極道の密にされる健気少年

変心

17話 変化

目が覚め、体が少し楽になった駿里は 森廣のいるリビングへと向かった。



「駿里くん。体がの調子はどうですか？」



「だいぶ楽になりました」



まだ声は枯れていたが，話せた
森廣はそんな駿里のためにお粥をつくった



「どうぞ。食べれるだけ食べてください。無理はしてはいけませんよ？」



「ありがとうございます」





ヤクザとは思えないほど優しい森廣に駿里は微笑んでお礼を言った。









自分達のせいで普通の生活をしていた少年をこの世界に引きずり込んで酷い目にあわせてしまった。だから森廣は少しでも気を抜けるよう必要以上に優しく接した。




駿里はずっと思っていた疑問を森廣に聞いた







「俺、行方不明届とか出されてないんですか？」


「駿里は、バイトも学校も組長が勝手に辞めさせています。遠くへ引っ越すと理由をつけて。だから、周りの人は事件に巻き込まれたとは思っていません。」


「そうなんですか・・・・・あっ！裕太は！？無事なんですか？！」


「すみません。そのことに関しては私の口からは言えません。」



「え、、？」


「この話はこれでおしまいです。これ以上組長を怒らせないようにしてくださいね。駿里くんのためにも」


「・・・・・・・はい」












裕太を殺さないって約束で俺はここに戻ってきた。そんな約束なんてなくても俺はここに強制的に戻されていただろう。でもさすがに裕太を殺すなんてことはないはずだ。一般人なんだから。そう言い聞かせた










色々考えている駿里の様子を森廣は見ていた。本当は裕太は生きているし、安全な病院に移している。だが、それを知れば駿里は会いたがってしまうかもしれない。そんなことがあれば寛也の機嫌を損ねてしまう。これは森廣が駿里を心配しての決断だった。











「さっきの話に戻りますが、高校もバイトも諦めてください。変わりと言ってはなんですが欲しいものとか、不自由なことがあればなんでも仰ってください。」



「わかりました」














もう駿里には逃げるなんてことを考えることは無くなっていた。でも高校には普通に通いたいし、中学生という歳で雇ってくれた店長にもお礼を言いたかった。とは言え寛也に逆らうってひどい目に合いたくなかった。駿里は色々言いたい気持ちもあったがグッと堪えた。





















平日のつまらないテレビをぼーっと見ていたら、寛也が帰ってくる時間になっていた










「ただいま。駿里」



「おかえりなさい」









駿里はあれ以来悪態をつくのをやめていた

寛也もまた北風に言われた通り駿里に優しくしようと心がけていた




「何か欲しいものあるか？」


寛也の思いがけない発言に思わず寛也をみた


「欲しいものがあったら、言え。何でも買ってやる。暇だろ？」


「・・・・・・・・・ゲーム欲しいです」

駿里は迷った挙句言った



「分かった。通販で頼むから好きなものを好きなだけ買え。」



駿里はパソコンを渡された。そう言えば俺のスマホどこにあるんだろ。



俺は聞こうとしたが、それが森廣さんには伝わったみたいで目でやめろと言われ渋々聞くのをやめた。














お風呂に入り終わった寛也がこちらにきた




「おいで駿里。俺を癒してくれるか？」


いつもの時間だ。でもいつもと違う寛也な雰囲気に今からされる行為への不安が少しなくなっていたのだった



「うん」



寛也は駿里を抱き、寝室へと向かった