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遅咲きの花は大輪に成る
なんで分かっちゃうの…*
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「駿里、俺にも教えろよ。」
「康二さんはやだ。」
「なんでだよ。」
「意地悪してきたから。」
「してねぇよ。」
「今さっきしたじゃんかっ!」
そう言って駿里が松下のことをそっぽ向くと寛也がわざとらしくため息をついてきた。こういう時大体は駿里が原因だ。それもかなりのご立腹の時。だから駿里は恐る恐る寛也の方をむくと案の定怒っている様子の寛也がいた。
「あれはお仕置きだろうが。反省してねぇなら初めからやり直してもいいんだぞ。」
「…嫌だ。」
寛也に顔を近づけられて耳元で脅すようにそう言われたが駿里は素っ気なくそう言った。駿里も駿里で納得いかなかったのだ。そもそもお仕置きされる意味がよく分かっていない。及川のせいなのになんであんな目に遭うのだと…。しかも最後らへんには及川も参加していた。もう意味がわからない状況だ。ヤクザに常識を求めるのはおかしなことかもしれないが常識人間の駿里にとっては大事なことなのだ。だから機嫌悪いオーラを出して寛也をちょっと困らせてやろうとしたのだ。そんな駿里に声をかけたのは寛也ではなく松下だった。
「たく、お前はそればっかりだな。反抗期か。」
「そんなんじゃないし…っ。」
駿里が下を向いてそういったのを見て松下はソファから歩いてきた。そして寛也の膝の上に乗っている駿里の顔を掴み上を向かせる。
「そんな顔してっとまた食われるぞ。明日腰が立たねぇかもな。」
「っ、さいてい!」
駿里はそう言って松下のことを押しのけようとしたが持っている腕力が違うので松下がビクともしないことはいつもの事。だから駿里は再び松下に言い返そうと口を開こうとしたが寛也によって口を塞がれた。
「こら駿里。そうやってすぐ康二に牙をむき出すな。俺がこの後仕事でいなくなった時どうすんだよ。」
え?今仕事って言った?そんなの聞いてない。どういうことだよ…と駿里が寛也に聞き返そうとしたが今は口を塞がれている。なのでそれを言葉に発することが出来なかった。だから駿里は寛也に手をのけてという意味を込めて寛也を見続けたが寛也は口を塞いでいる手を取ってくれなかった。そんな言葉の喋れなくなってしまった駿里の代わりに及川が話し出した。
「組長仕事に行かれるのですか?」
「ああ。」
「では俺が同伴します。」
「助かる。それなら松下と志方はここで待機してろ。」
「喜んで。」
「承知しました。」
松下が喜んでといったのを聞いて志方は呆れた。最近生意気が増してきたなと思いながらも寛也に礼儀正しいそう返した。そしてやっとその時寛也が駿里の口を解放してくれた。
「な、なんで仕事行くの…っ!」
「急用だ。外せねぇ用事だからいい子で待ってるんだぞ。」
「そんなの聞いてないっ!」
「今言ったじゃねぇか。」
寛也はそう言って焦りまくる駿里を志方に預けた。駿里を預けられた志方はすぐに自分の膝の上に乗せて軽く拘束する。駿里が寛也に行って欲しくないあまりに抱きつきに行くかと思ったからだ。まぁそれも無理は無いかもしれない。だって寛也と及川が行ってしまえばここに残るのは志方と松下。断言してもいいだろう。寛也がいったあと駿里が襲われるということを。たから駿里は必死になっていたのだ。
「ま、まって寛也っ、俺もいく。」
「駄目だ。仕事だから待ってろ。康二達がいるから寂しくねぇだろ?」
寂しい寂しくないの問題じゃないのに。駿里はなんて言葉に言えばいいか分からなかった。この後寛也が行ったあとのことを想像すると鳥肌が止まらない。お仕置きをされたばかりで体が辛いのにそんな状態で襲われでもしたら本当に死んでしまう。駿里はこの危機を乗り越える手段を一生懸命考えたがそんな都合よく思いつく訳もなく寛也が仕事に行く身支度を終えてしまった。
「じゃあな駿里。いい子まで待ってるんだぞ。」
