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またキス
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「よぉ蓮。お前がここに来たってことは星秀は大丈夫って事だよな。」
渚さんがこの部屋にさっき来た蓮ってやつに向かってそう言った。それもどこか不安そうに。けど俺もそうだ。不安だ。星秀さんが今どんな姿をしてるのか…俺は正直怖い。怪我してんならすぐ治療してあげたい…。
「ああ。そうだ。星秀は思ってたよりも怪我してねぇ。打撲はちょこちょこあるが多分それは縛られてた痕だ。今あいつは俺の部屋で寝てる。まぁ寝てるって言っても強制的にだけどな。何せあいつは誠也に会わせろって聞かねぇから。」
よかった。星秀さん…。ほんとによかった…。
「ありがとうな蓮。」
「おいおい何言ってんだよ。星秀はお前のもんじゃねぇぞ渚。あいつは俺の戦友だ。俺もあいつの為なら何でもするぜ。あんまこういう事言いたかねぇけどな。かっこ悪いからよ。」
「なーに言ってんだよ。まぁとにかく星秀が無事で良かった。」
「そうだな。つか渚。それよりもだ。それよりもお前さっき誠也を抱こうとしてたよな。」
「あ?してたじゃねぇよ。抱いたわ。なぁ誠也。」
渚さんが俺の頭を撫でながらそう言ってきた。だから俺は渚さんから目線を逸らしてやった。これは!合意じゃないから!!
「…は?え、なに。抱いたって…は?お前まじ?渚、それは抜け駆けじゃねぇの?」
「うっせぇな。仕方ねぇだろ。こいつ可愛いし。」
「いやいや組長に殺されんぞ。いい加減にしとけよ渚。」
「大丈夫だって。この部屋には盗聴器も監視カメラもないからよ。」
や、やっぱり!この部屋には監視カメラも無かった…!けど廊下にはさすがにあるよな…。玄関のところにも…。そこが問題だ…。つか…服着たい。
「は?それまじかよ。誠也逃げんじゃん。」
「逃げきれねぇよ馬鹿。この組には何人いると思ってんだ。」
「まぁ確かに。俺もこいつの事逃がさねぇし。つか誠也、俺の事覚えてる?」
忘れるはずもない…!こいつも俺の事を犯してきたんだから…!けどあの時ほど怖くない。多分渚さんが近くにいるからってのもあるんだろうな。
「…覚えてます。」
「お、いい子じゃん。けどなんか渚に懐いてんな。普通に悔しい。」
は…!?何言ってんだこいつ!!別にそんなんじゃねぇし!!力が足りねぇからされるがままになってるだけだし!!
「な、懐いてねぇし…!!」
「おー。誠也、お前そんな感じで喋るんだな。可愛いじゃん。」
と、蓮ってやつが俺の頭を撫でてきた。こいつも違う。あの時とは態度が全然違う。何でだ?あの時の蓮ってやつは自分の事しか考えてなかった。けど今は俺の事を考えてくれてる。こんな短期間で変わるもんなのか…?
「あとありがとうな誠也。お前が星秀を逃がす為に健二さんや組長に色々してくれたこと渚から聞いた。俺も星秀の事はどうにかしてやりたかったんだ。けどな、どうしてもそれは無理でな。こりゃ大人の事情だ。けどまぁあいつには苦労ばかりさせちまった。だから誠也、お前には感謝してる。今回は失敗って形になっちまってけどな。」
蓮ってやつはそうやって微笑みながら言った。あの時とは違う。あの時は目がガン開きですっげぇ怖かった。それしかなかった。けど今俺の前にいる蓮ってやつは優しい成年って感じだ…。
「どうした誠也。そんなに見つめてよ。俺に抱かれてぇの?」
俺はつい蓮ってやつを観察してしまっていた。嘘を言ってるか言ってないか見極めてたんだ。けど俺がそんなことをしたせいで蓮ってやつが気づいたら近くに来ていた。
「ち、違います…!」
「なんだよ面白くねぇな。渚にも抱かれたんだろ?俺もいいじゃねぇか。」
「やめろって蓮。こいつは俺に抱かれて疲れてるから。」
「…渚。お前後で殺す。俺も抱きてぇし。」
俺は抱かれたくねぇよ…!なんで俺抜きでこいつらは話を進めてんだよ!
