血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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耳舐め *

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*庵視点







「おら庵。早くしろ。」



瀧が俺の顔掴んでそう急かしてくる。ちょっと待ってよ…。俺にだって心の準備が必要なんだ。だから俺は瀧から距離を取ろうと後ろに下がった。だけど直ぐに亮に後ろから抱き込まれるようにして捕まってしまった。ちょっと後退りしただけなのに…。



「ちょ…っ、やだっ、はなして…っ。」

「いいや。離さねぇ。もう二度と離さねぇ。」



俺はもう逃げないのに亮は俺にそう言って強く抱き締めてくる。それがちょっと苦しかった俺は身を捩ったけどもちろん逃げられない。



「…苦しいってばっ!」

「なぁ庵。亮にばっかり集中してんじゃねぇぞ。」

「だ、だって…っ、」

「だってじゃねぇ。今は俺にキスをする時間だろ?浮気してんじゃねぇよ。」

「あ、ちょっ…やめっ!」



待ちきれなくなった瀧が俺の耳を舐めてきた。それから逃げようとして俺は全力で顔をそらそうした。けど瀧に顔も掴まれてしまったから逃げられなくて…。




「たき…っ、ぅ、やめてっ!」



やだやだ…っ!耳舐めないでよ!体の力が抜ける…っ!逃げたい…最悪だもう…!うぅ…けど逃げられない。力強すぎるんだよ!



「ほら庵、早く瀧にキスしろよ。そうしねぇと体の力抜けちまうぞ?」



亮は俺を嘲笑うようにしてそう言ってきた。だからさすがに俺は腹が立った。だってこの状況でどうやってキスするんだ…っ!瀧に顔掴まれて動けないのに出来るわけないじゃんかバカ亮………って俺は心の中で思った。だけどそれが亮にも伝わってしまったらしく…。



「…ほぅ。そうかそうか。そんな生意気な目をする奴には折檻だな。」

「やだっ、やめっ、むり…っ、ぅ、むりだってばぁ…っ!」



亮は俺に脅すようにそう言ってきた。けどそれは脅しじゃなかった。本気だっんだ。亮は瀧が舐めている耳とは反対の俺の耳を舐めてきた。俺は両耳を亮と瀧に舐められ逃げようと必死だった。変な気分になる…体の力も抜ける…嫌なのに…勃っちゃう…っ。



「やめて…っ、ぃ、やっ、やめてよぉ…っ、ぅ、やだってば…っ!」



俺は生理的な涙をポロポロと流しながら2人にそう訴えた。けど2人はやめてくれない。全くやめる素振りを見せない。



「うぅ、っ、ぇ、やめっ、やめてっ、いやっ、だぁっ、」



ジュルジュルと音を立てながら耳を舐められ俺は脳すらも犯されている気分になった。嫌で嫌で仕方が無いのに2人と力の差がありすぎて俺は逃げられない…。いや…多分さっきバカみたいに攻められたからだ。絶対そうだ。俺は力がないんじゃない。さっきやられすぎて力が抜けちゃってるんだ。だから逃げられない。



「やめっ…、ぃ、やめてっ、おねがぃっ、うぅ、やめてっ、よぉ!」



行き過ぎた快楽と同じで耳を責められ続けるのはきつい。苦手なんだ。なのに2人はやめてくれない。俺が泣いてるの見えてるはずなのに…。



「うぅっ、いやだっ…ぁ、やめっ、やめて…っ、ふ…っ、ぅ、」



どれだけ俺が逃げようとしても身体がビクともしない。足も腕も体のどこかしこも抑えられてる。2人に捕まっている。どうやっても逃げられない。だが変わらず耳は攻められ続ける。それが辛くて俺はついに本気で泣いてしまった。



「やぇっ、やめてっ、ぅっ…ふっ、いやなの…っ、」

「…はぁ、仕方ねぇな。」



俺があまりにも泣き喚くからか瀧がそう言ってやめてくれた。それに続くように亮も俺の耳を解放してくれた。



「…ひどぃっ、やめてって言ったのに…っ、」

「お前がトロトロしてっからだろ。早くやんねぇとまた耳舐めんぞ。それかまじで腹いっぱいになるまでやり続けてやるからな。」



その瀧の発言に俺は目を丸くした。俺のせいなの…!?瀧が待てないのが原因じゃないの…!?言わないけどさ…。今の瀧にそんな事言ったらまた耳舐めをされてしまうから…。



「いやっ、やだっ…!」

「だよな。ならやれ。」



もう耳を舐められたくない…。俺はその一心で瀧に近づいて唇にキスをした。唇が当たるだけの軽いキス。だけど瀧は満足そうに笑ってくれた。



「いい子だ庵。」



と、瀧は言って俺にキスをしてきた。その様子を見ていた亮は分かりやすく不機嫌になった。



「…俺は後回しかよ。」



亮の機嫌が完全に悪くなった。これは…めんどくさい事になる…。



「怒んないでよ亮…。しょうがないじゃんか…っ、瀧が初めに言ったんだから。」

「チッ。つかお前普通にしゃべるようになったな。」



怒ったと思えば俺の事を不思議そうに見てきた亮。この亮の自由さにはいつも叶わない。



「…え?普通ってなに?」

「さっきまであんなビクビクしてたのに。ちびりそうな勢いでよ。」



ちび…っ!?最低!それにビビるに決まってんじゃんかっ!あんな怖いことことされたんだから!



