極道の密にされる健気少年

安達

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謀叛

77話 隠し事

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寛也が事務所へ行ったあと、駿里はずっと松下に頼みたいと思っていたを頼んだ。


「康二さん、料理教えて欲しい」

「急にどうした」


駿里はこれまで料理をしたいと思うような素振りを見せなかったし、ここに来てから1度もキッチンに立つことはなかったので松下は不思議に思った


「もう少しで寛也の誕生日だから手料理食べてもらいたくて」

「なるほど」


駿里からの手料理は寛也にとってかなり嬉しいだろう


「任せろ!何作りたい?」

「パスタ!」

「さすがだな、組長の好物をよく知ってる」

「知らないよ」


松下は、は?という顔をした


「本人から聞いたわけじゃないけど、寛也とずっと一緒に暮らしてきた康二さんがパスタ好きってことは寛也もそうなんじゃないかなと思ってさ!」

「すげぇなお前」


駿里はドヤった


「ドヤりすぎだ…。よし!始めようか!」

「うん!」


駿里がキッチンに立つのはここに来る前一人暮らしをしていた時以来だ。久しぶりでとてもぎこちない


「おい危ねぇだろ!! これはこうやってするんだ」

「あ、ありがとう」

「焦るな。少しずつでいい」


松下のこーゆーところ寛也にそっくりだなと思いながら着々と進めていっ


「出来た!!」

「味も文句なしだな。次はボルネーゼ作ろう」

「頑張るぞー!」







2人は寛也が帰ってくると言っていた時間の30分前ぐらいまで料理をしていた。料理したことがバレないように全て綺麗に片付け2人は映画を見ていた



「他にも何かプレゼントしたいな」

「なら、俺の部屋に届くようにしたらいい。届いたあと連絡するから取りに来いよ」

「いいの!?ありがとう!」

「ほら、組長帰ってくる前に選べ」


直ぐに決めた駿里は松下にスマホを返した。


「これ、代金!ありがとう」

「しっかりしてんなお前」


そのタイミングで寛也が帰って来て、松下は帰った。


「おかえり寛也!」

「ただいま、今日なにしてた?」

「ゲームとか色々!」

「そうか、今日仕事のついでに手羽先買ってきたから食べよう」

「うん!」


肉が大好きな駿里飛んで喜んだ。嬉しそうな駿里を見て、寛也はもっと買ってくるべきだったなと思った


「ここのお肉ほんとに美味しい」

「また買ってくる」

「ありがとう!」


今度は箱買いにしようと決めた。


「あっそうだ。明日、康二さんの部屋に遊びに行ってくるね!」

「分かった。楽しんでこい」


しっかりと寛也にも許可を取り、駿里は松下と一緒に寛也の誕生日に向けて準備を進めて行った。






























次の日、駿里は予定通り松下の部屋に行った。松下の部屋にはそこらじゅうに寛也や森廣、島袋達との写真があった。そこには駿里との写真もあり、嬉しくなった。


「ジロジロ見るな、恥ずかしいだろうが」

「ごめんごめん」

「これ、届いたぞ。いいプレゼントじゃねぇか」

「でしょ!」


松下に褒められ駿里は嬉しくなった。


「料理始めんぞ!」

「うん!」


1日みっちりと松下に隠し味なども含め料理を教えてもらい、かなり上達した


「いよいよ明日だな、ほんとにお前だけで祝うのか?」

「うん、恥ずかしいから。それに康二さん達は事務所でお祝い出来るし!」

「そう言われればそうだな。じゃあ、頑張れよ!」

「うん!頑張る!」


松下と駿里はハイタッチをした。


「じゃあ、俺帰るね!」

「おう!」


駿里は2階上の寛也の部屋へと戻った。
既に寛也は帰宅していた。リビングへと入ろうとした時寛也の声が聞こえた。



「あいつ何時だと思ってんだ、帰ってきたら覚えとけよ」


寛也はかなり怒っていた。今の時刻は9時。いつものように帰りが遅くなるものと思っていた駿里は松下のもとで夜ご飯も食べてゆっくりしすぎていた。

まずいと思った。駿里はひとまず手を洗おうと洗面所に行き手を洗っていた。


「…どうしよ。めちゃくちゃ怒ってる」

「ああ、怒ってる。どうなるか分かるな?駿里」


後ろをむくと腕を組んで怒った顔をしている寛也が立っていた。


「説明してもらうぞ」


寛也は駿里の手を引いてベッドまで連れて行き、押し倒した。


「え、っと…その」


寛也の誕生日に向けて準備をしていたなどと言えるはずもなく駿里はしどろもどろになった。


「なんだその反応は。俺に知られちゃまずい事でもしたのか?」


まさにその通りだ!、と言いたかった。けど、それではこれまでしてきたことが無駄になりサプライズが出来ない。


「…普通に康二さんと話すのが楽しくて気がついたらこんな時間になってて」


右上を見ながら駿里いった。

想像力を働かせると右脳が活発になる。「嘘をつく=右を見てしまう」という事を寛也は拷問などを何度も繰り返ししていたこともあり知っていたので駿里が嘘をついているとすぐに分かった。


「そうか、お前がそのつもりなら言いたくなるまで待ってやる」
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