極道の密にされる健気少年

安達

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本家

51話 帰宅

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駿里は早く寝過ぎたこともあってか、予定通りに起きた


「駿里、行くぞ」


「はーい!」


今日は車が4台もあった。前の事件があったので寛也は用心深くなり部下を必要以上に連れていた


「初めに本家に行くから」


「うん。どこにあるの?」


「茨城県にある」


「都会にあると思ってた」


「もう引退してるからな、親父は自然が好きなんだ。茨城には袋田の滝、筑波山、千波湖 とか四季折々の景観を楽しむことができる景勝地沢山あるからな」


「へぇ!全然知らなかった。」


「たまには日本人らしく和を楽しむのも悪くない。駿里となら尚更な」


「そうだね」


駿里は照れ臭そうに頬を赤く染めた













1時間ほどして茨城に着いた



「ここが本家だ」


「、、、うそ」


あまりの土地の高さと家の広さに駿里は言葉を失った


「入るぞ」


駿里は寛也の後を追い、その後ろから森廣たちがついてくる。大きな門を開けるとそこには何人かの組員がいた


「若様!長旅お疲れ様です」


「荷物をお持ちします」


「ありがとう、親父はどこにいる」


「いつものところにおります」


寛也は、男が言ったいつもの所に向かっていた


「いくら何でも広過ぎない?」


「これが親父の力だ」


「すごい」



一階の大広間のようなところを過ぎ一室の前に来た。ここが寛也のお父さんの部屋だ。


「失礼します」


「入れ」


部屋には寛也、駿里、森廣、松下、北風、島袋のみが入った


「お前が来るとは思ってもみなかった。ん?その子は誰だ」


「俺の恋人」


「そうか、やったお前にも出来たか。名前は何という?」


「漲 駿里です!」


親父さんの優しい笑顔に安心した駿里は、明るく答えた


「よろしくな、お前ら宿は決めてるのか?」


「ここに泊まる予定だ」


え!聞いてない!と言わんばかりに駿里は寛也を見た


「好きなだけ泊まっていけ、今から行くところがあるんだろ?もう行け冬は日が落ちるのが早いからな」


「じゃあ後で」


森廣たちは深く礼をし、駿里もつられて礼をした。その姿を優しく親父さんは見守っていた。その笑顔は寛也そっくりだ


「すごくいい人だね」


「歳をとって柔らかくなったんだ。昔は酷かった」


「昔は昔、今は今だよ」


駿里以外に言われたらきっと殺していただろうが、愛しい人からの言葉は嬉しかった


「そうだな」


寛也らは、久しぶりの旅行へと向かった





























コンコン


「入れ」


「失礼します」


「ああ、お前か、美榮」


「先程、寛也が帰ってきていたようですね」


美榮と呼ばれた人物は寛也の母だ


「可愛い恋人を連れて帰ってきよった。今夜の酒は美味くなりそうだ」


「そうですね」


2人は寛也に行き過ぎた教育をしたことを深く反省していた。もう二度と帰ってこないと思っていた。だが、寛也帰ってきた、きっとそれはあの可愛い恋人のおかげだと言うことを親父は感じていた。
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