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聞きたいこと
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「れ、れんさっ、終わり…!」
「たく、仕方ねぇな。今日は終わりにしてやる。」
キスされすぎて唇痛ぇ。何分キスしてんだよ…。多分唇腫れてる…っ。くそ…っ。けど俺は蓮と2人っきりになってるこの状況を利用することにした。渚さんは話してくれなかったけどもしかしたら蓮さんは教えてくれるかもしれないから。
「あの…蓮さん。」
「なんだよ。」
「治さんは俺に飽きると思いますか?」
「………………。」
俺は聞いちゃいけねぇことを聞いちまったかもしれない。その証拠にさっきまで楽しそうに笑っていた蓮さんが無表情になっちまったから。
「誠也、お前それ組長の前で絶対言うなよ。」
「…それは、分かってます。」
「なら俺にも聞くな。」
「け、けど俺は飽きられたら殺されるんですよね…?」
って俺は言ったけど正直ここにずっといるぐらいなら殺された方がマシだ。だから俺はここにいつまで居なきゃいけないのか知りたくてそう蓮さんに聞いた。
「それはない。」
「どうしてそう言い切れるんですか…?」
「誠也。お前は意外と根性のあるやつなだな。」
「…え?」
俺はただ聞きたいことを聞いていた。それなのに蓮さんは何故かそう言ってきた。どうしてだ…?
「蓮さん。どういう意味ですか…?」
「どういう意味ってよ…お前忘れたのかよ。俺に犯されたんだぞ。普通に話して大丈夫なのか?」
「あ、そういう事…。」
「は?そういう事ぉ?お前にとってレイプされんのはそういう事で済まされんのかよ。」
「いや、そういう意味じゃなくて…っ。」
「ならどういう意味だ。」
なんだ…なんだよ。なんで蓮さん怒ってんだよ。俺は知りたいことがあんのに…。それにあの時は怖かったけどその後渚さんと関わって悪い人たちじゃないのはわかったから。
「…正直に全部話すことは出来ないけど渚さんと話して渚さんは悪い人じゃないって分かったから。」
「は?俺は渚じゃねぇぞ?俺も怖くねぇの?」
「怖くない…。」
「なんで?」
「だって蓮さんは渚さんと仲良いから。」
「はぁ?それが理由かよ。馬鹿だなお前。馬鹿だ。」
なんて言われようだ…。渚さんもよく俺の事馬鹿って言うけど俺ってそんなに馬鹿なのか…?
「まぁだから星秀もお前を気に入ったんだろうな。」
「…星秀さんが俺の事何か言ってたんですか?」
それなら聞きたい。星秀さんが俺の事をどう蓮さん達に伝えてるのか…聞きたい。
「言ってたけど言わねぇよ。」
「なんでですか…!」
「キスさせてくれんならいいぜ。」
「…ならいいです。」
「はは、冗談だって誠也。教えてやるよ。」
「…ほんとに?」
「ああ。けどその前に…」
蓮さんはそこまで言うと起き上がって俺の顔を掴んできた。あ…これ…
「れ、蓮さんっ、まって…!」
「うるせぇ騒ぐな。」
「だって、ちょ…ん゛!」
キスしなくても教えてくれるって言ったのに蓮さんはまた強引に俺にキスをしてきた。けど今度は直ぐに俺を解放してくれた。
「…………。」
「誠也。そんな顔すんなって。ちゃんと教えてやるから。」
「早く教えてください…。」
「はは、怒るなって。」
「怒ってませんから…!」
「おもしれぇやつ。まぁいいや。星秀の事だけどな。お前をここから逃がして一緒に暮らしたいって言ってた。さっき俺があいつを車で迎えに行った時な。そん時色々聞かせてくれた。皆あいつの事を可哀想っていうけどあいつは可哀想な奴じゃねぇ。ただ我慢強いんだ。男らしいんだよ。他のやつだった我慢出来ないことをしてんだから。」
蓮さんの言う通りだ。それで…蓮さんは星秀さんのことをちゃんと考えてる。どの立場で俺がこんなこと言ってんだよって話だけど星秀さんにも渚さん以外の味方がいてよかった…。
