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帰ってきた
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「よし、じゃあそろそろ上がろうか。」
「そうする…って、おい、なにしてんだ!」
俺は普通に立ち上がって歩こうとしたのに星秀さんが俺のことを持ち上げてきた。歩けるっての!
「何って危ねぇだろ?運んでやるから大人しくしてろ。」
「………………。」
何が危ないだ…。ここはただの風呂場じゃねぇか。まぁいいや。楽できるし…。
「なぁ星秀さん。」
「ん?」
「風呂上がったらどこに行くんだ?」
「どこって事務所に戻るぞ。」
やっぱそうだよな…。星秀さんは怖くねぇけどあの4人はちょっと怖い。ただ健二があのメールをよこしたから何もしてこない…はず。
「…わかった。」
「どうした誠也。嫌なのか?」
嫌に決まってる。このまま風呂で過ごしたい。治も帰ってくるのが怖い。なんか俺…色々怖い…。
「お前が嫌なら脱衣所で時間潰しするか?」
「…え?」
星秀さんがまさかそんなことを言ってくれるなんて思ってもなかったから俺は思わず驚いた。そんで嬉しかった。星秀さんと2人なら怖くない。治とこれから行われることにも耐えられるかもしれない。
けどそう上手くはいかないもんなんだ…。
「おい星秀。」
脱衣所から聞こえてきた声。俺はこの声を知ってる。健二だ。多分、仕事から帰ってきたんだ。
「…は?健二さん?」
星秀さんも健二の声が聞こえて驚いてる。けど驚いてるってことは健二が星秀さんの思ってるよりも早く帰ってきたってことか…?
「そうだ。俺だ。お前らのせいで早く帰ってきた。早く風呂場から出てこい。」
…てことは治もいるのか?それは…嫌だ。もう嫌だ。あれは嫌いだ。
「誠也。悪いな。俺にはどうにも出来ない。とりあえず出るぞ。」
「…わかった。」
星秀さんは悪くない。俺を守ってくれた人だ。唯一。だから俺は星秀さんの言葉に頷いた。
「ごめんな。」
星秀さんが謝るのは違う。俺も俺で腹を括らねぇと。早くここから逃げなきゃいけない。早いとこ逃げねぇと道が完全に閉ざされる。
「お疲れ様です健二さん。」
「ああ、お疲れ。俺の言う通りお前だけで誠也を風呂に入れたようだな。いい子だ星秀。」
…なんだ?星秀さんの反応が変だ。健二の言い方も引っかかる…。何だこの違和感は…。
「…やめてくださいよ健二さん。そんな言い方。」
「はは、そうだな。誠也の前だしな。」
と、健二は言うと俺の頭を撫でてきた。その後俺の頬も触ってきた。相変わらずスキンシップが激しいやつ…。
「星秀。誠也を渡せ。」
「…はい。」
星秀さんはどこか悔しそうな顔をして俺を健二に渡した。だから俺も暴れなかった。ここで暴れたら多分、星秀さんが困るから。
「どうしたんだ誠也。大人しいじゃねぇか。何があったんだ?星秀と何かあったのか…?」
なんだこいつ。なんで健二は怒ってんだ…?そもそもお前、俺をここに預けること自体躊躇してた優しいやつじゃねぇか。なんで怒ってんだよ…。
「…別に何も無い。怒んなよ。」
「嘘をつくな誠也。なぁ。正直に言えって。」
「健二さんやめてください。本当に誠也とは何も無いです。」
「そうか?俺にはそうは思えないが。」
健二はまた俺の頬を鷲掴みにしてきた。そんでまだ怒ってる。なんなんだよ…。別にちょっと星秀さんと何かあったぐらいいいじゃねぇかよ…。
「まぁいい。それより聞きたいことがあったからな。星秀。誠也を抱いたのはお前と蓮と渚だけだな?」
「そうです。」
「そうかそうか。それに対して凛翔と勝は文句言わなかったのか?」
「言ってませんでした。」
やっぱりおかしい…。初め話してた時は何も思わなかったけどこいつらなんか違和感がある。話し方…か?いや違うな。分かんねぇけど違和感ある…。
「へえ。それは意外だな。」
「健二さんからメールが入ったからです。」
「あーなるほどな。それで文句言わなかったのか。」
そう言いながら健二は俺の体を優しくタオルで拭いていた。さっきよりかは健二、怒ってないか…?
「多分そうです。」
「そっかそっか。星秀、風呂場を出たらお前も一緒に来い。」
「…組長が俺の事をお呼びですか?」
「いいや違う。俺のお供をしろって言ってんだ星秀。」
「なぜ急に…?健二さんはいつもお供をつけないじゃないですか。」
「別にいいじゃねぇか。気分だ。いいから来い。逆らうのか?」
「…いえ。」
「よし。いい子だ。」
…いい子?健二は元々そういう喋り方なのか?なんか躾したみたいな言い方…。なんでそんな喋り方を星秀さんにするんだ?
「誠也も体拭けたな。じゃあ行こうか。星秀、行くぞ。」
「はい。」
星秀さんの顔が浮かない。暗い顔をしてる。健二と星秀さんは仲がいいんじゃねぇの?仲間じゃねぇのか…?
「誠也も災難だったなぁ。もう少し早くメール出来てりゃお前にあんな思いをさせねぇで済んだのに。」
「…大丈夫です。」
「そうみたいだな。星秀が優しかったからよ。」
「健二さん、俺は優しくないですよ。」
「幹部の中じゃお前が1番優しいだろ。まともだし真面目だし。だから俺はお前を気に入ってるんだぞ星秀。」
「…そうですか。」
「そうだ。だから今からも一緒に来るんだぞ。あいつらにはもう話をつけてあるから。」
「そうする…って、おい、なにしてんだ!」
俺は普通に立ち上がって歩こうとしたのに星秀さんが俺のことを持ち上げてきた。歩けるっての!
