極道の密にされる健気少年

安達

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遅咲きの花は大輪に成る

海斗の本音 *

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「……ぁ…っ………。」

「聞こえねぇ。ものはハッキリと言え。」



くそ…。恥ずかしすぎる。せめて顔を少しだけでも離してくれたらいいのに寛也は駿里の反応を楽しむかのようにして顔面を近づけてる。



「あいっ、し゛…!!」

「あ?なんだって。」



最低だっ…!言えって言ったのは寛也なのにグリっとペニスを押され駿里は言えなかった。いや言わせて貰えなかった。そして寛也はそんな駿里を見て楽しそうに微笑み続ける。その寛也を駿里がキリッと睨む。



「生意気な目だ。」

「やだやだっ、も、いえって、言ったの寛也じゃんかっ!!」

「そうだな。だから俺は早く言って欲しいんだが。」

「うあっ、ふっ、ぅ、じゃあ、あ、あし、やめろよっ!!」

「お前が言ったらやめてやる。」

「やだっ、さきにやめ、やめっ、ろっ…!!」



駿里は寛也のせいで変な声が出てまともに喋れない。それに駿里がまた寛也に愛していると言いそうになったら邪魔をするように寛也は足を動かしてくるだろう。そんなの一生終わらない。それならやめてほしい。やめてくれたらいくらでも叫んで言ってやるのに。…多分、だけど。



「ほら言えよ。それとも言ってくれねぇのか?悲しいじゃねぇか。」

「ちがっ…ぅ、いくっ、」

「駄目だ。」

「ぁ、なんでっ、やだ…っ、」

「言ってねぇだろうがまだ。言うまでイカせてやらねぇ。」

「ぅ…、くそっ、」

「あ?なんだって?」

「あぁっ、ごめん、ごめんってば…っ!!」



寛也は寸止めしたあと駿里に再び快楽を送り始めた。その快楽に駿里は腰を揺らしてしまう。焦らされた分感じてしまうのだろう。



「やらっ、ぁ…い、いっ、ちゃ、ぅ、だめっ…っ、なんで!」

「だから言ったろうが。言うまでイカせねぇってよ。」



また寸止めをされた。2回目だ。さすがに駿里は辛くて目に涙が溜まってくる。自分でしようとしてもそれを寛也に止められ拘束されてしまう。言うしかない。でも言わなければ言わないほど時間がたち余計に恥ずかしくなってしまうもので駿里は言い出す勇気が出なかった。



「はなせっ、ばかもぅ、嫌なもんはいやなのっ!」

「あ?なんだと。お前もう1回泣かしてやろうか?」

「いやっ、それは、かんべんしてっ、ちょ、ちかやっ!」



寛也が本格的に駿里の身体を触り始める。乳首やらペニスやら触られ駿里は大慌てだ。もうやれない。そんな元気は無いのに寛也は遠慮なく身体を触ってくる。駄目だ。このまま好き放題されるか。駿里は今ある全ての力を使い寛也を押し返そうとした。だがその時ある音が聞こえたことで2人は静止する。




ガチャ




「あ?何の音だ。」

「…玄関から聞こえた。」



廊下の方から聞こえた音。その音に寛也は動きをとめた。駿里も寛也同様に音のした方を向き動きをとめた。



「玄関?てことは圷だな。おいおいあいつら来ちまったじゃねぇか。」

「なっ、なにしてんだ、離して…っ。」



玄関の開いた音がしたというのに寛也は身体を再び触り始めた。そしてあろうことか寛也は駿里の後孔に指を挿れたのだ。玄関にはもう既に入ってきているだろう圷達がいるのに。



「何驚いてんだ。アイツらが来たからってやめねえよ。」

「うそっ…みられちゃうっ…!」

「そうだな。だからほら、早く言わねぇとあいつら来るぞ。」

「っ、さ、いてぃっ、さいていだっ!」

「ほら駿里。見られてもいいのか?」



いいわけが無い。恥ずかしいこんな姿見られたくない。特に海斗だけには見られたくない。大切な友達なのに見られるわけにはいかない。恥ずかしいけど…恥ずかしくてたまらないけどここで見られるよりはマシだ。



