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番外編
通りすがりの女 俺たちの形
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「駿里?」
「…………。」
「落ちちまったか。まだ足りねぇけど今日はもう許してやるか。」
寛也が絶頂を迎えると駿里はパタリと動かなくなった。それもそのはずだ。なにせ何時間もの間、駿里は寛也に抱かれ続けていたのだから。もう限界なんてとっくに過ぎていただろう。何度絶頂を迎えたかも分らない。いや駿里は考えたくもないかもしれない。それほど泣き喚いていたのだから。イキ地獄は相当辛かったであろう。そんな駿里のことを寛也は優しく頭を撫でた。少しばかりやりすぎたかもしれない。そう思い寛也は反省したが謝る気は無さそうだ。なにせお仕置きなのだから。だが寛也の行動はその考えとはまるで逆だった。
「とりあえず身体綺麗にしてやんねぇとだな。」
寛也はそう言うと駿里のことを腫れ物を扱うように優しく抱きかかえ、そのまま浴室へと向かう。服はもう脱いであるので一直線に浴室へと入っていった。そして駿里が寒くないように寛也は自身の膝の上に駿里を乗せてすぐにお湯を肩からかけた。風邪をひかぬよう最大限の配慮をしながら駿里のことを丁寧に洗っていく。シャンプー、リンス、ボディーソープを使って身体の隅々まで綺麗にしていた時、寛也の陰茎が大きくなってしまった。
「…さすがにここで挿れたら1週間は口聞いてもらえねぇだろうな。はは、それはさすがに耐えられねぇな。」
寛也は今すぐにでも駿里を抱き潰したい欲を抑えて駿里の身体を洗い続けた。こんな可愛い寝顔をまじかで見せられて男の欲が出ないわけが無い。寛也は駿里に軽いキスをすることでその欲を満たしていった。そしてそれと同時に何度も話しかけた。
「寒くねぇか駿里………って聞こえねぇよな。たく、お前はなんで眠っててもこんなに可愛いんだ。」
寛也はそんなことを言いながら1人で楽しんでいた。返事はずっとかえってこない。それは当たり前だ。駿里は眠っているのだから。だが、それでも寛也は楽しかった。この時間が幸せだった。
「ほんとにお前は可愛いやつだ。」
何度も可愛いと言いながら寛也は駿里を洗い続ける。そして泡を綺麗に流すとすぐに浴室から出て駿里のことをタオルで優しく拭いた。その後寒くならないように急いで服を着させる。丁寧に1枚1枚着せていく。そして下着、パジャマまで着せた。
「まだ2月だしなぁ。また最近寒くなってきたし、これも着せとくか。暑くなったら自分で脱げ。」
寛也はそう言うと駿里にモコモコの素材のパジャマを今着ている寝着の上から着せた。寛也はこうまでして駿里に風邪をひかせたくないのだ。なぜなら駿里が辛そうなしている顔は見ていられないから。先程お仕置きをしたばかりでこんなことを言うのはおかしな話かもしれないがそれとこれは寛也にとって別のようだ。
「悪いな、駿里。ちょっとだけ待たせちまうが許してくれ。」
駿里のことを浴室の中でも綺麗な床のところに寝かせると寛也は急いで軽くではあったが自身の体をふいた。そしてその後すぐ駿里を抱きかかえて寝室へと向かった。寛也はその間ずっと裸だった。水分も本当に軽くふき取っただけだ。相当寒いであろう。それなのに寛也はそれを気にすることなく駿里を愛しい目で見つめながら寝室まで向かった。
「寒くねぇように布団かけるからな。」
寛也は一度駿里にキスを落とすと布団を首から下の全部が埋まるようにかけた。枕も調節しながら駿里にもう一度キスをする。
「悪ぃな駿里。服きて来るから少しだけ1人にすんぞ。」
寛也は寝ている駿里にそう言うと浴室へと戻り先程軽く拭いただけだった体を丁寧に拭き、髪の毛も乾かした。そして服を着るやいなや駿里の所まで急いで戻って行った。
「待たせたな駿里。」
寛也はそう言うと駿里の隣に入り込んだ。そして駿里を自分の方に抱き寄せる。そうしていくうちに冷えた身体が癒されていった。
「おやすみ駿里。明日朝起きたら俺たちまた喧嘩すんだろうな。まぁそれも悪くない。」
駿里は知らない。眠っている間に寛也がここまでしてくれているということを。だが寛也はそれでいいのだ。駿里がいるだけでいい。幸せなのだ。その幸せをかみ締めながら寛也も夢の中へと入っていった。
