怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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いい加減にしろ

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「っ、ながっ、ぃっ、て!」

「もう少しだけ。」

「もうっ、やめ…っ!」



どんだけキスしてくんだよ…っ!唇がふやけちまいそうだ!ただでさえ湯船に浸かってゆだりそうなのに長ぇんだよ…!



「んん゛っ、ぅ、むっ、ん゛っ、んん゛っ!」



歯茎を舐められて口の中全体を犯されるようにキスされる。舌も吸われて絡め取られる。なんなんだよこれ…。これが最後のキスなのかってぐらい蓮さんは俺を求めてきた。



「んんん゛っ、ん゛っ、ぅっ、ふっ、ぅ、ん゛っ!」



蓮さんは…上手に息して俺をひたすらに自分のもんにするみたいにキスしてくる。けど俺は違う。息も上手く出来ねぇ。何せ俺が生きてきてキスされたのはここに連れてこられてからなんだからよ。俺は恋愛経験すらねぇから。



「ふ゛っ、ぅ、んん゛っ、んっ、ん゛っ、ぅ、んん゛っ!」



やべぇ…。ちょっと苦しくなってきた。キスすればするほど蓮さんは俺を食うみたいに激しいキスになる。そのせいで俺はまともに息が出来なくなっちまってた。



「ん゛っ、ぅ、ま、っ、ふっ、ぅ、待って…!!」

「なんだよ。」

「くる…っ、し、ぃっ、からっ!」

「息すんの下手なんだよ誠也。」

「蓮さんのせいだろ…っ!!」

「俺のせい?」

「蓮さんが…っ、俺を、離さねぇ…から!」



だから俺は苦しくなってんだ。つかどんだけ長い時間キスしてんだよ!恋人同士だとこれが普通なのか!?けど俺らは恋人でもなんでもねぇじゃねぇか…っ!



「だから…っ、苦しいんだよ…っ、いい加減にやめろ…っ!」

「そんな顔されちゃ益々やめらんねぇな。」

「ちょ、待てって…っ、くそっ、ぁ、も…っ!」



なんだよこいつ…っ!!俺の上に乗ってきて顔まで鷲掴みにしてどこまでキスしたいんだよ…っ!そんなにやりてぇならそういう店に行けばいいのに…!俺なんかより絶対満足できるだろ…!



「んん゛っ、ん゛っーー!!!」



もういい加減にキスされんのに耐えきれなくなった俺は蓮さんの胸元を叩いた。けど蓮さんにはノーダメージ…。腹が立つ…。



「おい誠也。何可愛いことしてんだよ。」

「ばっ、かじゃねぇの…っ、俺は止めて欲しくて…っ!」

「それで?抵抗してんのか。可愛いじゃねぇか。」

「はぁ…!?蓮さんって…まじでいかれてやがる…。」

「そりゃな。お前みたいな可愛いやつを前にしたら頭もおかしくなる。」

「…そういう恥ずかしいセリフよく言えるよな。」

「恥ずかしい?どこがだよ。何にも恥ずかしくねぇよ。」

「……いや恥ずかしいだろ。」



蓮さんはよくわかんない。相変わらず。蓮さんを知れば知るほど分かんなくなる。この人は一体何が目的なんだろうなって。俺がそんなことを思いながら蓮さんとそんな会話をしていたその時…。



ガチャ。



なんの音か…?そんなの確認しなくてもわかる。風呂場の扉が空いたんだ。来たのは…誰だ…?



「おい蓮。外にも声が聞こえてんぞ。」
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