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9話 離れて
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「翔湊、機嫌直せって。」
彌生が翔湊の頬をつまんだり頭を撫でたりと機嫌をとろうとするが、翔湊はそれを全て無視していた。
「俺がマッサージしてやるよ。」
「いらない!」
翔湊は彌生が腰に手をかけようとしたので堪らず起き上がる。だが、それにより腰の痛みが悪化してしまった。
「遠慮すんなって。」
「あんま暴れんな翔湊。悪化すんぞ。」
「だったら離れろっ!」
松永が馬乗りになってきた。これではまともに動くことが出来ない。
「っ…!」
「お前ほんと敏感だな。」
体を撫でられる度にビクつかせている翔湊を見て彌生と松永は悪い笑みを浮かべる。
「ぅ…やめてっ!」
「それは聞いてやれねぇな。」
「俺もだ。」
無理だ、これ以上は耐えられない。翔湊はすぐ近くにいる西嶋に助けてと目線を送った。
「お前らなんでそんな呑気なんだよ。」
俺が求めてるのはそんな言葉じゃないのに!
未だに止まることの無い彌生と松永の手の動きによって苦しめられている翔湊は2人の下から何とかして抜け出そうと一生懸命体に力を入れる。そんな風に戯れている3人を見て西嶋がため息をつく。
「なんか問題でもあるか?」
「ありまくりだろ。」
松永と彌生は西嶋が何を言っているのか全くわかっていない様子だった。だがそのおかげで翔湊はやっと2人の手から開放される。
「は?」
「たく、お前らは。明日は橘修来る日だろうが。あいつをどう説得すんだよ。」
「あーそういうことか。それなら問題は無い。」
西嶋が思っていることが分かると彌生がそう言った。あれほど西嶋が焦っていたので余程重大な事かと思ったがそれほど焦る内容でも無かった為、油断している翔湊のペニスを掴んだ。
「ちょっ、何してんだっ!」
「西嶋は馬鹿だからわかんねぇだろうが、あいつは良い奴なんだよ。地雷踏むとやべぇけどな。だから大丈夫だろ。なんとかなるさ。」
「お前さ、毎回どっかで俺をけなしてくるよな。まぁ確かにそうか。」
「俺は橘修さんのこと怖い。」
橘修のことを信じてない訳では無いが、怒ると翔湊がそう思うほど怖いのだ。
「翔湊はそうなるよな。仮に万が一があったとしても俺が守ってやるから安心しろ。」
「うん。」
「とりあえず風呂入ろうぜ。」
彌生がそう言って翔湊を抱き上げる。
「うわっ、歩けるよっ…!」
「意地張んなって。大人しく運ばれとけ。」
「お前らも来んの?」
後ろからついてくる松永と西嶋を見て彌生が少し嫌そうな顔をする。どうやら2人で入りたかったようだ。
「あったりめぇだろ。」
「あ、橘修。」
「は?」
彌生がそういったのを聞いて皆がドアの方を向いた。そこにはこの場で起こっていることを見て衝撃を受けている橘修がいた。
「お前ら…。」
「おい落ち着けって。これは、」
橘修は松永らが翔湊を無理やり襲ったと勘違いしている様子だったので西嶋が慌てて弁解をしようと彼に近寄る。
「まじで翔湊を調教したのかよ…。そんなヤツらとは思わなかった。」
「何勝手に勘違いして俺らの評判下げてんだよ。違ぇよ。つか、まず話を聞け。」
慌てている西嶋とは裏腹に彌生と松永は落ち着いていた。
「間違ったことでも言ったか?」
「ああ。間違えまくりだよ。俺らは無理矢理なんてしてねぇ。合意の上だ。」
「彌生の言う通りだ。なぁ?翔湊。」
「うん。そうだよ。」
いやほんとは違うんだけどね。俺はそもそも合意なんてしてない。だけどここでほんとの事言ったらみんなの間に溝ができちゃうからさ。そう言うしかないんだ。それに俺はみんなを仲違いさせたい訳じゃないからね。
「…嘘ではなさそうだな。」
橘修が翔湊の顔を覗きこんで言った。
「おい橘修、お前さ俺らのことそんなに信じられねぇわけ?」
どこまでも深く疑う橘修も見て西嶋が呆れ顔をして言う。
「いや信じてるぜ。彌生と松永のことはな。」
「喧嘩売ってんのか。」
「冗談だって。怒んなよ。」
橘修が笑いながら西嶋の肩を叩いた。
「今から風呂入んの?」
「ああ。」
「俺も同席させてもらおうか。」
「………え?」
彌生が翔湊の頬をつまんだり頭を撫でたりと機嫌をとろうとするが、翔湊はそれを全て無視していた。
「俺がマッサージしてやるよ。」
「いらない!」
翔湊は彌生が腰に手をかけようとしたので堪らず起き上がる。だが、それにより腰の痛みが悪化してしまった。
「遠慮すんなって。」
「あんま暴れんな翔湊。悪化すんぞ。」
「だったら離れろっ!」
松永が馬乗りになってきた。これではまともに動くことが出来ない。
「っ…!」
「お前ほんと敏感だな。」
体を撫でられる度にビクつかせている翔湊を見て彌生と松永は悪い笑みを浮かべる。
「ぅ…やめてっ!」
「それは聞いてやれねぇな。」
「俺もだ。」
無理だ、これ以上は耐えられない。翔湊はすぐ近くにいる西嶋に助けてと目線を送った。
「お前らなんでそんな呑気なんだよ。」
俺が求めてるのはそんな言葉じゃないのに!
