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1本のメール
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「あの…っ、せい、しゅ…さんっ、」
星秀さんの言う通りだった。この人は蓮ってやつよりは長くなくて案外直ぐに終わった。けど終わってから星秀さんは俺をずっと抱きしめてる。そんで時よりキスまでしてくる。俺を離さないといわんばかりに。
「なんだ。」
「…くるし、です。」
「あ、悪い。」
って絶対思ってないだろ。てか分かってんだろうな星秀さん。俺が嘘ついてるって。本当は苦しくなんかない。だからわざと苦しそうな声を出してそう言ったけど星秀さんにはそれがバレた。あーあ…。俺いつまでこうしてるんだ…?
「おい星秀。てめぇいい加減にしろよ。」
「…あ?」
凄い怒ってる人来た…。けどこの凛翔って人はさっきも怒ってたもんな。短気なのか?
「終わったならさっさと退け。お前は相当誠也が気に入ったらしいが俺もそうなんだよ。お前だけじゃねぇ。つかお前のもんじゃねぇだろまず。ほら退けよ。俺の番だ。」
「凛翔。うるせぇ。」
「…てめぇ。喧嘩売ってんのか?」
やめろよ…。俺挟んで喧嘩すんなよ…っ。ヤクザの圧がどんだけ怖いのかこいつら自覚してねぇのか…。
「ああ。喧嘩を売ってる。」
「そうか。なら買ってやるよ。」
「よく言う。お前は俺より弱いから俺には勝てない。」
…そうなのか?見た感じは凛翔ってやつの方が断然強そうなのに星秀さんの方が強いのか…?まじか…。つーかこの人もいつまで俺を抱きしめてんだよ。頭もずっと撫でてくるし…。力強いし…。体は疲れたし…。
「…星秀。てめぇぶん殴ってやろうか?」
「無理だ。お前には出来ない。」
「…てめぇ。」
「おい凛翔やめろ。星秀は事実を言ってるだけだろ?お前が星秀よりも弱いのも事実だ。だから怒るな。」
今度は勝ってやつが来た。こいつもずっと待ってるのに何も話さずに待ってた…。文句も言わずに…。今もそうだ。だからこそ俺はこいつが怖い…。
「勝は星秀に腹立たねぇの?」
「俺はお前と違って短気じゃねぇからな。それに俺も凛翔、お前と同じく星秀には勝てねぇから。」
「…んだそれ。つかお前なんの用でここまで来た?」
凛翔ってやつが今来た勝ってやつと話し出した。それをいいことに星秀さんは俺を好き勝手し始めた。キスをしたり頭を撫でたり体を撫でたり抱きしめてきたり…。俺は…ペットかよ。
「健二さんがメール寄越してきたから。」
「…は?」
健二?今言ったよな…。健二って…。どういうことだ…?!
「おい勝。悪い冗談はやめろよ。」
なんだこいつ…。焦ってんのか?渚ってやつはちょっぴり冷や汗をかきながら勝に近づいてそう言った。
「渚。冗談じゃない。本当だ。見るかこれ。」
「…まじか。」
「おい勝!俺にも見せろや!」
そう言いながら凛翔が勝から強引にスマホを取り上げてメールの内容をみた。けどその瞬間に凛翔ってやつの顔色が変わった。白くなった。どうやらまずいことが起きたらしい。その間も星秀さんだけはすんげぇマイペースだけどな。他の4人が焦ってる中で俺をずっと呑気に抱きしめてんだから。
「…んだこれ。どういうことだ。」
「落ち着けって凛翔。最後まで見たのかよお前。ほらちゃんと見ろ。ここで留まれば組長には言わない。そう書いてあるだろ?」
落ち着いた様子で勝ってやつが凛翔にそう言った。なんだ…。どんな内容なんだ…。俺も見たい…。一瞬にしてこいつらの意識を俺以外のものにした健二からのメール…みたい…。
「誠也?どうした?」
俺はメールの内容が見たいばかりに顰めっ面になってしまった。そんな俺を見て星秀さんが俺の頭を撫でながらそう聞いてきた。だから俺はそれを利用することにした。この人は俺の言うことならきっとなんでも聞いてくれるから。
「…その、メール…気になって…っ。」
「ん?あー健二さんからのメールか?」
「はい…。」
「分かった。俺もちょっとは内容が気になるから一緒に見ような。」
いい人だな…。星秀さんは確実にこの5人の中で1番いい人。そんで俺が安心出来る人だ。だから俺も星秀さんが抱きしめてくれてるのをいいことに他の4人から距離を取ってる。
「おい勝。俺にも見せろ。」
「珍しいな星秀が見たがるなんて。こういう事にはいつも関与したがらねぇじゃん。どういう風の吹き回しだ。」
「別に気にすんな。それに相手は健二さんだろ?俺も半殺しにされるのはだけは避けたいからな。今更堅気になんてなれねぇし。だから見せろ。」