「何って危ねぇだろ?運んでやるから大人しくしてろ。」
「………………。」
何が危ないだ…。ここはただの風呂場じゃねぇか。まぁいいや。楽できるし…。
「なぁ星秀さん。」
「ん?」
「風呂上がったらどこに行くんだ?」
「どこって事務所に戻るぞ。」
やっぱそうだよな…。星秀さんは怖くねぇけどあの4人はちょっと怖い。ただ健二があのメールをよこしたから何もしてこない…はず。
「…わかった。」
「どうした誠也。嫌なのか?」
嫌に決まってる。このまま風呂で過ごしたい。治も帰ってくるのが怖い。なんか俺…色々怖い…。
「お前が嫌なら脱衣所で時間潰しするか?」
「…え?」
星秀さんがまさかそんなことを言ってくれるなんて思ってもなかったから俺は思わず驚いた。そんで嬉しかった。星秀さんと2人なら怖くない。治とこれから行われることにも耐えられるかもしれない。
けどそう上手くはいかないもんなんだ…。
「おい星秀。」
脱衣所から聞こえてきた声。俺はこの声を知ってる。健二だ。多分、仕事から帰ってきたんだ。
「…は?健二さん?」
星秀さんも健二の声が聞こえて驚いてる。けど驚いてるってことは健二が星秀さんの思ってるよりも早く帰ってきたってことか…?
「そうだ。俺だ。お前らのせいで早く帰ってきた。早く風呂場から出てこい。」
…てことは治もいるのか?それは…嫌だ。もう嫌だ。あれは嫌いだ。
「誠也。悪いな。俺にはどうにも出来ない。とりあえず出るぞ。」
「…わかった。」
星秀さんは悪くない。俺を守ってくれた人だ。唯一。だから俺は星秀さんの言葉に頷いた。
「ごめんな。」
星秀さんが謝るのは違う。俺も俺で腹を括らねぇと。早くここから逃げなきゃいけない。早いとこ逃げねぇと道が完全に閉ざされる。
「お疲れ様です健二さん。」
「ああ、お疲れ。俺の言う通りお前だけで誠也を風呂に入れたようだな。いい子だ星秀。」
…なんだ?星秀さんの反応が変だ。健二の言い方も引っかかる…。何だこの違和感は…。
「…やめてくださいよ健二さん。そんな言い方。」
「はは、そうだな。誠也の前だしな。」
と、健二は言うと俺の頭を撫でてきた。その後俺の頬も触ってきた。相変わらずスキンシップが激しいやつ…。
「星秀。誠也を渡せ。」
「…はい。」
星秀さんはどこか悔しそうな顔をして俺を健二に渡した。だから俺も暴れなかった。ここで暴れたら多分、星秀さんが困るから。
「どうしたんだ誠也。大人しいじゃねぇか。何があったんだ?星秀と何かあったのか…?」
なんだこいつ。なんで健二は怒ってんだ…?そもそもお前、俺をここに預けること自体躊躇してた優しいやつじゃねぇか。なんで怒ってんだよ…。
「…別に何も無い。怒んなよ。」
「嘘をつくな誠也。なぁ。正直に言えって。」
「健二さんやめてください。本当に誠也とは何も無いです。」
「そうか?俺にはそうは思えないが。」
健二はまた俺の頬を鷲掴みにしてきた。そんでまだ怒ってる。なんなんだよ…。別にちょっと星秀さんと何かあったぐらいいいじゃねぇかよ…。
「まぁいい。それより聞きたいことがあったからな。星秀。誠也を抱いたのはお前と蓮と渚だけだな?」
「そうです。」
「そうかそうか。それに対して凛翔と勝は文句言わなかったのか?」
「言ってませんでした。」
やっぱりおかしい…。初め話してた時は何も思わなかったけどこいつらなんか違和感がある。話し方…か?いや違うな。分かんねぇけど違和感ある…。
「へえ。それは意外だな。」
「健二さんからメールが入ったからです。」
「あーなるほどな。それで文句言わなかったのか。」
そう言いながら健二は俺の体を優しくタオルで拭いていた。さっきよりかは健二、怒ってないか…?
「多分そうです。」
「そっかそっか。星秀、風呂場を出たらお前も一緒に来い。」
「…組長が俺の事をお呼びですか?」
「いいや違う。俺のお供をしろって言ってんだ星秀。」
「なぜ急に…?健二さんはいつもお供をつけないじゃないですか。」
「別にいいじゃねぇか。気分だ。いいから来い。逆らうのか?」
「…いえ。」
「よし。いい子だ。」
…いい子?健二は元々そういう喋り方なのか?なんか躾したみたいな言い方…。なんでそんな喋り方を星秀さんにするんだ?
「誠也も体拭けたな。じゃあ行こうか。星秀、行くぞ。」
「はい。」
星秀さんの顔が浮かない。暗い顔をしてる。健二と星秀さんは仲がいいんじゃねぇの?仲間じゃねぇのか…?
「誠也も災難だったなぁ。もう少し早くメール出来てりゃお前にあんな思いをさせねぇで済んだのに。」
「…大丈夫です。」
「そうみたいだな。星秀が優しかったからよ。」
「健二さん、俺は優しくないですよ。」
「幹部の中じゃお前が1番優しいだろ。まともだし真面目だし。だから俺はお前を気に入ってるんだぞ星秀。」
「…そうですか。」
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