極道の密にされる健気少年

安達

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遅咲きの花は大輪に成る

理不尽…だけどそれも幸せ *

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「それでお前はいつまで強情を張っているつもりだ。」



いつまでって言われてもずっとに決まってる。松下のおかげで話がせっかく逸れていたのに結局戻ってしまった。その内容とは駿里が服を脱ぐというものだ。そんなものできるわけがない。寛也だけならまだしもここには志方も圷も…そして幹部の中で1番危ない松下ですらいるのだから。



「…だってっ、」

「だってじゃねぇだろ。早くしねぇと家に着いちまうぞ?」



寛也が耳元で脅すようにそう言ってきた。それでも駿里は脱ぐ決断が出来ずに自分の服を握りしめ下を向く。もしかしたら家に着けばお仕置きは免除されるかもしれないからだ。だが現実はそう上手くはいかないもの。駿里が甘い考えをしたことがわかるやいなや寛也は口を開いた。



「家に着いたからってお仕置きが無くなるわけじゃねぇからな駿里。」

「うっ…。」

「あったりめぇだろ。ここで言うこと聞けねぇなら家でもっと酷い目に遭うけどいいのか?」

「康二さんのせいなのに…っ。」



駿里はなんかしてこの状況から逃げたくて言い訳をしだした。松下のせいにしたい訳じゃない。だけどこの話をしたら松下が傷ついたように駿里を庇うので駿里は申し訳ないと思いながら松下を利用しようとした。今回だけ。そして案の定松下が駿里に謝ろうとしたがそれよりも先に志方がすかさず口を出してきた。



「それより前にお前がやらかしたろ?及川さんに色々けしかけられてそれを黙っておいたじゃねぇか。康二のせいにしてんじゃねぇ。まぁでも確かに俺たちも何も知らねぇでお前に酷いことをしたことは悪い事だ。それは悪かった。でもそれとこれは別の問題だよな。」

「志方の言う通りだ。甘ったれんなよ。」



志方がド正論を言ってしまったことで松下も駿里を庇ってくれなかった。それどころか寛也がものすごく賛同している。駿里は全くもって最悪な状況を自ら作りだしてしまった。もう庇ってくれる人もいない。だったら腹を括るしかない…と駿里は服をゆっくりと震えた手で脱ごうとしたがそんな駿里の様子を見て可哀想だと思ったのだろう。圷が話し始めた。



「まぁまぁそんな怒らないでやってくださいよ組長。駿里も駿里で仕方なくその決断をしたんだよな?」

「そ、そう…っ!」



圷が駿里を庇うようにそう言ってくれたので駿里はそれにすかさず賛同する。圷は松下とは違いよく寛也が意見を通してくれる。だから駿里は今回もそうだと信じて寛也を見た。だが毎回毎回そう上手くいくわけもなかった。いや今回もと言った方が正しいかもしれない。



「圷やめろ。駿里が図に乗るだけだ。」

「まぁそうですけど…どうやら話聞く限り康二と志方が駿里を問い質すために結構なことをしてるらしいんですよね。組長はこのことを知っておりますか?」

「ああ。そうなることを前提でこいつらをあの家に残したからな。その間及川の尋問をしようとして。」

「知ってたんですか。だったら尚更休ませてあげましょうよ。」

「………。」



寛也は圷にそう言われて思い出した。及川のことばかり気に取られていたのでそんな長時間はカメラを見ていない。だが駿里は確か松下と志方に挟まれて色々されていた。その時間は結構長かったはず。そうなれば圷の言う通り休ませてやるべきか…。寛也がそう悩んでいると圷がさらに後押ししてきた。駿里は頼もしいと言わんばかりに目をキラキラさせて圷を見ていた。その駿里の様子を松下は呆れ顔で見る。



