極道達に閉じ込められる少年〜監獄

安達

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15話 1日目

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「…若様、取引内容を教えて頂けますか?」



彌生達には取引をしないという選択肢はなかった。もし仮にしないと言えば潤樹が激怒してすぐにこの事を綉達に報告するだろう。そうなればこの組に翔湊を守るものがいなくなる。それは翔湊にとって残酷なものになることは一目瞭然だった。だから彌生は慎重に、潤樹を刺激しないようにまずは取引内容を確認しようとしたのだ。



「勿論だよ。この3日間翔湊に近づかないで。俺にどんなことをされたとしてもね。もちろん翔湊も俺から逃げることは許さない。」



潤樹がそう淡々と話し続けた内容に松永達は怒りが抑えられなくなる。だがしかし、相手は若様である潤樹だ。感情を抑えきれず正面からにぶつかって良い相手ではない。本来なら怒鳴り散らして殴ってやりたい気持ちを抑えて橘修達は冷静を装った。



「ただそれだけだよ。簡単でしょ?約束出来るよね?」

「分かった。」



翔湊が潤樹の方を真っ直ぐ向いてそう言った。何を言っているんだと堪らず彌生が翔湊の腕を掴む。



「ふざけんな。何言ってんだよお前。」

「これが最善策だよ。」



そんな事は松永達も分かっていた。でも、それでも翔湊が嫌な思いをするのは避けたかった。なのに結局翔湊を守りきれなかった。海田らは何も出来ない自分たちの無力さを痛感した。



「翔湊はいい子だね。こいつらと違って。さぁ、俺の部屋へ行こうか。約束は必ず守るから安心してよ。それはお前らが1番知ってるか。じゃあ、この3日間よろしく。」



そう言って潤樹は翔湊の腕を掴みこの部屋を出ていった。翔湊はこの3日間何をされるのか分からない恐怖から手に汗が滲んでいた。それが潤樹にも伝わったようで彼はそんな翔湊をみて笑みを浮かべる。



「緊張してる?」



潤樹の部屋に到着した時、彼が翔湊の顔を覗きながらそう聞いてきた。



「してないよ。」

「嘘、手が震えるじゃん。」



アイツらのことは怖がらないのに俺のことは怖いんだ、と言いながら潤樹が翔湊の事を優しい笑顔で見てきた。怒っているのにいつも笑う。翔湊はその潤樹の笑顔が恐怖でしか無かった。



「なんで、肱川さん達の計画が分かったの?」

「簡単な事だよ。まぁ翔湊には教えないけどね。あ、そうだ。先に言っとくけどこの3日間は翔湊自慰禁止だから。もし、この言いつけ破ったら死ぬほど酷い目に遭わせてあげる。分かった?」

「…うん、わかった。」



もう既に潤樹達3人によって翔湊は死ぬほど酷いに遭わされている。だから潤樹を怒らせればどうなるか身にしめて分かっている。翔湊は潤樹の機嫌を損ねないように顔色を伺いながら言うことを聞いた。



「じゃあまずは脱いで。」



翔湊が言い返そうとすると潤樹がものすごい目付きで睨んできた。怒らせたらまずいのに。潤樹を怒らせると手がつけられなくなる。それがわかっていたはずなのに反射的に反抗の目をしてしまった。だから翔湊は震えながら服をゆっくりと脱いでいった。



「うん、いい子だね。3日間そのままでいてね。じゃないと酷いことしちゃいそうだから。分かった?」

「っ…わかった。」

「こっちにおいで。」



言う通りに潤樹の傍に行けば必ず酷く抱かれる。でも行かないという選択肢は翔湊にない。怖い。泣きたい。彌生たちに会いたい。翔湊はその気持ちを押し殺しながらこの恐怖の時間に耐えていた。



「ん?この跡は俺たちがつけたものじゃないよね。」



潤樹がそう言うと翔湊は酷く動揺した。鼓動が激しくなり呼吸数も上がっていく。その姿を見て潤樹は翔湊についているキスマークに爪を食い込ませた。翔湊はその痛みに歯を食いしばって耐える。



「ふーん、そういう事ね。彌生達に可愛がってもらったんだ。気持ちよかった?」

「それはっ…」



潤樹は狼狽えている翔湊の様子を見て髪の毛を鷲づかんだ。その痛みに翔湊は顔を顰める。



「まぁいいや。あいつらの話はもうこれで終わり。ここに座って。」



翔湊は潤樹を怒らせてしまった焦りから冷や汗が出る。冷や汗だけではない体まで震えだしていた。震える足で潤樹の言った通りベットの上に座った。すると翔湊が自分の言うことを素直に聞いたことに満足したのか潤樹はベットに座る翔湊のことを優しく抱きしめた。



「翔湊は暖かいね。念の為これもつけておこうか。」



そう言って潤樹は翔湊に足枷をつけた。足枷の先はベットの足に繋がっておりこの部屋から出ることは叶いそうになった。



「こんなことしなくても俺は逃げないよ。」

「そんなの分かんないでしょ?今から俺に色んな事されたら怖くなって逃げ出すかもしれないじゃん。」

「…なにするの?」

「言ったら面白くないじゃんか。何をされるのか分からない恐怖の顔に染ってる翔湊の顔を見れなくなっちゃう。」
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