******
そして次の日の朝ーーー。
「ばか寛也っ!!!」
寛也の予想通りだ。駿里は起きるやいなやまだ眠っている寛也にそう叫んだ。そして起きた瞬間に身体が悲鳴をあげたのだろう。駿里は痛みに耐えていた。腰を押え悔しそうに寛也を見る。
「朝から元気なやつだな。こっちに来い。」
本気で怒っている駿里とは違い寛也は冷静だ。怒りに満ちた駿里をそう言って抱き寄せると自身の腕の中に閉じ込めた。
「やめろって、離せよっ。俺は今そんなことして欲しいんじゃないっ、寛也のせいで身体中痛いんだよっ…!!!!」
「おい暴れんな。寝起きのくせになんでこんなに元気がいいんだよ。じゃあなんだ腹でも減ってんのか?」
「このやろうっ……………………でもお腹は空いてる。」
駿里は今の寛也の発言に正直ムカついた。だが、それ以上にお腹がすいていた。あれだけ身体と喉を酷使していたらお腹もすぐだろう。なにか飲みたいし、胃に食べ物を入れたくて仕方がなかった。それを正直にいった駿里がまた可愛くて可愛くて寛也は思わず笑いがこぼれた。
「はは、素直で可愛いじゃねぇか。そういうことなら朝飯作ってやるからもう一眠りしとけ。な?駿里。」
「………わかった。」
駿里がそう返事をすると寛也は腕の力を抜いた。駿里を解放したのだ。そしてそのまま寛也は起き上がると台所へと向かっていく。
「あいつの好きなもん作ってやるか。」
そう言いながら寛也は楽しそうに料理をし始めた。先程の怒っているのに素直で健気な駿里を思い出すと思わず笑みがこぼれてしまう。だがあんまりにも揶揄うとまた駿里が怒ってしまうので機嫌取りにでも、と寛也は駿里の大好物を作ることにした。
そしてその頃寝室にいる駿里はーーー。
「ばか寛也。後で殴ってやる…………けど許すっ…。」
だってさっきからいい匂いがするのだから。寛也が作っている駿里の大好物の匂いが寝室にまで届き駿里のは気分が上がっていたのだ。すべて寛也の思惑通り。駿里もそれをわかっている。それでも自分のために何かを作ってくれている嬉しいのだ。だから駿里は寛也を許した。チョロいと思われてもいい。これが俺たちの形なのだから。
ーーーー通りすがりの女end
「…………。」
「落ちちまったか。まだ足りねぇけど今日はもう許してやるか。」
寛也が絶頂を迎えると駿里はパタリと動かなくなった。それもそのはずだ。なにせ何時間もの間、駿里は寛也に抱かれ続けていたのだから。もう限界なんてとっくに過ぎていただろう。何度絶頂を迎えたかも分らない。いや駿里は考えたくもないかもしれない。それほど泣き喚いていたのだから。イキ地獄は相当辛かったであろう。そんな駿里のことを寛也は優しく頭を撫でた。少しばかりやりすぎたかもしれない。そう思い寛也は反省したが謝る気は無さそうだ。なにせお仕置きなのだから。だが寛也の行動はその考えとはまるで逆だった。
「とりあえず身体綺麗にしてやんねぇとだな。」
寛也はそう言うと駿里のことを腫れ物を扱うように優しく抱きかかえ、そのまま浴室へと向かう。服はもう脱いであるので一直線に浴室へと入っていった。そして駿里が寒くないように寛也は自身の膝の上に駿里を乗せてすぐにお湯を肩からかけた。風邪をひかぬよう最大限の配慮をしながら駿里のことを丁寧に洗っていく。シャンプー、リンス、ボディーソープを使って身体の隅々まで綺麗にしていた時、寛也の陰茎が大きくなってしまった。
「…さすがにここで挿れたら1週間は口聞いてもらえねぇだろうな。はは、それはさすがに耐えられねぇな。」
寛也は今すぐにでも駿里を抱き潰したい欲を抑えて駿里の身体を洗い続けた。こんな可愛い寝顔をまじかで見せられて男の欲が出ないわけが無い。寛也は駿里に軽いキスをすることでその欲を満たしていった。そしてそれと同時に何度も話しかけた。
「寒くねぇか駿里………って聞こえねぇよな。たく、お前はなんで眠っててもこんなに可愛いんだ。」
寛也はそんなことを言いながら1人で楽しんでいた。返事はずっとかえってこない。それは当たり前だ。駿里は眠っているのだから。だが、それでも寛也は楽しかった。この時間が幸せだった。
「ほんとにお前は可愛いやつだ。」
