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46話 不貞腐れ
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「もぅ、やだっ、あはは、早く終わってよっ…!」
彌生の言った通り翔湊は本当にどこもかしこも敏感だった。特にお腹の中でも横腹が弱いようで撫でるだけで翔湊は体をビクビクさせていた。声を出さないように必死に耐えながらも耐えきれずに笑っている姿を見ると會澤はそこを触りたくなってしまう。
「お前楽しくなってきてるだろ。」
絶対に診察ではなさそうな行為をしている會澤を見て彌生がそう言った。だが彌生もまた翔湊を助けるつもりは無いらしい。その証拠にずっと翔湊の腕を掴み逃げられないようにしている。
「は?何言ってんだ。俺は診察をしてんだよ。」
會澤が頑張って真面目な顔を作りながらそう言ってきたのを見て彌生は思わずため息をついた。
「お前こそ何言ってんだ。どう見てもいじめだろ。俺が言えることじゃねぇけどよ。」
「はは、たしかにそうだな。でもお前の言う通りだ。ここまで反応がいいと辞めようと思っても辞められん。」
「だろ?翔湊は昔からそうなんだよ。くすぐったがりな上に敏感でよ。泣かせるまでいじめちまう。」
そう言って彌生が翔湊の顔を見ると翔湊は目に涙をいっぱいためながら笑いを堪えていた。會澤に好き放題お腹を触られた為だろう。そろそろ我慢の限界か…とは思いつつも彌生は翔湊の拘束を緩めることが出来なかった。それどころか翔湊の腕を一纏めにして片手で抑えた。翔湊をいじめている會澤を見て羨ましいと思ったのだらう。そして彌生は空いたもう片方の手で…。
「あはは、やだっ、やめて、はは、助けて、っ!」
翔湊の脇をくすぐり出した。彌生は會澤と違い翔湊の弱い所を知り尽くしているため一直線に脇の所まで手を伸ばしてこしょこしょとくすぐり始めた。翔湊は堪らず身体を一生懸命動かそうとする。しかし會澤に馬乗りされ彌生には両手を押さえつけられている。そんな状態で逃げられるはずがなかった。
「むりっぃ、あはは、やめてっ、はは、おねがいっ、!」
「そりゃ無理な話だな。」
悪い笑みを浮かべながら彌生にそう言われた。2人は本当に楽しそうに翔湊をくすぐっていた。彌生なんて服の中に手を入れ直で翔湊の脇をくすぐっている。それは翔湊にとっては地獄でしかない。撫でられるだけでもくすぐったい場所なのに彌生は指を細かく動かして休憩を与えることなく脇を攻めてくる。そろそろ本格的にやめて欲しくなった翔湊は彌生のことを睨んだ。
「最低だっ、あはは、はなせっ、ははっ!」
「だから無理だっつってんだろ。」
「あははっ、もう一生、はは、口いきてやらないっ、あはっ、嫌いだっ!」
翔湊が笑いながらそう言うと彌生が段々と笑みをなくしていった。そして最後に大っ嫌い。翔湊がそう叫んだ。すると彌生の顔が先程よりももっと怖くなった。やばい。嫌いと言ったことで彌生はくすぐる手を止めてくれたが翔湊は背筋が凍った。彌生の鬼のような面に…。
「なぁ、會澤。翔湊なんたけどよ、そこよりも弱いところあんだよ。知りてぇ?」
彌生は翔湊の服の中に入れていた手を一旦抜き會澤にそう言った。會澤も會澤で楽しそうにしており彌生の言ったことに興味津々だった。
「ああ、それは中々興味があるな。」
「ここだ。せっかくだからやってやれよ。」
彌生はある場所を指でさしながら會澤にそういった。その結果翔湊の目に大量の涙が溜まっていく。泣きそうになっている翔湊のことなんて気にもとめず彌生は會澤と話し続ける。
「脇か?だからさっきお前ずっとここやってたんだな。」
「ああ、そうだ。翔湊は脇のくぼみが大好きなんだよ。」
「ちがっ、彌生さんっ、ごめんっ、許して…っ!」
今度は彌生によって服を脱がされそうになったので翔湊は大慌てで彌生の手を掴んだ。絶対にまた拘束される。そう思ったが彌生は手を止めてくれた。
