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番外編
喧嘩
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*2人が喧嘩をしたときのお話です。
「もう寛也なんか知らないっ、こんな家出て行ってやる!」
「おい駿里、ちょっと待て!」
何故こうなったかと言うと寛也のスマートフォンが原因だ。寛也がお風呂に入っている間に着信が来ていたようでそれを運悪く駿里が見てしまった。しかもその内容は『今日はありがとう、明日も会えるの楽しみにしてる。』というものだった。語尾にハートマークまで着いている。その送り主の名前はひなた。駿里はそれで勘違いしてしまったのだ。送り主が女であると…。
「困ったことになっちまったな。」
寛也はどう誤解を解くか少し考えていた。ちゃんと考えないと駿里のことを傷つけてしまうから。とりあえず落ち着いてリビングのソファに座った。その頃駿里はエレベーターに乗り1階下の階に降りていた。この階は幹部たちが住んでいる。と言っても全員ではない。幹部の中でも松下、志方、森廣、圷などといった上の立場にいる人達が住んでいる。駿里はその階に降りて泣きそうになりながら廊下を歩いていた。
「なんでだよ…っ、もしかして俺の事もう要らなくなったのかなっ…。」
そんなことをボヤいていると後ろから誰かに肩を抱かれた。駿里は顔を見なくとも誰なのか一瞬でわかった。この匂い。この香水は松下の匂いだ。駿里は彼の匂いに包まれて余計に涙が溢れだしてきた。
「どうしたんだよ駿里。」
揶揄うつもりで駿里に絡んだ松下だったが駿里の顔を見て目を丸くした。なぜ泣いているのだと。何があったのかは分からないが駿里が泣いていて放っておけるわけが無い。松下はとりあえず駿里のことを抱きしめて頭を優しく撫でた。
「康二さん…っ。」
「大丈夫か駿里。何があったんだよ。誰かになんかされたのか?つか、こんな時間にこんな所ふらついてたら組長に怒られんぞ。」
「……っ。」
松下が『組長。』と言うと駿里が激しく動揺した。そこで松下は駿里が深夜に廊下をうろついている原因は組長であることを悟る。
「組長と喧嘩でもしたか。」
駿里の様子を見る限り普通の喧嘩ではなさそうなことは直ぐにわかった。なぜならいつもなら家出なんてしないから。そもそも喧嘩をしても駿里は寛也のことを大体許す。だが今回はこんなにも泣きじゃくっている。このままにしておけない。今1人で組長のところに帰れと言ったら駿里はきっと外に行ってしまう。そう考えた松下は…。
「駿里、とりあえず俺の部屋入れ。ここにいたら寒いだろ。」
松下は駿里の腕を引いて自分の部屋の中に招き入れた。そして一旦キッチンへ行き暖かい飲み物を用意して松下は駿里が座っているソファに行った。
「何があったか話してみろ。」
「……寛也に浮気されちゃった。」
「はぁ?何言ってんだお前。そんなことあるわけねぇだろ。んーでもまぁそう思った原因を話してみろ。」
松下は呆れ顔でそう言ってきた。寛也に限ってそんなことがあるわけないだろうと言わんばかりに駿里のことを見てくる。それもそうだ。寛也はあんなに駿里のことを狂愛して独占して束縛してほぼ監禁に近い状態で駿里を生きさせているのだから。だがその事にとうの本人の駿里は気づいていない。本当に困ったことだ。松下は浮気も何かの手違いであることはすぐにわかった。今日寛也は仕事が忙しく事務所から出ていないのだから。それが何よりの証拠だが駿里はそれを見ていない。だから松下はとりあえず駿里の話を聞いて誤解を解いてやろうとした。
「俺だってそう思ってたよっ、でも寛也のスマホに女の人からのメール来てたんだ…。」
「なんて来てたんだ?」
「今日はありがとう、明日も会えるの楽しみにしてるって書いてた。もうあんな浮気野郎知らない。」
「あのなぁ駿里、それは…。」
いや、ここで俺が言うのはあんまりよくねぇか。ただ単に駿里は誤解してるだけだしな。組長とちゃんと話し合って誤解を解くべきか。松下は余計な事は言わずに駿里に事実確認をするように言おうとした。この様子を見る限り寛也に事情を聞くことなく飛び出してきたようだったから。
「とりあえず組長のことに帰ろう。お前ちゃんと組長に話を聞いてねぇだろ。」
「聞かなくなってあれ見たらわかる。」
「いいから行くぞ。」