「だから俺は出来ることならお前と星秀を逃がしてやりたいよ。」
「…え?ほんとですか?」
「けど出来ねぇ。悪いな誠也。お前にはここにいてもらわねぇといけねぇんだ。俺もお前気に入っちまったし。勝手って思うだろ?けど俺らにはその勝手が常識なんだ。」
そう…だよな。俺にとっての常識はこの人たちに通用しない。そんな甘い世界じゃないんだから。その世界で生きてきた蓮さんはほんとに強い人だと思う。だからその蓮さんにそう言われても俺は腹が立たなかった。
「…分かってます。それはちゃんと俺もわかってる。」
「いい子だなお前。けど誠也、ここにいてもらうからには俺がお前をちゃんとサポートする。渚もそう言ってくれただろ?」
「はい。言ってくれました。」
「良かった。だから悪いがここにいてくれ、な?」
俺はその蓮さんの問いかけに素直に「はい」と言えない。言いたくない。ここにいたら何をされるのか…どんな目に遭うのかを知ってるから。渚さんや蓮さんは優しいけど治や健二は違う。俺は玩具同然だ。そんなとこに居たくない…けど俺が身勝手なことをすると大切な人が傷ついてしまう。それを思うと俺は…
「…はい。」
そういうしか無かった…。
「いい子だ誠也。ありがとうな。」
「…はい。」
「つか渚遅くね?あいつもしかして泣いてんのか?たく、仕方ねぇやつだな。誠也、もう少し待ってような。多分健二さんが夜になったら帰ってくるからそれまで俺と休んでよう。」
そうだ…。この時間は長くは続かない。夜になったら治も帰ってくるはず。そしたら俺はまた泣かされる。犯される。怖い思いをさせられる。いくらされても慣れないあの行為。俺は…あれはあれだけは嫌いなんだ。ああ…。夜になんてならなければいいのに…っ。
「…ありがとうございます蓮さん。」
「たく、仕方ねぇな。今日は終わりにしてやる。」
キスされすぎて唇痛ぇ。何分キスしてんだよ…。多分唇腫れてる…っ。くそ…っ。けど俺は蓮と2人っきりになってるこの状況を利用することにした。渚さんは話してくれなかったけどもしかしたら蓮さんは教えてくれるかもしれないから。
「あの…蓮さん。」
「なんだよ。」
「治さんは俺に飽きると思いますか?」
「………………。」
俺は聞いちゃいけねぇことを聞いちまったかもしれない。その証拠にさっきまで楽しそうに笑っていた蓮さんが無表情になっちまったから。
「誠也、お前それ組長の前で絶対言うなよ。」
「…それは、分かってます。」
「なら俺にも聞くな。」
「け、けど俺は飽きられたら殺されるんですよね…?」
って俺は言ったけど正直ここにずっといるぐらいなら殺された方がマシだ。だから俺はここにいつまで居なきゃいけないのか知りたくてそう蓮さんに聞いた。
「それはない。」
「どうしてそう言い切れるんですか…?」
「誠也。お前は意外と根性のあるやつなだな。」
「…え?」
俺はただ聞きたいことを聞いていた。それなのに蓮さんは何故かそう言ってきた。どうしてだ…?
「蓮さん。どういう意味ですか…?」
「どういう意味ってよ…お前忘れたのかよ。俺に犯されたんだぞ。普通に話して大丈夫なのか?」
「あ、そういう事…。」
「は?そういう事ぉ?お前にとってレイプされんのはそういう事で済まされんのかよ。」
「いや、そういう意味じゃなくて…っ。」
「ならどういう意味だ。」
なんだ…なんだよ。なんで蓮さん怒ってんだよ。俺は知りたいことがあんのに…。それにあの時は怖かったけどその後渚さんと関わって悪い人たちじゃないのはわかったから。
「…正直に全部話すことは出来ないけど渚さんと話して渚さんは悪い人じゃないって分かったから。」
「は?俺は渚じゃねぇぞ?俺も怖くねぇの?」
「怖くない…。」
「なんで?」
「だって蓮さんは渚さんと仲良いから。」
「はぁ?それが理由かよ。馬鹿だなお前。馬鹿だ。」
なんて言われようだ…。渚さんもよく俺の事馬鹿って言うけど俺ってそんなに馬鹿なのか…?