「ん?何を許して欲しいんだ?」
「…あ、えっと、嫌いって言ってごめんなさいっ、」
彌生がそう聞いてくるのは予想外だったため翔湊は謝るまでに時間がかかってしまった。なぜならいつもの彌生なら翔湊の意思なんて無視して強引にやってくるからだ。今回そう聞いてきたのはきっと翔湊が病み上がりだからだろう。そういう優しいところは嫌いじゃないと彌生に伝えようと翔湊が彌生のことを見ると彼は何故か悪い笑みを浮かべていた。
「ほんとに反省してんなら5秒以内に俺にキスしろ。そしたら今回は許してやる。」
そりゃそうだ。こうなるって分かりきっていた。彌生がタダで許してくれるはずなんてない。そんなことを思いながら翔湊が思考停止しているとーーー。
「ごー、よん、さーん。」
「やるっ、やるから…!」
彌生がカウントダウンを始めて翔湊は大急ぎで彌生の唇と自分の唇を合わせた。そして翔湊は当然のように彌生に後頭部を捕まれ舌を口の中に入れられ吸われた。その様子を會澤は苦笑いをしながら見ている。
「んん゛っ!」
「おい彌生。翔湊が苦しがってんぞ。」
會澤に見られている恥ずかしさからか翔湊はいつも以上に呼吸が上手く出来なかった。苦しそうにしている翔湊をみて會澤が助け舟を出した。そのおかげで翔湊はやっと彌生から解放される。そして失った酸素を取り戻すようにゆっくりと呼吸をし始めた。
「ああ、悪い悪い。」
絶対にそう思ってない。口だけだ。謝りながらも彌生は笑っているのだから。その様子を見て腹が立った翔湊は彌生を再び睨んでやった。
「翔湊。あんな奴はほっとけ。あとちょっとはしゃぎすぎだ。お前は病み上がりなんだからもう寝ろ。」
はしゃぎすぎ…?誰のせいだ!元はと言えば會澤さんがくすぐり出したせいなのに…と翔湊は怒ってやりたかったがそんな気力も残っていなかった。だから不貞腐れながらも無言で布団の中に入ろうとすると誰かに思いっきり腕を引っ張られた。
「俺の腕の中で寝ろ。それ以外の所で寝るのは許さん。」
「やだっ、彌生さん絶対変なことしてくるじゃんか…!」
彌生の言った通り翔湊は本当にどこもかしこも敏感だった。特にお腹の中でも横腹が弱いようで撫でるだけで翔湊は体をビクビクさせていた。声を出さないように必死に耐えながらも耐えきれずに笑っている姿を見ると會澤はそこを触りたくなってしまう。
「お前楽しくなってきてるだろ。」
絶対に診察ではなさそうな行為をしている會澤を見て彌生がそう言った。だが彌生もまた翔湊を助けるつもりは無いらしい。その証拠にずっと翔湊の腕を掴み逃げられないようにしている。
「は?何言ってんだ。俺は診察をしてんだよ。」
會澤が頑張って真面目な顔を作りながらそう言ってきたのを見て彌生は思わずため息をついた。
「お前こそ何言ってんだ。どう見てもいじめだろ。俺が言えることじゃねぇけどよ。」
「はは、たしかにそうだな。でもお前の言う通りだ。ここまで反応がいいと辞めようと思っても辞められん。」
「だろ?翔湊は昔からそうなんだよ。くすぐったがりな上に敏感でよ。泣かせるまでいじめちまう。」
そう言って彌生が翔湊の顔を見ると翔湊は目に涙をいっぱいためながら笑いを堪えていた。會澤に好き放題お腹を触られた為だろう。そろそろ我慢の限界か…とは思いつつも彌生は翔湊の拘束を緩めることが出来なかった。それどころか翔湊の腕を一纏めにして片手で抑えた。翔湊をいじめている會澤を見て羨ましいと思ったのだらう。そして彌生は空いたもう片方の手で…。
「あはは、やだっ、やめて、はは、助けて、っ!」
翔湊の脇をくすぐり出した。彌生は會澤と違い翔湊の弱い所を知り尽くしているため一直線に脇の所まで手を伸ばしてこしょこしょとくすぐり始めた。翔湊は堪らず身体を一生懸命動かそうとする。しかし會澤に馬乗りされ彌生には両手を押さえつけられている。そんな状態で逃げられるはずがなかった。
