極道の密にされる健気少年

安達

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番外編

〜オメガバース〜 理性との戦い *

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「も、っ…と、ぉ、ほしっ、ちかっ、や、ぁ…。」 

「駄目だ。一旦休憩しよう。水分だけでもとってくれ。」



あれから駿里はもう何度目か分からないほどの射精を伴わない絶頂を迎えているというのに寛也を求め続ける。手を伸ばし腰を揺らして寛也を誘惑してくる。それを見る度に寛也は自制が効かなくなりそうだった。何度も駿里が寛也の限界を試してくる様なことをしてくる。まだかろうじて理性は残っていたが寛也は正直かなり限界だった。抑制剤を打ってこの状況なのだからもう施しようがない。そんな寛也とは裏腹に何度絶頂をむかえても駿里は体の疼きが一向に治らなかった。熱くて仕方がない。体が火照っててムズムズするのだ。そんな駿里を見て寛也は一旦腰を止めそう言った。自分の休憩も兼ねて駿里を少しでも落ち着かせようとしたのだ。

しかしーーー。




「うぅ、いらないっ、ちかや、がいぃ…。」



絶頂をむかえた直後に刺激されるのは普段なら嫌で仕方がない駿里だったけれど今だけは話が別だった。辛くない。もっと欲しい。満たして欲しい。駿里は寛也にぐちゃぐちゃになるまで抱き潰して欲しかった。何もかも分からなくなるまでやって欲しかった。頭を真っ白にしたかった。それは寛也もわかっていた。だがどうしても水分だけでも取らせたかった。



「駿里。嬉しいがこのままだと倒れちまう。ちょっとだけでいいから休もう、な?」

「いやっ、ほしぃ…。」

「こら、駿里。やめるんだ。」



駿里は寛也のいうことを全く聞いてくれない。聞く耳を持たない。中々手強かった。そして駿里はついに限界寸前の寛也に対してどうしてしてくれないの?、というように寛也の首筋に吸い付いたり、頸をぺろぺろと舐め始めた。そして後付けをしていく。寛也もそれを無理に辞めさせることが出来ず困り果てていた。とりあえず寛也は駿里が満足するまで待っていることにした。だがそれが逆効果だった。



「うぅ…っ、なん、で、してくれ、ないのっ、こんなにっ、ほしぃっ、て、いってる、のに、ぃ…。」



初めは寛也に跡をつけていくことに駿里は満たされていた。だが駿里は途中から悲しくなってしまった。こんなに自分が寛也に跡付けをしているのに寛也は一向に手を出してこない。駿里は抱き潰されることを想定してそれをやったのに思うようにいかなかった。寛也はもうやりたくないのかもしれない。嫌になってしまったのかもしれない。そんなことを思うと悲しくてたまらなくなったのだ。



「そんな顔すんな。駿里あのな、今は疲れてねぇかもしれないがあとから辛くなっちまう。だがら少しだけでいい。休憩しよう。」



そうは言ったもののこの調子では駿里が落ち着かない。その証拠にそう寛也に言われた駿里はとても不満そうな顔をしていた。涙さえも流している。望むままに激しく抱いてやるべきか…。しかし先程もかなり酷く抱いてしまった。それなのにまた無理させて良いのかと寛也は頭の中で葛藤していた。見たところ駿里の体力はもう限界ギリギリのはずだ。既に限界を突破している可能性だってある。加減してやらなければ壊してしまう。やはり激しく抱くことを選択するのは駄目だ。そう思って寛也が駿里を抱きかかえようとしたその時ーーー。



「ば、かぁっ、ちかやっ、な、んてっ、きらいだっ、ぅ…。」

「あ?今なんつった?」



駿里から『嫌い。』そう言われて寛也は思わず奥をズンっと突いた。その衝撃で駿里は体を大きくビクつかせる。そんな駿里に構うものかと寛也はゆっくりと中を堪能するように腰を動かし始めた。



「ん゛あっ、ぁ…!」

「それは禁句だろ?」



普段の駿里なら深く反省している場面であろう。だが今は嬉しそうだった。怯むどころか艶然と微笑んだ。寛也を怒らせたことでまた抱いてもらえる。そう思ったからだ。あからさまに嬉しそうに期待している駿里の顔をみて寛也は我慢することをやめた。



「いい加減にしよろ駿里…。」

「あぁっ、ぅ、んっ!!」

「そんなに酷くして欲しけりゃやってやる。」


寛也は自分を抑えることをやめた。駿里のフェロモンに当てられ抑制していたがそれを解放する。思うがままにアルファの欲を爆発させた。要するに寛也はラット状態を故意に起こしたのだ。そんな寛也を見て駿里は甘え、そして期待が混じった目で猛烈な目をしているであろう寛也のことを見上げた。



「はっ、なんだその目は。期待してんのかよ。」

「っ、う、ぁっ…。」

「いいぜ。お前望みを叶えてやる。だがその代わりやめてっつってもやめねぇからな。」




それからは寛也がそう言った通り駿里が失神しそうになる度に強制的に起こした。結腸まで激しく突き、前立腺を擦りながらペニスも忘れずに刺激する。それを何回続けただろうか。駿里の声も次第に小さくなり体の限界を迎えていった。それでも寛也は止まらなかった。駿里が体をビクビクさせながら絶頂をむかえている最中も腰を動かして駿里の弱いところを突く。寛也は駿里が求めていた猛烈な快楽を叩き込んでくれた。



「出すぞ。全身でしっかり受け止めろ。」

「ん゛っ、ぁーーーーー!」



何度目か分からない寛也のものが奥に出された。駿里は寛也の熱を全身で感じながら目を閉じた。そしてそんな動かなくなってしまった駿里を見て寛也は頭を優しく撫でた。駿里のことを抱きしめ濃いキスをした。舌を挿れ口の中を犯す。ラット状態である自分を落ち着けるために。そうしているうちに徐々に体の熱が引いてきた。駿里が寝たことでオメガ特有のフェロモンが少し治まったということもあるだろう。やっとのことで体が落ち着いてきた寛也は眠っている駿里の顔を見た。



「……よかった。起こしてなかったようだな。」



駿里は長いこと寛也を求め続けていたがやっと眠ってくれた。寛也がラットを治すためにキスをしていた間も起きることなく眠っていたようだ。それだけ深い眠りに着いていれば安心だと言うように寛也は駿里に微笑みかけた。かなり強制的ではあったが体を休ませるためには致し方ない。とりあえずこれで体だけでも休ませることが出来る。寝ている間に回復することが出来ればの話だが…。しかし本当の問題はこれからだった。駿里は長いこと水分と食事を何一つとして取っていない。これはかなりまずい。次に駿里の目が覚めた時のために寛也は準備を始めた。言うことを聞いて食事を取ってくれる可能性はかなり低い。だがらこそ寛也はそれに備え始めた。そのついでに抑制剤もベットの脇に隠した。もしラットになりそうになった時直ぐに抑えられるように、と。
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