「ぅ、あ、あい、して、るっ!」

「いい子だ。」



駿里が叫ぶように愛を叫ぶと寛也は少し照れくさそうに笑った。そして指を激しく動かし駿里をイカせようとする。



「ま、いった、いったのにっ、ぅあっ、だめっ、ぅ、いくっ…!!」



弱点を全て知り尽くした手に快楽を与えられ駿里は早くも達してしまった。焦らされていたことも関係しているかもしれないがそれにしても早くて駿里は恥ずかしくなってしまう。



「派手にイったな。」




寛也はそう言うと達したばかりで脱力している駿里に服を着せ簡単にタオルで拭くと玄関へと向かっていった。




「時間を稼いでやるからアイツらがここに来るまでに落ち着いておけよ。」

「………っ。」

「はは、ハブててんのか?可愛いが濡れ姿を見られたくなかったら落ち着くことだな。」

「……わかってる。」

「いい子だ。」



寛也は顔をそっぽ向けそういった駿里に笑うとリビングのドアを閉じた。そしてしばらくの間帰ってこなかった。駿里のためを思い話し込んでくれていたようだ。駿里はそんな寛也に感謝をし体を落ち着けると駿里自身も海斗らに会いに行った。



「駿里…!!!」



駿里がリビングから出て廊下に行くとそこには海斗がいた。いつぶりだろうか。久々の友人との再会に駿里は自然を笑みを浮かべていた。それは海斗も同じ。そして海斗は相当嬉しかったのだろう。駿里の姿を捉えるやいなや駆け寄ろうとした。だが圷がそれを止めたために海斗は駿里に近寄れなかった。その時の圷の顔はこれまで見たことがないぐらい怖かった。



「おい海斗。調子乗んなって言ったよな。」

「…っご、めんなさい。」



普通ではない。2人の様子を見たら駿里でもそう感じた。見かねた寛也が圷に声をかける。



「おい圷。海斗から離れろ。」

「………。」



寛也にそう言われたが圷は海斗を離さなかった。離せなかったのだろう。半年間外に出さずに手元に置いてきたのだから無理はない。誰一人として近くにいさせたくない。それほどまでに圷の独占欲は膨張していた。そんな圷に怯える海斗の手を寛也は引いた。



「海斗こっち来い。」

「…組長。」

「さすがにここまでとは思ってなかった。及川をあん目に遭わせんのは嫌って言ったのは誰だ。お前だろ。同じようなことしてんじゃねぇよ。」




自分でも圷は分かっているのだろう。その証拠に寛也の言葉に言い返すことが出来ず黙り込んでしまった。



「しばらく海斗距離をおけと言おうとしたが逆効果になりそうだな。」

「……え?」

「リビングに行くぞ圷。駿里、悪いが康二んとこ行けるか?」

「うん。わかった。」



駿里は寛也のその言葉に任せろと言わんばかりにそう言った。だがその時圷は状況が掴めていない様子だった。それもそのはずだろう。自分はリビングへそして駿里は松下のところに行く。では海斗は…?



「え…あの組長。海斗はどこへ行かせるつもりですか?」

「こいつと遊ばせとく。駿里、一緒に連れて行ってやれ。だからお前はいいから来い圷。駿里は海斗に手なんか出さねぇよ。勿論康二もな。」

「それは分かってます。だけど何かあったら…。」

「馬鹿か。何かあってもいいように俺の家にお前らを呼んだんだろうが。」

「…組長。」

「いいから行くぞ。久々に飲むか。」



そういい寛也に言われるがまま圷はリビングへと足を進めていった。その2人とは真逆の方向に駿里と海斗は進む。そして寛也の言いつけ通り松下の部屋に行った。



「…大丈夫かな。」

「俺は圷さんよりも海斗が心配だよ。」

「そうだな。駿里の言う通りだ。お前は大丈夫なのかよ海斗。」



松下は快く2人を迎え入れてくれた。そして今、3人で話し込んでいる。その間海斗はずっと落ち着かない様子だった。ずっと圷のとこを心配している。だが駿里と松下はその海斗が心配でたまらない様子だ。