「…行きたくない。」
駿里は怖かったのだ。今寛也のところに行けば捨てられる。冷たい目で見られる。そんな気がしてならなかった。浮気されたと言うことは自分の存在は邪魔になってしまう。そんなことすらも考えていたのだ。全ては誤解だというのに事実を知らない駿里はどんどん嫌な方向に考えてしまう。
「ほんとに組長が浮気してたとしたらなんでお前のこと追い出さねぇんだよ。それが何よりの証拠だろ?組長は浮気なんかしてねぇ。」
「寛也は優しいから俺の事追い出せないんだよ。」
「何言ってんだ。組長は不要になったら即刻捨てるし容赦なく殺す。相手がどんなやつだろうとな。でも組長はお前に優しいんだろ?だったら駿里のことを愛してるってことじゃねぇかよ。組長はどうでもいい奴に優しくなんかしねぇ。」
松下は駿里に向き合ってそう言った。それでも暗い顔をしている駿里を無理たり立たせて腕を引いた。
「ほら駿里。俺も一緒に行ってやるから組長と話に行くぞ。」
「え、ぁ、待ってよ…!」
「つべこべ言わずに着いてこい。」
駿里が嫌だと足を踏ん張っても松下の力には勝てない。結局駿里は嫌々言いながらも松下によってエレベーターの前まで来させられてしまった。そして松下が上に行くボタンを押しエレベーターの扉が開くとそこには…。
「やっぱりここにいたか。」
「………。」
駿里は寛也が自分のことを迎えに来てくれたことが素直に嬉しかった。自分は捨てられるのではない。そう実感出来たからだ。でもなぜそれなら浮気なんかしたんだろう。駿里は余計に悲しくなった。寛也はその駿里の顔を見て早く誤解をとかなければと思いそばにいた松下を見た。
「康二、こんな時間に悪かったな。」
「お気になさらいで下さい。では俺はこの辺で失礼しますね。」
「ああ。」
空気が読める松下は自分の家に帰って行った。その松下の姿が見えなくなると寛也は駿里を抱き寄せた。
「駿里、ひとまず帰るぞ。話はそれからだ。」
駿里は寛也に手を引かれてエレベーターに乗り込んだ。そして家の中に入るやいなやソファに座らせられる。
「お前が飛び出して行った原因はこれだろ?」
「っ……。」
改めて浮気相手と寛也とのメールのやり取りを見させられると駿里は先程まで治まっていた涙が溢れだしてきた。
「泣くな。これは誤解だ。」
「そんな言い訳聞きたくないっ…!」
「言い訳じゃねぇ。これを見ろ。こいつはそもそも男だし、ただの仕事仲間だ。」
「え…?男?」
駿里は拍子抜けた顔をしている。まさか男だったとは…。ということはずっと勘違いして勝手に怒っていたことになる。嫉妬に狂って家を飛び出したなんて恥ずかしすぎる。駿里は自分の言動を思い出して恥ずかしくなった。
「そうだ。なのにお前は俺の事浮気野郎とか言ってたらしいじゃねぇか。全部康二から聞いたぞ。」
「だって、名前がひなたって…。」
「ひなたって名前で男は結構いるだろ。まぁこれは仕方ねぇ部分もあるか。こいつ名前の後にハートマークつけてるからな。これを見て女って思っても無理もないか。」
そう、それが駿里を誤解させてしまった原因だ。ハートマークさえ着いていなければ誤解しなかったかもしれない。
「ごめんな駿里。誤解させちまって。傷つけちまった。」
「俺の方こそ勝手に勘違いして家飛び出してごめんなさい。」
駿里が申し訳なさそうに言うと寛也は何故か悪い笑みを浮かべていた。そして服の中に手を忍ばせてくる。
「なら仲直りしねぇとだな。」
「…え?仲直りならしたじゃんか。」
「何言ってんだ。出来てねぇだろ。」
「うぁっ、ちょ、待ってってば!」
「待たねぇよ。俺が浮気するわけねぇってことを体の端から端まで分からせてやらねぇとな。二度とそんなこと考えれないようにしっかし体に叩き込んでやるよ。」
そこから駿里ほ寛也によって服をあっという間に脱がされて激しく抱かれた。どれだけ泣き叫んで許しを乞うても朝まで解放して貰えず体を綺麗にするために入ったお風呂でも数回抱かれた。お風呂から上がった時には駿里は自分で歩くことすらままならなくなっていた。案の定ベットの上から動けなくなる。今回痛いのは腰だけではなかった。全身が痛い。しばらく動けそうにないなと思ったが寛也が仕事を休んでまで自分のことを責任をもって面倒を見てくれている。それがどこか嬉しかった。だが駿里はこの事があってからは家を飛び出す前にちゃんと確認するようになった。どんなに頭にきても1度冷静になって考えるようになった。頻繁にこんなに酷く抱かれては身体がもたないから。
