極道達に閉じ込められる少年〜監獄

安達

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31話 誤算 *

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「どこが意地なんか張ってないだ。体は正直じゃねぇかよ。」

「翔湊らしくていいじゃねぇか。」

「うぁっ、ま、って…!」

「ん?待たねぇよ。頑張ってあと3回イこうな。」

 

3回?何の話だ。なんでそんなにイかされなきゃいけない。翔湊は先程彼らと口喧嘩をしたこともあり回数を増やされたことを忘れてしまっていた。それだけではなく目を逸らしたら1回回数が追加されるということも忘れてしまっていた。



「たく、お前は。1回追加だな。」

「ぇ、あっ、な、んでっ、あぁ゛っ!」

「なんでじゃねぇよ。目を逸らしたろ。もう忘れちまったのか?」



肱川はそのおかげで翔湊と遊べる時間が増えたから俺らにとってはいいことなんだがなと言いながら悪い笑みを浮かべた。



「やだっ、ぁ、そんなにっ、んあっ、イ、けな、ぃ、あぁっ、ん!」

「勝手にルールを忘れたお前が悪い。」

「んあっ、むりぃ、や、よぃ、さんっ、ぁ、たすけ、て、ょ…!」

「タダでは助けてやんねぇよ。俺がお前のこと助けたら何してくれんの?」



この彌生さんの鬼。さっきは止めてくれたじゃんか。ていうかさっきよりも今の方が止めて欲しいんだけど!それに何かしないと助けてくれないの酷すぎでしょ。でもそうしないと橘修さん達から逃げられない。これ以上イくのつらい…!もう、どうにでもなれ!



「ぅ、な、んでも、っするから、っぁ、おねがっ、ぃ、んっ、んあ!」

「何でも?あとからやっぱり辞めるとかなしだぞ?」

「わっか、ってる、から、ぁ、もぅ、むりぃっ、んっ、あぁっ、う゛っ…!」



絶対にろくでもないものを頼んでくるだろう。でも、それでも翔湊は今されている快楽地獄から一旦抜け出したかった。連続的に絶頂を迎えるのはそれだけ辛いのだ。



「いいぜ。それなら助けてやる。あと1回イった後でな。」

「あ゛っ…なんっ、で、ぅ、ひど、っぃ!」

「彌生も鬼畜だな。」

「てめぇらにだけは言われたくないわ。」



そう言って彌生は翔湊が早く達することができるように乳首をいたわりはじめた。



「なんでだよ。」

「お前が1番鬼畜だからだ肱川。」

「さぁどうだかねぇ。」



それって今の俺の目の前でする会話なの?翔湊は快楽を注ぎ込まれて必死に耐えている自分の前で彼らが呑気にそんな会話をするので睨んでやりたかったが余計なことをしては自分に不運が降り掛かってしまう。だから翔湊は耐えて耐えて耐えまくった。そしてそのかいもあって大きく腰をビクつかせ絶頂を迎えた。



「ぁっーーーー!!」

「よし頑張ったな翔湊。お前ら退け。」

「そう急かすなよ。」



やけにあっさり引くんだな、と翔湊は不思議に思った。先程までの肱川と橘修の言動を見ていて今の行動は信じられないからだ。普段絶対に引くことの無い2人が引いた。ということは…。



「んじゃ、仕事頑張れよお前ら。」

「おう。」

「チッ、やりたくねぇ。」



肱川はやる気に満ちた様子でパソコンを手に取り椅子に座っていった。橘修はと言うとまだ翔湊と戯れたかったらしく文句を言いながらではあったが肱川同様パソコンを持ち彼の隣の椅子に座った。



「仕事…?」

「あいつら今から仕事なんだよ。仕事っつってもパソコンでできる内容だからここですんだけどな。」



てことはどの道肱川さんと橘修さんからは解放されてたってことじゃんか。なのに3人で俺の事をーーー。



「騙したな!」

「騙される方が悪ぃよ。ちょっとは警戒しろよ。」

「うわっ、何すんだよ!」



彌生は翔湊をソファに押し倒した。そして馬乗りになり翔湊が起き上がることが出来ないように腕を頭の上で拘束する。



「約束したろ?なんでも言う事聞くって。」

「そんな約束した覚えはない…!」



約束をした覚えはあるけど彌生さん達だって嘘ついてたんだ。それなら俺だって反撃してやる。騙されて大人しく従うと思うなよ。翔湊はそんなことを思いながら彌生のことを睨み必死の抵抗を続けた。



「いじけんなよ。でも約束したからには守ってもらうからな。」

「絶対やだ…っ!」

「そういう事なら守ってくれる気になるまで待ってやるよ。」

「へぇ、ちゃんとやってたんだなお前ら。手を抜いてるかと思って心配になったけどこれなら任せられるな。」



皆、この声を聞いて空耳かと思った。だがそれほど声が似ている人がいるはずがない。それはこの声の主は豊だったからだ。豊は自分と同じような声質をしてる人を嫌い、最悪の場合この世から消しさる。だから人違いなはずがなかったのだ。そして声のした方を海田らが振り向くと案の定豊が居た。それと同時に彌生らは西嶋のことが心配になった。ここに豊がいるということはつまり作戦は失敗したということだから。



「若様。」



海田が言った「若様」というワードに敏感に反応した翔湊は恐怖のあまり思わず彌生に抱きついてしまった。まずいと思った彌生は慌てて自分が翔湊を無理やり引き寄せたように豊に見せた。翔湊のことを調教をしていないというのが豊に鵜呑みになってしまえば翔湊に危険が及んでしまうからだ。



「「お疲れ様です。」」

「随分お帰りが早かったですね。無事に戻られてなによりです。」

「俺が早く帰ってきたら都合悪かったか?」



豊は足音を立てて翔湊達がいるところまでゆっくりと歩いてきた。そして乱暴にソファに座り足を組む。



「いえ、そういう訳ではありません。遠くの方に仕事で向かわれたとお耳に入れましたので何かあったのかと心配になりまして。」

「相変わらず狡猾だな。よく口が回る。その特技を使ってこれまで何人の命を奪ってきたのか。はは、数え切れねぇな海田。」



明らかに嫌味を言ってきている。豊が言ったことは黙れという暗示だろう。だがここで豊を刺激する訳にはいかなかった。翔湊を守るために。危険な目に遭わせないためなら海田らはこれしきのことなど当然のように耐えられた。



「ありがとうございます。」 

「褒めてはねぇぞ。まぁいいや。俺がここに帰ってきたのは問題が起こったからだ。その問題ってのが中々面白くてよ。だから兄貴がお前らにもこの話をしてやれって言うからわざわざ帰ってきてやったんだよ。」
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