた駿里はさすがに大慌てだ。自分で出した決断とはいえ激しくされるのは嫌だったから。だからゆっくりして欲しいと伝えたつもりが寛也はそれをまるで聞いてくれない。



「ちかっ、ちかやまって!」

「悪ぃが待てねぇよ。お前がこんな風に受け入れてくれることなんて稀だからな。」

「そ、そんなっ、ちょ、ゆっくりして…っ!!」



しっかり火がついてしまった寛也に駿里がそんな風にいくら言ったところで何も変わらない。そして案の定駿里は本当に抱き潰されてしまった。そこから寛也が急いで放ったらかしにしていた料理を再開し何とか松下はが来る前には準備を終えることが出来た。しかし駿里は未だに歩くことは愚か立ち上がることすら出来なくなっていた。そんな駿里をみて早めにここに来た松下がとんでもないことを言ってきた。



「組長。俺も駿里と戯れていいですか?」



その松下のとんでもない発言に駿里は目を見開いた。だが今は運のいいことに寛也が味方になってくれている。抱き潰したことで罪悪感が多少は生まれたようだ。だから後は寛也に任せることにした。今の駿里には言い返す元気すらないから。



「はぁ?何言ってんだお前。」

「少しぐらいいいじゃないですか。」

「駄目だ。それよりお前は自分の仕事をしろ。口よりもさっさと手を動かせ。」


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