ーーーend
「もう寛也なんか知らないっ、こんな家出て行ってやる!」
「おい駿里、ちょっと待て!」
何故こうなったかと言うと寛也のスマートフォンが原因だ。寛也がお風呂に入っている間に着信が来ていたようでそれを運悪く駿里が見てしまった。しかもその内容は『今日はありがとう、明日も会えるの楽しみにしてる。』というものだった。語尾にハートマークまで着いている。その送り主の名前はひなた。駿里はそれで勘違いしてしまったのだ。送り主が女であると…。
「困ったことになっちまったな。」
寛也はどう誤解を解くか少し考えていた。ちゃんと考えないと駿里のことを傷つけてしまうから。とりあえず落ち着いてリビングのソファに座った。その頃駿里はエレベーターに乗り1階下の階に降りていた。この階は幹部たちが住んでいる。と言っても全員ではない。幹部の中でも松下、志方、森廣、圷などといった上の立場にいる人達が住んでいる。駿里はその階に降りて泣きそうになりながら廊下を歩いていた。
「なんでだよ…っ、もしかして俺の事もう要らなくなったのかなっ…。」
そんなことをボヤいていると後ろから誰かに肩を抱かれた。駿里は顔を見なくとも誰なのか一瞬でわかった。この匂い。この香水は松下の匂いだ。駿里は彼の匂いに包まれて余計に涙が溢れだしてきた。
「どうしたんだよ駿里。」
揶揄うつもりで駿里に絡んだ松下だったが駿里の顔を見て目を丸くした。なぜ泣いているのだと。何があったのかは分からないが駿里が泣いていて放っておけるわけが無い。松下はとりあえず駿里のことを抱きしめて頭を優しく撫でた。
「康二さん…っ。」
「大丈夫か駿里。何があったんだよ。誰かになんかされたのか?つか、こんな時間にこんな所ふらついてたら組長に怒られんぞ。」
「……っ。」
松下が『組長。』と言うと駿里が激しく動揺した。そこで松下は駿里が深夜に廊下をうろついている原因は組長であることを悟る。
「組長と喧嘩でもしたか。」
駿里の様子を見る限り普通の喧嘩ではなさそうなことは直ぐにわかった。なぜならいつもなら家出なんてしないから。そもそも喧嘩をしても駿里は寛也のことを大体許す。だが今回はこんなにも泣きじゃくっている。このままにしておけない。今1人で組長のところに帰れと言ったら駿里はきっと外に行ってしまう。そう考えた松下は…。
「駿里、とりあえず俺の部屋入れ。ここにいたら寒いだろ。」
松下は駿里の腕を引いて自分の部屋の中に招き入れた。そして一旦キッチンへ行き暖かい飲み物を用意して松下は駿里が座っているソファに行った。
「何があったか話してみろ。」
「……寛也に浮気されちゃった。」
「はぁ?何言ってんだお前。そんなことあるわけねぇだろ。んーでもまぁそう思った原因を話してみろ。」
松下は呆れ顔でそう言ってきた。寛也に限ってそんなことがあるわけないだろうと言わんばかりに駿里のことを見てくる。それもそうだ。寛也はあんなに駿里のことを狂愛して独占して束縛してほぼ監禁に近い状態で駿里を生きさせているのだから。だがその事にとうの本人の駿里は気づいていない。本当に困ったことだ。松下は浮気も何かの手違いであることはすぐにわかった。今日寛也は仕事が忙しく事務所から出ていないのだから。それが何よりの証拠だが駿里はそれを見ていない。だから松下はとりあえず駿里の話を聞いて誤解を解いてやろうとした。
「俺だってそう思ってたよっ、でも寛也のスマホに女の人からのメール来てたんだ…。」
「なんて来てたんだ?」
「今日はありがとう、明日も会えるの楽しみにしてるって書いてた。もうあんな浮気野郎知らない。」
「あのなぁ駿里、それは…。」
いや、ここで俺が言うのはあんまりよくねぇか。ただ単に駿里は誤解してるだけだしな。組長とちゃんと話し合って誤解を解くべきか。松下は余計な事は言わずに駿里に事実確認をするように言おうとした。この様子を見る限り寛也に事情を聞くことなく飛び出してきたようだったから。
「とりあえず組長のことに帰ろう。お前ちゃんと組長に話を聞いてねぇだろ。」
「聞かなくなってあれ見たらわかる。」
「いいから行くぞ。」
「…行きたくない。」
駿里は怖かったのだ。今寛也のところに行けば捨てられる。冷たい目で見られる。そんな気がしてならなかった。浮気されたと言うことは自分の存在は邪魔になってしまう。そんなことすらも考えていたのだ。全ては誤解だというのに事実を知らない駿里はどんどん嫌な方向に考えてしまう。