本当は行って欲しくない…けど急用ってことは多分相当大切な仕事だ。だから駿里はこれ以上駄々をこねることはやめて素直に寛也を送り出すことにした。
「…行ってらっしゃい。」
駿里がそんな風に寂しそうに言ったからか寛也は微笑んで駿里の側まで来ると口に軽くキスをして頭をわしゃわしゃと撫でた。そして再び行ってくると言うと及川と共に玄関を目指して行った。そして寛也らが行ってすぐ案の定松下が駿里に話しかけてきた。
「駿里こっち来い。」
「行くわけないだろ…!」
「なら俺が行く。」
松下のまさかの言葉に焦り彼の方を見ると松下は本当に駿里の元まで歩いてこようとした。だが逃げるにも今駿里は志方の膝の上にいて彼は離してくれない。その為松下との距離がどんどん縮まるのみ。堪らず駿里は志方に助けを求めた。
「来るなっ、志方さん助けて…!」
「俺もどっちかって言うと康二の味方だからお前を康二に渡すけどいいのか?」
「え…ちょ、だめっ!」
志方は駿里の助けるどころか拘束している腕に力を入れてそう言ってきた。しかもそれだけではなく志方は駿里の身体を服越しに撫で始める。なんでよりにもよって志方の膝の上に俺を預けたんだと駿里は寛也を恨んだ。だが今はそんな暇すらない。この状況を何とかしなければと必死に逃げようとするがもうその時には松下がそばに来ていた。そして松下は駿里の顔掴むとニコッと笑い口を開く。
「別に突っこんだりしねぇからそう騒ぐな。」
「当たり前だっ、離してよ…。」
突っ込まなくても虐めてくるのが目に見えていた駿里は涙目になりながら松下にそう言った。その涙を松下は手で拭い舐めた。
「なに泣きそうになってんだ。別にとって食ったりしねぇから。なぁ?志方。」
「あったりめぇだ。愛するお前にそんな事するわけねぇだろ。ただちょっと気になることがあってそれを聞くだけだ。」
志方がそう言ったのを聞いて駿里は自分の行いを振り返った。何かやらかしただろうか…?聞いてみたいこととはなんだ…?と疑問が頭いっぱいになりながら駿里は志方の方を見続けた。
「聞きたいことってなに…?」
「及川さんの事だ。お前あの人になんかされたか?」
「されてないよ。」
内心ドキッとした。寛也ですら気づいていなかったのに。なんで松下には直ぐにバレてしまうのだろう。駿里は咄嗟に演技をしてそう言った。だがもしかしたら演技とバレてしまったかもしれない。その証拠に松下と志方は駿里をずっと重視してくるのだから。そして駿里はその視線に耐えられず2人から目線を外してしまった。
「…駿里。」
「やめろ志方。落ち着けって。お前が怒って駿里に手を出したら話し合いになんねぇだろうが。」
「あ…悪い悪い。」
そういったものの志方は怒りを抑えられない様子だった。もし全てを知っているとしたら志方が怒るのは当然だ。だがもし全部バレているとしたらこうやって聞いてくることは無いはず。だから何かをされたということは分かっていても松下達は駿里が及川に何をされたのかまでは知らないんだ。そう思った駿里は絶対に内容だけは知られないように演技をすることを選択した。
「んで、話を戻すけどよ。いい加減ほんとの事をいえ。別に俺たちは怒ってる訳じゃない。及川さんに何かをするって訳でもない。ただ事実が知りたいんだ。お前はなんでそんなに隠してんだ。お前と及川さんが話してる時普通に見えたが一瞬だけ違った瞬間があった。」
「きっと康二さんの気のせいだよ。」
きっと見られたんだ。及川に駿里が怯えているところを。だが駿里は焦ることも無くそう言い返した。そんな駿里をみて松下は困ったような表情をした。
「違ぇよ駿里。だから俺は調べたんだよ色々な。例えば…。」
松下はそう言うと駿里の顔を見た。まるでカマをかけるかのようにして…。そのため駿里は身構えた。何を言われても顔に出さないようにしなければならないから。だがそれは無理だった。なぜなら松下があること言ったから。
それは………。
「監視カメラとか。」
「っーー!」
松下が言ったその言葉を聞いた瞬間に駿里は思わず狼狽えてしまった。その反応を見た志方と松下はやっぱりかという表情をする。