「駿里が壊れちゃいますよ。それにせっかくなら元気になってどれだけしても壊れないぐらいになってからお仕置きした方がやりがいもあると思います。」

「あ、圷さん…っ!!」



庇ってくれたと思っていたのにそうではなかった。圷はただ単に今の駿里の身体を心配しただけ。お仕置きを免除するような発言はしてくれなかった。それどころか催促するようにそう言ってきたのだ。思わず駿里は圷の名前を叫んでしまった。



「どうした駿里。俺は間違ったこと言ったか?」

「圷さんは俺をかばってくれてたんじゃないの…っ?」

「庇うつもりは毛頭ない。お前が逃げたのが悪い。」



圷に言われてしまえば駿里は言い返せない。言い訳すら思い浮かばなかった。頭脳派の圷には何を言っても勝てないから。だから駿里は絶望したように身体の力が抜けていた。この後に来るであろう猛烈な吹雪のようなお仕置きを想像して…。



「…それはそうだけどっ。」

「そんな顔すんなって。自分で犯した過ちは自分で尻拭いしねぇと、な?」

「…うん。」



松下に言われていたら反抗していただろう。志方に言われていたらもっと反抗していたはず。寛也に至っても言い返しはしないだろうが不服そうに下を向いていたであろうことが想像出来る。だが駿里は圷に言われてはなんだか従わないといけない。いつもそう感じてしまう。だから今回も圷の言うことに従った。そんな駿里を見て寛也はニヤッと笑い圷を見た。



「圷は優秀だな。」

「それは嬉しいお言葉をありがとうございます。」



圷がそうお礼を言ったのを聞くと寛也は視線を駿里に変えた。そして下を向いたままの駿里の顔を上げると不敵な笑みを浮かべる。



「そういうことだ駿里。暫くは体力と精神面の回復を待つ。それが治り次第お仕置きすっからな。」

「……いやだ。」



そんなの承諾できるはずがなかった。今回は駿里がもちろん悪い。だけど…それでも駿里は思うことがあった。これは偶然が重なり合って起きたこと。全てが駿里のせいじゃない。そもそも及川が悪い。駿里に手を出してきた及川が全ての元凶だと言うことは言うまでもないだろう。だがそれは寛也にとっては通じない。もしかすると駿里が及川を選択する決断をしてしまった時からこうなることは決まっていたのかもしれない。



「違ぇだろ駿里。返事は?」

「っ…ぅ、」



黙り込んで返事をしようとしない駿里に寛也は少し声を低くしてそう言った。だが駿里はそれでも言おうとしない。だから寛也は駿里の服の中に手を入れて乳首で遊び出した。カリカリと先端を擽るように指を動かし反対側はギュッと摘む。初めはそれに我慢していた駿里だったが上半身をいじめていた寛也の手が下半身に行こうとしていることを察すると慌てて口を開いた。



「わ、わかったからっ!」



駿里は本心ではないがここで寛也にわやくちゃにされることを恐れてそう言ってしまった。その駿里を見て寛也は満足そうに笑う。だが松下だけは違った。松下はどこか申し訳なさそうにしている。そんな松下に駿里は声をかけた。



「康二さんどうしたの?」



駿里がそう言うと寛也も志方も圷も松下を見た。みんな彼が心配なのだ。責任を感じているだろうから。だが誰がなんと言おうと悪いのは及川だ。だから誰も松下を攻めなかった。駿里はそこに正直腹が立った。だって一番ひどい目にあった駿里がお仕置きを受けなければいけないから。でも今はそれどころじゃない。松下に元気になってもらわないと…という一心で駿里は松下に笑顔を向けた。



「…お前の笑顔は相変わらず眩しいな。」

「はは、もうなんだよそれ。それに俺は怒ってないよ康二さん。」



松下はこう見えて駿里のことに関しては感情の振り幅が激しい。駿里に拒まれればもちろんショックを受けるし嬉しいことを言われれば果てしなく嬉しくなる。だが一番松下の感情が揺れる時は駿里を傷つけてしまった時だ。それが松下の中で一番避けたいことだった。なのに今回はしてしまった。それだけではなく傷つけてしまった駿里から励まされている。駄目だな俺は…と松下は少しだけ下を向いた。