「むりっぃ、あはは、やめてっ、はは、おねがいっ、!」
「そりゃ無理な話だな。」
悪い笑みを浮かべながら彌生にそう言われた。2人は本当に楽しそうに翔湊をくすぐっていた。彌生なんて服の中に手を入れ直で翔湊の脇をくすぐっている。それは翔湊にとっては地獄でしかない。撫でられるだけでもくすぐったい場所なのに彌生は指を細かく動かして休憩を与えることなく脇を攻めてくる。そろそろ本格的にやめて欲しくなった翔湊は彌生のことを睨んだ。
「最低だっ、あはは、はなせっ、ははっ!」
「だから無理だっつってんだろ。」
「あははっ、もう一生、はは、口いきてやらないっ、あはっ、嫌いだっ!」
翔湊が笑いながらそう言うと彌生が段々と笑みをなくしていった。そして最後に大っ嫌い。翔湊がそう叫んだ。すると彌生の顔が先程よりももっと怖くなった。やばい。嫌いと言ったことで彌生はくすぐる手を止めてくれたが翔湊は背筋が凍った。彌生の鬼のような面に…。
「なぁ、會澤。翔湊なんたけどよ、そこよりも弱いところあんだよ。知りてぇ?」
彌生は翔湊の服の中に入れていた手を一旦抜き會澤にそう言った。會澤も會澤で楽しそうにしており彌生の言ったことに興味津々だった。
「ああ、それは中々興味があるな。」
「ここだ。せっかくだからやってやれよ。」
彌生はある場所を指でさしながら會澤にそういった。その結果翔湊の目に大量の涙が溜まっていく。泣きそうになっている翔湊のことなんて気にもとめず彌生は會澤と話し続ける。
「脇か?だからさっきお前ずっとここやってたんだな。」
「ああ、そうだ。翔湊は脇のくぼみが大好きなんだよ。」
「ちがっ、彌生さんっ、ごめんっ、許して…っ!」
今度は彌生によって服を脱がされそうになったので翔湊は大慌てで彌生の手を掴んだ。絶対にまた拘束される。そう思ったが彌生は手を止めてくれた。
「ん?何を許して欲しいんだ?」
「…あ、えっと、嫌いって言ってごめんなさいっ、」
彌生がそう聞いてくるのは予想外だったため翔湊は謝るまでに時間がかかってしまった。なぜならいつもの彌生なら翔湊の意思なんて無視して強引にやってくるからだ。今回そう聞いてきたのはきっと翔湊が病み上がりだからだろう。そういう優しいところは嫌いじゃないと彌生に伝えようと翔湊が彌生のことを見ると彼は何故か悪い笑みを浮かべていた。
「ほんとに反省してんなら5秒以内に俺にキスしろ。そしたら今回は許してやる。」
そりゃそうだ。こうなるって分かりきっていた。彌生がタダで許してくれるはずなんてない。そんなことを思いながら翔湊が思考停止しているとーーー。
「ごー、よん、さーん。」
「やるっ、やるから…!」
彌生がカウントダウンを始めて翔湊は大急ぎで彌生の唇と自分の唇を合わせた。そして翔湊は当然のように彌生に後頭部を捕まれ舌を口の中に入れられ吸われた。その様子を會澤は苦笑いをしながら見ている。
「んん゛っ!」
「おい彌生。翔湊が苦しがってんぞ。」
會澤に見られている恥ずかしさからか翔湊はいつも以上に呼吸が上手く出来なかった。苦しそうにしている翔湊をみて會澤が助け舟を出した。そのおかげで翔湊はやっと彌生から解放される。そして失った酸素を取り戻すようにゆっくりと呼吸をし始めた。
「ああ、悪い悪い。」
絶対にそう思ってない。口だけだ。謝りながらも彌生は笑っているのだから。その様子を見て腹が立った翔湊は彌生を再び睨んでやった。
「翔湊。あんな奴はほっとけ。あとちょっとはしゃぎすぎだ。お前は病み上がりなんだからもう寝ろ。」
はしゃぎすぎ…?誰のせいだ!元はと言えば會澤さんがくすぐり出したせいなのに…と翔湊は怒ってやりたかったがそんな気力も残っていなかった。だから不貞腐れながらも無言で布団の中に入ろうとすると誰かに思いっきり腕を引っ張られた。
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