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外出許可

甘え

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*庵視点







「庵。泣き止んだ?」

「…泣き止んでない。」



いや、とっくに泣き止んでる。だって俺が泣き始めてから軽く1時間は経ってるはずだから。だから俺は結構前に泣き止んでた。だけど亮から離れたくなくて必死に俺は亮にしがみ続けてた。



「そうかそうか。ならホットタオル取ってくるから一回離れろ。」

「………………っ。」



なんだよそれ…っ。俺はそんなの頼んでないもん。いつもは俺が何言っても離れないくせに今はなんで離れてくの…っ。やだ…っ。



「庵?」

「…やだ。」

「そうか。ならここにいる。」

「…………っ。」



今は亮に何を言っても許してくれる。俺はそんな状況を利用して甘えまくってた。亮も今は俺に強く出れないから。



「…亮。」

「ん?」

「亮のばか…。」

「そうだな。」



亮は苦笑いしながら俺の頭を撫でている。馬鹿とか言っても言い返すことなく亮は俺を抱きしめてくれる。言い合いになっちゃったけど俺はさっき亮と本音で話せてよかったって思ってる。あと我慢しててもなんの意味もないってわかった。亮には亮の気持ちがあってそれも俺は理解しようとしてなかった。だからお互い様の部分もあるんだけど俺の体の負担が今回は大きかったから今甘えまくるんだ。



「もっとぎゅーして!」

「はいはい。」

「もっと…!!」

「これでいいか?」

「…うん。」



俺の言う通りに亮が動いてくれる。抱きしめてくれる。しばらく俺はこのままでいたい。けどそれにしても龍達…遅いな。



「りょーう…。」

「今度はなんだ?」

「龍たち遅いね。」

「そうだな。仕事が長引いてんだろ。」

「亮は行かなくていいの?」

「俺はここにいる。」

「どうして?」

「んなもん決まってんだろ。お前が大事だからだ。」



亮はそう言いながら俺の顔を触ってきた。亮は最近俺の頬をよく触ってくる。ぷにぷにして気持ちがいいらしい。ここに来てから俺は甘やかされてきたからちょっと太ってその影響が出てるんだよね。でも俺は気にしない。太っても亮たちは俺を愛してくれるって分かってるから。



「りょー。さっき怒ってごめんね。」

「は?なんでお前が謝ってんだよ。悪いのは俺らだろ。つーか…この先もお前に不便な思いとか窮屈な思いさせるかも…いやさせちまう。ごめんな。」

「いいよ。俺は幸せだから。」

「…なら良かった。ありがとうな庵。俺らはお前が幸せならそれでいい。」



と、亮が言ったその時…。



プルルルル



携帯が鳴った。亮の携帯だ。仕事の電話かもしれないから俺は話をやめて亮に抱きついた。そしたら亮も俺の事抱き締め返してくれて俺は密かに喜んだ。



「あ、組長からだ。」

「え?龍…?」

「ああ。庵、お前出てやれよ。」

「いいの?亮が出た方がいいんじゃないの?」

「いや、俺が出るより庵が出た方が喜んでくれる。だからほら、出てやれ。」

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