「俺は大丈夫。部屋から出して貰えないだけで不自由してないから。」

「でも直樹に会いたいんじゃないの?」

「…それはっ、」



駿里に痛いところをつかれた海斗は言葉に詰まってしまう。そんな海斗を見て駿里は顔を曇らせる。



「夜も大変なんだよね。海斗の様子見る限り夜だけじゃなさそうだけど…。」



松下は2人の会話を黙って聞いていた。ここで口を出すべきではないと思ったのだろう。そんな松下とは裏腹に駿里は話し続ける。海斗の気持ちがわかるから。海斗を見ているとまるで初期の寛也と自分を見ているようにも見えた。圷に怯え外にすら出してくれない。首もキスマークだらけになっている。それも濃い痣だ。さぞ痛かっただろう。そしてその痛みは恐怖となって体を縛り付けてくる。駿里はそれを誰よりも知っているから海斗に最前の言葉をかけられるのだ。



「圷さんが怖い?」

「…違うんだ。俺はちゃんと好きなんだ。好きなはずなのに最近ほんとに怖くてっ。顔を見るといつからか機嫌を伺うようになっちゃってたんだ。名前もしばらく呼べてない。怖くて…言えてない。」



やっと聞けた海斗の本音に松下と駿里は顔を見合わせる。思ったより海斗が精神的にきてしまっている様子をみて心を痛めたのだろう。それもそのはず。相手は2人が信頼する圷なのだから。



「前まで色んなところに連れていつてくれたりしたのに急に俺を閉じ込めたんだ。理由は分からない。それが余計に怖くて…っ。」

「それは俺達が極道だからだ。」

「…え?」



ずっと黙って聞いていた松下が口を開いた。そしてその言葉をかけられた海斗は松下の言葉の意味が理解できなかったようで彼を重視する。



「極道だから外は危険なんだ。俺らを敵対してる奴らは多い。それがどういう意味なのかわかるか?」

「…わかんない。」

「圷にとってお前は弱点になるってことだ。お前をさらえば圷は何でもするだろうよ。だからお前を外に出したくない。そういう魂胆だろ。」

「………っ。」

「まぁでもだからってお前にそんな思いをさせちゃいけねぇよな。ここは安全なわけだしよ。せめてマンション内は出してやればいいのにな。」

「そうだよ。康二さんの言う通り。海斗にそんな思いさせちゃだめ。いくら圷さんでも許さない。」



駿里がそう言うと海斗は何故か肩を落とした。その理由を松下は察したようで駿里の口を塞ぐと松下は再び話し始めた。



「海斗。お前はどうしたい。こんなチャンス滅多にないぞ。自分の気持ちをちゃんと圷に伝えろ。名前も読んでやれ。圷がお前を閉じこめる理由はそれも関係してんじゃねぇのか?」

「…おれはっ、」



口を塞がれた理由がわからない駿里は松下を睨む。だが松下は笑うばかりで駿里の口を解放しようとしない。それにはちゃんとした理由があった。今海斗は半年ぶりに圷以外の人間と話している。やっと自分の気持ちが言えるチャンス。これを逃したらまた元に戻ってしまう。だから松下は海斗に気持ちを言わせるべく駿里の口を塞いだのだ。余計な事を言わせないために。



「俺はこのままじゃいやだっ、けどお別れもしたくないっ、好きだから。大好きなんだ俺。あの人のことが…澪司さんのことが大好きでたまらない。」

「だったら答えは決まってんじゃねぇの?なぁ海斗。好きなら自分の気持ちを伝えてやんねぇと圷は悲しむ一方だぞ。」

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