「ならお前組長に許可取れば?蓮の頼みなら聞いてくれんじゃね?」
「んな事したら殺されるわ。」
「はは、言えてる。」
渚さんがそう笑いながら言ったところで話が途切れた。いや多分渚さんは話を途切れさせたんだ。だって今不安そうな顔をしてるから。その原因はきっと星秀さん。
「なぁ蓮。誠也を少しの間頼んでもいいか?」
「あ?別にいいけどよ。どうした?」
「星秀に会いにいく。俺はあいつが心配だ。お前にさっき大丈夫って言われたばっかだけどよ。やっぱ自分の目で確かめねぇと不安が収まらねぇよ。」
「そうだな。分かった。見ててやる。けどあいつ今寝てっから静かにな。あと遅くなってもいいぜ。」
「おい蓮。お前誠也を襲うつもりだろ。」
は…?嘘だろ…。俺今裸だしそんなことになったら俺逃げることも出来ねぇじゃん…!それに俺は蓮ってやつと話したことは無い。犯されてた時はちょっと話したけど…。あれ以来話してない。だから何を話せばいいかもわかんねぇ…。
「いいや。今日は襲わねぇよ。今日はな。誠也も疲れてるみたいだし。渚にも抱かれたみたいだしよ。キスぐらいで我慢してやる。」
「たく、程々にな。」
「渚にだけは言われたくねぇわ。」
「はは、確かに。じゃあ誠也を頼む。組長か健二さんが来たら誠也はいい子にしてたって伝えてくれ。」
「ああ。任せろ。」
って蓮さんが言ったら渚さんはどこかに行っちまった…。だから俺は布団の中に顔まで隠した。どうしたらいいか分からなかったし、そもそも俺は裸だから。
「誠也。なーにしてんだよ。隠れんぼか?」
そう言いながら蓮さんが布団を剥がそうとしてきた!それにはさすがの俺も抵抗する。は裸を見られたくなかったから。
「ま、まって蓮さんっ、俺今裸だから!」
「だからなんだよ。見せてみろお前の身体。」
「嫌です…!!」
「あっそ。じゃあキスでもしてやるよ。」
「…え?あ、ちょ、まっ……っ、んん゛っ!!」
渚さんがこの部屋にさっき来た蓮ってやつに向かってそう言った。それもどこか不安そうに。けど俺もそうだ。不安だ。星秀さんが今どんな姿をしてるのか…俺は正直怖い。怪我してんならすぐ治療してあげたい…。
「ああ。そうだ。星秀は思ってたよりも怪我してねぇ。打撲はちょこちょこあるが多分それは縛られてた痕だ。今あいつは俺の部屋で寝てる。まぁ寝てるって言っても強制的にだけどな。何せあいつは誠也に会わせろって聞かねぇから。」
よかった。星秀さん…。ほんとによかった…。
「ありがとうな蓮。」
「おいおい何言ってんだよ。星秀はお前のもんじゃねぇぞ渚。あいつは俺の戦友だ。俺もあいつの為なら何でもするぜ。あんまこういう事言いたかねぇけどな。かっこ悪いからよ。」
「なーに言ってんだよ。まぁとにかく星秀が無事で良かった。」
「そうだな。つか渚。それよりもだ。それよりもお前さっき誠也を抱こうとしてたよな。」
「あ?してたじゃねぇよ。抱いたわ。なぁ誠也。」
渚さんが俺の頭を撫でながらそう言ってきた。だから俺は渚さんから目線を逸らしてやった。これは!合意じゃないから!!
「…は?え、なに。抱いたって…は?お前まじ?渚、それは抜け駆けじゃねぇの?」
「うっせぇな。仕方ねぇだろ。こいつ可愛いし。」
「いやいや組長に殺されんぞ。いい加減にしとけよ渚。」
「大丈夫だって。この部屋には盗聴器も監視カメラもないからよ。」
や、やっぱり!この部屋には監視カメラも無かった…!けど廊下にはさすがにあるよな…。玄関のところにも…。そこが問題だ…。つか…服着たい。
「は?それまじかよ。誠也逃げんじゃん。」
「逃げきれねぇよ馬鹿。この組には何人いると思ってんだ。」
「まぁ確かに。俺もこいつの事逃がさねぇし。つか誠也、俺の事覚えてる?」
忘れるはずもない…!こいつも俺の事を犯してきたんだから…!けどあの時ほど怖くない。多分渚さんが近くにいるからってのもあるんだろうな。
「…覚えてます。」
「お、いい子じゃん。けどなんか渚に懐いてんな。普通に悔しい。」
は…!?何言ってんだこいつ!!別にそんなんじゃねぇし!!力が足りねぇからされるがままになってるだけだし!!
