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快楽抽選箱2
番外編 破壊
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「はは、なんの冗談だよ。旭川組の組長が護衛も無しにこんなとこにいるわけないだろ。おかしな奴だな。」
「冗談じゃねぇよ!」
そういった男は顔まで真っ青になっていた。さすがにその姿を見てまで冗談だと思う奴はいない。
「じゃあなに、駿里はこのヤクザに脅されてんのか?」
「違います。俺は寛也と一緒にいたくているんです。根拠もなくそういうこと言わないで下さい。」
「だってお前ヤクザなんかと関わりねぇだろ。無理やりそばに置かれてるとしか思えねぇよ。いやそうだよ、絶対そうだよな。可哀想に。俺らが助けてやるよ。」
可哀想?何を言ってるんだこの男は。この男の方こそ駿里を好き勝手にしていた。どれだけ泣いて許しを乞ったとしても笑って絶対に辞めなかった。言うことを聞かないものなら痛めつけて支配する。そんなことをしていたのに今更なに善良者ぶってんだと駿里は腹が立った。苛立ちを通り越して男の言い草に呆れた駿里は寛也の腕を引いた。
「もう行こうよ寛也。」
「俺もそうしたいのは山々なんだがこいつらには色々聞くことがある。」
ごめんな、と寛也は駿里の頭を撫でて鋭い目付きで男たちを見た。
「な、なんでも仰ってください。」
「スマホをよこせ。全員だ。」
すぐに震えながら男たちが寛也の足元にスマホを差し出した。そして寛也は全てのスマホを原型が無くなるほど強い力で思いっきり踏み潰した。 その様子をビクビクしながら男たちは見ていた。次はスマホではなく自分たちなのではないか、と怯えていたのだ。
「駿里が写ってる動画は他にもあるか?」
「…っ、ないです。」
「分かった。だがもしものことがあれば、その時は命がないと思えよ。これは脅しなんかじゃないからな。」
ここで死んでしまうと思っていた男たちは内心安心した様子だった。だが、今は安心できてもこれからの生活はそうではないだろう。怯えながら暮らしていかなければならない。なぜなら寛也を怒らせてしまったのだから。
「はい…。」
「二度と駿里に近づくんじゃねぇ。」
駿里はその言葉を聞いてなんだか凄く嬉しくなった。寛也といれば何も怖くない。そう思えた。
「行こうか、駿里。」
「うん。」
「悪いな、怖かったろ。」
男たちが見えなくなった頃寛也が一旦足を止めて駿里の方を見た。寛也はあの男達が駿里に危害を加えたことに腹が立ち鋭い声を出してしまったことを悔いていたのだ。
「全然怖くないよ。逆にスッキリした。」
「なら良かった。でもアイツらのせいで気分が下がっちまったな。俺がいい所に連れて行ってやる。」
寛也に手を引かれて駿里はある場所に連れてこられた。
「ここって…!」
***********
「あーくそ全然仕事進まねぇよ。駿里に会いてぇ。」
事務所でパソコンを眺めながら松下が先程からこんな感じで独り言を言っている。隣には圷と島袋がおり、2人はずっと松下の独り言に構わず無視して仕事をいたのだがさすがにこうも長いこと言われては気になる。
「うるっせんだよ!さっきからブツブツと文句ばっか言ってんじゃねぇ!」
「島袋の言う通りだ。初めてお前の意見に賛同するぜ。まじで松下うるせぇよ。」
いい加減黙れと言わんばかりに両サイドの2人に松下は睨まれた。目の前にいる煙草谷もさすがにキレそうになっていた。3人の男から睨まれているというのに松下はすました顔をしている。そして何事も無かったようにして話を続ける。
「だってよ、駿里がいねぇんだぞ。そりゃこうなるわ。」
「チッ、かまってらんねぇよ面倒くせぇ。あっちに行け。」
仕事の邪魔になると圷は自分の近くに来た松下を追い払った。
「島袋、お前ならこの気持ちわかるだろ?」
「こっち来んな。仕事で忙しいんだよ。俺はお前と違って仕事に時間がかかんだよ。」
圷に追い払われた為松下は反対側の島袋の方へ行った。島袋の言う通り松下は一瞬にして仕事を終わらせる。馬鹿なのに何故こうも仕事ができるのかいつも周りの幹部から不思議がられていた。反対に島袋は不器用で仕事に時間がかかる。遅いという訳では無いが、周りの幹部が仕事をするのが早いため島袋が遅く見えてしまうのだ。そのため島袋は松下を押し付けんなや、と言わんばかり圷を睨んだ。しかし、仕事で忙しい圷は島袋の視線を無視してパソコンを打っていた。
「そう言わずに相手しろよ。暇なんだよ。」
「仕事しろや。なんのためにここにいんだよ。」
困っている島袋に圷が助け舟を出す。1つ仕事を終わらせてもどんどん山のように増えてくる。それも松下は簡単に終わらせてしまうのだが、それ以上に仕事量が多い。だがら、圷は松下を仕事に集中させるためそう言った。
「いや今日の分はとっくに終わってんだよ。」
「は?お前さっき仕事進まねぇって言ってたじゃねぇか。」
「それは別の仕事だ。」
「意味わかんねぇ。」
そうは言ったものの圷は松下が言ったその別の仕事と言うのがとても気になった。松下を手こずらせる仕事が何か知りたかったのだ。そもそも別ってなんだよ、と考えれば考えるほど訳が分からなくなる。
「まぁお前らには関係ない事だ。」
「てめぇふざけんなよ。気になるだろうが。」
島袋は仕事そっちのけで松下の方を向いていた。なのにこういう時に限って松下は仕事に集中したりする。
「あ、組長からメール来てたわ。」
「話逸らすな。」
「いやマジで来てんだって。見ろよこれ。」
松下は皆に見えるようにスマホの画面を見せた。そこには松下の言った通り寛也からのメールが来ていた。
「お前のことだからてっきり嘘だと思ったわ。」
「失礼なやつだな。」
いつもなら軽くキレて言い返してくるのに此度はニコニコ笑いながら言ってきた。なんだか気持ち悪い。でも逆に言えばそれほど寛也からのメールが嬉しかったとも受け取れる。
「よし、そろそろ行くか。じゃあなお前ら。仕事頑張れよ。」
「あ?どこ行くんだ。」
ずっと椅子から立ち上がろうともしなかった松下が急に立ち上がりやる気満々になった。そしてスーツを羽織り外に行く準備をしだす。皆、彼がどこに行くのか気になって様子を見ていた。
「駿里のとこ。組長が迎えに来いってさ。」
「おーおー良かったな。気をつけろよ。」
「通りでやる気が出る訳だ。事故んなよ。」
貶されているのに礼を言って松下はさぞ嬉しそうに事務所を出ていった。
「あいつ単純だよな。」
「ああ、その通りだ。でも困った時は何故かあいつに頼っちまうんだよな。」
「はは、たしかに。」
松下の背中を見ながら圷と島袋がそんなことを話していた。
「冗談じゃねぇよ!」
そういった男は顔まで真っ青になっていた。さすがにその姿を見てまで冗談だと思う奴はいない。
「じゃあなに、駿里はこのヤクザに脅されてんのか?」
「違います。俺は寛也と一緒にいたくているんです。根拠もなくそういうこと言わないで下さい。」
「だってお前ヤクザなんかと関わりねぇだろ。無理やりそばに置かれてるとしか思えねぇよ。いやそうだよ、絶対そうだよな。可哀想に。俺らが助けてやるよ。」
可哀想?何を言ってるんだこの男は。この男の方こそ駿里を好き勝手にしていた。どれだけ泣いて許しを乞ったとしても笑って絶対に辞めなかった。言うことを聞かないものなら痛めつけて支配する。そんなことをしていたのに今更なに善良者ぶってんだと駿里は腹が立った。苛立ちを通り越して男の言い草に呆れた駿里は寛也の腕を引いた。
「もう行こうよ寛也。」
「俺もそうしたいのは山々なんだがこいつらには色々聞くことがある。」
ごめんな、と寛也は駿里の頭を撫でて鋭い目付きで男たちを見た。
「な、なんでも仰ってください。」
「スマホをよこせ。全員だ。」
すぐに震えながら男たちが寛也の足元にスマホを差し出した。そして寛也は全てのスマホを原型が無くなるほど強い力で思いっきり踏み潰した。 その様子をビクビクしながら男たちは見ていた。次はスマホではなく自分たちなのではないか、と怯えていたのだ。
「駿里が写ってる動画は他にもあるか?」
「…っ、ないです。」
「分かった。だがもしものことがあれば、その時は命がないと思えよ。これは脅しなんかじゃないからな。」
ここで死んでしまうと思っていた男たちは内心安心した様子だった。だが、今は安心できてもこれからの生活はそうではないだろう。怯えながら暮らしていかなければならない。なぜなら寛也を怒らせてしまったのだから。
「はい…。」
「二度と駿里に近づくんじゃねぇ。」
駿里はその言葉を聞いてなんだか凄く嬉しくなった。寛也といれば何も怖くない。そう思えた。
「行こうか、駿里。」
「うん。」
「悪いな、怖かったろ。」
男たちが見えなくなった頃寛也が一旦足を止めて駿里の方を見た。寛也はあの男達が駿里に危害を加えたことに腹が立ち鋭い声を出してしまったことを悔いていたのだ。
「全然怖くないよ。逆にスッキリした。」
「なら良かった。でもアイツらのせいで気分が下がっちまったな。俺がいい所に連れて行ってやる。」
寛也に手を引かれて駿里はある場所に連れてこられた。
「ここって…!」
***********
「あーくそ全然仕事進まねぇよ。駿里に会いてぇ。」
事務所でパソコンを眺めながら松下が先程からこんな感じで独り言を言っている。隣には圷と島袋がおり、2人はずっと松下の独り言に構わず無視して仕事をいたのだがさすがにこうも長いこと言われては気になる。
「うるっせんだよ!さっきからブツブツと文句ばっか言ってんじゃねぇ!」
「島袋の言う通りだ。初めてお前の意見に賛同するぜ。まじで松下うるせぇよ。」
いい加減黙れと言わんばかりに両サイドの2人に松下は睨まれた。目の前にいる煙草谷もさすがにキレそうになっていた。3人の男から睨まれているというのに松下はすました顔をしている。そして何事も無かったようにして話を続ける。
「だってよ、駿里がいねぇんだぞ。そりゃこうなるわ。」
「チッ、かまってらんねぇよ面倒くせぇ。あっちに行け。」
仕事の邪魔になると圷は自分の近くに来た松下を追い払った。
「島袋、お前ならこの気持ちわかるだろ?」
「こっち来んな。仕事で忙しいんだよ。俺はお前と違って仕事に時間がかかんだよ。」
圷に追い払われた為松下は反対側の島袋の方へ行った。島袋の言う通り松下は一瞬にして仕事を終わらせる。馬鹿なのに何故こうも仕事ができるのかいつも周りの幹部から不思議がられていた。反対に島袋は不器用で仕事に時間がかかる。遅いという訳では無いが、周りの幹部が仕事をするのが早いため島袋が遅く見えてしまうのだ。そのため島袋は松下を押し付けんなや、と言わんばかり圷を睨んだ。しかし、仕事で忙しい圷は島袋の視線を無視してパソコンを打っていた。
「そう言わずに相手しろよ。暇なんだよ。」
「仕事しろや。なんのためにここにいんだよ。」
困っている島袋に圷が助け舟を出す。1つ仕事を終わらせてもどんどん山のように増えてくる。それも松下は簡単に終わらせてしまうのだが、それ以上に仕事量が多い。だがら、圷は松下を仕事に集中させるためそう言った。
「いや今日の分はとっくに終わってんだよ。」
「は?お前さっき仕事進まねぇって言ってたじゃねぇか。」
「それは別の仕事だ。」
「意味わかんねぇ。」
そうは言ったものの圷は松下が言ったその別の仕事と言うのがとても気になった。松下を手こずらせる仕事が何か知りたかったのだ。そもそも別ってなんだよ、と考えれば考えるほど訳が分からなくなる。
「まぁお前らには関係ない事だ。」
「てめぇふざけんなよ。気になるだろうが。」
島袋は仕事そっちのけで松下の方を向いていた。なのにこういう時に限って松下は仕事に集中したりする。
「あ、組長からメール来てたわ。」
「話逸らすな。」
「いやマジで来てんだって。見ろよこれ。」
松下は皆に見えるようにスマホの画面を見せた。そこには松下の言った通り寛也からのメールが来ていた。
「お前のことだからてっきり嘘だと思ったわ。」
「失礼なやつだな。」
いつもなら軽くキレて言い返してくるのに此度はニコニコ笑いながら言ってきた。なんだか気持ち悪い。でも逆に言えばそれほど寛也からのメールが嬉しかったとも受け取れる。
「よし、そろそろ行くか。じゃあなお前ら。仕事頑張れよ。」
「あ?どこ行くんだ。」
ずっと椅子から立ち上がろうともしなかった松下が急に立ち上がりやる気満々になった。そしてスーツを羽織り外に行く準備をしだす。皆、彼がどこに行くのか気になって様子を見ていた。
「駿里のとこ。組長が迎えに来いってさ。」
「おーおー良かったな。気をつけろよ。」
「通りでやる気が出る訳だ。事故んなよ。」
貶されているのに礼を言って松下はさぞ嬉しそうに事務所を出ていった。
「あいつ単純だよな。」
「ああ、その通りだ。でも困った時は何故かあいつに頼っちまうんだよな。」
「はは、たしかに。」
松下の背中を見ながら圷と島袋がそんなことを話していた。
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