極道の密にされる健気少年

安達

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遅咲きの花は大輪に成る

叶わないや *

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「ほら、早く言わねぇと耳舐められて擽られるだけじゃ済まなくなるぞ。」



あれから駿里はベットに連れていかれた後、後ろから志方に抱きしめられ身体を拘束された。それだけではなく前からは松下によって逃げられないように足を拘束されている。前と後ろからの松下と志方のハーレムだ。そしてそんな2人に拘束されてしまい逃げられない駿里はあの地獄を見ていた。両耳を舐められたまま2人に擽られているのだ。志方は指を激しく動かし駿里の脇や横腹、つまり弱いところばかりくすぐってくる。それもさぞ楽しそうに。だが松下は志方とは反対。ゆっくりと駿里の身体を撫でるようにくすぐってきた。おしりや横腹までも撫でるようにくすぐってくる。2人に全然違うくすぐり方をされて駿里は擽ったすぎて体をくねくねし出す。そんなことをしたところで2人の手からは逃げられないがせめてもの抵抗だった。それに1番辛いのは耳だ。敏感な駿里は耳を舐められることが大の苦手だった。なのにくすぐられて気が抜けた状態でずっと舐められてもう苦しくてたまらなかった。しかも顔を志方に固定されているため全く動かすことが出来ず耳舐めから逃げることは叶わない。もちろん腕も拘束されているため使えない。今の駿里には自由に使える身体の部位はひとつもなかった。



「あはっ、ぅ…っ、ふっ、ははっ、やめろっ、ぅく゛っ!」

「やめねぇよ。お前が言うまではほんとにやめねぇからな。」

「ふぅ…っ、ぁ、あはっ、ぅ、ははは、あはっ、ぅ、うぅ、やだっ、ぁ、や、やめてっ、よ!」



志方にそう言われ駿里は泣きそうになった。もうすでに泣いていたがもっと涙が出てきた。志方は容赦がない。耳もずっと駿里が嫌いな舐め方をしてくる。松下はまだちょっとは優しくしてくれている。だが志方は本当に酷かった。ずっと1番苦手な脇をくすぐってくるし耳だってそうだ。そんな志方のせいで駿里は挫けそうになった。言えば楽になる。だけどそう簡単に言える内容ではなかったために言い出せなかった。



「やらっ、あはっ、ははっ、ははは、ぅ、うぅ、あはっ、ぁ、う、やぁ!」

「なら言え。」



泣いて嫌がっているのに及川にされたことを何ひとつとして駿里は言わない。そんな駿里に腹が立ったのか松下が怒り口調でそう言った。だが駿里の答えは決まっている。だから当然言わなかった。



「ふっ、ぅ、い、やだっ、ははっ、ぅ、あはっ、やだ!」

「おい逃げるな。志方ちゃんと押えとけって。」

「おいおいお前もな。人のせいにしてんじゃねぇよ。くすぐりずれぇんだよ。」

「やだ、あはっ、うぅ、ぅ゛っ、ははっ、ふ…っ、ぅ、ははっ、あはっ!」



2人の指が止まってくれない。耳もいつまで経っても解放されない。逃げたいのに逃げられない。ついに駿里の声に嗚咽の混じり始めた。



「い゛っ、ぅ、あはっ、はははっ、ぅ、うぅ、っ、やだっ、ふっ…ぅ、はっ、ぅ、あはっ!」



志方の手には駿里の涙がたくさん流れてきているのに志方はまるでそれを無視するように手を動かし耳を舐める。駿里がどれだけ泣いても容赦しなかった。



「あはっ、ぅ、うぅ゛っ、ふ…っ、しかた、さっ、わき、あはっ、やだっ、ははは、ぁ、う!」



志方は駿里が擽られることに慣れないようにくすぐり方をコロコロ変えていた。指を細かく動かしたり急にその指の動きをゆっくりにしたり撫でたりと全く違うくすぐり方をしていた。そのせいでただでさえ1番弱い脇なのに駿里は余計にくすぐったく感じてしまっていたのだ。それに耐えきれず駿里が志方の名前を呼んでやめてとお願いしたが志方は返事すらしてくれなかった。早く及川にされた事を言えということなのだろう。松下も志方ほど酷くは無いが舐めることも擽ることもやめてはくれない。優しくではあるがそれが駿里にとっては逆に辛かった。



