152 / 210
糸
悪態 *
しおりを挟む
「おい庵!お前今高熱出てんだぞ!あんま調子乗んな!悪化すんだろうが!」
と、激怒した亮。普通に今庵は高熱を出しているしそれが長引けば庵はもっと大変な思いをする。なのにご飯も食べない上にぎゅーやらちゅーやらしてと繰り返す。そんな可愛い庵を見て亮は我慢するのもやっとだった。だからこうして怒ってしまったのだろう。
「でもちゅー……っ、してほしいもんっ…!」
「あーたく、分かったから。ほらこっち向け。」
またポロポロと涙を流し始めた庵。亮はどうしても庵に泣かれると弱くなる。今は特に庵が熱を出しているというのもあって亮は折れてしまった。
「はやく…ちゅーしてっ、」
「やってやるからもう泣くな。」
「だ、だってりょうが…っ、んんっ!」
亮は庵が言おうとした言葉を妨げるように庵にキスをした。ただし深いキスではなく唇が当たるだけの軽いキス。ここで深いキスをしてしまえば庵のスイッチが入ってしまう。そうなったら亮の方が我慢出来なくなってしまう恐れがあったため亮はそうしたのだ。
「…え、りょうおわり?」
「そうだ。」
「やだっ…もう一回して…っ、」
「お前が飯を食うならしてやる。」
「うぅ…っ、」
熱が出ると庵はこうなるのだろうか。いやけれど前はこうならなかった。まぁあの時はここに庵が来たばかりのときで怯えまくっていたからそうはならないだろうが今回は亮が手を焼いてしまうまでに庵は泣きまくり甘えまくっていた。
「おい泣くなって。俺が悪者みてぇじゃねぇか。」
「りょ、うおれのこと、きらいなんだ…っ、」
「はぁ!?んなわねねぇだろ!愛してるわ!」
「ならなんでぎゅーもちゅーもしてくれないの…!」
「それはお前が本調子じゃねぇからだ。くそ、こりゃ参ったな。組長に電話するか。」
亮はこの状態の庵を1人では見切れないと思い龍之介に電話をすることにした。そしたらもし亮の理性が無くなって庵に襲いかかったとしても龍之介が止めてくれるから。
「あ、お疲れ様です組長。」
今仕事に行っているであろう龍之介だが亮の電話にすぐに出てくれた。そのため亮は心から安心した。
「どうした?庵に何かあったか?」
「それが…庵が高熱を出してしまって。」
「そうか。庵の調子は?」
「解熱剤飲ませたんで大分体は楽になった感じです。ですがなんか知らねぇけどくそ甘えん坊になっちまって…。」
「は?甘えん坊?あの庵が?」
龍之介は亮の言ったことに対してそんなわけあるかと言わんばかりにそう言ってきた。だがその反応は正しいだろう。亮だって龍之介と立場が逆だったら信じていないだろう。いつも庵は亮らが無理矢理言わせなくては好きとかも言ってこないのだから。
「だから早く帰って来れませんかね?お願いします組長。俺一人だといつか庵を襲っちまいそうで怖いんですよ。」
「ちょうど今から帰ろうとしていたからそれはいいが…。」
「本当ですか?助かります。というか栗濱の件はなんだったのですか?」
「あー栗濱が最後の悪足掻きに旭川さんが管理してた顧客リストを盗んだそうだ。だがそれは偽データだったみたいで俺達に影響はなかった。だがまぁ許されねぇ行動だから栗濱は今旭川さんとこの幹部に拷問されてるよ。」
「自業自得ですねそれは。旭川さんも暇じゃねぇのに最悪ですね。」
「いや旭川さんはなんか用事があるとか言って先に帰った。」
龍之介がそう言ったのを聞いて亮は驚いた。それは龍之介が勝手に思っていたから。旭川寛也は自分の目で全てが終わるまで見届ける人だ…と。
「そうなんですか?意外です。旭川って事が終わるまで見守ってそうなのに。」
「そうだな。まぁ何かあったんだろう。俺も庵がいるから実際帰ろうとしてるしな。」
「そうですね。」
「ああ。それじゃ瀧と今から帰る。それまで庵を頼むな。」
「はい。お気を付けて。」