「その時カメラが加工されてることに気づいた。でも映像は元に戻せなかった。その間お前は及川さんに何をされた?」
「…何もされてないよ。」
「なんでそこまで隠すんだよ。」
「もういい志方。駿里が言わねぇなら言わせるまでだ。」
松下の言ったその言葉の意味が分からなかった駿里はどういう意味だろうと彼の顔を見た。その時松下はとんでもなく怒っていた。初めてかもしれない。ここまで怒っている松下を見たのは…。駿里はどうしようにももう言い訳することも出来ないぐらい松下らは確信に迫っている。だからといって逃げることも出来ない。ここまで隠し通せたのに最悪だ…と駿里が俯いたその時松下によって少し乱暴に顔を上げさせられた。
「俺達は優しいから選ばせてやるよ駿里。言うまで俺たちに両耳を耳舐められ続けて我慢できなくなってやっと言うか。擽られるか、それともイキ地獄か…どれがいい?」
「全部いやに決まってんじゃんかっ、てかそもそも違うって言ってんのに康二さんはなんで俺の話聞いてくれないの…っ!」
「なぁ駿里。俺達が何者かを忘れてねぇか?俺らは極道だぞ。そんな嘘が通用するわけねぇよな。まぁお前が選ばねぇって言うなら全部だな。行くぞ志方。」
松下はそう言うと駿里を抱きかかえて志方と共に寝室へと向かっていった。その道中駿里はこの最悪な状況から逃れようと必死になっていた。
「ま、まってっ、選ぶから全部はいや…!」
「選ぶって言うことは及川さんされたのを認めるって事だな。」
松下にそう言われた駿里は負けたと思った。どうやっても松下には勝てない。そう思った。
「…誘導尋問しないでよ。」
「後は何をされたか言うだけだぞ。ほら早く言え。じゃねぇとまじで全部すんぞ。」
戦意喪失したように力が抜けた駿里のおしりを揉みながら志方がそう言った。その時さりげなく後孔も触られる。きっとここで全部言った方が楽になる。身体にしても心にしても。だけどそれを言うことで寛也に全てがバレてしまうことも怖い。なによりも及川がこの組から除外されてしまうかもしれない。だから言いたくとも駿里はいえなかった。
「…いわない。」
「そっか。じゃあ耐えて見せろよ。最初は何にするか?耳からいくか。」
「馬鹿何言ってんだ志方。擽りに決まってんだろ。」
「康二さんはやだ。」
「なんでだよ。」
「意地悪してきたから。」
「してねぇよ。」
「今さっきしたじゃんかっ!」
そう言って駿里が松下のことをそっぽ向くと寛也がわざとらしくため息をついてきた。こういう時大体は駿里が原因だ。それもかなりのご立腹の時。だから駿里は恐る恐る寛也の方をむくと案の定怒っている様子の寛也がいた。
「あれはお仕置きだろうが。反省してねぇなら初めからやり直してもいいんだぞ。」
「…嫌だ。」
寛也に顔を近づけられて耳元で脅すようにそう言われたが駿里は素っ気なくそう言った。駿里も駿里で納得いかなかったのだ。そもそもお仕置きされる意味がよく分かっていない。及川のせいなのになんであんな目に遭うのだと…。しかも最後らへんには及川も参加していた。もう意味がわからない状況だ。ヤクザに常識を求めるのはおかしなことかもしれないが常識人間の駿里にとっては大事なことなのだ。だから機嫌悪いオーラを出して寛也をちょっと困らせてやろうとしたのだ。そんな駿里に声をかけたのは寛也ではなく松下だった。
「たく、お前はそればっかりだな。反抗期か。」
「そんなんじゃないし…っ。」
駿里が下を向いてそういったのを見て松下はソファから歩いてきた。そして寛也の膝の上に乗っている駿里の顔を掴み上を向かせる。
「そんな顔してっとまた食われるぞ。明日腰が立たねぇかもな。」
「っ、さいてい!」
駿里はそう言って松下のことを押しのけようとしたが持っている腕力が違うので松下がビクともしないことはいつもの事。だから駿里は再び松下に言い返そうと口を開こうとしたが寛也によって口を塞がれた。
「こら駿里。そうやってすぐ康二に牙をむき出すな。俺がこの後仕事でいなくなった時どうすんだよ。」
