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擽り

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「はっ…。お前可愛すぎんだろ。」

「ま、待てって…っ!」



キスするだけなら俺もそこまで抵抗しなかったけど慎都さんがついに服の中に手を入れてきた。それには俺もさすがに抵抗する。慎都さんは悪い人じゃないって…分かってはいるけど俺はやっぱり性行為をするとなれば怖くなる。相手が誰であろうと多分そうなる。



「誠也。怖いか?」

「ち、ちが…っ、」



違うと言えば嘘になる。けど俺も男だ。意地ぐらい貼りたい。そんなことしたところで自分の首を絞めるだけなんだけどな…。



「強がらなくていい。大丈夫だから。」

「つよがって…なんかっ、あっ、ちょっ、待て!」

「んー?」



く、くすぐったい…!てかこれ慎都さん絶対わざとやってんだろ!慎都さんが俺の服の中に手を入れた時は乳首目掛けて動いてたけど俺が怖くなった瞬間にその手が止まったんだ。だけど…数秒を置いて慎都さんの手は俺の脇腹あたりを撫で始めた。



「くすっ、ぐってぇ、から!」

「はぁ?俺は別にくすぐってねぇぞ。」

「うそ、つけっ、待ってっ、ほんとにくすぐったいから!」

「敏感だな。」



何呑気に俺の事観察してんだこの人!くすぐったいって言ってんだろうが!俺も逃げようにも慎都さんが捕まえてくるから逃げれない。ソファに追い詰められてるから背中にはソファがあって前には慎都さんがいる。そんな状況で逃げられるはずもなく俺はくすぐりに耐えるしかなかった



「まっ、ははっ、やめっ、やめろって!」

「可愛いやつ。」



慎都さんが本格的にくすぐり始めてきた。さっきまでは撫でるだけだったけど指先を細かく動かされて俺は笑うしかない。慎都さんの手を掴んでくすぐりを何とかしてやめようとしたけど慎都さんの力が強すぎて俺には何も出来なかった。



「やめっ、あはっ、ははっ、やだ!」

「脇腹弱すぎんだろお前。」

「やめろってっ、はは!」

「誠也。やめてください、だろ?」



なんか変なスイッチ入ってる慎都さん!つかすき焼きはどこ行ったんだよ!この調子だと…っ。



「やめっ、ははっ、ださいっ、あはっ!」

「なんだそれ。可愛いなお前。」

「っ、言ったっ、じゃねぇかっ、ははっ、やめろって!」

「やめて欲しいか?」



さっきからそう言ってんじゃねぇか!くすぐってぇんだよばか!!



「ははっ、あっ、はっ、やめっ、欲しい!」

「分かった分かった。」

「っ、はぁ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ、」



やっと解放された。いや解放はされてねぇか。俺はまだ慎都さんに捕まえられてんだから。



「離せ…っ。」

「目を真っ赤にして。可愛いやつだな。」

「っ、誰のせいだよ!」



ほっぺを撫でられてまた慎都さんにキスをされた。この人はよくキスをしてくる。



「俺だな。」

「なら、退けっ…!」

「嫌って言ったらどうする?誠也。」

「逃げる…!」

「そりゃ無理な話だ。お前じゃ俺には勝てない。」



そんなの知ってる。けど俺は慎都さんが絶対に無理やりしてこないのも知ってるんだ…。



「す、すき焼きはどこいったんだよ!作ってくれるって…!」

「ああ。ちゃんと作ってやるよ。けど目の前にこんな美味しそうなご馳走があるのにそれを我慢しろってか?」



そう言いながら慎都さんは舌なめずりをした。そのまま俺のお腹やら背中やらを撫でてくる。そのちょっとの刺激でも俺はくすぐったくて身を捩っちまう…っ。



「俺はご馳走じゃねぇ…!」

「いいや、ご馳走だよ。俺にとってはな。」

「っ、いい加減離れろって!」



今度は耳をかじられて俺はどうしていいか分からずただ抵抗してた。でも体に力が入んなくて慎都さんを押し返すことも出来ない。なんだこれ…っ。



「耳も弱いんだな誠也は。つーかそれなら尚更それは聞いてやれねぇな。それにお前も期待してんだろ。なぁ誠也。」

「してねぇ…っ。」



また俺は嘘をついた。だって、期待してないわけ…ねぇじゃん。俺は治達に四六時中体をいたぶられてそれに体が多分、慣れちまってんだ。そんな事…ないって認めたくないけど身体は覚えてる。どうされたら…どうなるのかってことを…っ。



「はは、誠也は嘘が下手だな。くすぐられてスイッチが入ったのか?ドMかよ。」

「ち、違ぇし!!」


そんな事あるわけが無い!そもそも俺はくすぐられるのが苦手なんだ!セックスすんのだって嫌なはずなんだ!スイッチなんて入るわけ…っ!



「図星だな。」

「まっ…っ、て!」



慎都さんが俺のズボンの中に手を入れてきた。その瞬間俺は分かりやすく体を硬直させた。それに気づいた慎都さんは1回手を止めて…。



「大丈夫。大丈夫だ誠也。怖いものはなにもない。優しく抱いてやるから。」

「………………っ。」
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