極道の密にされる健気少年

安達

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番外編

秘密の3P * 前編

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「えっと、康二さんの家って何号室だったっけ?」



駿里は今日仕事が忙しい寛也のお手伝いをしていた。最近家に帰ってくるのも遅いため寝不足になってしまっている寛也を心配し少しでも手助けをしたいと思ったからだ。そして今、寛也から頼まれた仕事をしに松下の家がある階まで来ている。寛也から書類を届けて欲しいと頼まれたのだ。だが駿里は寛也に松下が何号室なのか聞くのを忘れてしまって途方に暮れてしまっていた。



「…1回事務所に戻ろう。」



人が来る気配もないしこのままでは時間を無駄にするだけなので駿里は寛也の所に一度戻ろうとした。本来ならスマホで連絡を取るべき場面なのだが駿里はスマホを持っていなかった。そのため連絡することが出来ず寛也のところに行く以外連絡を取り合う手段がなかったのだ。駿里が事務所へ行こうとエレベーターのところまで来た時背後から足音が聞こえてきた。



「駿里?何してんのお前。」

「志方さん!」



先程聞こえた足音の主から声をかけられて後ろを振り返ればそこには志方が居た。ちょうどいい。ナイスタイミングだ。なんて運がいいんだ。志方に松下の部屋番号を聞けば事務所に行く必要がなくなる。駿里はその嬉しさのあまり満面の笑みで志方の所まで行った。



「おお、俺だぞ。どうした?」

「康二さんの部屋番号教えて。寛也から仕事頼まれたのに部屋番号聞くの忘れて入れないんだ。」

「はは、お前は相変わらずおっちょこちょいだな。あいつの部屋はここだ。」



ガバガバと笑いながらも志方はちゃんと松下の部屋番号を教えてくれた。そして松下の部屋のインターホンまで鳴らしてくれて彼が家の中から出るまで待ってくれるとも言ってくれた。



「ありがとう志方さん。」

「いいよ。後でお礼してもらうから。」



やっぱりそう来たか。でも今回は助けて貰ったしちゃんとお礼がしたかった駿里は志方の顔を見て頷いた。



「…俺に出来ることならお礼するね。」

「なんでそんな苦笑いなんだよ。」

「そんなことないよ。」



志方に頬を掴まれぷにぷにと揉まれる。駿里は苦笑いをしている自覚はなかったため志方にそう言われてとても驚いた。いつものように思っていたことが顔に出てしまっていたようだ。



「俺にはそう見えたんだがなぁ。」

「もう近いってば…!」



駿里は志方に抱き寄せられおでこにキスをされた。そしてそのまま距離を密着され息が志方にかかってしまいそうなほど抱き寄せられる。



「はは、ほんと可愛いやつ。つかこいつ全然出てこねぇな。もう待つの怠いし入り込むか。」

「ちょ、志方さん…!?」



ノックもせずに入り込んで行った志方にも驚いたが部屋の鍵を閉めていない松下にはもっと驚いた。駿里が中に入っていった志方のあとを着いていくとどの部屋も真っ暗だった。この状況を見て志方は松下がどの部屋にいるのか一瞬でわかったらしく一直線にある部屋に向かっていった。



「てめぇ寝てんじゃねぇか。起きろ。何時だと思ってるんだ。」



志方が入っていった部屋は寝室だった。松下は眠っていたようだ。それだけ仕事で疲れていたのでは無いかと思い駿里は松下を起こしてしまったことを申し訳なく思った。そんな駿里とは裏腹に志方は容赦なく彼が羽織っている毛布を力ずくで引っ張り上げた。



「うるせぇな。俺は夜勤だったんだよ。ちょっとぐらい寝てもいいだろ。」

「ちょっとだと?お前昨日俺と一緒に帰ったよな?だったら少なくとも7時間は寝てるはずだ。もう十分だろ。いい加減起きろよ。寝すぎても体に悪いだけだぞ。駿里も来てるから。」

「は?お前そういう大事なことはもっと早く言えよ。」



駿里と言う言葉を聞くと松下は先程までの言動が嘘のように起き上がってきた。たぬき寝入りだったのではないかと疑ってしまうほどに。



「駿里、こっち来い。」

「康二さんも寝不足なの?」



松下がこんな時間まで寝ているのは初めて見たので駿里は心配になったのだ。寛也が忙しいということは勿論松下も忙しいはずだ。いやもしかしたらそれ以上に忙しいかもしれない。ちゃんと寝れているのか、ご飯を食べているのか色々なことが心配になった駿里は彼の顔色を伺いながらそう聞いた。



「ん?寝不足じゃねぇよ。」

「それなら良かった。」

「優しいなお前は。」

「うわっ、何すんだよ離せ、調子に乗るな…っ!」



駿里は松下によってベットの中に引きずりこまれた。そして手際が早い松下によっていとも簡単に仰向けに寝かされその上に覆いかぶさられた。駿里がこのままでは襲われてしまうと身の危険を感じ松下の下から抜けようと身を捩ったがその時にはもう遅かった。松下が上に乗っているのだ。動けるわけもなく駿里は松下のされるがままになってしまう。おでこ、鼻、口、頬、他にも色んなところにキスをされ抱きしめられていた。



「何抵抗してんだよ。そもそも俺の部屋に上がり込んで普通に帰れると思うな。つかお前もこれ目当てで入ってきたんじゃねぇの?」

「違うっ、そんなわけないだろ!」

「じゃあなんの用で入ってきたんだよ。」

「それはっ…んんっ!」



寛也に仕事を頼まれたからだと言いたかったのにそれを言う前に松下に口を塞がれてしまう。駿里は近くで自分たちの様子を見ている志方に助けを求めようと彼を見たが笑うばかりで助けてくれそうになかった。ハナから期待などしていなかったが寛也に松下に渡すよう頼まれた書類を志方が持っている。もしかしたらそれが松下の目に入りやめてくれるかもしれないと駿里は思ったのだ。だがそのことも見透かされていたらしく志方はその書類をいつの間にか隠していた。そして志方は悪い笑みを浮かべて駿里たちがいるベットの上に上がってきた。



「おい2人で仲良くやってんじゃねぇよ。俺も混ぜろ。」

「混ざりたきゃ勝手に混ざれ。」

「お、珍しく優しいなお前。」



松下がなんの文句も言わずに自分のことを承諾したので志方は一瞬驚いたがすぐに楽しそうに笑みを浮かべだした。



「ふざけんな。俺はいつも優しいわ。」

「もうほんとにダメだってばっ、寛也に言いつけるぞ!」



松下からはキスを何度もされ志方からは服の上から乳首やらペニスを揉まれる。これ以上ヒートアップすれば大変だ。だから駿里は彼らを脅すつもりでそういったのだが全く効き目がなかった。顔色一つ変えないのだ。



「言えばいいじゃねぇか。でも言ったところでお仕置きされんのはお前だぞ?」

「っ…卑怯者!」

「なんとでも言えよ。」



確かに松下の言う通りだ。寛也に言ったところでダメージを受けるのは駿里自身で松下たちはなんのペナルティもない。なんて理不尽なんだ。でもだからといって諦めてこのまま彼らに好き放題やられる訳にはいかない。駿里は2人の様子を伺い、逃げられるチャンスを作ろうとしていた。だがそんなチャンスなど作られるはずもなく駿里が逃げようとしていることに勘づいた松下によって両腕を掴まれてしまう。



「逃がさねぇよ。」
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