36 / 220
星秀の過去
しおりを挟む
「「「「お疲れ様です健二さん。」」」」
「ああ。お疲れ。」
事務所に戻ってきたら渚達がいた。さっきとは全然違う態度で。やっぱ健二って凄いやつなんだな。
「さっき言った通り誠也を連れていくからな。あと星秀も。」
「はい。ですが健二さん。星秀がいつ戻ってくるかだけ教えて貰ってもいいですか?」
…ん?渚ってやつの様子がおかしい。なんか心配してる顔だぞ。星秀さんか?星秀さんの心配してんのか?蓮ってやつも凛翔ってやつも勝ってやつもみんな星秀さんを見てる。やっぱ健二さんと星秀さんには何かあるのか…?
「渚。それはまた連絡する。遅くなるかもしれんし早くなるかもしれん。それは星秀次第だ。」
「…承知しました。」
「じゃあ、また後でな。組長はもう少し帰ってこねぇからそれまでに仕事終わらせとけよ。」
と、健二が言うと渚たち4人が健二に頭を下げた。俺はそいつらを見ながらこの部屋を出た。出たって言っても健二に抱きかかえられてるから自分の足じゃねぇけどな。
「星秀。何処に行くかわかってるな?」
「もちろんです。」
「ならいい。」
健二の機嫌が良くなった。あの時とは全然違う。けど今度は逆に星秀さんがおかしい。不安がってる顔。それを隠そうと必死になってるけど俺にはわかる。星秀さんは怯えてる。
「…健二さん。」
「どうした誠也。どこか痛いか?」
「いや、そうじゃない…。」
「じゃあどうした?」
「…どこに行くんですか?」
「今からか?」
「…はい。」
「お前の部屋だ。」
俺の部屋…?あの監禁部屋のことか。ならなんで…?俺はさらに疑問が大きくなった。俺の部屋に行くなら星秀さんをお供につける必要はあったか?だってここはこの組の屋敷だろ?なのになんで…。
「それがどうしたんだ誠也。」
「…あ、いや。気になっただけだ。」
「そうか。ていうかお前よく喋るようになったな。そんなに星秀が心配か?」
「…え?」
なんだよこいつ…。なんで分かるんだよ…。怖すぎんだろ…。星秀さんもより焦っちまった。俺のせいで…。
「お前の事はなんでも分かるぞ誠也。なんたってお前は分かりやすいからな。さっきからチラチラ星秀の事も見てるし。そんなにこいつが心配か?俺が星秀をお供にしたことも不思議がってんだろ。」
「…………………。」
そうだよ…。その通りだ…。だって星秀さんは俺に唯一優しくしてくれた人だ。俺の人生においてな。親にすら優しくされなかった。それを星秀さんはしてくれた。だから俺は星秀さんのためなら…。
「…そうだったらなんだよ。なんか問題でもあんのか?」
「そりゃ問題だな。大問題だぞ。誠也、いいか?お前は組長のもんなんだ。俺らの頭のもの。お前は星秀のものじゃない。何があってそんなに星秀に懐いてんのか知らねぇけど星秀も組長のもんなんだよ。分かるか?」
…は?もの?星秀さんは幹部なんじゃねぇの?どういうことだよ。
「…どういう意味だ。」
「まぁ時期に分かるさ。なぁ星秀。お前も逃げるなよ。」
「逃げません。」
「いい子だな。」
分かんねぇ…。どういうことだよ…。は…?健二ってやつは良い奴じゃねぇのかよ。俺に…。意味わかんねぇ…。なんで星秀さんはそんな顔してんだよ…。
「よし、着いたぞ。星秀。お前から入れ。」
「はい。」
星秀さんは健二の指示通り部屋に先に入った。その後で俺を抱き抱えてる健二も入って…鍵をかけた。
「星秀。」
「はい。」
「はい、じゃねぇだろ。分かってんだろうがお前。ベットに行け。」
「け、健二さん…!」
今から3人でするっていうのか?でもなんで星秀さんから行かせんだよ…!しかも星秀さんの顔…。お前星秀さんの上司じゃねぇのか!なんであんな顔させてんだよ…!さっきは弁当もあげてたのに…。
「なんだ。お前はどうしたんだ誠也。」
「なんで…星秀さんを…?」
「時期に分かる。星秀、早くしろ。ベットに上がれ。」
「…はい。」
おかしい。明らかにおかしい。星秀さんのあの顔普通じゃない。怖がってる。怯えてる。けどそれを俺に悟られないようにしてる。俺のせいで星秀さんが巻き込まれた…。
「いい子だ星秀。誠也、お前はちょっと待てな。」
待てって…。今俺の事お前が抱っこしてんじゃねぇか。だから俺は元から動けねぇよ。いや、今はそれよりも星秀さんだ…。なんで星秀さんをベットに…?