亮はそう言って龍之介が電話を切るのを待った。そして龍之介が電話を切ったのを確認すると目の前にいる庵を見た。すると庵はまぁ案の定不貞腐れていた。亮が龍之介と電話をしている間放っておかれたから。
「…りょ、が俺のこと無視した。」
「してねぇよ。ずっと抱きしめてやってただろ。」
「ちゅーしてくれなかった…。」
「さっきしたじゃねぇか。ほらもう横になっとけ。熱出てんだから。」
「や、だ…っ!」
「そうかそうか。なら無理やり横にならせてやるよ。休んどけこの甘ったれが。」
亮はそう言うと庵を無理矢理横に寝かせた。そしてその後庵が起きてこないように亮自身も横になり庵をがっちりホールドした。だがそれが良かったのかもしれない。亮に包まれたことで庵は安心した様子だった。
「りょーう。」
「今度はなんだよ。」
「りゅーは?」
さっき亮が龍之介と電話していたのを知っている庵はそう聞いた。庵は多分早く龍之介に会いたいのだろう。
「今から帰ってくるって。だからお利口さんにしとこうな。」
「…じゃあそれまでチューして。」
庵にそう言われ亮は危うく庵にキスをしてしまうところだった。ここで庵にキスをすれば甘ったれが更に悪化する。だから我慢しなくてはならないのだ。もう既に亮は限界突破寸前。我慢するのもやっとだったがご飯を食べさせないといけないことを亮はここで思い出した。
「飯が先な。」
「やーだ。」
「たく、こいつめ…。熱が出てなかったら懲らしめてたぞこの野郎…。」
亮はつい本音が漏れてしまう。今すぐに抱きたい。キスをしたい。それを押えているのだから。もう陰茎なんて大きく膨れ上がっている。つまり亮は生殺しの状態がずっと続いているのだ。そんな亮に庵は…。
「りょーはやく。」
「あ?」
「ちゅーして…。」
「駄目だっつってんだろ。」
「なんでよ…っ、けち、亮のばか…っ。」
「飯食ったらいくらでもしてやるから。」
どうにかしてご飯だけでも食べさせたい亮は庵に駄目元でそう言った。しかしやはり今の庵は亮が何を言っても引かなかった。
「後でいいじゃん…っ、ちゅーして!」
「だから飯が先だって。」
「…うぅっ、」
「あーたくお前は。そうやって可愛い顔すんじゃねぇ。食っちまいたくなるだろ。」
と、言った亮だがすぐに後悔した。今の庵にそんなことを言ってしまえば…。
「いいよ。ちゅーしてくれたら食べていいよ。」
「………。」
亮は完全にやっちまったと頭を抱えた。完全に庵のスイッチが入ってしまったから。そして庵はついに熱が出ているのに早く抱いて欲しいと亮に甘えだしてきた。
「りょ、えっちする…?」
「…しねぇよ馬鹿。」
「りょうのおっきくなってるよ…?」
庵はそう言いながら亮の大きくなった陰茎を服越しに触った。そのため亮は庵の手を直ぐに拘束した。これ以上触られたら本当に襲ってしまうから。
「黙れこのクソガキが。お前が目の前にいるだけで俺は勃起すんだよ。」
「なら俺が責任とったげる…。」
「駄目だ。ただでさえ高熱なんだ。無理させられねぇ。」
と、言ったのと同時に亮は決意した。庵の熱が下がったら絶対に泣かせてやる…と。いくら庵がやめてと泣いてきてもやめてやらない。それを亮は決めたのだ。
「…りょのばかぁ…っ、いつもは俺が嫌がってもするのになんで今日はしないのばかっ、」
「だから高熱が出てるだろうが。そんな状態で抱けるかよ。」
亮は汗すらもかいていた。それだけ今必死に庵を抱かないように手を出さないように耐えているのだ。だがそれも限界に近い。いや限界なんてとうの昔に超えている。早く龍之介が帰ってきて欲しい。亮がそれを強く思ったその時…。
ガチャ
「帰ったぞ亮。」
「組長……!!!!」
ずっと待っていた龍之介が帰ってきた。そのため亮はあまりの嬉しさから起き上がってそう叫んでしまった。
「うるせぇなお前は。んで、庵は?」