え?今仕事って言った?そんなの聞いてない。どういうことだよ…と駿里が寛也に聞き返そうとしたが今は口を塞がれている。なのでそれを言葉に発することが出来なかった。だから駿里は寛也に手をのけてという意味を込めて寛也を見続けたが寛也は口を塞いでいる手を取ってくれなかった。そんな言葉の喋れなくなってしまった駿里の代わりに及川が話し出した。
「組長仕事に行かれるのですか?」
「ああ。」
「では俺が同伴します。」
「助かる。それなら松下と志方はここで待機してろ。」
「喜んで。」
「承知しました。」
松下が喜んでといったのを聞いて志方は呆れた。最近生意気が増してきたなと思いながらも寛也に礼儀正しいそう返した。そしてやっとその時寛也が駿里の口を解放してくれた。
「な、なんで仕事行くの…っ!」
「急用だ。外せねぇ用事だからいい子で待ってるんだぞ。」
「そんなの聞いてないっ!」
「今言ったじゃねぇか。」
寛也はそう言って焦りまくる駿里を志方に預けた。駿里を預けられた志方はすぐに自分の膝の上に乗せて軽く拘束する。駿里が寛也に行って欲しくないあまりに抱きつきに行くかと思ったからだ。まぁそれも無理は無いかもしれない。だって寛也と及川が行ってしまえばここに残るのは志方と松下。断言してもいいだろう。寛也がいったあと駿里が襲われるということを。たから駿里は必死になっていたのだ。
「ま、まって寛也っ、俺もいく。」
「駄目だ。仕事だから待ってろ。康二達がいるから寂しくねぇだろ?」
寂しい寂しくないの問題じゃないのに。駿里はなんて言葉に言えばいいか分からなかった。この後寛也が行ったあとのことを想像すると鳥肌が止まらない。お仕置きをされたばかりで体が辛いのにそんな状態で襲われでもしたら本当に死んでしまう。駿里はこの危機を乗り越える手段を一生懸命考えたがそんな都合よく思いつく訳もなく寛也が仕事に行く身支度を終えてしまった。
「じゃあな駿里。いい子まで待ってるんだぞ。」
本当は行って欲しくない…けど急用ってことは多分相当大切な仕事だ。だから駿里はこれ以上駄々をこねることはやめて素直に寛也を送り出すことにした。
「…行ってらっしゃい。」
駿里がそんな風に寂しそうに言ったからか寛也は微笑んで駿里の側まで来ると口に軽くキスをして頭をわしゃわしゃと撫でた。そして再び行ってくると言うと及川と共に玄関を目指して行った。そして寛也らが行ってすぐ案の定松下が駿里に話しかけてきた。
「駿里こっち来い。」
「行くわけないだろ…!」
「なら俺が行く。」
松下のまさかの言葉に焦り彼の方を見ると松下は本当に駿里の元まで歩いてこようとした。だが逃げるにも今駿里は志方の膝の上にいて彼は離してくれない。その為松下との距離がどんどん縮まるのみ。堪らず駿里は志方に助けを求めた。
「来るなっ、志方さん助けて…!」
「俺もどっちかって言うと康二の味方だからお前を康二に渡すけどいいのか?」
「え…ちょ、だめっ!」
志方は駿里の助けるどころか拘束している腕に力を入れてそう言ってきた。しかもそれだけではなく志方は駿里の身体を服越しに撫で始める。なんでよりにもよって志方の膝の上に俺を預けたんだと駿里は寛也を恨んだ。だが今はそんな暇すらない。この状況を何とかしなければと必死に逃げようとするがもうその時には松下がそばに来ていた。そして松下は駿里の顔掴むとニコッと笑い口を開く。
「別に突っこんだりしねぇからそう騒ぐな。」
「当たり前だっ、離してよ…。」
突っ込まなくても虐めてくるのが目に見えていた駿里は涙目になりながら松下にそう言った。その涙を松下は手で拭い舐めた。
「なに泣きそうになってんだ。別にとって食ったりしねぇから。なぁ?志方。」
「あったりめぇだ。愛するお前にそんな事するわけねぇだろ。ただちょっと気になることがあってそれを聞くだけだ。」
志方がそう言ったのを聞いて駿里は自分の行いを振り返った。何かやらかしただろうか…?聞いてみたいこととはなんだ…?と疑問が頭いっぱいになりながら駿里は志方の方を見続けた。
「聞きたいことってなに…?」
「及川さんの事だ。お前あの人になんかされたか?」
「されてないよ。」
