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やっとの思い

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「おい誠也。まだって言ってんだろうが。寝ようとしてんじゃねぇ。」



だってさっきお前が言ったんだ。健二が…キスしたら寝させてくれるって。なのに…っ。なのに…っ。



「ほんとに…疲れてて。」



それも尋常じゃないほどに…。



「それは分かってる。けどちょっと待て。」

「…どうしてですか?」



何も言わずに俺は待たなきゃいけねぇのか?なんでだよ…。こんなに疲れてるって…眠たいって訴えてるのに…っ。



「もうすぐ渚が来るからそれまで待て。」

「…寝てたら…駄目ですか?」



それが理由…?渚さんが来るから…?ならそれまで…それまででも寝たい。それなら許してくれる…はず。



「駄目だ。起きてろ。」

「…どうして。」



なんで寝ちゃダメなんだよ。意味わかんねぇ…。眠くて…眠くて仕方ねぇのに。こんなの拷問だ…。



「誠也、お前そんな疲れてんのか?あと少しで来るぞ?」

「もう無理です…健二さん。お願いします。寝たい…。」



俺は健二の目をまっすぐ見てそう言った。余裕がなかったんだ。疲れすぎて睡眠をしたい。限界なんだ…。



「はぁ…。仕方ねぇな。渚が来るまで、な?」

「はい……。」

「ん?お前もう寝たのかよ。まぁいいか。ゆっくり寝ろ。ゆっくり休めるのも今だけだからな。」



俺は気づけば寝てしまっていた。それぐらい限界だったんだと思う。そんな俺がまた目を覚ましたのは数十分経った頃だった。



「………や………せ………い。」



なんか…声聞こえる…。なんの声だ…?誰だ…?



「…って………誠也。起きろ。」



ああ…。分かった。健二の声だ…。てことは渚さんが来たってことだ。



「お、目覚ましたな。おはよう。渚が来たぞ。」

「誠也。寝てたのにすまないな。健二さんは仕事に行くから今からは俺がお前の世話役だ。」



よかった…。健二がどこかに行く…。俺はそれがかなり嬉しかった。



「じゃあな誠也。いい子にしてるんだぞ。次会えるのは明日だからな。俺は明日商談だからよ。だからそれまで大人しくしてるんだぞ。」



…明日。明日まで健二に会わなくていい。俺はそれが嬉しくて顔に出てしまいそうになった。けど健二は今俺の頭を撫でている。だから顔に出たらまたなんか言われちまう。それは嫌だな。だから俺は顔に出ないように平然を装った。



「…分かりました。」

「ん。いい子。じゃあ渚、あとは頼んだぞ。」

「お任せ下さい。ではお気を付けて。」

「ああ。」



健二はそう言うと部屋を出ていった。その後渚さんがすぐにベットの上に上がってきたんだ。



「…渚さん?」

「なぁ誠也。俺お前に聞かなきゃいけねぇことがあるんだが。」

「なんのこと…?」



渚さんが俺に抱きつきながらそう言ってきたけど渚さんは真剣な顔をしてた。だから俺は何かやらかしてしまったのかもしれない。そう思った…。



「まぁとりあえずキスな。」

「…え?あ、ちょ…っ。」

「嫌がるな。」

「だっ、だって…っ。」

「いいから。こっち向け。」



渚さんはそう言って強引に俺の顔を鷲掴みにして無理やりキスをしてきた。なんか渚さん…怒ってる…?



「いい子だな誠也。」

「…あの、渚さん。話って?」

「星秀の事だ。」

「星秀さん…?」

「そうだ。誠也、お前星秀の事で組長と取り引きしたって事実か?」

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