427 / 464
番外編
〜オメガバース〜 着信
しおりを挟む
「内緒って言われたら余計に気になる。」
碓氷と電話をして以来寛也の様子がおかしいこともあり駿里は余計に気になってしまった。何を話したのか何を言われたのか1度気になり始めればキリがない。
「そんなに兄貴の事が気になるのか?」
「うん。教えてよ。」
どうしても知りたかった駿里は寛也の頬にキスをした。少し甘えれば寛也も教えてくれるのではないかと思ったからだ。
「いつからそんな手が使えるようになったんだよ。」
他の奴にもこうやってオネダリしているのかと考えただけで寛也の中に怒りが生まれ始める。こうだから駿里をほかの人間と関わらせたくないのだ。こんな可愛い姿を他の誰かに見せたくないし、もしこの行為を見て駿里に好意を持たれでもしたら大変だ。そんなことを寛也が考えているとは知らず当の駿里はもしかしたら話してもらえるかもしれないとうずうずしていた。
「おい駿里、今一緒にいるのは誰だ。」
「寛也だよ。」
寛也の口から出た言葉が思っていたものとは違ったせいか駿里は不思議そうな顔をしていた。
「だよな?なら兄貴の話はすんな。」
「はーい。」
そう寛也に言われてやっと分かった。これ以上深堀すればよからぬ事が起こると。最悪の場合お仕置きコースになってしまう。それは嫌なので駿里は大人しく寛也の言うことを聞いた。
「いい子だ。」
駿里がこれ以上深堀することを諦めたので寛也は頭を撫でて褒めた。
「また今度事務所に遊びに行きたい。」
「そうか。なら明日一緒に行こう。天馬もお前に会いたがってたしな。」
「俺も久しぶりに天馬さんのティラミス食べたい。」
「なぁ駿里、俺の料理は食べたくねぇのか?」
作ったパスタを手に持ちながら志方がそう言ってきた。自分よりも天馬の料理を食べたいと言われたことが悔しかったようだ。もちろん天馬はプロだから料理の腕前は負けるかもしれない。だが、自分で言うのもなんだが志方は中々料理がうまい。だから天馬には対抗心があるのだ。
「もちろん食べたい。ありがとう志方さん。すっごい美味しそう。」
「だろ。」
「おい駿里、志方が調子に乗るからあんまりそういうこと言うな。」
「酷いですよ組長。」
そう言いながらも志方は嬉しそうに笑っていた。
「美味しい。」
2人が軽く口喧嘩のような会話をしていたのにそれも気にとめず駿里は目の前にある美味しい料理を1口頬張った。あまりにも美味しそうだったので我慢できなかったのだ。
「そりゃよかった。」
よほど美味しかったのだろう。駿里は無言で料理を食べることだけに集中していた。2人はその様子が可愛くて仕方がなかった。それに駿里がちゃんとご飯を食べてくれたことに安心した。愛おしそうに駿里のことを見つめていると志方のスマホに着信音が鳴った。気になってチラッと見てみるとそれは松下からのメールだった。すぐさま内容を確認しようと一旦志方は駿里の側から離れた。そして松下から送られてきたメールを確認すると急いで帰り支度をし始める。
「組長、俺はこの辺で失礼しますね。」
「ああ。」
志方が帰ると言った理由を察した寛也は目配せでメールを送るように言ってきた。志方がスマホを確認しているところを見ていたため松下からメールがきていた事が分かったのだ。志方はこの部屋を出る前に寛也にメールを転送し、急ぎ足で事務所に向かった。
「志方さん何かあったのかな。」
「もし仮にそうなら俺に報告する。だから大した用事では無いはずだ。」
寛也は駿里を心配させないためにそう言った。しかし本当はかなり大事だ。志方から送られてきたメールを駿里に見られないように確認したがその内容を見て寛也が一筋縄ではいかないと思ったほどなのだから。
「なら安心だ。何かあったのかと思って心配になっちゃったから。」
「お前はほんとに優しい奴だな。」
そう言いながら寛也にキスをされて駿里は嬉しそうに微笑んだ。するとどこからかスマホの着信音が聞こえてきた。寛也のスマホは近くにあるため違う。そうなれば鳴っているの駿里のスマートフォンだ。あまり使わないためスマホを遠くにおいていた事すらも忘れていた。急いで駿里はスマホを取りに行き、寛也の膝の上に戻ってきた。
「あ、碓氷さんからだ。」
「出るな。」
「ちょっ、なんで取るんだよ!」
寛也は駿里のスマホを奪い去った。寛也が無視したことで直接駿里に言おうとしてきたのだろう。というか自分の知らぬ間に駿里と碓氷が連絡先を交換していたことが何より許せなかった。
「暫くスマホは没収だ。」
「意味わかんない!」
電話がかかってきているのにそれさえも出させてくれない。それどころか没収までされた。何故なんだと駿里が寛也の顔を見ると何故か怒っていた。もしかしてこれは…。
「寛也ヤキモチをやいてる?」
碓氷と電話をして以来寛也の様子がおかしいこともあり駿里は余計に気になってしまった。何を話したのか何を言われたのか1度気になり始めればキリがない。
「そんなに兄貴の事が気になるのか?」
「うん。教えてよ。」
どうしても知りたかった駿里は寛也の頬にキスをした。少し甘えれば寛也も教えてくれるのではないかと思ったからだ。
「いつからそんな手が使えるようになったんだよ。」
他の奴にもこうやってオネダリしているのかと考えただけで寛也の中に怒りが生まれ始める。こうだから駿里をほかの人間と関わらせたくないのだ。こんな可愛い姿を他の誰かに見せたくないし、もしこの行為を見て駿里に好意を持たれでもしたら大変だ。そんなことを寛也が考えているとは知らず当の駿里はもしかしたら話してもらえるかもしれないとうずうずしていた。
「おい駿里、今一緒にいるのは誰だ。」
「寛也だよ。」
寛也の口から出た言葉が思っていたものとは違ったせいか駿里は不思議そうな顔をしていた。
「だよな?なら兄貴の話はすんな。」
「はーい。」
そう寛也に言われてやっと分かった。これ以上深堀すればよからぬ事が起こると。最悪の場合お仕置きコースになってしまう。それは嫌なので駿里は大人しく寛也の言うことを聞いた。
「いい子だ。」
駿里がこれ以上深堀することを諦めたので寛也は頭を撫でて褒めた。
「また今度事務所に遊びに行きたい。」
「そうか。なら明日一緒に行こう。天馬もお前に会いたがってたしな。」
「俺も久しぶりに天馬さんのティラミス食べたい。」
「なぁ駿里、俺の料理は食べたくねぇのか?」
作ったパスタを手に持ちながら志方がそう言ってきた。自分よりも天馬の料理を食べたいと言われたことが悔しかったようだ。もちろん天馬はプロだから料理の腕前は負けるかもしれない。だが、自分で言うのもなんだが志方は中々料理がうまい。だから天馬には対抗心があるのだ。
「もちろん食べたい。ありがとう志方さん。すっごい美味しそう。」
「だろ。」
「おい駿里、志方が調子に乗るからあんまりそういうこと言うな。」
「酷いですよ組長。」
そう言いながらも志方は嬉しそうに笑っていた。
「美味しい。」
2人が軽く口喧嘩のような会話をしていたのにそれも気にとめず駿里は目の前にある美味しい料理を1口頬張った。あまりにも美味しそうだったので我慢できなかったのだ。
「そりゃよかった。」
よほど美味しかったのだろう。駿里は無言で料理を食べることだけに集中していた。2人はその様子が可愛くて仕方がなかった。それに駿里がちゃんとご飯を食べてくれたことに安心した。愛おしそうに駿里のことを見つめていると志方のスマホに着信音が鳴った。気になってチラッと見てみるとそれは松下からのメールだった。すぐさま内容を確認しようと一旦志方は駿里の側から離れた。そして松下から送られてきたメールを確認すると急いで帰り支度をし始める。
「組長、俺はこの辺で失礼しますね。」
「ああ。」
志方が帰ると言った理由を察した寛也は目配せでメールを送るように言ってきた。志方がスマホを確認しているところを見ていたため松下からメールがきていた事が分かったのだ。志方はこの部屋を出る前に寛也にメールを転送し、急ぎ足で事務所に向かった。
「志方さん何かあったのかな。」
「もし仮にそうなら俺に報告する。だから大した用事では無いはずだ。」
寛也は駿里を心配させないためにそう言った。しかし本当はかなり大事だ。志方から送られてきたメールを駿里に見られないように確認したがその内容を見て寛也が一筋縄ではいかないと思ったほどなのだから。
「なら安心だ。何かあったのかと思って心配になっちゃったから。」
「お前はほんとに優しい奴だな。」
そう言いながら寛也にキスをされて駿里は嬉しそうに微笑んだ。するとどこからかスマホの着信音が聞こえてきた。寛也のスマホは近くにあるため違う。そうなれば鳴っているの駿里のスマートフォンだ。あまり使わないためスマホを遠くにおいていた事すらも忘れていた。急いで駿里はスマホを取りに行き、寛也の膝の上に戻ってきた。
「あ、碓氷さんからだ。」
「出るな。」
「ちょっ、なんで取るんだよ!」
寛也は駿里のスマホを奪い去った。寛也が無視したことで直接駿里に言おうとしてきたのだろう。というか自分の知らぬ間に駿里と碓氷が連絡先を交換していたことが何より許せなかった。
「暫くスマホは没収だ。」
「意味わかんない!」
電話がかかってきているのにそれさえも出させてくれない。それどころか没収までされた。何故なんだと駿里が寛也の顔を見ると何故か怒っていた。もしかしてこれは…。
「寛也ヤキモチをやいてる?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,736
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる