極道の密にされる健気少年

安達

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変心

19話 過去

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朝までだき潰された駿里は指一本動かせずにいた


「風呂入るぞ?」


「むりだ。寛也のせいで動けない」










そんな駿里を寛也は愛おしく見つめ、姫抱きしてお風呂へ向かった。















セックスをする時以外は驚くほど優しく接してくるようになった寛也に駿里は心を開き始めていた。駿里はここにきて人を目の前で殺され裕太も酷い目に遭って自分自身もズタボロにされた。制裁を下すとかなんか言って。それでも駿里は壊れなかった。壊れてしまった方が楽なのに。自我を保った。




























2人では十分すぎるほど広すぎるお風呂に浸かっていた。
駿里は寛也に聞きたいことを尋ねまくっていた。



「何でヤクザになったの?」


「親が極道だったからな。おかげで友達なんてそんなもん出来たことがない。怖がられて学校の教師からも敬語を使われていた。いっつもビクビクされてよ。笑えるだろ」


「寛也の意思は?ほんとはどうしたかったの?」


「そんなものが通る訳がないだろ。俺が仮に夢ができてたとしても一生かなうことはない。自由もない。だから俺を産んだあいつらを親を死ぬまで憎む」


「せっかく生きてくれてるのにそんなこと言うなよ。たとえ理不尽でもさ。大事にしてあげてよ」


「お前の親は幼い時に亡くなられたんだったな。よく頑張った。せっかく入った高校でもあんな事が起きるなんてな」


「はは、そーいやそんな事があったな。ここに来てからの衝撃の方が大きすぎて忘れてた」




駿里は笑いながら言った。この時初めて寛也は駿里の笑った顔を見た。思わずキスを落としてしまうほど美しいかった。





「っ、急に何すんだよ!」


「お前が可愛すぎる」


「ほんっと恥ずかしいやつ。・・・・あ、あと、寛也もよく頑張ったとおもぅ」




お湯に口をつけてブクブクしながら小さい声で駿里は話したが、寛也にはしっかり届いていた。

駿里は見抜いていた。寛也には人に話せないような辛い過去があるのを。似たもの同士だな、俺たちと 駿里は笑った



そんな駿里を見て寛也も微笑んだ









そしてまた寛也が嫉妬に怒り狂い駿里に無理をさせないかと心配して浴室の片付けをしながら聞き耳を立てていた森廣もまた微笑んだ
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