「星秀。服を脱げ。」
…は?何言ってんだこいつ!星秀さんは部下だろ!?幹部じゃねぇの!?
「おい!何言ってんだよ…!星秀さんはお前の部下だろ!?」
「…お前?」
「……………っ。」
やばい…。健二を怒らせた。今怒らせたら星秀さんが危ないのに…。どうしよう…。とにかく謝らねぇと…。本当はこんなやつなんかに謝りたくなんてないけど星秀さんのためだ。
「…ごめ、なさい。」
「まぁいい。許してやる。あとな誠也。星秀は確かにお前の言う通り俺の部下かもしれねぇ。でも部下であると同時に組長の愛人でもあるんだよ。俺の言ってる意味が分かるか?つまりこいつは俺のもんでもあるんだ。まぁ組長の愛人って言ってもほぼ性欲処理させられてるだけだけどな。元々星秀はお前のように組長が気に入って連れ去ってきたんだからな。」
「ああ。お疲れ。」
事務所に戻ってきたら渚達がいた。さっきとは全然違う態度で。やっぱ健二って凄いやつなんだな。
「さっき言った通り誠也を連れていくからな。あと星秀も。」
「はい。ですが健二さん。星秀がいつ戻ってくるかだけ教えて貰ってもいいですか?」
…ん?渚ってやつの様子がおかしい。なんか心配してる顔だぞ。星秀さんか?星秀さんの心配してんのか?蓮ってやつも凛翔ってやつも勝ってやつもみんな星秀さんを見てる。やっぱ健二さんと星秀さんには何かあるのか…?
「渚。それはまた連絡する。遅くなるかもしれんし早くなるかもしれん。それは星秀次第だ。」
「…承知しました。」
「じゃあ、また後でな。組長はもう少し帰ってこねぇからそれまでに仕事終わらせとけよ。」
と、健二が言うと渚たち4人が健二に頭を下げた。俺はそいつらを見ながらこの部屋を出た。出たって言っても健二に抱きかかえられてるから自分の足じゃねぇけどな。
「星秀。何処に行くかわかってるな?」
「もちろんです。」
「ならいい。」
健二の機嫌が良くなった。あの時とは全然違う。けど今度は逆に星秀さんがおかしい。不安がってる顔。それを隠そうと必死になってるけど俺にはわかる。星秀さんは怯えてる。
「…健二さん。」
「どうした誠也。どこか痛いか?」
「いや、そうじゃない…。」
「じゃあどうした?」
「…どこに行くんですか?」
「今からか?」
「…はい。」
「お前の部屋だ。」
俺の部屋…?あの監禁部屋のことか。ならなんで…?俺はさらに疑問が大きくなった。俺の部屋に行くなら星秀さんをお供につける必要はあったか?だってここはこの組の屋敷だろ?なのになんで…。
「それがどうしたんだ誠也。」
「…あ、いや。気になっただけだ。」
「そうか。ていうかお前よく喋るようになったな。そんなに星秀が心配か?」
「…え?」
なんだよこいつ…。なんで分かるんだよ…。怖すぎんだろ…。星秀さんもより焦っちまった。俺のせいで…。
「お前の事はなんでも分かるぞ誠也。なんたってお前は分かりやすいからな。さっきからチラチラ星秀の事も見てるし。そんなにこいつが心配か?俺が星秀をお供にしたことも不思議がってんだろ。」
「…………………。」
そうだよ…。その通りだ…。だって星秀さんは俺に唯一優しくしてくれた人だ。俺の人生においてな。親にすら優しくされなかった。それを星秀さんはしてくれた。だから俺は星秀さんのためなら…。
「…そうだったらなんだよ。なんか問題でもあんのか?」
「そりゃ問題だな。大問題だぞ。誠也、いいか?お前は組長のもんなんだ。俺らの頭のもの。お前は星秀のものじゃない。何があってそんなに星秀に懐いてんのか知らねぇけど星秀も組長のもんなんだよ。分かるか?」
