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齟齬
114話 恵方巻き *
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「起きたか。おはよう」
「うん、起きるまで待っててくれたんだね」
十分な程に寝た駿里は、ぱっと起きた。ゆっくり休んだかいもあって今は腰の痛みはなくなっていた。
「無理すんな。そういえば、節分っていつだったか覚えてるか?」
寛也は駿里が起き上がるのをサポートしながら言った。
「2月3日だから1週間ぐらい前だよ」
「くそ、やらかしたな。恵方巻き食べ損ねちまった。」
「そうだね。また来年食べればいいよ。」
寛也は駿里が嬉しそうにそういったことを不思議を思った。
「どうした、嬉しそうだな。」
「またってなんかいいなと思って。来年も寛也と一緒にいられる」
「来年もその先もずっとだ」
寛也はそういった時は駿里の顔を見ていた。だが、いい終わった後その視線が変わった。
「どこ見てんだよ!」
「少し遅めだが、恵方巻き食べるか」
「なにいって、……うわぁ!」
寛也は駿里が言い終わる前にズボンを勢いよくおろした。そして駿里の足を掴んで股に顔を埋めた。
「ダメだって!さっき禁止って言ったじゃんか!」
「セックスがだろ?これは禁止だと言われた覚えはない」
寛也は駿里のペニスを口に含んだ。
「ーッ!!…、きん、しっ!フェラも禁止にする!」
慌てて駿里は寛也の頭を自分の股から離そうとするが足をがっちりと持たれているため動かせない。
「遅せぇよ」
1度口を離し、それだけ言うと再び口にペニスを含んだ。裏筋を舐め、巧妙に舌を動かす。
駿里にじんわりと甘い痺れが広がっていく。
「…っだめぁ…ちか、…ゃ……ぁあ……っんあ……あ゛ぁっ!…あっ、!!」
寛也にペニスの先端を思いっきり吸われて駿里は腰を揺らしてしまう。今度はビリビリとした痺れと共に快楽が広がっていった。
「あ、!ああっ、…んん、っん……やぁ…あ、…ぅ、うっ、!…い、っちゃ、ぁ!…、ーーーッ!」
腰を小刻みに震わせながら駿里は絶頂を迎えた。
ごくん、と飲み干す音が聞こえて射精の余韻に浸っていた駿里は意識を覚醒させた。
「の、っ飲んだの?出して、汚いよ」
ティッシュを手に取り寛也の口元とに当てる。
「駿里のなんだから汚いわけねぇだろ。愛してるからな」
寛也にとっても以前の自分には考えられなかった。だが、駿里のは射精液とは思えないほどだった。
そう言われ駿里は恥ずかしそうに頬を染めていた。
「体は大丈夫か?」
「うん」
「それなら晩飯食いに行こうか」
「待って」
ギンギンに立っているはずなのにリビングに向かおうとしている寛也を止めた。
「ん?なんだ」
「寛也は?」
「俺は大丈夫だ。それに禁止だろ?だから行こう」
駿里は自分で言ったものの寂しいと思ってしまった。ダメだ、何言ってるんだ。決めたことはちゃんとしないと、と気合いを入れ直した。
「分かりやすいやつ」
寛也はボソッと微笑んで呟いた。
「ん?なんか言った?」
「言ってねぇよ。ほら、行くぞ」
「はーい!」
寝ている間に圷が料理を作りに来てくれたようでリビングに行くと豪華で美味しそうな料理が並んでいた。
「すっごい」
「お前が喜ぶと思ってな。」
「ありがとう。圷さんにもお礼が言いたい」
「なら、後で、圷の連絡先教えるから礼を言っとけ。」
ありがとう、と駿里は寛也に抱きついく。
「いいよ。座ろう」
2人は席に座り食べ始めた。
「これ俺が前好きって言ったやつだ」
駿里は大好物のローストビーフを目を輝かせてみている。
「良かったな。それと俺、明日は事務所じゃなくて外で仕事だから帰りが遅くなる。ごめんな」
寛也が駿里の頭を撫でながら言う。
「ううん、お仕事頑張ってね!」
本当は寂しくて仕方がないが、そんな我儘は言えない。寛也が外で仕事をする時は大事なお仕事だから。
「明日は重要な仕事だから幹部全員連れていくんだ。とは言っても何かあったらいけねぇから天馬をここに呼んでるからな。」
「ありがとう!」
「俺の方こそありがとな。一人の時間奪っちまって悪い。だか心配で堪らないんだ。」
寛也は表情には出さないものの長いこと一緒に時間を過ごしている駿里にはかなり不安そうなのが分かる。
「俺、一人よりも誰かと話してる方が好きだから凄く嬉しいよ。寛也が俺の事心配してくれてるのも本当に嬉しい。だから安心して仕事に行ってね」
どんな小さい事でも寛也の役に立ちたい駿里に今できることは寛也の不安を取り除くことだとそう言った。
「お前はいい子だな」
食べ終わった2人は仲良く一緒にお風呂に入った。
そして、寛也は駿里から禁止令が出されていたので今夜は抱く事なくベッドの中に入った。
「あっ、」
「どうした」
「ネックレス切れちゃったよ」
なんか不吉だね、といいながら寛也とのお揃いの物が壊れた駿里は悲しそうな顔をする。
「修理に出せば治るからそんな顔するな。物は寿命があるから仕方ねぇ。明日仕事ついでに修理に出しといてやるからそこに置いとけ。」
ちゃんとした物を駿里が買ったと言っていたのにこんなに早く壊れるとは、と寛也も駿里と同じように不吉だと思った。
「仕事増やしてごめんね。ありがとう」
「謝らなくていい。俺がそうしたいだけだ。だから、気にすんな。」
寛也は申し訳なそうにしている駿里を抱きしめそのまま横になった。
「あはは、っ寝にくいよ」
そう言いながらも駿里は本当に幸せそうな顔をしている。寛也の匂いに包まれて心地よくなる。
「それがいいんだよ。駿里の体温は安心するからな。おやすみ駿里。」
「おやすみなさい」
駿里はすぐに寝た。だが、寛也は駿里の寝顔を見ながら考え事をしていた。
先程のネックレスのチェーンが壊れたのは単なる偶然ならいいのだが…、と。明日は商談があることもあり不安が増す。
「今考えても仕方ねぇか」
そう言って駿里を強く抱き締めて目を閉じた。
「何があっても絶対に守るからな」
*************
朝、仕事へ行く時間になり寛也は出る前に駿里が眠る寝室に来た。
「行ってくるからな」
本当は起こしてそう言いたかったが、ぐっすりと眠っているので起こさずにそう言った。
「よう、寛也」
寛也が声のした方を振り向くと天馬が立っていた。寛也の頼みを聞いて朝っぱらから来てくれたのだ。
「天馬、今日は頼む。なんか分かんねぇけど嫌な予感がすんだよ」
「お前の予感はだいたい当たるからな。気をつけろよ。俺も駿里のことをちゃんと見てるから安心しろ」
「感謝する。」
「いいってことよ。頑張れよ」
「ああ」
そう言って寛也は玄関へと向かった。
「ん?駿里ネックレスしてねぇじゃん。……切れたのか?」
ーーあぁ、これかあいつが言ってた嫌な予感ってのは
天馬も胸騒ぎが来てきた。考えれば考えるほど嫌な方向に考えが行く。
「はぁ…何も無いといいけどな。1つ片付いても次から次に問題が来る世界だからな。森廣がこれからは落ち着くって言ってたがなんかまだ見落としてる気がすんだよな。いや、やめだ。起こってねぇ事考えてもキリがない。」
駿里のことを不安にさせないように天馬はリビングに行き、いつものテンションに戻した。
駐車場に着いた寛也達は目的地にたどり着くため車に乗った。
「組長どうされました?顔色が悪いですよ」
運転席に座った北風がいつもとは違う寛也の表情に気がついた。
「なんでもない。そんなふうに思わせて悪ぃな。大丈夫だ。」
「それなら良いのですが、無理は禁物ですよ。では、車だしますね。」
今日の商談相手は国務大臣だった。その為皆緊張をしている。
だが、それを絶対に表情に出してはいけない。それなのに組長である自分がしっかりしないでどうすんだよ、とひとまず駿里のことは頭から消して仕事のことだけを考えた。
「うん、起きるまで待っててくれたんだね」
十分な程に寝た駿里は、ぱっと起きた。ゆっくり休んだかいもあって今は腰の痛みはなくなっていた。
「無理すんな。そういえば、節分っていつだったか覚えてるか?」
寛也は駿里が起き上がるのをサポートしながら言った。
「2月3日だから1週間ぐらい前だよ」
「くそ、やらかしたな。恵方巻き食べ損ねちまった。」
「そうだね。また来年食べればいいよ。」
寛也は駿里が嬉しそうにそういったことを不思議を思った。
「どうした、嬉しそうだな。」
「またってなんかいいなと思って。来年も寛也と一緒にいられる」
「来年もその先もずっとだ」
寛也はそういった時は駿里の顔を見ていた。だが、いい終わった後その視線が変わった。
「どこ見てんだよ!」
「少し遅めだが、恵方巻き食べるか」
「なにいって、……うわぁ!」
寛也は駿里が言い終わる前にズボンを勢いよくおろした。そして駿里の足を掴んで股に顔を埋めた。
「ダメだって!さっき禁止って言ったじゃんか!」
「セックスがだろ?これは禁止だと言われた覚えはない」
寛也は駿里のペニスを口に含んだ。
「ーッ!!…、きん、しっ!フェラも禁止にする!」
慌てて駿里は寛也の頭を自分の股から離そうとするが足をがっちりと持たれているため動かせない。
「遅せぇよ」
1度口を離し、それだけ言うと再び口にペニスを含んだ。裏筋を舐め、巧妙に舌を動かす。
駿里にじんわりと甘い痺れが広がっていく。
「…っだめぁ…ちか、…ゃ……ぁあ……っんあ……あ゛ぁっ!…あっ、!!」
寛也にペニスの先端を思いっきり吸われて駿里は腰を揺らしてしまう。今度はビリビリとした痺れと共に快楽が広がっていった。
「あ、!ああっ、…んん、っん……やぁ…あ、…ぅ、うっ、!…い、っちゃ、ぁ!…、ーーーッ!」
腰を小刻みに震わせながら駿里は絶頂を迎えた。
ごくん、と飲み干す音が聞こえて射精の余韻に浸っていた駿里は意識を覚醒させた。
「の、っ飲んだの?出して、汚いよ」
ティッシュを手に取り寛也の口元とに当てる。
「駿里のなんだから汚いわけねぇだろ。愛してるからな」
寛也にとっても以前の自分には考えられなかった。だが、駿里のは射精液とは思えないほどだった。
そう言われ駿里は恥ずかしそうに頬を染めていた。
「体は大丈夫か?」
「うん」
「それなら晩飯食いに行こうか」
「待って」
ギンギンに立っているはずなのにリビングに向かおうとしている寛也を止めた。
「ん?なんだ」
「寛也は?」
「俺は大丈夫だ。それに禁止だろ?だから行こう」
駿里は自分で言ったものの寂しいと思ってしまった。ダメだ、何言ってるんだ。決めたことはちゃんとしないと、と気合いを入れ直した。
「分かりやすいやつ」
寛也はボソッと微笑んで呟いた。
「ん?なんか言った?」
「言ってねぇよ。ほら、行くぞ」
「はーい!」
寝ている間に圷が料理を作りに来てくれたようでリビングに行くと豪華で美味しそうな料理が並んでいた。
「すっごい」
「お前が喜ぶと思ってな。」
「ありがとう。圷さんにもお礼が言いたい」
「なら、後で、圷の連絡先教えるから礼を言っとけ。」
ありがとう、と駿里は寛也に抱きついく。
「いいよ。座ろう」
2人は席に座り食べ始めた。
「これ俺が前好きって言ったやつだ」
駿里は大好物のローストビーフを目を輝かせてみている。
「良かったな。それと俺、明日は事務所じゃなくて外で仕事だから帰りが遅くなる。ごめんな」
寛也が駿里の頭を撫でながら言う。
「ううん、お仕事頑張ってね!」
本当は寂しくて仕方がないが、そんな我儘は言えない。寛也が外で仕事をする時は大事なお仕事だから。
「明日は重要な仕事だから幹部全員連れていくんだ。とは言っても何かあったらいけねぇから天馬をここに呼んでるからな。」
