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創始
153話 焦り
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「随分遊んでもらったみたいだね。」
巽らが部屋を出てから数十分後、誰かが部屋に入ってきた。疲弊しまくっている駿里は体を動かすことが出来なかった為目線だけそちらの方に動かした。
「これ取ってあげるよ。」
そこには伊吹が居た。洸から頼まれたことが終わったのかこの部屋に来たのだ。そして駿里が寝ているベッドに腰掛け尿道プラグに手をかけた。
「ぅ…あっ、ぐぅっ、~~!」
「はい、取れた。頑張ったね。」
駿里は長い長い快楽地獄からやっと解放された。失った酸素を体に取り込もうと必死に呼吸をしている駿里を見ながら伊吹は手足についている拘束具を全て取り優しく頭を撫でた。
「休んでいいよ。ゆっくり寝ときな。」
憎くて仕方ない相手からの行為なのに優しい伊吹の手の温もりで駿里は目を閉じて眠りについてしまった。
「うん、おやすみ。お風呂で綺麗にしてあげるからね。」
伊吹眠りについた駿里を抱きかかえて浴室へ向かった。
**********
「………っ、」
悪い夢だと思いたかった。しかし目を覚まして周りを見渡せばいつもの家ではなかった。駿里はなぜ自分がこんな目に遭っているのか訳がわからなくて、じわじわと恐怖だけが体を這い回る。
「うっ……。」
顔を横に向けて隣を見れば伊吹が気持ちよさそうに眠っていた。唯一の救いとして1枚ではあるが服を着せられていた。大きめのパーカーであった為、男たちの中の誰かのものであろう。泣きそうになるのを抑えて駿里は音をたてぬよう慎重にベッドから降りる。酷く抱かれたせいで体の所々が痛い。その痛みに耐えながら駿里は一歩一歩部屋の出口へと向かって行った。
「…はやく、…っ逃げないと。」
駿里は寛也に早く会いたかった。抱きしめて欲しかった。こんな地獄みたいなところから早く出て皆に会いたくて仕方がなかった。
「…っはぁ…っはぁ…なんで、っ開かない、…開いてよっ、」
この広い部屋には扉は1つ。窓1つすらない。唯一の出口のドアを引いても押しても鍵がかかっているためびくともしない。
「おねがいっ、開いてよっ、!」
ドアを開けることに夢中になっていた駿里は後ろで伊吹が起き上がったことに気がついていない。
「なんでっ……」
「ねぇ駿里。さっきから何してるの?」
伊吹の鋭い声がした。振り向いて顔を確認しなくてもかなり怒っているのが分かった。駿里はあまりにも恐ろしくて後ろを振り向くことが出来なかった。ここから出たい気持ちが強くなりすぎて1番大切なことが疎かになってしまった。
「質問に答えてよ。」
足音が聞こえる。伊吹が駿里にどんどん近づいてきている。恐怖が背を這い上がり駿里は腰を抜かしてしまい、その場に座り込んでしまった。
「ここから出てどこに行くつもりだったわけ?」
「ーーっ」
ついに駿里の背後まで伊吹が来ていた。質問に答えずにビクビクと震えながら下を向いている駿里の髪を鷲づかんで伊吹は上を向かせた。
「ごめ、んっなさぃ…。」
「誰が謝れって言った?はぁ…いい子になったと思ったのに俺の勘違いだったみたいだね。」
伊吹は無理やり駿里を立たせてベッドまで引きずるようにして引っ張った。あっという間にベッドまで連れていかれて投げられるようにして押し倒された。
「っこわぃ…やだっ、ぁ」
「怖くないよ。大丈夫だから。」
伊吹は優しい笑顔と口調はそのままで駿里の服を乱暴に脱がせた。
「これ何かわかる?」
袋を漁り出して伊吹はその中から何かを手に取り駿里に見せた。それは駿里が嫌という程知っているものだった。伊吹が手に持っているものを見た瞬間、駿里は血の気が引いた。
「ゃ……おねが、ぃ、っやめて…」
「やめないよ。」
伊吹が駿里の首元に注射器を当て皮膚に突き刺そうとした時ーーー。
「はぁ、…はぁっ…おい伊吹!大変だ!」
「どうしたの?」
物凄く慌てている雅紀が部屋の扉を開けて叫んだ様子を見て伊吹はただ事ではないことを悟った。
「…旭川組の奴らが俺らのアジトに来てる。どうする?」
「っ…!」
駿里はその名を聞いて出口の方を見た。そして自分の上に馬乗りになっている伊吹の下から逃げようとした。
「は?なんでだ。」
伊吹は逃げを打つ駿里を気にとめずに雅紀に問うた。ヤクザの客が来ることは珍しいことではなかった。だが伊吹らが手を組んでいるヤクザは少人数で名が知れている者たちではない。なのに全国的にも有名な旭川組が来て流石の伊吹も冷静さを失ってしまう。
「駿里が旭川寛也のもんだったんだよ。俺、いくら相手があの旭川組でも駿里を渡したくねぇ。」
「大丈夫。俺も同じ考えだよ。今旭川組の奴らはどこにいる?」
伊吹は寛也のことを舐めている様子だった。会ったこともなく、寛也の力を実際に見たことも無いと言うのに。
「上だ。」
「分かった。雅紀は駿里を縛ってどこかに隠して。絶対に見つからないように。俺が行って時間を稼ぐから。」
「ああ、分かった。任せとけ。」
伊吹は雅紀に駿里のことを頼むと上へと行った。駿里は寛也という名前を聞いて涙が溢れてきた。助けに来てくれた、と。でも寛也が自分のことを見つけてくれるかどうか分からない。だから駿里は自分なりにここにいることを知らせようとした。
「おい、叫ぶな。」
駿里は雅紀によって口を塞がれガムテープを貼られてしまい声を出すことが出来なくなった。その後手際よく手も腕も縛られて軽々と担がれてしまった。
「期待しない方がいいぜ。まずここは地下室だからな。それにここへ入る為の入口はなかなか見つけられねぇ。だからお前がここから出れる可能性はゼロに近い。」
いくら可能性がゼロに近くても必ず寛也は自分のことを見つけてくれる。駿里はそう信じて待った。皆がこの地下室を探し出して自分の元に来てくれるのを。
「ここで待ってろ。物音一つでも立てたら後で死んだ方がいいって程辛い目に遭わせてやるからな。」
雅紀はこの部屋の奥にあるクローゼットの中に駿里を入れた。だか焦っているのか雅紀の額には冷や汗があった。そういった後急いでクローゼットを閉めて外から鍵をかけた。そして駿里は耳を澄ませた。寛也がこの部屋に来た瞬間に音を立てて場所を知らせるために。
「チッ、めんどくせぇことになっちまった。」
外からは苛立っている雅紀の声と何か物を蹴る音が聞こえる。まだ寛也はこの部屋に入っていない。駿里は凄まじい緊張感に耐えながらその時を待った。
ガチャリ。
部屋のドアが開く音と共に足音が聞こえた。1人、2人?いや3人ほどいる。駿里は絶対に寛也達だと確信してクローゼット壁を蹴った。寛也に届くまで必死に縛られている足で蹴り続けた。
そしてーーー。
外からかけられている鍵を解除する音が聞こえた。数秒後真っ暗だったこの場所に光が射した。クローゼットの扉が開けられたのだ。暗い場所に慣れた眼球が突然鋭い光に包まれて駿里は目がぼやけた。いち早く寛也の姿を見たいというのに。
段々と視界がはっきりしてクローゼットの前に立っている人物を見て駿里は驚愕した。そして涙が溢れだしてきた。なぜなら………。
「残念だったな。」
そこにいた人物は寛也ではなく巽達だったから。
「あいつらはここを見つけられずに帰って行ったぜ。伊吹の口車にまんまと乗せられてよ。あれがほんとに全国を支配してるヤクザなのか?なんかガッカリだぜ。なぁ、お前ら。」
「ああ。つか、さっきから何怒ってんだよ雅紀。あいつらを追い払得て万々歳だろ?」
「だってよ、俺はこいつに音出すなって言ったんだ。なのにバンバン物音立てやがって。」
「そういうことだったんだね。それならお仕置きしないとだね雅紀。」
伊吹は駿里を乱暴にクローゼットから出してペニスをギュッと掴んだ。
「ん゛んっ、!」