「な、懐いてねぇし…!!」
「おー。誠也、お前そんな感じで喋るんだな。可愛いじゃん。」
と、蓮ってやつが俺の頭を撫でてきた。こいつも違う。あの時とは態度が全然違う。何でだ?あの時の蓮ってやつは自分の事しか考えてなかった。けど今は俺の事を考えてくれてる。こんな短期間で変わるもんなのか…?
「あとありがとうな誠也。お前が星秀を逃がす為に健二さんや組長に色々してくれたこと渚から聞いた。俺も星秀の事はどうにかしてやりたかったんだ。けどな、どうしてもそれは無理でな。こりゃ大人の事情だ。けどまぁあいつには苦労ばかりさせちまった。だから誠也、お前には感謝してる。今回は失敗って形になっちまってけどな。」
蓮ってやつはそうやって微笑みながら言った。あの時とは違う。あの時は目がガン開きですっげぇ怖かった。それしかなかった。けど今俺の前にいる蓮ってやつは優しい成年って感じだ…。
「どうした誠也。そんなに見つめてよ。俺に抱かれてぇの?」
俺はつい蓮ってやつを観察してしまっていた。嘘を言ってるか言ってないか見極めてたんだ。けど俺がそんなことをしたせいで蓮ってやつが気づいたら近くに来ていた。
「ち、違います…!」
「なんだよ面白くねぇな。渚にも抱かれたんだろ?俺もいいじゃねぇか。」
「やめろって蓮。こいつは俺に抱かれて疲れてるから。」
「…渚。お前後で殺す。俺も抱きてぇし。」
俺は抱かれたくねぇよ…!なんで俺抜きでこいつらは話を進めてんだよ!
「ならお前組長に許可取れば?蓮の頼みなら聞いてくれんじゃね?」
「んな事したら殺されるわ。」
「はは、言えてる。」
渚さんがそう笑いながら言ったところで話が途切れた。いや多分渚さんは話を途切れさせたんだ。だって今不安そうな顔をしてるから。その原因はきっと星秀さん。
「なぁ蓮。誠也を少しの間頼んでもいいか?」
「あ?別にいいけどよ。どうした?」
「星秀に会いにいく。俺はあいつが心配だ。お前にさっき大丈夫って言われたばっかだけどよ。やっぱ自分の目で確かめねぇと不安が収まらねぇよ。」
「そうだな。分かった。見ててやる。けどあいつ今寝てっから静かにな。あと遅くなってもいいぜ。」
「おい蓮。お前誠也を襲うつもりだろ。」
は…?嘘だろ…。俺今裸だしそんなことになったら俺逃げることも出来ねぇじゃん…!それに俺は蓮ってやつと話したことは無い。犯されてた時はちょっと話したけど…。あれ以来話してない。だから何を話せばいいかもわかんねぇ…。
「いいや。今日は襲わねぇよ。今日はな。誠也も疲れてるみたいだし。渚にも抱かれたみたいだしよ。キスぐらいで我慢してやる。」
「たく、程々にな。」
「渚にだけは言われたくねぇわ。」
「はは、確かに。じゃあ誠也を頼む。組長か健二さんが来たら誠也はいい子にしてたって伝えてくれ。」
「ああ。任せろ。」
って蓮さんが言ったら渚さんはどこかに行っちまった…。だから俺は布団の中に顔まで隠した。どうしたらいいか分からなかったし、そもそも俺は裸だから。
「誠也。なーにしてんだよ。隠れんぼか?」
そう言いながら蓮さんが布団を剥がそうとしてきた!それにはさすがの俺も抵抗する。は裸を見られたくなかったから。
「ま、まって蓮さんっ、俺今裸だから!」
「だからなんだよ。見せてみろお前の身体。」
「嫌です…!!」
「あっそ。じゃあキスでもしてやるよ。」
「…え?あ、ちょ、まっ……っ、んん゛っ!!」
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