「いぁ゛っ、ぅ、あはっ、うぅ、ははっ、はははっぁ、う、」



駿里の顔に余裕がなくなってきている。口では笑っているものの顔の表情は連続で達している時のように苦しそうだ。ここまで来ると流石の松下も可哀想と思うようで擽る手を止めて駿里に話し始めた。だが志方は変わらず耳も舐めてくるし手も止めてはくれなかった。



「ここまでしても言えない内容なのか?お前まじで何されたんだよ。」

「あはっ、ぁ、いやっ、ぁ、う、うぅ、やめ、はは、はははっ、やめてっ、ぅ、やだっ、」



松下がそう言ったが駿里はその松下の声が耳に入っていなかった。目の前にいる松下の声すら聞こえないほど今は余裕がなくなっていたのだ。そんな駿里をみてこれではまともに話し合いができないと思い松下は志方を止めようと声をかけた。



「志方、1回手を止めろ。」

「あ?なんでだよ。」

「あはっ、ぅ、うぅ、ふ…、ぁ゛あはっ、くすぐるのも、ぅ、やめてっ、あは!」



松下の言ったことが理解できなかった志方は松下と話すために駿里の耳を舐めることはやめたがくすぐるては止めようとしない。そんな志方に腹が立った松下は志方を睨みつける。



「いいから止めろ。」

「まだこいつなんも言ってねぇじゃん。」

「いいから止めろっつってんだろ。」



松下はそう言って手を止めない志方の腕を乱暴に掴んだ。その瞬間志方は少し驚いたように目を見開いたがあまりにも松下が本気の顔をしていたのでそれ以上駿里に手を出すことはしなかった。



「…分かった。」



志方のその返事を聞くと松下は彼の腕を離した。そして視線を泣きじゃくっている駿里に移す。



「駿里。俺達も別にお前を泣かせたいわけじゃねぇんだよ。それは分かるよな?」



松下がそう駿里に優しく言ったが駿里は顔を背けて涙を流し続けた。そんな駿里をみて松下は反省する。少しばかりやりすぎてしまった、と。志方も松下同様に反省をした。どうも駿里が相手だと泣かせたくなってしまう。泣き顔を見る度そそられ止められなくなる。そして今に至ってしまった。



「たく、悪かったって。やりすぎた。だからもう泣くな。」



松下が駿里の涙を舐め取りながらそう優しく言ったが駿里の涙は止まらない。志方も松下と同じように声をかけ駿里の頭を撫でる。



「悪ぃ駿里。つい手が止まらなくなっちまった。」



2人から謝罪の嵐が降ってくる。だが今更謝られたところで駿里の気持ちは変わらない。やめてと言った時にやめてくれなかった恨みは強いからだ。



「うぅ、ふたりとも、きらいっ、はなれて…っ!」



駿里がそう言いながら2人を押しのけようとするがビクともしない。これはいつもの事だが腹が立つ。その怒りをぶつけるように駿里はポコポコと松下の前胸を叩き始めた。



「悪いな駿里。まだ離してやれない。」

「やだっ、きらい…。」

「今は嫌いでいいから俺の話を聞け。」



いつもなら嫌いと言った瞬間顔色をかえて真っ先にお仕置きをしてくる松下が優しくそう言ったので駿里は驚いて彼の顔を見た。その時松下はとても真剣な顔をしていた。その顔を見た駿里は直感した。松下は全てのことを知っている…と。そしてその勘はどうやら当たっていたようだ。