…は?もの?星秀さんは幹部なんじゃねぇの?どういうことだよ。
「…どういう意味だ。」
「まぁ時期に分かるさ。なぁ星秀。お前も逃げるなよ。」
「逃げません。」
「いい子だな。」
分かんねぇ…。どういうことだよ…。は…?健二ってやつは良い奴じゃねぇのかよ。俺に…。意味わかんねぇ…。なんで星秀さんはそんな顔してんだよ…。
「よし、着いたぞ。星秀。お前から入れ。」
「はい。」
星秀さんは健二の指示通り部屋に先に入った。その後で俺を抱き抱えてる健二も入って…鍵をかけた。
「星秀。」
「はい。」
「はい、じゃねぇだろ。分かってんだろうがお前。ベットに行け。」
「け、健二さん…!」
今から3人でするっていうのか?でもなんで星秀さんから行かせんだよ…!しかも星秀さんの顔…。お前星秀さんの上司じゃねぇのか!なんであんな顔させてんだよ…!さっきは弁当もあげてたのに…。
「なんだ。お前はどうしたんだ誠也。」
「なんで…星秀さんを…?」
「時期に分かる。星秀、早くしろ。ベットに上がれ。」
「…はい。」
おかしい。明らかにおかしい。星秀さんのあの顔普通じゃない。怖がってる。怯えてる。けどそれを俺に悟られないようにしてる。俺のせいで星秀さんが巻き込まれた…。
「いい子だ星秀。誠也、お前はちょっと待てな。」
待てって…。今俺の事お前が抱っこしてんじゃねぇか。だから俺は元から動けねぇよ。いや、今はそれよりも星秀さんだ…。なんで星秀さんをベットに…?
「星秀。服を脱げ。」
…は?何言ってんだこいつ!星秀さんは部下だろ!?幹部じゃねぇの!?
「おい!何言ってんだよ…!星秀さんはお前の部下だろ!?」
「…お前?」
「……………っ。」
やばい…。健二を怒らせた。今怒らせたら星秀さんが危ないのに…。どうしよう…。とにかく謝らねぇと…。本当はこんなやつなんかに謝りたくなんてないけど星秀さんのためだ。
「…ごめ、なさい。」
「まぁいい。許してやる。あとな誠也。星秀は確かにお前の言う通り俺の部下かもしれねぇ。でも部下であると同時に組長の愛人でもあるんだよ。俺の言ってる意味が分かるか?つまりこいつは俺のもんでもあるんだ。まぁ組長の愛人って言ってもほぼ性欲処理させられてるだけだけどな。元々星秀はお前のように組長が気に入って連れ去ってきたんだからな。」
132
お気に入りに追加
571
あなたにおすすめの小説
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。



目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
インテリヤクザは子守りができない
タタミ
BL
とある事件で大学を中退した初瀬岳は、極道の道へ進みわずか5年で兼城組の若頭にまで上り詰めていた。
冷酷非道なやり口で出世したものの不必要に凄惨な報復を繰り返した結果、組長から『人間味を学べ』という名目で組のシマで立ちんぼをしていた少年・皆木冬馬の教育を任されてしまう。
なんでも性接待で物事を進めようとするバカな冬馬を煙たがっていたが、小学生の頃に親に捨てられ字もろくに読めないとわかると、徐々に同情という名の情を抱くようになり……──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる