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小さな嫉妬と新たな疑惑
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「誠也は星秀の前だとそんな風になるんだな。」
「んだよ蓮。文句あんのか?」
「ねぇよ。」
「文句ない顔じゃないよな。」
「うるせーよ。いいから行くぞ。今度は寒くて誠也が風邪ひいちまう。」
「そうだな。」
泣いている俺を横に星秀さんと蓮さんがそんな会話をしていた。けどこれには俺が1番驚いている。星秀さんは確かに俺の中で大切な存在にはなってる。けどだからって星秀さんが前に来た途端に泣き始めるなんて思いもしなかった。
「誠也。そろそろ泣きやめー。」
「…分かってるよ。」
「おい蓮。いいじゃねぇかよ泣いても別に。」
「目が腫れちまうだろ。」
「それはそうだけどよ。」
そう言いながら2人は俺の体をタオルで拭いて髪を乾かしてくれた。ていうか俺結局蓮さんに聞けてない。なんでヤクザになったのかってことを…。
「よーし。部屋に戻るか。蓮、お前の部屋行っていいか?」
蓮さんも星秀さんも髪を乾かし終えた所で星秀さんがそう言った。俺の部屋じゃなくて蓮さんの部屋に行くんだ。俺もそっちの方がいい。あの部屋は好きじゃねぇ。
「は?なんで俺の部屋なんだよ。」
「蓮が嫌なら俺の部屋に行くか。」
「誠也の部屋でいいじゃねぇかよ。」
「誠也があの部屋に戻んのが嫌だろ。だから蓮の部屋行こうって言ってんだよ。」
「そういう事か。なら俺の部屋行こう。星秀の部屋は色々散らばってるからよ。」
「そうだな。誠也おいで、蓮の部屋に行くぞ。」
「あ…うん。」
俺は歩こうとしたけど星秀さんにまた抱き抱えられた。今は…甘えておこう。けど変に緊張してしまう。星秀さんの前だとどうしても…。
「ここが蓮の部屋だ。来たことがあるか誠也。」
抱き抱えられた状態での移動だから俺は周りを見渡すことが出来た。ここに来るまでに廊下やら部屋やら沢山見た。けどやっぱ出口らしきとこらは見つからなかった。だから俺は正直落ち込んだ。そんな俺に星秀さんがそう聞いてきた。
「いや…蓮さんの部屋はない。」
「蓮の部屋は?他のやつはあるのか?」
「下の階に行った。治さんに連れて行かれたんだ。」
「そうか。それはあんまいい記憶じゃねぇな。ここは安心できる場所だから安心しろ。な?蓮。」
「ああ。」
蓮さんはそう返事をすると俺のほっぺを触ってきた。そんでその後頭を乱暴に撫でてきた。なんか蓮さん…ちょっと怒ってる…?
「おい蓮。誠也寝かせとくけどいいよな?」
「当たり前だ。休ませてやらねぇと。」
「だな。誠也、これ蓮のベットだけどここで寝てろ。喉乾いたりしたら遠慮なく言え、な?」
「ありがとう星秀さん。」
俺の事をベットに横にならせてくれた星秀さんに俺はお礼を言った。そしたら蓮さんがちょっと不服そうな顔をして近づいてきたんだ。
「なぁ誠也。お前さぁ、俺には礼ねぇの?」
「蓮さんもありがとう。」
「どうしたよ蓮。怒ってんのか?」
星秀さんも同じ事を思っていたらしく蓮さんにそう聞いていた。ここに来るまで怒る場面は特になかった。いや…俺がこのベッドで寝ることが蓮さんは嫌だったのか…?
「怒ってねぇよ。ただちょっとお前らが仲良すぎて気に食わねぇだけだ。」
「なんだよそれ。お前も似たようなもんだろ。嫉妬してんじゃねぇよ蓮。」
「してねぇよ。退け星秀。お前も休んでろ。俺は誠也見とくから。」
もう俺は既に寝そうになっていた。それに気づいたのか蓮さんが俺の背中をさすってくれて…俺は夢の中に落ちていった。
「はは、仕方ねぇなお前は。分かった。」
「あ、待て星秀。さっきの話の続きを聞かせろ。」
「そうだったな。誠也は…寝たな。よし、言おう。まぁ簡単に言えば組長の立場が危うくなってんだ。」
「…それまじ…なのか?」
「ああ。けど俺はこの組が解散することを望んでねぇ。こんな事言ってお前は馬鹿らしいって思うかもしれねぇけど俺にとってお前らは失いたくねぇ存在だからよ。こんな俺に優しくしてくれたのはお前らだけだ。そのお前らは組長や健二さんを慕ってる。だから俺は組長を助けるつもりだ。だがそれは簡単じゃねぇ。なんたって組長は嵌められてんだ今。」
「…嵌められてる?誰にだよ。」
「會田会(ごうだ)だ。」
「…は?何言ってんだよ。會田会って俺らの親みたいなもんじゃねぇか。組長は會田組の幹部と盃まで交わしてたろ…?それがなんで組長を嵌める事になんだよ。組長がまだ若いから見込みねぇと思われたのか…?」
「俺が知るわけねぇだろ。ただこれは今の段階では疑惑だ。組長と健二さんはそれを確かめるために行ったんだ。その時それを利用して渚が俺をここに残してくれた。渚のやつがこの組の留守を任されてたからな。」
「凛翔や勝は組長と行ってんのか?」
「そうだ。」
