怖いお兄さん達に誘拐されたお話

星秀 ＊

｢はぁ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ、｣

｢大丈夫か？誠也。｣



大丈夫じゃねぇ…。けどやっと蓮が終わった…長かった。こいつまじで冗談じゃねぇぐらいの…絶倫だ…。



｢大丈夫じゃなさそうな顔してんな。まぁ俺絶倫だからな。｣

｢…………っ。｣

｢おい蓮。終わった後までいじめてやるなよ。つか終わったならさっさと退け。｣

｢あ？次はお前かよ星秀。｣

｢そうだ。だから退け。｣

｢うるせぇな言われなくても退くっての。けどその前にキスだけさせろ。｣

｢さっさと済ませろ。｣

｢へいへい。ほら誠也。こっち向け。｣



…嫌だ。気持ち悪い。けど逆らうのはもっと怖い…。こいつにもう二度と犯されたくない恐怖が俺を固まらせて拒否すら出来なくなっていた。



｢…………っ。｣

｢お、拒否しねぇの？いい子だな。｣

｢…っ、ぅ、｣



蓮に顔を鷲掴みにされて舌を入れられ歯茎を舐められる。そのどれも嫌で早く終われと俺は願っていた。



｢…っ………っ、ぅ、｣



早く…早く終われよ…。舌入れられんのが本当に嫌いだ。早く…早く…と俺が思っていると星秀が…。



｢おい蓮。長い。｣

｢相変わらずお前はケチくせぇな星秀さんよぉ。｣

｢お前が長いんだ。さっさと退け。お前が絶倫のせいでこっちは待たされてんだ。これ以上待てねぇよ。｣

｢分かった分かった。退いてやるよ。んじゃ、また後で楽しもうな誠也。｣



またなんてあってたまるか…と俺は蓮を睨んでやった。そんな俺を見て蓮は笑ってきた。何が面白いのか全く分からない。



｢誠也。｣



そう言いながら蓮とはすれ違いに星秀が俺の上に乗ってきた。俺にはもう逃げる気力がない。体力もない。それを多分こいつ…分かってる。



｢可愛いなお前。｣



なんだこいつ…。やらねぇのか？俺の上に乗ってからというもの星秀は俺の頭を撫でている。



｢………っ。｣

｢俺が怖いか？｣

｢…いえ。｣



って言ったのは俺の本音だ。星秀ってやつは怖くない。裏表がないような素直そうなやつ。だから蓮ってやつよりも渚ってやつよりも怖くはない。



｢そうか。なら良かった。｣

｢…………？｣



よかった…？なんなんだこいつ。全然良くねぇよ…。



｢俺は本当に優しくしてやる。痛いことも苦しいこともしない。だから怯えなくていい。｣

｢…………っ。｣



星秀はそう言って俺にキスをしてきた。けど頬にキスをした。多分分かってたんだろうな。俺が口にキスをされんのが嫌いだって…。



｢挿れるぞ。｣



その言葉を聞くだけで俺は怖くなる…。イクのはもうきついし単に嫌なんだ。苦しくて辛いから…。



｢誠也。俺を見ろ。震えなくて大丈夫だから。｣



なんなんだよ…。優しくすんなよ…。さっさと済ませろよ…！



｢…ふるえて、ねぇ。｣

｢震えてんじゃねぇか。怖くないから大丈夫だ。｣



そう言いながら星秀は俺を抱きしめてきた。やめろよ…。俺は抱きしめられることに慣れてないんだ…。慣れてないことをするな…！自分が壊れちまいそうになる…。



｢っ、やめろ！｣

｢嫌だったか？｣

｢やるならさっさとやれよっ、時間かけんな！｣



俺に優しくするな…！やめろ…！俺は可哀想なやつのままでいいんだよ…！変に優しくされると吐き気がする…！酷くしろよ…！やるならさっさとやれ…！なんだよこいつ…！なんで恋人を抱くみたいに気持ち悪いことすんだ…！



｢それは無理だ。お前が怯えてるのを見るのは好きじゃねぇ。｣

｢…なんだよ、それっ、なら逃がしてくれよ！｣

｢それは出来ない。｣



こいつ…こいつもそうだ。結局は自分のためじゃねぇか。自分の性欲を満たしたいだけだろ…。最低なやつばっかり…。



｢…なら優しくするな。吐き気がする。｣

｢おい誠也。星秀になんてこと言うんだ。躾がなってねぇやつだな。二輪挿しをしてやろうか？｣

｢やめろ凛翔。今は俺の時間だ。絡んでくるな。｣

｢わーかったよ。｣



二輪挿しってなんだ…？もうどうでもいい。終わるならなんでもいい。なのに星秀ってやつは気持ちが悪い…。



｢誠也。｣

｢…なんだよ。｣

｢震えは治まったみたいだな。｣

｢……………っ。｣



一々腹が立つ…。また頭も撫でてきやがった。のくせにケツの穴にちんこを当てる。腹が立つ…。やることやるならさっさと終わらせろよ…。



｢挿れるぞ。｣

｢さっさとしろ…っ！｣

｢そうか。なら遠慮なく挿れるぞ。怖かったら言えよ。｣



そう言ってまた星秀は俺の頭を撫でる。そんで頬にキスをする。それが嫌なはずなのにさっき蓮ってやつにあんだけ酷いことをされた後だからか優しくされると安心してしまう自分がいる。



｢………っ、く゛っ、ぅ、｣

｢きついか？｣

｢…、きつ、くねぇっ、｣



こいつ…でかい。まじで冗談じゃないぐらいでかい…。切れちまいそうだ…。いやけど気持ちいいより…痛い方がマシか…と俺が思っていると星秀が…。



｢嘘をつくな。きついくせに。ほらこっちを向け。｣

｢やめ…っ、ん゛っ！｣



口にはキスしてこなかったのに今度は口にキスをしてきた。そんで星秀ってやつは優しくまた頭を撫でてくる。悔しいけどそれに俺も安心してしまう…。



｢んん゛っ、ん…っ、ぅ…っ、ぷはっ、｣

｢大分落ち着いてきたようだな。ゆるんできたぞ。｣

｢あ…っ、ま、って、｣



ゆっくりと中に入ってくるこの感覚…。嫌いだ…。大っ嫌い…。早く…全部入れよ…。



｢待たねぇけど痛くはしねぇから、な？だからそう牙を向けるな。うんと気持ちよくしてやるからよ。｣