「ほんとに組長が浮気してたとしたらなんでお前のこと追い出さねぇんだよ。それが何よりの証拠だろ?組長は浮気なんかしてねぇ。」
「寛也は優しいから俺の事追い出せないんだよ。」
「何言ってんだ。組長は不要になったら即刻捨てるし容赦なく殺す。相手がどんなやつだろうとな。でも組長はお前に優しいんだろ?だったら駿里のことを愛してるってことじゃねぇかよ。組長はどうでもいい奴に優しくなんかしねぇ。」
松下は駿里に向き合ってそう言った。それでも暗い顔をしている駿里を無理たり立たせて腕を引いた。
「ほら駿里。俺も一緒に行ってやるから組長と話に行くぞ。」
「え、ぁ、待ってよ…!」
「つべこべ言わずに着いてこい。」
駿里が嫌だと足を踏ん張っても松下の力には勝てない。結局駿里は嫌々言いながらも松下によってエレベーターの前まで来させられてしまった。そして松下が上に行くボタンを押しエレベーターの扉が開くとそこには…。
「やっぱりここにいたか。」
「………。」
駿里は寛也が自分のことを迎えに来てくれたことが素直に嬉しかった。自分は捨てられるのではない。そう実感出来たからだ。でもなぜそれなら浮気なんかしたんだろう。駿里は余計に悲しくなった。寛也はその駿里の顔を見て早く誤解をとかなければと思いそばにいた松下を見た。
「康二、こんな時間に悪かったな。」
「お気になさらいで下さい。では俺はこの辺で失礼しますね。」
「ああ。」
空気が読める松下は自分の家に帰って行った。その松下の姿が見えなくなると寛也は駿里を抱き寄せた。
「駿里、ひとまず帰るぞ。話はそれからだ。」
駿里は寛也に手を引かれてエレベーターに乗り込んだ。そして家の中に入るやいなやソファに座らせられる。
「お前が飛び出して行った原因はこれだろ?」
「っ……。」
改めて浮気相手と寛也とのメールのやり取りを見させられると駿里は先程まで治まっていた涙が溢れだしてきた。
「泣くな。これは誤解だ。」
「そんな言い訳聞きたくないっ…!」
「言い訳じゃねぇ。これを見ろ。こいつはそもそも男だし、ただの仕事仲間だ。」
「え…?男?」
駿里は拍子抜けた顔をしている。まさか男だったとは…。ということはずっと勘違いして勝手に怒っていたことになる。嫉妬に狂って家を飛び出したなんて恥ずかしすぎる。駿里は自分の言動を思い出して恥ずかしくなった。
「そうだ。なのにお前は俺の事浮気野郎とか言ってたらしいじゃねぇか。全部康二から聞いたぞ。」
「だって、名前がひなたって…。」
「ひなたって名前で男は結構いるだろ。まぁこれは仕方ねぇ部分もあるか。こいつ名前の後にハートマークつけてるからな。これを見て女って思っても無理もないか。」
そう、それが駿里を誤解させてしまった原因だ。ハートマークさえ着いていなければ誤解しなかったかもしれない。
「ごめんな駿里。誤解させちまって。傷つけちまった。」
「俺の方こそ勝手に勘違いして家飛び出してごめんなさい。」
駿里が申し訳なさそうに言うと寛也は何故か悪い笑みを浮かべていた。そして服の中に手を忍ばせてくる。
「なら仲直りしねぇとだな。」
「…え?仲直りならしたじゃんか。」
「何言ってんだ。出来てねぇだろ。」
「うぁっ、ちょ、待ってってば!」
「待たねぇよ。俺が浮気するわけねぇってことを体の端から端まで分からせてやらねぇとな。二度とそんなこと考えれないようにしっかし体に叩き込んでやるよ。」
そこから駿里ほ寛也によって服をあっという間に脱がされて激しく抱かれた。どれだけ泣き叫んで許しを乞うても朝まで解放して貰えず体を綺麗にするために入ったお風呂でも数回抱かれた。お風呂から上がった時には駿里は自分で歩くことすらままならなくなっていた。案の定ベットの上から動けなくなる。今回痛いのは腰だけではなかった。全身が痛い。しばらく動けそうにないなと思ったが寛也が仕事を休んでまで自分のことを責任をもって面倒を見てくれている。それがどこか嬉しかった。だが駿里はこの事があってからは家を飛び出す前にちゃんと確認するようになった。どんなに頭にきても1度冷静になって考えるようになった。頻繁にこんなに酷く抱かれては身体がもたないから。
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