「もしかして…誠也を狙ってるとかじゃねぇよな…?」
「蓮。それを確かめるために組長は足を運んだんだ。」
「んだよ蓮。文句あんのか?」
「ねぇよ。」
「文句ない顔じゃないよな。」
「うるせーよ。いいから行くぞ。今度は寒くて誠也が風邪ひいちまう。」
「そうだな。」
泣いている俺を横に星秀さんと蓮さんがそんな会話をしていた。けどこれには俺が1番驚いている。星秀さんは確かに俺の中で大切な存在にはなってる。けどだからって星秀さんが前に来た途端に泣き始めるなんて思いもしなかった。
「誠也。そろそろ泣きやめー。」
「…分かってるよ。」
「おい蓮。いいじゃねぇかよ泣いても別に。」
「目が腫れちまうだろ。」
「それはそうだけどよ。」
そう言いながら2人は俺の体をタオルで拭いて髪を乾かしてくれた。ていうか俺結局蓮さんに聞けてない。なんでヤクザになったのかってことを…。
「よーし。部屋に戻るか。蓮、お前の部屋行っていいか?」
蓮さんも星秀さんも髪を乾かし終えた所で星秀さんがそう言った。俺の部屋じゃなくて蓮さんの部屋に行くんだ。俺もそっちの方がいい。あの部屋は好きじゃねぇ。
「は?なんで俺の部屋なんだよ。」
「蓮が嫌なら俺の部屋に行くか。」
「誠也の部屋でいいじゃねぇかよ。」
「誠也があの部屋に戻んのが嫌だろ。だから蓮の部屋行こうって言ってんだよ。」
「そういう事か。なら俺の部屋行こう。星秀の部屋は色々散らばってるからよ。」
「そうだな。誠也おいで、蓮の部屋に行くぞ。」
「あ…うん。」
俺は歩こうとしたけど星秀さんにまた抱き抱えられた。今は…甘えておこう。けど変に緊張してしまう。星秀さんの前だとどうしても…。
「ここが蓮の部屋だ。来たことがあるか誠也。」
抱き抱えられた状態での移動だから俺は周りを見渡すことが出来た。ここに来るまでに廊下やら部屋やら沢山見た。けどやっぱ出口らしきとこらは見つからなかった。だから俺は正直落ち込んだ。そんな俺に星秀さんがそう聞いてきた。
「いや…蓮さんの部屋はない。」
「蓮の部屋は?他のやつはあるのか?」
「下の階に行った。治さんに連れて行かれたんだ。」
「そうか。それはあんまいい記憶じゃねぇな。ここは安心できる場所だから安心しろ。な?蓮。」
「ああ。」
蓮さんはそう返事をすると俺のほっぺを触ってきた。そんでその後頭を乱暴に撫でてきた。なんか蓮さん…ちょっと怒ってる…?
「おい蓮。誠也寝かせとくけどいいよな?」
「当たり前だ。休ませてやらねぇと。」
「だな。誠也、これ蓮のベットだけどここで寝てろ。喉乾いたりしたら遠慮なく言え、な?」
「ありがとう星秀さん。」
俺の事をベットに横にならせてくれた星秀さんに俺はお礼を言った。そしたら蓮さんがちょっと不服そうな顔をして近づいてきたんだ。
「なぁ誠也。お前さぁ、俺には礼ねぇの?」
「蓮さんもありがとう。」
「どうしたよ蓮。怒ってんのか?」
星秀さんも同じ事を思っていたらしく蓮さんにそう聞いていた。ここに来るまで怒る場面は特になかった。いや…俺がこのベッドで寝ることが蓮さんは嫌だったのか…?
「怒ってねぇよ。ただちょっとお前らが仲良すぎて気に食わねぇだけだ。」
「なんだよそれ。お前も似たようなもんだろ。嫉妬してんじゃねぇよ蓮。」
「してねぇよ。退け星秀。お前も休んでろ。俺は誠也見とくから。」
もう俺は既に寝そうになっていた。それに気づいたのか蓮さんが俺の背中をさすってくれて…俺は夢の中に落ちていった。
「はは、仕方ねぇなお前は。分かった。」
「あ、待て星秀。さっきの話の続きを聞かせろ。」
「そうだったな。誠也は…寝たな。よし、言おう。まぁ簡単に言えば組長の立場が危うくなってんだ。」
「…それまじ…なのか?」
「ああ。けど俺はこの組が解散することを望んでねぇ。こんな事言ってお前は馬鹿らしいって思うかもしれねぇけど俺にとってお前らは失いたくねぇ存在だからよ。こんな俺に優しくしてくれたのはお前らだけだ。そのお前らは組長や健二さんを慕ってる。だから俺は組長を助けるつもりだ。だがそれは簡単じゃねぇ。なんたって組長は嵌められてんだ今。」
「…嵌められてる?誰にだよ。」
「會田会(ごうだ)だ。」
「…は?何言ってんだよ。會田会って俺らの親みたいなもんじゃねぇか。組長は會田組の幹部と盃まで交わしてたろ…?それがなんで組長を嵌める事になんだよ。組長がまだ若いから見込みねぇと思われたのか…?」
「俺が知るわけねぇだろ。ただこれは今の段階では疑惑だ。組長と健二さんはそれを確かめるために行ったんだ。その時それを利用して渚が俺をここに残してくれた。渚のやつがこの組の留守を任されてたからな。」
「凛翔や勝は組長と行ってんのか?」
「そうだ。」
「もしかして…誠也を狙ってるとかじゃねぇよな…?」
「蓮。それを確かめるために組長は足を運んだんだ。」
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