そしてーーー。



「じゃ、仲直りにキスしろ。」

「…ん?」



松下から予想外の言葉が出てきて駿里はフリーズした。あれだけショックを受けているような顔をしていたから元気に戻るための時間は相当かかると思っていたがそうでも無さそうだ。だけど松下はいつも自分の感情を隠す。痩せ我慢をする。駿里が言えることでは無いが松下は辛い時絶対にそれを周りに察されないように行動をするのだ。だから駿里は松下の心がそれで楽になるのならばと松下の頬に軽く唇が当たるだけのキスをしようとした…が当然それは寛也に止められる。



「駿里。お前はお仕置きを増やされてぇのか?」

「ちがっ…だって康二さんがこんなにしょげてんだもんっ…。」

「こいつは大丈夫だ。伊達に何年も俺の組の幹部してねぇよ。たくよぉ…康二、お前はほんとに。」

「組長の言う通りだぞ康二。調子乗んなくそが。俺だって駿里にキスしてぇんだよ。俺に運転させてんだから車を止めるまでは駿里に手を出すな。」




志方がなんの躊躇もなく寛也の前で駿里にキスします発言をした。その志方の言葉を聞いて寛也は腹が立ったようだがそれを言葉に出さず駿里にあたるように服の中に手を入れてきた。あれこれなんかまずい状況にどんどんなってるんじゃ…?駿里が焦り始めた時元気がなかったはずの松下が志方に言い返し始めた。



「なんでてめぇの言う事聞かねぇといけねぇんだよ志方。」



喧嘩がヒートアップする。その度に駿里の服の中に入っている寛也の手もヒートアップしてしまうだろう。そう思った駿里は喧嘩を止める最前の言葉を選び口を開いた。



「なんか喧嘩から平和を感じる…。ほんとどうなるのかと思った。」



誰も傷つけないその言葉を発したことで松下と志方の沸騰した頭が冷えたようだ。そして松下は寛也の膝の上に座っている駿里の頭を撫でた。



「それはこっちのセリフだ。たく、痩せ我慢なんかしやがって。でも俺の事守ろうとしてありがとな駿里。嬉しかった。」

「…当たり前だよ。だってこれまでいっぱい守ってくれたから俺だってちょっとは役に立ちたかったんだもん。それに俺は逃げても帰る場所がないから。」




駿里がそう言うと車の中が静寂に包まれる。それは返す言葉が見つからなかったからでは無い。そうではなくて呆れたのだ。こんなにも駿里のことを必要としている人がここに沢山いるというのに…と。それを伝えるべく松下が口を開いた。



「なーに言ってんだ。帰る場所はここにあるだろ。俺達はずっとお前の帰りを待つしお前も俺達の帰りを待つ。仮に逃げてもそんときは俺が連れ戻してやるから覚悟しとけ。お仕置きつきで、な?」



松下に優しく微笑みながらそう言われて駿里は嬉しくて自然と口角が上がっていた。お仕置きが嬉しいわけじゃない。帰る場所があるというのが嬉しいのだ。そんな駿里の顔を寛也は鷲づかんだ。



「何喜んでんだ馬鹿。それに康二はお前にやべぇほど執着してるからきをつけろよ。喰われちまうぞ。」

「どの口が言ってるんですか組長。」



誰よりも駿里に執着している寛也がそう言ったことで圷が呆れ顔でそう言う。



「はは、そうだな。まぁお前は死ぬまで俺が絶対に幸せにしてやるから心配すんな。だから帰る場所がねぇとか寂しいこと二度と言うんじゃねぇぞ。お前の居場所はここなんだから。」

