極道の密にされる健気少年

安達

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齟齬

109話 拒絶 *

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「ちょって待って!」


寛也が駿里の服をぬがし後孔に指を挿れようとした時、急に駿里に腕を掴まれた。


「なんだ」

「お風呂入ってからがいい」


こいつなんか隠してやがるな、とすぐに寛也は感ずいた。


「今更なんでだよ。焦らすな」

「綺麗になったからだで抱かれたい、っから…」


駿里はあまりにも分かりやすく動揺していた。


「ボディーチェックを受けるならいい」

「…それは」

「嫌なら、このままするぞ」


上の服はすんなり脱がせれたが、駿里はズボンを脱ぐことを全力で拒否し、下ろされないように必死に力を入れている。


「やだってば!」

「なんでだよ。お前さっきやりたいって言っただろうが」


駿里は寛也が両手にズボンを手にかけたのを見ると、パッと手を離し逃げた。寛也は引っ張りあっていたのを駿里に手を離されて、後ろに転げそうになる。


「おい駿里!逃げるな」


逃げた駿里は心の中でごめん、と謝りながらお風呂場まで走っていった。洗面所のドアを勢いよく開け閉めようとした時、バンッ、と音がして閉めたはずのドアが開いた。


「いい加減にしろよ駿里」


寛也は少し乱暴に駿里を壁に押付けて後ろで手を拘束した。そのまま手を下着の中にもぐらせた。


「寛也、っお願いまって、待って!」

「さすがにここまで拒否られたら俺だって怒るぞ。それともわざと怒らせてんのか?」


苛立ちを隠せていない寛也か指を後孔に手を挿れた。


「…ん?」


かき混ぜるようにして後孔に指を挿れるとローションが出てきた。駿里の息が羞恥心から荒くなる。


「これ、は…っちがくて」

「何が違うんだ?通りでお前がズボン脱ぐのを嫌がる訳だな」


すっかり寛也の怒りは消え去り、壁に押し付けていた駿里を自分の方向を向かせて悪い笑みを浮かべて見ていた。


「ここ弄っちまうほど、俺が居なくて虚しかったのか?」

「…っもう寛也なんて大っ嫌いだ!!」


駿里は目に溢れそうなほど涙を溜め込んでた。


「悪い。そんな顔すんなって。」

「っ嫌だって言ったのに……」

「なんでそんなに嫌なんだよ。俺は嬉しいのに」

「え…?」


1人でしかもペニスではなく秘部をいじっていた事を恥ずかしいと思っていた駿里はなんで?という顔をして寛也を見た。


「なにとぼけた顔してんだ。それだけ駿里は俺の事を考えてたってことだろ?普通に考えて嬉しいだろ。逆にそこまで隠す意味がわかんねぇよ。」

「だって、嫌われちゃうかと思ったから」

「まったく、困ったやつだなお前は。…いや、そう思わせてる俺が悪いのか」


駿里は自分のした行為が寛也引かれなかったことに安心したが、何故か嫌な予感がしだした。


「…寛也?」


寛也は黙り込み考えた後、何かを閃いたように駿里を見た。こんな状況で寛也が考えることなどロクなことではないと駿里は察し本能的に足が動いてしまった。


「おい、これ以上俺を怒らせるなよ?」

「もう寛也怒ってないじゃんか!」

「怒ってる怒ってないの問題じゃねぇんだよ。さっきお前大嫌いって言ったよな?これはさすがに見逃せねぇな。」


そう言って寛也は駿里を担いで寝室まで行きベッドにうつ伏せに下ろした。その駿里に覆い被さるように寛也もうつ伏せになった。


「っ、いきなり挿れるの!?」

「さっきならしたから安心しろ。痛みはないから大丈夫だ。」

「そうじゃなくて、っまだ心の準備がーーッ、あ゛あ!…寛也のばかぁ!」


足をばたつかせ、シーツを握りしめている駿里の中に一気に挿れた。


「俺はさっき傷ついたんだからな?お前に逃げられるわ拒否されるわ大嫌いと言われるわで俺の心はズタボロだ」



寛也は激しいピストンをせずに駿里の前立腺を擦るように腰を動かしていた。



「あ゛っ、あ!!…ごめっ、ん!…、ごっめん、…っちか゛やあ!」

「俺が聞きたい言葉はそれじゃねぇ。まぁそれが聞けたところで辞めるつもりは無いがな。」


今日は寛也がお仕置きの内容を言ってくれない。駿里は余計に不安になる。先に言ってくれれば心構えができるので代償気持ちが楽になる。が、今日はそれも含めてのお仕置きのようだ。初めは気持ちよくて良いのだが3回戦ほどしたぐらいからつらくなってしまう。