「まぁだから星秀もお前を気に入ったんだろうな。」
「…星秀さんが俺の事何か言ってたんですか?」
それなら聞きたい。星秀さんが俺の事をどう蓮さん達に伝えてるのか…聞きたい。
「言ってたけど言わねぇよ。」
「なんでですか…!」
「キスさせてくれんならいいぜ。」
「…ならいいです。」
「はは、冗談だって誠也。教えてやるよ。」
「…ほんとに?」
「ああ。けどその前に…」
蓮さんはそこまで言うと起き上がって俺の顔を掴んできた。あ…これ…
「れ、蓮さんっ、まって…!」
「うるせぇ騒ぐな。」
「だって、ちょ…ん゛!」
キスしなくても教えてくれるって言ったのに蓮さんはまた強引に俺にキスをしてきた。けど今度は直ぐに俺を解放してくれた。
「…………。」
「誠也。そんな顔すんなって。ちゃんと教えてやるから。」
「早く教えてください…。」
「はは、怒るなって。」
「怒ってませんから…!」
「おもしれぇやつ。まぁいいや。星秀の事だけどな。お前をここから逃がして一緒に暮らしたいって言ってた。さっき俺があいつを車で迎えに行った時な。そん時色々聞かせてくれた。皆あいつの事を可哀想っていうけどあいつは可哀想な奴じゃねぇ。ただ我慢強いんだ。男らしいんだよ。他のやつだった我慢出来ないことをしてんだから。」
蓮さんの言う通りだ。それで…蓮さんは星秀さんのことをちゃんと考えてる。どの立場で俺がこんなこと言ってんだよって話だけど星秀さんにも渚さん以外の味方がいてよかった…。
「だから俺は出来ることならお前と星秀を逃がしてやりたいよ。」
「…え?ほんとですか?」
「けど出来ねぇ。悪いな誠也。お前にはここにいてもらわねぇといけねぇんだ。俺もお前気に入っちまったし。勝手って思うだろ?けど俺らにはその勝手が常識なんだ。」
そう…だよな。俺にとっての常識はこの人たちに通用しない。そんな甘い世界じゃないんだから。その世界で生きてきた蓮さんはほんとに強い人だと思う。だからその蓮さんにそう言われても俺は腹が立たなかった。
「…分かってます。それはちゃんと俺もわかってる。」
「いい子だなお前。けど誠也、ここにいてもらうからには俺がお前をちゃんとサポートする。渚もそう言ってくれただろ?」
「はい。言ってくれました。」
「良かった。だから悪いがここにいてくれ、な?」
俺はその蓮さんの問いかけに素直に「はい」と言えない。言いたくない。ここにいたら何をされるのか…どんな目に遭うのかを知ってるから。渚さんや蓮さんは優しいけど治や健二は違う。俺は玩具同然だ。そんなとこに居たくない…けど俺が身勝手なことをすると大切な人が傷ついてしまう。それを思うと俺は…
「…はい。」
そういうしか無かった…。
「いい子だ誠也。ありがとうな。」
「…はい。」
「つか渚遅くね?あいつもしかして泣いてんのか?たく、仕方ねぇやつだな。誠也、もう少し待ってような。多分健二さんが夜になったら帰ってくるからそれまで俺と休んでよう。」
そうだ…。この時間は長くは続かない。夜になったら治も帰ってくるはず。そしたら俺はまた泣かされる。犯される。怖い思いをさせられる。いくらされても慣れないあの行為。俺は…あれはあれだけは嫌いなんだ。ああ…。夜になんてならなければいいのに…っ。
「…ありがとうございます蓮さん。」
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