何度も可愛いと言いながら寛也は駿里を洗い続ける。そして泡を綺麗に流すとすぐに浴室から出て駿里のことをタオルで優しく拭いた。その後寒くならないように急いで服を着させる。丁寧に1枚1枚着せていく。そして下着、パジャマまで着せた。
「まだ2月だしなぁ。また最近寒くなってきたし、これも着せとくか。暑くなったら自分で脱げ。」
寛也はそう言うと駿里にモコモコの素材のパジャマを今着ている寝着の上から着せた。寛也はこうまでして駿里に風邪をひかせたくないのだ。なぜなら駿里が辛そうなしている顔は見ていられないから。先程お仕置きをしたばかりでこんなことを言うのはおかしな話かもしれないがそれとこれは寛也にとって別のようだ。
「悪いな、駿里。ちょっとだけ待たせちまうが許してくれ。」
駿里のことを浴室の中でも綺麗な床のところに寝かせると寛也は急いで軽くではあったが自身の体をふいた。そしてその後すぐ駿里を抱きかかえて寝室へと向かった。寛也はその間ずっと裸だった。水分も本当に軽くふき取っただけだ。相当寒いであろう。それなのに寛也はそれを気にすることなく駿里を愛しい目で見つめながら寝室まで向かった。
「寒くねぇように布団かけるからな。」
寛也は一度駿里にキスを落とすと布団を首から下の全部が埋まるようにかけた。枕も調節しながら駿里にもう一度キスをする。
「悪ぃな駿里。服きて来るから少しだけ1人にすんぞ。」
寛也は寝ている駿里にそう言うと浴室へと戻り先程軽く拭いただけだった体を丁寧に拭き、髪の毛も乾かした。そして服を着るやいなや駿里の所まで急いで戻って行った。
「待たせたな駿里。」
寛也はそう言うと駿里の隣に入り込んだ。そして駿里を自分の方に抱き寄せる。そうしていくうちに冷えた身体が癒されていった。
「おやすみ駿里。明日朝起きたら俺たちまた喧嘩すんだろうな。まぁそれも悪くない。」
駿里は知らない。眠っている間に寛也がここまでしてくれているということを。だが寛也はそれでいいのだ。駿里がいるだけでいい。幸せなのだ。その幸せをかみ締めながら寛也も夢の中へと入っていった。
******
そして次の日の朝ーーー。
「ばか寛也っ!!!」
寛也の予想通りだ。駿里は起きるやいなやまだ眠っている寛也にそう叫んだ。そして起きた瞬間に身体が悲鳴をあげたのだろう。駿里は痛みに耐えていた。腰を押え悔しそうに寛也を見る。
「朝から元気なやつだな。こっちに来い。」
本気で怒っている駿里とは違い寛也は冷静だ。怒りに満ちた駿里をそう言って抱き寄せると自身の腕の中に閉じ込めた。
「やめろって、離せよっ。俺は今そんなことして欲しいんじゃないっ、寛也のせいで身体中痛いんだよっ…!!!!」
「おい暴れんな。寝起きのくせになんでこんなに元気がいいんだよ。じゃあなんだ腹でも減ってんのか?」
「このやろうっ……………………でもお腹は空いてる。」
駿里は今の寛也の発言に正直ムカついた。だが、それ以上にお腹がすいていた。あれだけ身体と喉を酷使していたらお腹もすぐだろう。なにか飲みたいし、胃に食べ物を入れたくて仕方がなかった。それを正直にいった駿里がまた可愛くて可愛くて寛也は思わず笑いがこぼれた。
「はは、素直で可愛いじゃねぇか。そういうことなら朝飯作ってやるからもう一眠りしとけ。な?駿里。」
「………わかった。」
駿里がそう返事をすると寛也は腕の力を抜いた。駿里を解放したのだ。そしてそのまま寛也は起き上がると台所へと向かっていく。
「あいつの好きなもん作ってやるか。」
そう言いながら寛也は楽しそうに料理をし始めた。先程の怒っているのに素直で健気な駿里を思い出すと思わず笑みがこぼれてしまう。だがあんまりにも揶揄うとまた駿里が怒ってしまうので機嫌取りにでも、と寛也は駿里の大好物を作ることにした。
そしてその頃寝室にいる駿里はーーー。
「ばか寛也。後で殴ってやる…………けど許すっ…。」
だってさっきからいい匂いがするのだから。寛也が作っている駿里の大好物の匂いが寝室にまで届き駿里のは気分が上がっていたのだ。すべて寛也の思惑通り。駿里もそれをわかっている。それでも自分のために何かを作ってくれている嬉しいのだ。だから駿里は寛也を許した。チョロいと思われてもいい。これが俺たちの形なのだから。
ーーーー通りすがりの女end
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