「ありがとう!」
「俺の方こそありがとな。一人の時間奪っちまって悪い。だか心配で堪らないんだ。」
寛也は表情には出さないものの長いこと一緒に時間を過ごしている駿里にはかなり不安そうなのが分かる。
「俺、一人よりも誰かと話してる方が好きだから凄く嬉しいよ。寛也が俺の事心配してくれてるのも本当に嬉しい。だから安心して仕事に行ってね」
どんな小さい事でも寛也の役に立ちたい駿里に今できることは寛也の不安を取り除くことだとそう言った。
「お前はいい子だな」
食べ終わった2人は仲良く一緒にお風呂に入った。
そして、寛也は駿里から禁止令が出されていたので今夜は抱く事なくベッドの中に入った。
「あっ、」
「どうした」
「ネックレス切れちゃったよ」
なんか不吉だね、といいながら寛也とのお揃いの物が壊れた駿里は悲しそうな顔をする。
「修理に出せば治るからそんな顔するな。物は寿命があるから仕方ねぇ。明日仕事ついでに修理に出しといてやるからそこに置いとけ。」
ちゃんとした物を駿里が買ったと言っていたのにこんなに早く壊れるとは、と寛也も駿里と同じように不吉だと思った。
「仕事増やしてごめんね。ありがとう」
「謝らなくていい。俺がそうしたいだけだ。だから、気にすんな。」
寛也は申し訳なそうにしている駿里を抱きしめそのまま横になった。
「あはは、っ寝にくいよ」
そう言いながらも駿里は本当に幸せそうな顔をしている。寛也の匂いに包まれて心地よくなる。
「それがいいんだよ。駿里の体温は安心するからな。おやすみ駿里。」
「おやすみなさい」
駿里はすぐに寝た。だが、寛也は駿里の寝顔を見ながら考え事をしていた。
先程のネックレスのチェーンが壊れたのは単なる偶然ならいいのだが…、と。明日は商談があることもあり不安が増す。
「今考えても仕方ねぇか」
そう言って駿里を強く抱き締めて目を閉じた。
「何があっても絶対に守るからな」
*************
朝、仕事へ行く時間になり寛也は出る前に駿里が眠る寝室に来た。
「行ってくるからな」
本当は起こしてそう言いたかったが、ぐっすりと眠っているので起こさずにそう言った。
「よう、寛也」
寛也が声のした方を振り向くと天馬が立っていた。寛也の頼みを聞いて朝っぱらから来てくれたのだ。
「天馬、今日は頼む。なんか分かんねぇけど嫌な予感がすんだよ」
「お前の予感はだいたい当たるからな。気をつけろよ。俺も駿里のことをちゃんと見てるから安心しろ」
「感謝する。」
「いいってことよ。頑張れよ」
「ああ」
そう言って寛也は玄関へと向かった。
「ん?駿里ネックレスしてねぇじゃん。……切れたのか?」
ーーあぁ、これかあいつが言ってた嫌な予感ってのは
天馬も胸騒ぎが来てきた。考えれば考えるほど嫌な方向に考えが行く。
「はぁ…何も無いといいけどな。1つ片付いても次から次に問題が来る世界だからな。森廣がこれからは落ち着くって言ってたがなんかまだ見落としてる気がすんだよな。いや、やめだ。起こってねぇ事考えてもキリがない。」
駿里のことを不安にさせないように天馬はリビングに行き、いつものテンションに戻した。
駐車場に着いた寛也達は目的地にたどり着くため車に乗った。
「組長どうされました?顔色が悪いですよ」
運転席に座った北風がいつもとは違う寛也の表情に気がついた。
「なんでもない。そんなふうに思わせて悪ぃな。大丈夫だ。」
「それなら良いのですが、無理は禁物ですよ。では、車だしますね。」
今日の商談相手は国務大臣だった。その為皆緊張をしている。
だが、それを絶対に表情に出してはいけない。それなのに組長である自分がしっかりしないでどうすんだよ、とひとまず駿里のことは頭から消して仕事のことだけを考えた。
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