駿里はガムテープで塞がれている為声すら出すことも許されない。他の4人も同様に駿里の体をいたぶり始める。
「薬使っちゃおっか。」
もう終わりだ。ここから一生出られないんだ。
しかし現実は違った。駿里がどん底に突き落とされていたその時ーーー。
巽らが部屋を出てから数十分後、誰かが部屋に入ってきた。疲弊しまくっている駿里は体を動かすことが出来なかった為目線だけそちらの方に動かした。
「これ取ってあげるよ。」
そこには伊吹が居た。洸から頼まれたことが終わったのかこの部屋に来たのだ。そして駿里が寝ているベッドに腰掛け尿道プラグに手をかけた。
「ぅ…あっ、ぐぅっ、~~!」
「はい、取れた。頑張ったね。」
駿里は長い長い快楽地獄からやっと解放された。失った酸素を体に取り込もうと必死に呼吸をしている駿里を見ながら伊吹は手足についている拘束具を全て取り優しく頭を撫でた。
「休んでいいよ。ゆっくり寝ときな。」
憎くて仕方ない相手からの行為なのに優しい伊吹の手の温もりで駿里は目を閉じて眠りについてしまった。
「うん、おやすみ。お風呂で綺麗にしてあげるからね。」
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「うっ……。」
顔を横に向けて隣を見れば伊吹が気持ちよさそうに眠っていた。唯一の救いとして1枚ではあるが服を着せられていた。大きめのパーカーであった為、男たちの中の誰かのものであろう。泣きそうになるのを抑えて駿里は音をたてぬよう慎重にベッドから降りる。酷く抱かれたせいで体の所々が痛い。その痛みに耐えながら駿里は一歩一歩部屋の出口へと向かって行った。
「…はやく、…っ逃げないと。」
駿里は寛也に早く会いたかった。抱きしめて欲しかった。こんな地獄みたいなところから早く出て皆に会いたくて仕方がなかった。
「…っはぁ…っはぁ…なんで、っ開かない、…開いてよっ、」
この広い部屋には扉は1つ。窓1つすらない。唯一の出口のドアを引いても押しても鍵がかかっているためびくともしない。
「おねがいっ、開いてよっ、!」
ドアを開けることに夢中になっていた駿里は後ろで伊吹が起き上がったことに気がついていない。
「なんでっ……」
「ねぇ駿里。さっきから何してるの?」
伊吹の鋭い声がした。振り向いて顔を確認しなくてもかなり怒っているのが分かった。駿里はあまりにも恐ろしくて後ろを振り向くことが出来なかった。ここから出たい気持ちが強くなりすぎて1番大切なことが疎かになってしまった。
「質問に答えてよ。」
足音が聞こえる。伊吹が駿里にどんどん近づいてきている。恐怖が背を這い上がり駿里は腰を抜かしてしまい、その場に座り込んでしまった。
「ここから出てどこに行くつもりだったわけ?」
「ーーっ」
ついに駿里の背後まで伊吹が来ていた。質問に答えずにビクビクと震えながら下を向いている駿里の髪を鷲づかんで伊吹は上を向かせた。
「ごめ、んっなさぃ…。」
「誰が謝れって言った?はぁ…いい子になったと思ったのに俺の勘違いだったみたいだね。」
伊吹は無理やり駿里を立たせてベッドまで引きずるようにして引っ張った。あっという間にベッドまで連れていかれて投げられるようにして押し倒された。
「っこわぃ…やだっ、ぁ」
「怖くないよ。大丈夫だから。」
伊吹は優しい笑顔と口調はそのままで駿里の服を乱暴に脱がせた。
「これ何かわかる?」
袋を漁り出して伊吹はその中から何かを手に取り駿里に見せた。それは駿里が嫌という程知っているものだった。伊吹が手に持っているものを見た瞬間、駿里は血の気が引いた。
「ゃ……おねが、ぃ、っやめて…」
「やめないよ。」
伊吹が駿里の首元に注射器を当て皮膚に突き刺そうとした時ーーー。
「はぁ、…はぁっ…おい伊吹!大変だ!」
「どうしたの?」
物凄く慌てている雅紀が部屋の扉を開けて叫んだ様子を見て伊吹はただ事ではないことを悟った。
「…旭川組の奴らが俺らのアジトに来てる。どうする?」
「っ…!」
駿里はその名を聞いて出口の方を見た。そして自分の上に馬乗りになっている伊吹の下から逃げようとした。
「は?なんでだ。」
伊吹は逃げを打つ駿里を気にとめずに雅紀に問うた。ヤクザの客が来ることは珍しいことではなかった。だが伊吹らが手を組んでいるヤクザは少人数で名が知れている者たちではない。なのに全国的にも有名な旭川組が来て流石の伊吹も冷静さを失ってしまう。
「駿里が旭川寛也のもんだったんだよ。俺、いくら相手があの旭川組でも駿里を渡したくねぇ。」
「大丈夫。俺も同じ考えだよ。今旭川組の奴らはどこにいる?」
伊吹は寛也のことを舐めている様子だった。会ったこともなく、寛也の力を実際に見たことも無いと言うのに。
「上だ。」
「分かった。雅紀は駿里を縛ってどこかに隠して。絶対に見つからないように。俺が行って時間を稼ぐから。」
「ああ、分かった。任せとけ。」
伊吹は雅紀に駿里のことを頼むと上へと行った。駿里は寛也という名前を聞いて涙が溢れてきた。助けに来てくれた、と。でも寛也が自分のことを見つけてくれるかどうか分からない。だから駿里は自分なりにここにいることを知らせようとした。
「おい、叫ぶな。」
駿里は雅紀によって口を塞がれガムテープを貼られてしまい声を出すことが出来なくなった。その後手際よく手も腕も縛られて軽々と担がれてしまった。
「期待しない方がいいぜ。まずここは地下室だからな。それにここへ入る為の入口はなかなか見つけられねぇ。だからお前がここから出れる可能性はゼロに近い。」
いくら可能性がゼロに近くても必ず寛也は自分のことを見つけてくれる。駿里はそう信じて待った。皆がこの地下室を探し出して自分の元に来てくれるのを。
「ここで待ってろ。物音一つでも立てたら後で死んだ方がいいって程辛い目に遭わせてやるからな。」
雅紀はこの部屋の奥にあるクローゼットの中に駿里を入れた。だか焦っているのか雅紀の額には冷や汗があった。そういった後急いでクローゼットを閉めて外から鍵をかけた。そして駿里は耳を澄ませた。寛也がこの部屋に来た瞬間に音を立てて場所を知らせるために。
「チッ、めんどくせぇことになっちまった。」
外からは苛立っている雅紀の声と何か物を蹴る音が聞こえる。まだ寛也はこの部屋に入っていない。駿里は凄まじい緊張感に耐えながらその時を待った。
ガチャリ。
部屋のドアが開く音と共に足音が聞こえた。1人、2人?いや3人ほどいる。駿里は絶対に寛也達だと確信してクローゼット壁を蹴った。寛也に届くまで必死に縛られている足で蹴り続けた。
そしてーーー。
外からかけられている鍵を解除する音が聞こえた。数秒後真っ暗だったこの場所に光が射した。クローゼットの扉が開けられたのだ。暗い場所に慣れた眼球が突然鋭い光に包まれて駿里は目がぼやけた。いち早く寛也の姿を見たいというのに。
段々と視界がはっきりしてクローゼットの前に立っている人物を見て駿里は驚愕した。そして涙が溢れだしてきた。なぜなら………。
「残念だったな。」
そこにいた人物は寛也ではなく巽達だったから。
「あいつらはここを見つけられずに帰って行ったぜ。伊吹の口車にまんまと乗せられてよ。あれがほんとに全国を支配してるヤクザなのか?なんかガッカリだぜ。なぁ、お前ら。」
「ああ。つか、さっきから何怒ってんだよ雅紀。あいつらを追い払得て万々歳だろ?」
「だってよ、俺はこいつに音出すなって言ったんだ。なのにバンバン物音立てやがって。」
「そういうことだったんだね。それならお仕置きしないとだね雅紀。」
伊吹は駿里を乱暴にクローゼットから出してペニスをギュッと掴んだ。
「ん゛んっ、!」
駿里はガムテープで塞がれている為声すら出すことも許されない。他の4人も同様に駿里の体をいたぶり始める。
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