未だに止まることの無い彌生と松永の手の動きによって苦しめられている翔湊は2人の下から何とかして抜け出そうと一生懸命体に力を入れる。そんな風に戯れている3人を見て西嶋がため息をつく。
「なんか問題でもあるか?」
「ありまくりだろ。」
松永と彌生は西嶋が何を言っているのか全くわかっていない様子だった。だがそのおかげで翔湊はやっと2人の手から開放される。
「は?」
「たく、お前らは。明日は橘修来る日だろうが。あいつをどう説得すんだよ。」
「あーそういうことか。それなら問題は無い。」
西嶋が思っていることが分かると彌生がそう言った。あれほど西嶋が焦っていたので余程重大な事かと思ったがそれほど焦る内容でも無かった為、油断している翔湊のペニスを掴んだ。
「ちょっ、何してんだっ!」
「西嶋は馬鹿だからわかんねぇだろうが、あいつは良い奴なんだよ。地雷踏むとやべぇけどな。だから大丈夫だろ。なんとかなるさ。」
「お前さ、毎回どっかで俺をけなしてくるよな。まぁ確かにそうか。」
「俺は橘修さんのこと怖い。」
橘修のことを信じてない訳では無いが、怒ると翔湊がそう思うほど怖いのだ。
「翔湊はそうなるよな。仮に万が一があったとしても俺が守ってやるから安心しろ。」
「うん。」
「とりあえず風呂入ろうぜ。」
彌生がそう言って翔湊を抱き上げる。
「うわっ、歩けるよっ…!」
「意地張んなって。大人しく運ばれとけ。」
「お前らも来んの?」
後ろからついてくる松永と西嶋を見て彌生が少し嫌そうな顔をする。どうやら2人で入りたかったようだ。
「あったりめぇだろ。」
「あ、橘修。」
「は?」
彌生がそういったのを聞いて皆がドアの方を向いた。そこにはこの場で起こっていることを見て衝撃を受けている橘修がいた。
「お前ら…。」
「おい落ち着けって。これは、」
橘修は松永らが翔湊を無理やり襲ったと勘違いしている様子だったので西嶋が慌てて弁解をしようと彼に近寄る。
「まじで翔湊を調教したのかよ…。そんなヤツらとは思わなかった。」
「何勝手に勘違いして俺らの評判下げてんだよ。違ぇよ。つか、まず話を聞け。」
慌てている西嶋とは裏腹に彌生と松永は落ち着いていた。
「間違ったことでも言ったか?」
「ああ。間違えまくりだよ。俺らは無理矢理なんてしてねぇ。合意の上だ。」
「彌生の言う通りだ。なぁ?翔湊。」
「うん。そうだよ。」
いやほんとは違うんだけどね。俺はそもそも合意なんてしてない。だけどここでほんとの事言ったらみんなの間に溝ができちゃうからさ。そう言うしかないんだ。それに俺はみんなを仲違いさせたい訳じゃないからね。
「…嘘ではなさそうだな。」
橘修が翔湊の顔を覗きこんで言った。
「おい橘修、お前さ俺らのことそんなに信じられねぇわけ?」
どこまでも深く疑う橘修も見て西嶋が呆れ顔をして言う。
「いや信じてるぜ。彌生と松永のことはな。」
「喧嘩売ってんのか。」
「冗談だって。怒んなよ。」
橘修が笑いながら西嶋の肩を叩いた。
「今から風呂入んの?」
「ああ。」
「俺も同席させてもらおうか。」
「………え?」
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