内心ドキッとした。寛也ですら気づいていなかったのに。なんで松下には直ぐにバレてしまうのだろう。駿里は咄嗟に演技をしてそう言った。だがもしかしたら演技とバレてしまったかもしれない。その証拠に松下と志方は駿里をずっと重視してくるのだから。そして駿里はその視線に耐えられず2人から目線を外してしまった。
「…駿里。」
「やめろ志方。落ち着けって。お前が怒って駿里に手を出したら話し合いになんねぇだろうが。」
「あ…悪い悪い。」
そういったものの志方は怒りを抑えられない様子だった。もし全てを知っているとしたら志方が怒るのは当然だ。だがもし全部バレているとしたらこうやって聞いてくることは無いはず。だから何かをされたということは分かっていても松下達は駿里が及川に何をされたのかまでは知らないんだ。そう思った駿里は絶対に内容だけは知られないように演技をすることを選択した。
「んで、話を戻すけどよ。いい加減ほんとの事をいえ。別に俺たちは怒ってる訳じゃない。及川さんに何かをするって訳でもない。ただ事実が知りたいんだ。お前はなんでそんなに隠してんだ。お前と及川さんが話してる時普通に見えたが一瞬だけ違った瞬間があった。」
「きっと康二さんの気のせいだよ。」
きっと見られたんだ。及川に駿里が怯えているところを。だが駿里は焦ることも無くそう言い返した。そんな駿里をみて松下は困ったような表情をした。
「違ぇよ駿里。だから俺は調べたんだよ色々な。例えば…。」
松下はそう言うと駿里の顔を見た。まるでカマをかけるかのようにして…。そのため駿里は身構えた。何を言われても顔に出さないようにしなければならないから。だがそれは無理だった。なぜなら松下があること言ったから。
それは………。
「監視カメラとか。」
「っーー!」
松下が言ったその言葉を聞いた瞬間に駿里は思わず狼狽えてしまった。その反応を見た志方と松下はやっぱりかという表情をする。
「その時カメラが加工されてることに気づいた。でも映像は元に戻せなかった。その間お前は及川さんに何をされた?」
「…何もされてないよ。」
「なんでそこまで隠すんだよ。」
「もういい志方。駿里が言わねぇなら言わせるまでだ。」
松下の言ったその言葉の意味が分からなかった駿里はどういう意味だろうと彼の顔を見た。その時松下はとんでもなく怒っていた。初めてかもしれない。ここまで怒っている松下を見たのは…。駿里はどうしようにももう言い訳することも出来ないぐらい松下らは確信に迫っている。だからといって逃げることも出来ない。ここまで隠し通せたのに最悪だ…と駿里が俯いたその時松下によって少し乱暴に顔を上げさせられた。
「俺達は優しいから選ばせてやるよ駿里。言うまで俺たちに両耳を耳舐められ続けて我慢できなくなってやっと言うか。擽られるか、それともイキ地獄か…どれがいい?」
「全部いやに決まってんじゃんかっ、てかそもそも違うって言ってんのに康二さんはなんで俺の話聞いてくれないの…っ!」
「なぁ駿里。俺達が何者かを忘れてねぇか?俺らは極道だぞ。そんな嘘が通用するわけねぇよな。まぁお前が選ばねぇって言うなら全部だな。行くぞ志方。」
松下はそう言うと駿里を抱きかかえて志方と共に寝室へと向かっていった。その道中駿里はこの最悪な状況から逃れようと必死になっていた。
「ま、まってっ、選ぶから全部はいや…!」
「選ぶって言うことは及川さんされたのを認めるって事だな。」
松下にそう言われた駿里は負けたと思った。どうやっても松下には勝てない。そう思った。
「…誘導尋問しないでよ。」
「後は何をされたか言うだけだぞ。ほら早く言え。じゃねぇとまじで全部すんぞ。」
戦意喪失したように力が抜けた駿里のおしりを揉みながら志方がそう言った。その時さりげなく後孔も触られる。きっとここで全部言った方が楽になる。身体にしても心にしても。だけどそれを言うことで寛也に全てがバレてしまうことも怖い。なによりも及川がこの組から除外されてしまうかもしれない。だから言いたくとも駿里はいえなかった。
「…いわない。」
「そっか。じゃあ耐えて見せろよ。最初は何にするか?耳からいくか。」
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