堅気…?俺の知らねぇ言葉ばっかり出てくる。まぁ俺馬鹿だからな。さっきまであんな酷いことされてたのに今は平気になってる。人間嫌いのお人好し…。昔誰かにこれを言われたわ…。懐かしいな…。
「そうかよ。なら見ろ。」
「どうも。」
と、言って星秀さんは勝ってやつからスマホを受け取った。よし。これで俺も健二からのメールが見れる…!ナイスだ星秀さん。
「誠也。ほら、見えるか?」
「はい。」
星秀さんは世話焼きな人だ。みんなにそうなのか?んーまぁいいや。この人は周りに流されない自分を持った人であることは確かだから…と、今はそれよりも健二からのメールを見ねぇと…。
「…星秀さん。」
「ん?」
「…これ、ほんとに健二さんからのメールですか?」
「そうだぞ。」
嘘だろ…。俺は健二からのメールを見て目を疑った。なんでかって?それは…。
''お前ら。勝手なことしていい度胸だな。誠也を泣かせてどのくらい経ったんだ?まぁいい。とにかく今すぐにやめろ。今すぐにやめるなら組長には黙っててやるから。俺も大事にしたくねぇからな。大事にして困るのは誠也だからよ。だからいいか?今すぐにだ。今すぐにやめろ。誠也をそれ以上傷つけるな。それと星秀。組長にバレねぇようにお前が誠也を風呂に入れろ。他の奴らは関与するな。分かったな。約束を破ればお前らの骨一本折るからな。''
って書いてあったから…。そうか…。こいつらが言ってた俺に治には言わないように仕向けるってのはこういう事だったのか。確かにそうだ。治にバレたらあいつの事だから俺になにかしてくるはず。けど健二はそれも防ぎながら俺を守ってくれた…。
「健二さんは随分お前が好きなんだな。」
「…え?」
相変わらず無表情のまま星秀さんが俺にそう言った。そんでまた話を始めた。今度は俺の目を見て…。
「俺は正直あの人が慈悲深い人だからそうなったのかと思った。けど違うな。俺もそうだ。俺もお前が気に入った。壊れたら捨てればいいと思っていたがそうもいかねぇな。誠也。俺はお前を本気で大切する。約束する。だからお前も俺には本音で話せ。怖い事からも言ってしまえばあいつらからも守ってやるから。」
約束…。約束なんて破るためにあるもんだろ…?そんな約束するもんじゃねぇよ…。
星秀さんの言う通りだった。この人は蓮ってやつよりは長くなくて案外直ぐに終わった。けど終わってから星秀さんは俺をずっと抱きしめてる。そんで時よりキスまでしてくる。俺を離さないといわんばかりに。
「なんだ。」
「…くるし、です。」
「あ、悪い。」
って絶対思ってないだろ。てか分かってんだろうな星秀さん。俺が嘘ついてるって。本当は苦しくなんかない。だからわざと苦しそうな声を出してそう言ったけど星秀さんにはそれがバレた。あーあ…。俺いつまでこうしてるんだ…?
「おい星秀。てめぇいい加減にしろよ。」
「…あ?」
凄い怒ってる人来た…。けどこの凛翔って人はさっきも怒ってたもんな。短気なのか?
「終わったならさっさと退け。お前は相当誠也が気に入ったらしいが俺もそうなんだよ。お前だけじゃねぇ。つかお前のもんじゃねぇだろまず。ほら退けよ。俺の番だ。」
「凛翔。うるせぇ。」
「…てめぇ。喧嘩売ってんのか?」
やめろよ…。俺挟んで喧嘩すんなよ…っ。ヤクザの圧がどんだけ怖いのかこいつら自覚してねぇのか…。
「ああ。喧嘩を売ってる。」
「そうか。なら買ってやるよ。」
「よく言う。お前は俺より弱いから俺には勝てない。」
…そうなのか?見た感じは凛翔ってやつの方が断然強そうなのに星秀さんの方が強いのか…?まじか…。つーかこの人もいつまで俺を抱きしめてんだよ。頭もずっと撫でてくるし…。力強いし…。体は疲れたし…。
「…星秀。てめぇぶん殴ってやろうか?」
「無理だ。お前には出来ない。」
「…てめぇ。」
「おい凛翔やめろ。星秀は事実を言ってるだけだろ?お前が星秀よりも弱いのも事実だ。だから怒るな。」
今度は勝ってやつが来た。こいつもずっと待ってるのに何も話さずに待ってた…。文句も言わずに…。今もそうだ。だからこそ俺はこいつが怖い…。
「勝は星秀に腹立たねぇの?」
「俺はお前と違って短気じゃねぇからな。それに俺も凛翔、お前と同じく星秀には勝てねぇから。」
「…んだそれ。つかお前なんの用でここまで来た?」
凛翔ってやつが今来た勝ってやつと話し出した。それをいいことに星秀さんは俺を好き勝手し始めた。キスをしたり頭を撫でたり体を撫でたり抱きしめてきたり…。俺は…ペットかよ。
「健二さんがメール寄越してきたから。」
「…は?」
健二?今言ったよな…。健二って…。どういうことだ…?!