しかも寛也は絶倫だ。まだ一回も中出しされていないのに駿里は不安で潰されそうになっていた。


「あ゛あ!!…っまって、あ!…あ゛、っ!…んあ!!…あっあっあっ!!…それ、っやだあ!」

「お前また拒否しやがったな。今のは大目に見てやる。次言ったらその時はお仕置き追加だならな」

「だって、!…、っ!!あぁあ!!、んあ!!…あっ、…っあっあ!!はぁっ、…う゛」


駿里は弱い所ばかり集中して攻め立てられている為、何度も何度も達していた。快楽が苦痛に変わりつつあったのだ。


「お前がイクたび、中が締まって気持ちがいい。」


寛也は全身で覆いかぶさった。そして耳元でそう言いながら、そのまま奥まで耳を舐めた。


「あああ!!…ひっ、んあ゛!!あっ、あっ!!…ん゛!…う゛っ、あ!!」


今、駿里は寛也のことを拒絶、拒否するような言葉は禁句になっている。だがら、耳を舐めている寛也の舌と自分の耳の間に手を入れた。そして耳の弱い駿里は耳が舐められないように顔を反転させ左耳をベッドに伏せた。


「この野郎、無言の抵抗しやがって。」


駿里が耳を隠した事で耳攻めできなくなった寛也はうつ伏せの状態から駿里膝立ちさせてバックで突いた。


「あ゛あっ、…あ!、ーーッ!」

「甘いんだよ。」

「ん゛あっ!!…あぁあ!、う゛!…あ、っあ!!…ひっ、…んん!!」

「これで隠せなくなったな。お前は虐めたくなるほど本当に耳が弱いよな。」


寛也は駿里の頬を掴んで顔を固定し、ジュルジュルと音を立てながら再び耳を攻め始めた。


「あ゛っ!!…ひっ、…んん!!あぁ!!!…うっ、はなっ、し゛て…んんあ!!」

「また拒否しやがったなお仕置き追加だ。」


寛也が喋ったことで耳責めからは解放されたが、耳を噛まれギリギリまで陰茎を抜いて一気に突かれた。その快楽に駿里はのけぞった。


「納得いってない顔をしてるが、 離して  も俺を拒否してるだろ?」


それなら耳攻めを辞めて欲しいと駿里は言いたかったが、そんなことをしたらお仕置き追加コースなので言えなかった。

再び寛也に顔を固定されて耳を舐められようとした時


「あぁあ!!、…っキス、して、…おねっ、がぃい!ん゛!!あっ、あっ!!…っう゛、!」


駿里はそうった。今、バックで抱きしめられ顔も動かせない駿里にとって耳攻めから解放される最善策だったから。


「キスが好きだなお前は」


寛也はその言葉を聞くと耳から舌を離し、駿里の口に噛み付いた。駿里はやっと耳攻めから解放された。


「んふっ…、んん~!…ん、んっ!…、はぁ……ふっ、ん…、んん!」


駿里は目を閉じて流れ込んできた寛也の唾液を飲み込み、必死に舌をのばしていた。反対に寛也はその姿をしっかりと見ていた。そして可愛すぎる、と言わんばかりに駿里の舌を吸い、ピストンを速めた。


「ん゛っ、ん゛!…はぁ、……ふっ、ん!!…っ、んん~!!ーーーッ」


寛也は絶頂を迎えた後も萎えることなくすぐに動き始めた。駿里は少し息苦しくなり、口を離し肩で息をしていた。


「ん゛!!…ちょ、っ待ってぇ!…あぁあ!!、っ!あっあっあっ!!…う゛ぁっ、!」

「まだまだ足りない」


駿里が口を離したので暇を持て余している寛也の口は耳へと移動した。


「ひっ、…まって、おねがぃいっ!…みみは、やだぁっ…、いや、っなの!…あぁあ!」

「お前が俺の口から離れるからだろ。気持ちいいのになんで嫌なんだよ」

「みみっ、…きもちく、っない!…キスが、いい…っあ!!あっ、あっ!!…」

「たく、仕方ねぇな。だが、お仕置きは追加だからな」

「ん゛あ!!…いいっ、からぁ!…、おねがいっ!…あぁあ!!あっ、あ!!」


寛也は駿里がお仕置きが追加されることを気にも止めずに本気で嫌がるので耳から唇に口を移動させた。


「んふっ、…んっ、んっ!!……はぁ、っ…んん~!  …ん゛、!!」


駿里の身体に手を回し、頬を掴んで顔もボールドをした。バックで突きながらキスをしていたが駿里が苦しそうだったので一度口を離し、ベッドに寝かして正常位にした。


「駿里、まだ終わらないぞ。俺はまだ一度しかイってないからな。」

「う、うそだ…」

「嘘じゃない。お前の中はまだローションと少量の精子しかねぇだろ?」


寛也はそう言いながら後孔の中をかき混ぜるように陰茎を動かした。 

 
「うあ、っ!…ん、っあ!…もう、っむりぃ!」 


駿里は寛也が二度目の絶頂を迎えた所で終わらないことは目に見えていた。


「なら今からするお仕置きをお前に選ばせてやるよ。」


寛也は一度動きを止めて駿里を見つめた。


「次俺がイったら辞めてやるよ。だが、その間ずっと駿里が大好きな耳を舐め続ける。」

「やだ!」

「俺ちゃんとお前が嫌だっつった分を数えてっからな。そのつもりでいろよ。それにお前がそれを嫌と言うなら、俺が満足いくまで抱かれる事になるぞ?どっちにするか決めろ。」


そんな選択出来るわけが無い、と駿里は迷っていた。しかし決めないと両方されることになってしまう。寛也と体を重ね合わせられる事はお仕置きであろうとなんであろうと嬉しいが、限界を越えれば話は違う。


「寛也が次イッたらやめてほしい」

「お前が耳攻めを選ぶとは思わなかった。俺はどちらでも構わないがな」


寛也は、ふっと満足そうに笑い正常位の状態のまま体を駿里に密着した。


「もう選択を変えられないことを忘れるなよ?」


え、どういうこと?と言う顔をして駿里は寛也を見ていると、首から頭に手を回され顔を背けられないようにされた。


「俺がイくまでだからな」


寛也は駿里の耳元でさぞ楽しそうな声でそう言い、耳の中に舌を侵入させた。そしてそのまま奥を深く突き始める。


「あぁあ!…ひっ、…う゛、!あ、あっ!!…んあ!!ひぅっ…、あ゛!」


駿里は激しく突かれながら耳への快楽にも耐えていた。ポロポロと涙が溢れてきている。その駿里の涙が耳の中に入ってきた。寛也はそれすらも綺麗に舐めとって、駿里の顔を固定していない方の手でペニスを掴み、亀頭をカリカリと刺激した。


「むりぃ、っああ!!…っはなし゛、って!…もうっ、イケなぃい!…あ゛あ!」


絶頂を何度も迎えた駿里の射精液は透明になっていた。ほぼ空っぽ状態になっていたのだ。達した後も辞めることなく亀頭、耳と前立腺を責め続ける。このお仕置きは駿里にとってとても堪えた。


「ん゛あ゛!!はんせ゛、い…しったぁ!…からっ、!やあ、っやめて、っ…あ、あっ!!」


駿里は大分時間が経ってから気がついた。寛也はわざと射精しないようにしている。絶頂しそうになったら動きをゆっくりにしてかき混ぜるようにする。凄く弱い耳を責められながらこの注がれてくる快楽に駿里は腰をガクガクされながらイキ続けている。


「イキすぎだろお前」


寛也に快楽を複数から注がれながら耳元で言われ、駿里は目がチカチカとし頭の中が真っ白になった。


「あぁあ!!…、おねがいっ、…ち゛かやぁ!、あ゛ぁあ!…っはやく、っイッて゛、よ!!」

「どうしようか」

「ん゛っ!…おね、っか゛い、!もうむりぃ、…し゛ぬ、!しんっ、じゃう、…あ゛ぁあ!、…やらぁ!」


涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、駿里は最後の力を振り絞って叫んだ。それからはだんだんと声がか細くなっていく。

さすがに限界か、とピストンを始めた。寛也は駿里のことを焦らした分早くに射精感がやってくる。


「そろそろ出すぞ」


寛也はそういい、駿里の中に勢いよく出した。それと同時に駿里は快楽地獄から解放された。


「……はぁ、……っ寛也が、…っ出してくれた…」

「もう1回出して欲しいのか?」


息もたえたえになっている駿里に寛也は意地悪く笑いそう言った。


「もうやだ。むりだもッ、………あ」


無理と言った時に思い出した。その言葉は禁句になっていたことを。


「今日はお仕置き遂行をしないからそんなに慌てなくていい。俺も明日商談があるからな」


寛也は駿里の髪を撫でて微笑みながらそう言った。駿里はその笑顔に安心し、頭を撫でられたことで心地よくなって急激に眠くなってきた。


「眠たいのか?なら寝とけ。風呂に入れといてやるから」

「ありがとう」


駿里がゆっくりと目を閉じようとした時ーー。


「その代わりお前が寝てる間に俺が駿里のこと襲っても文句言うなよ。」


その一言で目が覚醒した。ばっ、と体を起こしたが急に起き上がったことで駿里の腰に激痛が走る。


「何してんだ。大丈夫か?冗談に決まってるだろ。」

「言っていい冗談と悪いのがある!」

「お前の反応が可愛くてな。つい虐めてしまう。」


寛也は駿里の両頬を撫でた。駿里は寛也から触れてもらえることが大好きだ。だから、どんなことをされても結局許してしまう。


「運んでやるから風呂に入ろうな」

「うん、ありがとう」


寛也さ優しく駿里の体を洗って、その後直ぐに自分も洗い湯船に浸かった。


「やっと来た」


駿里がそう言いながら寛也に近づき、抱きついてきた。


「お待たせ」


寛也がそう言うと、駿里は首に腕をまきつけてぎゅーっと抱きしめた。そして寛也の頬に自分の頬をつけた。

寛也はその駿里の行動に何も言わずに抱き締め返して、優しく頭を撫でていた。いつも駿里は寛也が大変な仕事の前はこうなるのだ。不安になっていつもより甘えん坊になる。


「ちかや」

「大丈夫だ。不安にさせてごめんな。明日の商談の相手は卑怯なやつだが、馬鹿だから余裕で返り討ちにできる。だから、家でいい子に親父と待ってろよ?」

「うん!待ってるからね!」


寛也は駿里を抱きしめている腕に力を入れた。


「そういえば、お義父さん達遅いね」

「そうだな、あいつらの事だからどっかの高い店で飲んでんだろ」

「お金持ちはすることが違うね。」


駿里はそう言って寛也の首元に顔を埋めた。


「眠たくなってきたのか?」

「うん…そろそろ上がろうよ」


そうだな、と言い寛也は駿里を抱き抱えて浴室を出た。

髪を乾かしている最中寛也は笑いそうになっていた。いつもなら眠たかったらどこであろうと直ぐに寝る駿里が今日は頑張って起きていたからだ。眠過ぎて頭がカクカクしている。


「駿里、眠たいなら先に寝室に行ってろよ」


髪を乾かし終えた寛也が座り込んで自分を待っている駿里に言った。


「一緒に行きたいもん」

「全くお前はほんとに可愛いな。俺も髪かわいたから行こう」

「うん」


歩けない駿里を抱きかかえてゆっくりベッドにおろした。そして寝ようと寛也が駿里を抱き寄せた時ー。

駿里が頬にキスをしてきた。


「おやすみのキス。明日頑張ってね」


照れ隠しに駿里はキスをした後、寝ようと目をつぶった。


「ありがとう。お前のおかげで頑張れる」


お返しと言うように、寛也は駿里のおでこにキスをした。お互いの体温が感じられるほど抱き合って2人は眠った。





**********


ぐっすりと眠る2人を日付が変わって外出から帰ってきた馬酔木と御子柴が微笑ましそうに覗いていた。


「さっ、俺らもそろそろ寝んといかんな」

「そうですね」

「明日はお前も頑張れよ。御子柴」

「はい。もちろんです」


そんな会話をしながら寛也から借りた寝室へ移動し、2人も明日に備え目を閉じた。
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