「この有様です。」
「ほぅ…。」
亮は龍之介に状況を何も言わなかったが龍之介にはどうやらわかったらしい。そして瀧雄もそうだ。どんな状況で亮がどんな思いだったのかそれを一瞬で理解したようだ。そうとも知らない庵は龍之介に…。
「りゅーおかえり!」
「おう。ただいま。たく、俺の許可なしに熱とか出してんじゃねぇよ。」
「りゅー帰ってきたの嬉しいっ、ぎゅーして。」
と言って庵は龍之介に抱きついた。その庵を見て龍之介は驚いた。ここまで甘ったれになってると思いもしなかったから。
「おい亮。これなんだよ。ここまで甘ったれになってんのか?」
「だから言ったじゃないですか組長。俺はさっきから我慢すんので必死なんです。もう辛いですよ。泣きたいですもう。」
亮は本当に辛そうな顔をしてそう言った。そんな亮を哀れんだ目で瀧雄は見ていた。相当亮が庵に手を焼いたのがわかったのだろう。だが龍之介は何故か庵を重視していた。そして…。
「おい亮。庵を貸せ。」
「…え?」
「いいから貸せ。」
「しょ、承知しました。」
あまりにも急に龍之介がそう言い出したので亮は混乱してしまった。だがすぐに庵を龍之介に渡した。
「庵。」
「りゅーだ!ちゅーしてくれるの…?」
「お前な、いくら熱が出て何もされないっと分かっててもやっていい事と悪いことがあるぞ。それによぉ、亮は騙せても俺の事は騙せると思うなよ。つか下手なんだよ演技が。」
またチューしてと甘えだした庵に龍之介はそう言った。だが瀧雄と亮はその言葉の意味がわからずキョトンとしていた。
「…組長何言ってるんです?」
演技…?これが…?そんなことあるはずがない。そう思った亮は龍之介にそう言った。だがそんな亮に龍之介は呆れ顔を浮かべた。
「お前も騙されてんじゃねぇよ。この下手くそな庵の演技に。」
と、激怒した亮。普通に今庵は高熱を出しているしそれが長引けば庵はもっと大変な思いをする。なのにご飯も食べない上にぎゅーやらちゅーやらしてと繰り返す。そんな可愛い庵を見て亮は我慢するのもやっとだった。だからこうして怒ってしまったのだろう。
「でもちゅー……っ、してほしいもんっ…!」
「あーたく、分かったから。ほらこっち向け。」
またポロポロと涙を流し始めた庵。亮はどうしても庵に泣かれると弱くなる。今は特に庵が熱を出しているというのもあって亮は折れてしまった。
「はやく…ちゅーしてっ、」
「やってやるからもう泣くな。」
「だ、だってりょうが…っ、んんっ!」
亮は庵が言おうとした言葉を妨げるように庵にキスをした。ただし深いキスではなく唇が当たるだけの軽いキス。ここで深いキスをしてしまえば庵のスイッチが入ってしまう。そうなったら亮の方が我慢出来なくなってしまう恐れがあったため亮はそうしたのだ。
「…え、りょうおわり?」
「そうだ。」
「やだっ…もう一回して…っ、」
「お前が飯を食うならしてやる。」
「うぅ…っ、」
熱が出ると庵はこうなるのだろうか。いやけれど前はこうならなかった。まぁあの時はここに庵が来たばかりのときで怯えまくっていたからそうはならないだろうが今回は亮が手を焼いてしまうまでに庵は泣きまくり甘えまくっていた。
「おい泣くなって。俺が悪者みてぇじゃねぇか。」
「りょ、うおれのこと、きらいなんだ…っ、」
「はぁ!?んなわねねぇだろ!愛してるわ!」
「ならなんでぎゅーもちゅーもしてくれないの…!」
「それはお前が本調子じゃねぇからだ。くそ、こりゃ参ったな。組長に電話するか。」
亮はこの状態の庵を1人では見切れないと思い龍之介に電話をすることにした。そしたらもし亮の理性が無くなって庵に襲いかかったとしても龍之介が止めてくれるから。
「あ、お疲れ様です組長。」
今仕事に行っているであろう龍之介だが亮の電話にすぐに出てくれた。そのため亮は心から安心した。