「…ありがとう。」

「礼を言うのは俺の方だ。」



寛也は駿里に微笑み…そして唇を合わせた。駿里はそれを当たり前に受け入れる。それを見た志方が堪らず声を荒らげる。



「組長狡いですよ!」

「狡いもクソもあるか。こいつは俺のもんだぞ。てめぇら最近舐めた態度ばっかり取りやがって。いい加減にしねぇと痛い目見させるからな。」

「「…はい。」」



お前らという言葉に反応した松下は志方と同じように返事をした。最近確かに駿里もよく思っていた。寛也相手なのに怯まずに言い返している松下の姿を。何かあったのか?と思うほどに松下は寛也に対して怖さが無くなっているように見えた。だが怒られてしまえばやはりショックを受けるらしくしょげている松下と志方を見て圷が笑い出した。



「はは、お前らはショック受け過ぎだろ。」

「当たり前だ。組長怒らせると怖ぇんだからよ。なぁ、駿里。」

「ーーーっ!」



松下がそう言いながら寛也にはバレないように駿里の上着の中に手を入れてきた。それだけなのに駿里はくすぐったくて身をよじった。だが寛也にバレるわけにはいかない。怒らせてしまうから。それを知っている松下はあろうことか好き放題しだしたのだ。だから駿里は少しばかりわざとらしくはあるが寛也に甘えることで松下から逃げようと試みた。



「ち、寛也っ、もっと抱きしめてっ、俺を端っこによせて…っ!」

「あ?何言ってんだお前。なんか隠してんのか?」

「違うっ!」

「人はなにか後ろめたいことがあるとき怒るんだ。」

「ち、ちがっー!」



駿里は寛也に痛いところをつかれて焦りまくった。だがその焦りは隠していることを認めると言うには十分なものだった。だから寛也は駿里の耳をペロッと舐めた。早く言え…というように。



「駿里。二度目はねぇぞ。何を隠してる。」

「お、俺じゃないもんっ、康二さんがいけないんだっ!」
 
「康二?」



駿里が松下の名を出すと寛也は少し怒った顔をして松下を睨んだ。だが松下はそれに動じなかった。それどころかすました顔をして嘘を言う。



「俺は駿里の服がしわくちゃになってたら直しただけですよ。」

「じゃあお前はなんでさっきから喘いでんだ。」

「喘いでない…っ。」



それは決して嘘ではない。喘いでるのではなく駿里は声を我慢していた。松下が脇腹を擽ってくるから。だけどそのせいでどうやら身体が反応してしまったようで勃ちあがってしまった駿里のペニスを寛也がいやらしく触りだした。



「よく言う。こんなに勃たせておいてよ。とんだ淫乱野郎だな。」

「寛也が俺の体をそうしたんだろっ…!」



服越しにペニスを撫でるように触られただけなのに駿里は身を捩ってしまうほど感じてしまう。初めからこんなではなかった。毎日毎日寛也に抱かれて松下たちに調教されてこうなってしまったのだ。誰よりも感じやすい体に。だから駿里はそれは寛也のせいだと言うようにそう言ったがどうやら寛也のスイッチを入れてしまったようだ。その証拠に寛也の目はギラギラと獣のように輝いていたのだから。



「…んだそれ。煽ってんのか?」

「えっ、ゃ、ちがっ、まって、落ち着いて寛也、」



こうなってしまえば駿里が逃げることは出来ない。寛也に一度火がついてしまえば消すことは出来ないから。そして駿里はそんな寛也に押し倒され松下の足の上に頭を預ける形になる。



「組長、俺も参加していいですか?」

「あ?俺の邪魔しねぇならな。」



なんで今日に限って承諾すんだよ、と駿里は寛也を恨んだ。だがそんな暇すらなかった。寛也は手際よく駿里の服をぬがしていきあっという間に駿里は裸になる。そして車の引き出しに常備してあるローションを手に取ると寛也は駿里の後孔に指を挿れる。



「やだっ、ちかやって、ばっ、やだっていってんのにっ!」

「はっ…こんなに勃たせておいてよく言う。康二にもお前の大好きなとこしっかり可愛がってもらえよ。」
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