「おい勝。悪い冗談はやめろよ。」
なんだこいつ…。焦ってんのか?渚ってやつはちょっぴり冷や汗をかきながら勝に近づいてそう言った。
「渚。冗談じゃない。本当だ。見るかこれ。」
「…まじか。」
「おい勝!俺にも見せろや!」
そう言いながら凛翔が勝から強引にスマホを取り上げてメールの内容をみた。けどその瞬間に凛翔ってやつの顔色が変わった。白くなった。どうやらまずいことが起きたらしい。その間も星秀さんだけはすんげぇマイペースだけどな。他の4人が焦ってる中で俺をずっと呑気に抱きしめてんだから。
「…んだこれ。どういうことだ。」
「落ち着けって凛翔。最後まで見たのかよお前。ほらちゃんと見ろ。ここで留まれば組長には言わない。そう書いてあるだろ?」
落ち着いた様子で勝ってやつが凛翔にそう言った。なんだ…。どんな内容なんだ…。俺も見たい…。一瞬にしてこいつらの意識を俺以外のものにした健二からのメール…みたい…。
「誠也?どうした?」
俺はメールの内容が見たいばかりに顰めっ面になってしまった。そんな俺を見て星秀さんが俺の頭を撫でながらそう聞いてきた。だから俺はそれを利用することにした。この人は俺の言うことならきっとなんでも聞いてくれるから。
「…その、メール…気になって…っ。」
「ん?あー健二さんからのメールか?」
「はい…。」
「分かった。俺もちょっとは内容が気になるから一緒に見ような。」
いい人だな…。星秀さんは確実にこの5人の中で1番いい人。そんで俺が安心出来る人だ。だから俺も星秀さんが抱きしめてくれてるのをいいことに他の4人から距離を取ってる。
「おい勝。俺にも見せろ。」
「珍しいな星秀が見たがるなんて。こういう事にはいつも関与したがらねぇじゃん。どういう風の吹き回しだ。」
「別に気にすんな。それに相手は健二さんだろ?俺も半殺しにされるのはだけは避けたいからな。今更堅気になんてなれねぇし。だから見せろ。」
堅気…?俺の知らねぇ言葉ばっかり出てくる。まぁ俺馬鹿だからな。さっきまであんな酷いことされてたのに今は平気になってる。人間嫌いのお人好し…。昔誰かにこれを言われたわ…。懐かしいな…。
「そうかよ。なら見ろ。」
「どうも。」
と、言って星秀さんは勝ってやつからスマホを受け取った。よし。これで俺も健二からのメールが見れる…!ナイスだ星秀さん。
「誠也。ほら、見えるか?」
「はい。」
星秀さんは世話焼きな人だ。みんなにそうなのか?んーまぁいいや。この人は周りに流されない自分を持った人であることは確かだから…と、今はそれよりも健二からのメールを見ねぇと…。
「…星秀さん。」
「ん?」
「…これ、ほんとに健二さんからのメールですか?」
「そうだぞ。」
嘘だろ…。俺は健二からのメールを見て目を疑った。なんでかって?それは…。
''お前ら。勝手なことしていい度胸だな。誠也を泣かせてどのくらい経ったんだ?まぁいい。とにかく今すぐにやめろ。今すぐにやめるなら組長には黙っててやるから。俺も大事にしたくねぇからな。大事にして困るのは誠也だからよ。だからいいか?今すぐにだ。今すぐにやめろ。誠也をそれ以上傷つけるな。それと星秀。組長にバレねぇようにお前が誠也を風呂に入れろ。他の奴らは関与するな。分かったな。約束を破ればお前らの骨一本折るからな。''
って書いてあったから…。そうか…。こいつらが言ってた俺に治には言わないように仕向けるってのはこういう事だったのか。確かにそうだ。治にバレたらあいつの事だから俺になにかしてくるはず。けど健二はそれも防ぎながら俺を守ってくれた…。
「健二さんは随分お前が好きなんだな。」
「…え?」
相変わらず無表情のまま星秀さんが俺にそう言った。そんでまた話を始めた。今度は俺の目を見て…。
「俺は正直あの人が慈悲深い人だからそうなったのかと思った。けど違うな。俺もそうだ。俺もお前が気に入った。壊れたら捨てればいいと思っていたがそうもいかねぇな。誠也。俺はお前を本気で大切する。約束する。だからお前も俺には本音で話せ。怖い事からも言ってしまえばあいつらからも守ってやるから。」
約束…。約束なんて破るためにあるもんだろ…?そんな約束するもんじゃねぇよ…。
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