「どうした?庵に何かあったか?」
「それが…庵が高熱を出してしまって。」
「そうか。庵の調子は?」
「解熱剤飲ませたんで大分体は楽になった感じです。ですがなんか知らねぇけどくそ甘えん坊になっちまって…。」
「は?甘えん坊?あの庵が?」
龍之介は亮の言ったことに対してそんなわけあるかと言わんばかりにそう言ってきた。だがその反応は正しいだろう。亮だって龍之介と立場が逆だったら信じていないだろう。いつも庵は亮らが無理矢理言わせなくては好きとかも言ってこないのだから。
「だから早く帰って来れませんかね?お願いします組長。俺一人だといつか庵を襲っちまいそうで怖いんですよ。」
「ちょうど今から帰ろうとしていたからそれはいいが…。」
「本当ですか?助かります。というか栗濱の件はなんだったのですか?」
「あー栗濱が最後の悪足掻きに旭川さんが管理してた顧客リストを盗んだそうだ。だがそれは偽データだったみたいで俺達に影響はなかった。だがまぁ許されねぇ行動だから栗濱は今旭川さんとこの幹部に拷問されてるよ。」
「自業自得ですねそれは。旭川さんも暇じゃねぇのに最悪ですね。」
「いや旭川さんはなんか用事があるとか言って先に帰った。」
龍之介がそう言ったのを聞いて亮は驚いた。それは龍之介が勝手に思っていたから。旭川寛也は自分の目で全てが終わるまで見届ける人だ…と。
「そうなんですか?意外です。旭川って事が終わるまで見守ってそうなのに。」
「そうだな。まぁ何かあったんだろう。俺も庵がいるから実際帰ろうとしてるしな。」
「そうですね。」
「ああ。それじゃ瀧と今から帰る。それまで庵を頼むな。」
「はい。お気を付けて。」
亮はそう言って龍之介が電話を切るのを待った。そして龍之介が電話を切ったのを確認すると目の前にいる庵を見た。すると庵はまぁ案の定不貞腐れていた。亮が龍之介と電話をしている間放っておかれたから。
「…りょ、が俺のこと無視した。」
「してねぇよ。ずっと抱きしめてやってただろ。」
「ちゅーしてくれなかった…。」
「さっきしたじゃねぇか。ほらもう横になっとけ。熱出てんだから。」
「や、だ…っ!」
「そうかそうか。なら無理やり横にならせてやるよ。休んどけこの甘ったれが。」
亮はそう言うと庵を無理矢理横に寝かせた。そしてその後庵が起きてこないように亮自身も横になり庵をがっちりホールドした。だがそれが良かったのかもしれない。亮に包まれたことで庵は安心した様子だった。
「りょーう。」
「今度はなんだよ。」
「りゅーは?」
さっき亮が龍之介と電話していたのを知っている庵はそう聞いた。庵は多分早く龍之介に会いたいのだろう。
「今から帰ってくるって。だからお利口さんにしとこうな。」
「…じゃあそれまでチューして。」
庵にそう言われ亮は危うく庵にキスをしてしまうところだった。ここで庵にキスをすれば甘ったれが更に悪化する。だから我慢しなくてはならないのだ。もう既に亮は限界突破寸前。我慢するのもやっとだったがご飯を食べさせないといけないことを亮はここで思い出した。
「飯が先な。」
「やーだ。」
「たく、こいつめ…。熱が出てなかったら懲らしめてたぞこの野郎…。」
亮はつい本音が漏れてしまう。今すぐに抱きたい。キスをしたい。それを押えているのだから。もう陰茎なんて大きく膨れ上がっている。つまり亮は生殺しの状態がずっと続いているのだ。そんな亮に庵は…。
「りょーはやく。」
「あ?」
「ちゅーして…。」
「駄目だっつってんだろ。」
「なんでよ…っ、けち、亮のばか…っ。」
「飯食ったらいくらでもしてやるから。」
どうにかしてご飯だけでも食べさせたい亮は庵に駄目元でそう言った。しかしやはり今の庵は亮が何を言っても引かなかった。
「後でいいじゃん…っ、ちゅーして!」
「だから飯が先だって。」
「…うぅっ、」
「あーたくお前は。そうやって可愛い顔すんじゃねぇ。食っちまいたくなるだろ。」
と、言った亮だがすぐに後悔した。今の庵にそんなことを言ってしまえば…。
「いいよ。ちゅーしてくれたら食べていいよ。」
「………。」
亮は完全にやっちまったと頭を抱えた。完全に庵のスイッチが入ってしまったから。そして庵はついに熱が出ているのに早く抱いて欲しいと亮に甘えだしてきた。
「りょ、えっちする…?」
「…しねぇよ馬鹿。」
「りょうのおっきくなってるよ…?」
庵はそう言いながら亮の大きくなった陰茎を服越しに触った。そのため亮は庵の手を直ぐに拘束した。これ以上触られたら本当に襲ってしまうから。
「黙れこのクソガキが。お前が目の前にいるだけで俺は勃起すんだよ。」
「なら俺が責任とったげる…。」
「駄目だ。ただでさえ高熱なんだ。無理させられねぇ。」
と、言ったのと同時に亮は決意した。庵の熱が下がったら絶対に泣かせてやる…と。いくら庵がやめてと泣いてきてもやめてやらない。それを亮は決めたのだ。
「…りょのばかぁ…っ、いつもは俺が嫌がってもするのになんで今日はしないのばかっ、」
「だから高熱が出てるだろうが。そんな状態で抱けるかよ。」
亮は汗すらもかいていた。それだけ今必死に庵を抱かないように手を出さないように耐えているのだ。だがそれも限界に近い。いや限界なんてとうの昔に超えている。早く龍之介が帰ってきて欲しい。亮がそれを強く思ったその時…。
ガチャ
「帰ったぞ亮。」
「組長……!!!!」
ずっと待っていた龍之介が帰ってきた。そのため亮はあまりの嬉しさから起き上がってそう叫んでしまった。
「うるせぇなお前は。んで、庵は?」
「この有様です。」
「ほぅ…。」
亮は龍之介に状況を何も言わなかったが龍之介にはどうやらわかったらしい。そして瀧雄もそうだ。どんな状況で亮がどんな思いだったのかそれを一瞬で理解したようだ。そうとも知らない庵は龍之介に…。
「りゅーおかえり!」
「おう。ただいま。たく、俺の許可なしに熱とか出してんじゃねぇよ。」
「りゅー帰ってきたの嬉しいっ、ぎゅーして。」
と言って庵は龍之介に抱きついた。その庵を見て龍之介は驚いた。ここまで甘ったれになってると思いもしなかったから。
「おい亮。これなんだよ。ここまで甘ったれになってんのか?」
「だから言ったじゃないですか組長。俺はさっきから我慢すんので必死なんです。もう辛いですよ。泣きたいですもう。」
亮は本当に辛そうな顔をしてそう言った。そんな亮を哀れんだ目で瀧雄は見ていた。相当亮が庵に手を焼いたのがわかったのだろう。だが龍之介は何故か庵を重視していた。そして…。
「おい亮。庵を貸せ。」
「…え?」
「いいから貸せ。」
「しょ、承知しました。」
あまりにも急に龍之介がそう言い出したので亮は混乱してしまった。だがすぐに庵を龍之介に渡した。
「庵。」
「りゅーだ!ちゅーしてくれるの…?」
「お前な、いくら熱が出て何もされないっと分かっててもやっていい事と悪いことがあるぞ。それによぉ、亮は騙せても俺の事は騙せると思うなよ。つか下手なんだよ演技が。」
またチューしてと甘えだした庵に龍之介はそう言った。だが瀧雄と亮はその言葉の意味がわからずキョトンとしていた。
「…組長何言ってるんです?」
演技…?これが…?そんなことあるはずがない。そう思った亮は龍之介にそう言った。だがそんな亮に龍之介は呆れ顔を浮かべた。
「お前も騙されてんじゃねぇよ。この下手くそな庵の演技に。」
59
お気に入りに追加
673
あなたにおすすめの小説


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。


怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる