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番外編
〜オメガバース〜 番には内緒
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「今月の分だよ。」
駿里は主治医から薬を受け取った。
「ありがとうございます。」
「駿里君。まだ番に話す気は無いの?」
「はい。」
「そっか。僕は駿里の意見を尊重するよ。でもちゃんと相手の気持ちも考えるんだよ。それだけは頭の隅に置いておいてね。」
「分かりました。」
駿里はこうして月に1度病院を訪ねては避妊薬と抑制剤を貰っていた。
「寛也が帰ってくる前に早く戻らないと。」
駿里は病院に通っていることを寛也には内緒にしていたのだ。だから寛也が仕事を終えるまでに必ず家に帰らねばならなかった。だが、相手は寛也だ。いつまでも隠し通せるはずもなかった。
「っ…!」
「どうした。そんなに驚いた顔をして。」
「なんでもないよっ、寛也。今日早かったんだね。」
玄関に入ると寛也が待ち構えていた。間違った行動だと分かっているのに駿里は咄嗟に薬を後ろに隠してしまう。
「ああ。最近お前の言動が怪しかったからな。」
「そ、そんなことないっ…。」
どうやらすべてお見通しのようだった。駿里が病院へ行っていることも知っているのだろう。寛也の口調には怒りが混じっていた。
「なら後ろに隠してるもん出せ。」
駿里は下を向くばかりで中々出そうとしない。寛也はそんな駿里の傍にいき、抱きしめるようにして後ろに持っている袋を奪った。そしてその中身を見た寛也は再び駿里に視線を戻す。
「これはっ、その……。」
「だからお前最近ヒートが来なかったのか。これを見つけた以上は二度飲ませねぇからな。体への負担を考えろ。」
寛也は体調不良でヒートが来なかったのかと思っていた。だが、駿里が自主的に抑制剤を飲みヒートが来ないようにしていたことを知り怒りを募らせる。なぜなら体への負担が強い薬だったからだ。
「やだっ、飲ませてよっ!」
「避妊薬は一歩譲って許してやる。だが、抑制剤は駄目だ。」
本人が望んでいないのに避妊薬なしで行為及ぶのは流石に寛也もしない。ただ、抑制剤については駿里がなんと言おうと、どれほど嫌がろうとも飲ませる訳にはいかない。
「おい駿里、返事はどうした。それとも俺の言うことが聞けねぇのか。」
「…っわかった。」
少し横暴ではあるが、それほど強く言わなければ今の駿里は言うことを聞かない。きっとまた無断で外出して同じことを繰り返してしまう。
「良い子って言いたいところだがお前はいいつけを守らずに俺のいない隙を狙って無断外出してたよな。」
「それはっ…でも今日だけだよっ、」
お仕置きをされるのは目に見えていた。だから駿里は少しでも自分がしてしまったことを隠したかったのだ。
「嘘までつくか。康二は半年前から無断で出てたって言ってたぞ。俺らの腕を舐めるなよ。お前は俺との約束を何度も破ってこの薬のことも黙ってた。それ相応のお仕置きをされんのは当然だよな。」
ああ、嘘なんてつかなければよかった。寛也の怒りを抑えなければ体が壊れるまで抱き潰されてしまう。でも余計なことを言ってしまいそうで寛也にそう言われても駿里は何も言えなかった。
「でもその前に話はちゃんと聞いやる。駿里がこの俺にでさえ内緒でこれを買わないといけねぇぐらい悩んでたのは事実だからな。気づいてやれなかった俺にも落ち度がある。お仕置きはそのあとだ。話してくれるか?」
「うん。」
駿里は主治医から薬を受け取った。
「ありがとうございます。」
「駿里君。まだ番に話す気は無いの?」
「はい。」
「そっか。僕は駿里の意見を尊重するよ。でもちゃんと相手の気持ちも考えるんだよ。それだけは頭の隅に置いておいてね。」
「分かりました。」
駿里はこうして月に1度病院を訪ねては避妊薬と抑制剤を貰っていた。
「寛也が帰ってくる前に早く戻らないと。」
駿里は病院に通っていることを寛也には内緒にしていたのだ。だから寛也が仕事を終えるまでに必ず家に帰らねばならなかった。だが、相手は寛也だ。いつまでも隠し通せるはずもなかった。
「っ…!」
「どうした。そんなに驚いた顔をして。」
「なんでもないよっ、寛也。今日早かったんだね。」
玄関に入ると寛也が待ち構えていた。間違った行動だと分かっているのに駿里は咄嗟に薬を後ろに隠してしまう。
「ああ。最近お前の言動が怪しかったからな。」
「そ、そんなことないっ…。」
どうやらすべてお見通しのようだった。駿里が病院へ行っていることも知っているのだろう。寛也の口調には怒りが混じっていた。
「なら後ろに隠してるもん出せ。」
駿里は下を向くばかりで中々出そうとしない。寛也はそんな駿里の傍にいき、抱きしめるようにして後ろに持っている袋を奪った。そしてその中身を見た寛也は再び駿里に視線を戻す。
「これはっ、その……。」
「だからお前最近ヒートが来なかったのか。これを見つけた以上は二度飲ませねぇからな。体への負担を考えろ。」
寛也は体調不良でヒートが来なかったのかと思っていた。だが、駿里が自主的に抑制剤を飲みヒートが来ないようにしていたことを知り怒りを募らせる。なぜなら体への負担が強い薬だったからだ。
「やだっ、飲ませてよっ!」
「避妊薬は一歩譲って許してやる。だが、抑制剤は駄目だ。」
本人が望んでいないのに避妊薬なしで行為及ぶのは流石に寛也もしない。ただ、抑制剤については駿里がなんと言おうと、どれほど嫌がろうとも飲ませる訳にはいかない。
「おい駿里、返事はどうした。それとも俺の言うことが聞けねぇのか。」
「…っわかった。」
少し横暴ではあるが、それほど強く言わなければ今の駿里は言うことを聞かない。きっとまた無断で外出して同じことを繰り返してしまう。
「良い子って言いたいところだがお前はいいつけを守らずに俺のいない隙を狙って無断外出してたよな。」
「それはっ…でも今日だけだよっ、」
お仕置きをされるのは目に見えていた。だから駿里は少しでも自分がしてしまったことを隠したかったのだ。
「嘘までつくか。康二は半年前から無断で出てたって言ってたぞ。俺らの腕を舐めるなよ。お前は俺との約束を何度も破ってこの薬のことも黙ってた。それ相応のお仕置きをされんのは当然だよな。」
ああ、嘘なんてつかなければよかった。寛也の怒りを抑えなければ体が壊れるまで抱き潰されてしまう。でも余計なことを言ってしまいそうで寛也にそう言われても駿里は何も言えなかった。
「でもその前に話はちゃんと聞いやる。駿里がこの俺にでさえ内緒でこれを買わないといけねぇぐらい悩んでたのは事実だからな。気づいてやれなかった俺にも落ち度がある。お仕置きはそのあとだ。話してくれるか?」
「うん。」
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