「駿里、お前及川さんにレイプされたんだろ。」

「は?」




松下がそういった時駿里はもちろん驚いた。だが驚いたのは駿里だけではなかった。あろうことか志方も驚いていたのだ。その様子を見る限り松下は及川に駿里がレイプをされたということについて確信を持っているがそれをほかの者に言っていない。だったら寛也にも言っていないはず。それならばここで認める必要は無いと駿里は否定をした。



「………ちがう。」

「おい康二…何言ってんだお前。」



何も知らない志方は駿里よりも驚いている。それもそのはず志方は松下同様に及川のことを尊敬していたのだから。だが今は志方よりも駿里の方が大切なので松下は志方のことを無視して話し続けた。



「カマかけるようなことして悪かった。初めから全部知ってたんだ。どうしてもお前の口から聞きたくてこんなことをした。だから話してくれよ駿里。」

「違うって言ってんじゃんか…っ!」

「落ち着け駿里。お前をどうこうしようって話じゃねぇから。」

「もう話は終わりっ、離して…。」



ここまで言ってもダメか…と松下はため息をついた。その松下をみて駿里は諦めてくれたと思ったが実際は違った。



「志方、退け。」

「…何すんだよお前。」

「いいから退け。」

「…変な真似すんじゃねぇぞ。」

「善処する。」



駿里を後ろから抱きしめるようにしていた志方に松下はそういい志方をその場から退かせた。そしてそのまま駿里を押し倒す。



「こ、うじ、さんっ、なに、するの…?」

「及川さんにされたこと全部上書きしてやる。」

「い、いやだっ、なにいってんだよ康二さんっ!」



松下の目が本気であることが怖くて駿里は松下の肩を押し返しながらそう言った。さっきカメラの映像は復元できなかったって言ったのになんでバレているのかも分からず駿里はもはやパニック状態だ。松下はそんな駿里の腕を片手で拘束し口を開いた。



「俺は映像の復元は出来なかったって言ったけど出来たんだよ。」

「はぁ?んだよ康二。俺は何も聞いてねぇぞ。」

「言ってねぇからな。もちろん組長にも言ってねぇ。俺だけがみて黙っておいた。でもそれは及川さんを庇うためじゃない。駿里、お前の為だ。俺が及川さんの過去の話をした時は何も知らなかった。お前が及川さんにレイプをされていることもなんにも知らなかった。だがあのおかげで気づいたんだよ。お前の様子がおかしいってな。だから俺は次の日誰にも気付かれずに盗聴器とカメラを新たにしかけた。それで分かった。お前が何をされているのかもな。」

「なんで、ちかやに言わなかったの…?」

「言ったらお前が傷つくだろ?もちろん及川さんには間違えなく制裁が下されるし俺達だってタダでは済まないかもしれない。その時お前がどんな心情になるのか分かってたから言わなかった。でもまぁ組長も薄々気づいてたとは思うぞ。だから多分今日及川さんを同伴させたんだ。本当は仕事なんてねぇのにな。組長が俺たちを連れていかなかったのは俺らが及川さんを尊敬してるって分かってたからだと思う。でもまぁ俺も俺で気づいてたんだがな。志方は馬鹿だから気づかなかったみたいだが。」



松下はただただそう淡々と話し続けた。その間駿里はずっと冷や汗が出ていた。だが今考えればおかしな話だ。あれだけ厳重な寛也が気づかないはずがない。異変に気づかないはずがなかった。その後何もしてこなかったのも今考えればおかしい。全て寛也の手のひらの上で転がされていたんだなと駿里は今さならながら思った。隠していても無意味だったと思い知らされてしまった。



「まぁ安心しろよ駿里。あの一日だけで留まったからそこまで酷い仕打ちを組長はしねぇだろうよ。お前が傷つくからな。そこ前提だ。でも及川さんは暫くお前に会えない。お前も及川さんに会えない。会わせない。そこだけは覚えとけ。」
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