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齟齬
99話 嫉妬
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駿里が2人と共に暮らしだして3日ほど経っていた。
「海斗!朝だよ起きて!」
「………ん……」
一向に起きようとしない海斗の布団を剥ぎ取り起き上がらせようとした時、思いっきり腕を引かれベッドに押し倒された。
「ちょっと!何してんの!」
「駿里、抱いてやろうか?」
今から仕事だと言うのに朝っぱらから何言ってんだ、と抗議しながら暴れた。
「駿里……………く゛ぁ!!っ何すんだよ兄貴!」
海斗が駿里にキスをし、服の中に手を入れようとした時直樹に思いっきり後ろからしばかれた。
「こっちのセリフだ!何やってんだよお前。抜け駆けはなしだろ?」
「はいはい」
海斗は仕方なく起き上がり、駿里と一緒に寝室を出て仕事の準備を始めた。駿里は新しいこの家で安心して過ごしていた。
「駿里、俺ら仕事行ってくるからな。」
「うん!いってらっしゃい」
海斗と直樹は外に出るのはまだ危ないと駿里を外に出さなかった。だから駿里は2人が仕事の間自宅待機だ。建築系の仕事をしている2人は帰ってくる時間がいつも違う。早い時もあれば遅い時ある。
駿里はいつもそんな2人に約束通り夜ご飯を作り待っていた。
夜2人が帰ってくる時間になり、作ったものをテーブルに置き始めた。
「駿里!ただいま!」
「ただいま」
海斗が帰ってきた瞬間抱きついてくる。直樹は優しく頭を撫で頬にキスをした。直樹は駿里の事が相当気に入ったらしく暇さえあればキスをしている。それは直樹も同じだった。
「おかえりなさい!」
「おっ!今日はトマトパスタか!」
仕事終わりでお腹がすいている2人は帰ってすぐ食べ始めた。それもとても美味しそうに。
「すげぇ美味い!俺トマトパスタ大好物なんだよ!」
「駿里は料理が上手だな」
駿里は料理ができると言っても教えてもらったのはパスタだけ。レシピを調べれば良いのだがいつもの癖でパスタを作ってしまっていた。
そして
ーーパスタが大好物、大好き。それを聞く度駿里は寛也のことを思い出す。
家を出る前の喧嘩の記憶ではなくその前の記憶がいつも甦る。楽しい思い出を沢山作ってくれた。自分は悪くない、喧嘩の原因は寛也だと肯定してしまっていた。でも、あの時寛也は裕太を殺していないと言った。それを信じて話を聞けばこんなことにはならなかった。
今更気がついてももう遅い、と駿里は頭に蘇った記憶を消した。それに駿里は近くで寛也達が数分で金を持って逃げたターゲットの男を見つけ、拷問しているのを見てきたから3日経っても探しに来ないなんてもう捨てられたんだと思っていたからだ。自分から逃げといて、探し出して欲しいなんて馬鹿すぎると自分を嘲笑った。
「どうした?」
急に黙り込んだ駿里に海斗が聞いてきた。隣を見ると直樹は全てを察したように見つめていた。
「なんでもないよ!すごく美味しそうに食べてくれるから嬉しくて!」
「これほんとに美味いんだよ!」
パスタを美味しそうに頬張りながら海斗が言う。
「良かった!…直樹どうしたの?」
先程から食事をする事を止めて駿里を見てくる直樹を不思議に思った。
「駿里、今日お前を抱いていいか?」
直樹が放った言葉に2人は顔を驚かせた。海斗なんか噎せている。
「急に何言い出すんだよ。兄貴」
「急じゃない。俺はずっとそうしたいと思っていた。駿里はもう恋人と別れたようなもんだろ?それで俺たちと今一緒に住んでる。駿里も断る理由はないよな?」
「おい兄貴住んでるって言ったってまだ3日だそ?」
直樹は嫉妬しまくっていた。パスタもまた駿里の言っていた恋人の大好物なのも気がついていたし、まだ駿里の中にその恋人がいる事も気がついていた。それなら自分達で埋めつくして、忘れさせてやりたいと思っていた。頭の中を自分たちだけにしたかった。
「うん。いいよ」
「おい、無理すんなよ」
海斗が心配そうに言ってくる。
「無理してないよ」
「なら食べ終わったらお風呂入ろうな」
海斗は動揺しまくり、パスタを食べながら何度も噎せていたが直樹は少し怒り混じった顔で静かにパスタを食べていた。
そんな3人が食べ終わりお風呂に入り終わった後、ひとつのベッドに一緒に乗った。
「駿里、優しくするから」
「…っうん」
「緊張すんな」
直樹と海斗は駿里の服に手をかけてぬがしはじめた。駿里が浮かばない顔をしているのに気づいていながらも。
この後最悪な事態になる事など誰も知る由もない。
「海斗!朝だよ起きて!」
「………ん……」
一向に起きようとしない海斗の布団を剥ぎ取り起き上がらせようとした時、思いっきり腕を引かれベッドに押し倒された。
「ちょっと!何してんの!」
「駿里、抱いてやろうか?」
今から仕事だと言うのに朝っぱらから何言ってんだ、と抗議しながら暴れた。
「駿里……………く゛ぁ!!っ何すんだよ兄貴!」
海斗が駿里にキスをし、服の中に手を入れようとした時直樹に思いっきり後ろからしばかれた。
「こっちのセリフだ!何やってんだよお前。抜け駆けはなしだろ?」
「はいはい」
海斗は仕方なく起き上がり、駿里と一緒に寝室を出て仕事の準備を始めた。駿里は新しいこの家で安心して過ごしていた。
「駿里、俺ら仕事行ってくるからな。」
「うん!いってらっしゃい」
海斗と直樹は外に出るのはまだ危ないと駿里を外に出さなかった。だから駿里は2人が仕事の間自宅待機だ。建築系の仕事をしている2人は帰ってくる時間がいつも違う。早い時もあれば遅い時ある。
駿里はいつもそんな2人に約束通り夜ご飯を作り待っていた。
夜2人が帰ってくる時間になり、作ったものをテーブルに置き始めた。
「駿里!ただいま!」
「ただいま」
海斗が帰ってきた瞬間抱きついてくる。直樹は優しく頭を撫で頬にキスをした。直樹は駿里の事が相当気に入ったらしく暇さえあればキスをしている。それは直樹も同じだった。
「おかえりなさい!」
「おっ!今日はトマトパスタか!」
仕事終わりでお腹がすいている2人は帰ってすぐ食べ始めた。それもとても美味しそうに。
「すげぇ美味い!俺トマトパスタ大好物なんだよ!」
「駿里は料理が上手だな」
駿里は料理ができると言っても教えてもらったのはパスタだけ。レシピを調べれば良いのだがいつもの癖でパスタを作ってしまっていた。
そして
ーーパスタが大好物、大好き。それを聞く度駿里は寛也のことを思い出す。
家を出る前の喧嘩の記憶ではなくその前の記憶がいつも甦る。楽しい思い出を沢山作ってくれた。自分は悪くない、喧嘩の原因は寛也だと肯定してしまっていた。でも、あの時寛也は裕太を殺していないと言った。それを信じて話を聞けばこんなことにはならなかった。
今更気がついてももう遅い、と駿里は頭に蘇った記憶を消した。それに駿里は近くで寛也達が数分で金を持って逃げたターゲットの男を見つけ、拷問しているのを見てきたから3日経っても探しに来ないなんてもう捨てられたんだと思っていたからだ。自分から逃げといて、探し出して欲しいなんて馬鹿すぎると自分を嘲笑った。
「どうした?」
急に黙り込んだ駿里に海斗が聞いてきた。隣を見ると直樹は全てを察したように見つめていた。
「なんでもないよ!すごく美味しそうに食べてくれるから嬉しくて!」
「これほんとに美味いんだよ!」
パスタを美味しそうに頬張りながら海斗が言う。
「良かった!…直樹どうしたの?」
先程から食事をする事を止めて駿里を見てくる直樹を不思議に思った。
「駿里、今日お前を抱いていいか?」
直樹が放った言葉に2人は顔を驚かせた。海斗なんか噎せている。
「急に何言い出すんだよ。兄貴」
「急じゃない。俺はずっとそうしたいと思っていた。駿里はもう恋人と別れたようなもんだろ?それで俺たちと今一緒に住んでる。駿里も断る理由はないよな?」
「おい兄貴住んでるって言ったってまだ3日だそ?」
直樹は嫉妬しまくっていた。パスタもまた駿里の言っていた恋人の大好物なのも気がついていたし、まだ駿里の中にその恋人がいる事も気がついていた。それなら自分達で埋めつくして、忘れさせてやりたいと思っていた。頭の中を自分たちだけにしたかった。
「うん。いいよ」
「おい、無理すんなよ」
海斗が心配そうに言ってくる。
「無理してないよ」
「なら食べ終わったらお風呂入ろうな」
海斗は動揺しまくり、パスタを食べながら何度も噎せていたが直樹は少し怒り混じった顔で静かにパスタを食べていた。
そんな3人が食べ終わりお風呂に入り終わった後、ひとつのベッドに一緒に乗った。
「駿里、優しくするから」
「…っうん」
「緊張すんな」
直樹と海斗は駿里の服に手をかけてぬがしはじめた。駿里が浮かばない顔をしているのに気づいていながらも。
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