「そりゃ…っ、怖かったから…。やめてって言ってもやめてくれなかったし苦しかったんだもん…。」



俺はもう自分の意見を言える。2人が怖くない。だからあえてそう言った。2人が傷つくって知っていてそう言った。それぐらいには俺はきつかった。だからちょっとした2人への仕返しなんだ。その俺の仕返しはかなり効いたようでさっきまで俺の事をニヤニヤしながら見ていた亮の顔が変わった。



「そうだよな。悪かった。」



と、亮は言って俺の唇にキスをしてきた。その後軽く俺の唇を噛んできた。ごめんねの意味なんだろうか。でもこれだと…。



「…結局亮からキスしてるじゃんか。」

「はは、我慢出来なかったわ。」



亮はそう言いながらガハガハと笑っていた。何が面白いのかわかんない。けど…だけど幸せだった。俺が求めていた日常だったから。俺はまるで切れてしまった糸が繋がった感覚になった。



「庵。」

「…ん?」

「愛してる。」



亮が突如名前を呼んできたと思えば愛を伝えてきた。俺はそれが嬉しくて…でも恥ずかしくて亮から顔を逸らした。そんな俺の事をニヤニヤしながら亮が見てくる。瀧もそうだ。そんな2人に俺は声を荒らげようとした。そんなに見るなよって。だけどそれが出来なかった。何故かって?誰かが寝室に入ってきたからだ。



「何の騒ぎだ。」



部屋に入ってきたのは龍だった。それがわかった途端俺は分かりやすく固まってしまう。そんな俺に大丈夫…っていうように瀧が俺の背中を撫でてくれた。けど亮は違った。



「あー組長。面白い話聞きます?」



亮は楽しそうに龍にそう言った。多分亮は俺にお仕置きがしたいんだと思う。けどこれに関しては俺が悪いから俺は言い返すことも亮を止めることも出来なかった。



「なんだ。」

「それがですね。実は庵が………」




亮に全部暴露された。ぜーんぶ言われた。それを瀧も止めてくれなかったから俺はその場に固まるしかなかった。そんな俺に龍が…。



「…庵。」



と、龍に低い声で言われた。怖くて俺は顔を上げることが出来ない。けどそんなこと許されない。それをわかっている俺はゆっくりと顔を上げた。



「…はい。」

「服を脱げ。」



…服?服を脱ぐ…?てことは今からお仕置き…?そんなの嫌だよぉ。



「…いや。」

「そうか。」



あれ…もしかして龍が諦めてくれた…?俺、お仕置き回避出来た?って思ったのもつかの間龍が大きなため息をついてきた。その溜息を聞いた俺は覚悟を決めた。龍が大きなため息をつくときはお仕置きする時だから…。



「おい亮、こいつの脱がせろ。」

「何するんですか?」



さっきまでとは違う。亮は俺を守ってくれようとしてる。多分亮は龍が何をするかによって本当に俺の事を守ってくれようとしてるんだ。けどそれはあくまで内容によっては…だ。



「何ってそりゃ…擽るんだよ。」



…え?



「成程。分かりました。」



な、なんで…!



「やだっ、亮やめっ!」



なんでよりにもよってくすぐりなんだよ…っ!亮も亮でなんで分かっちゃうんだよ!守ってよ俺を…!



「おい庵。足枷ついてんだからどの道逃げられねぇよ。諦めろ。」



亮に服を脱がされている俺に瀧がそう言ってきた。もっと他にかける言葉あったはずなのに瀧は俺をさらに追い込む言葉を言ってきた。



「…っ、いやだっ!」

「おら暴れんな。それにな庵。どこをどう勘違いしたのか知らねぇがお前は本当に馬鹿野郎だな。」



龍が暴れる俺の腕を掴んでそう言ってきた。そのせいで俺はさらに逃げられなくなってしまう。



「…そ、そんなに言わなくてもっ、」

「いいや馬鹿野郎だ。だから分からせてやる。お前が二度と自分の命を軽くみないようにな。」



龍が本気で怒ってる…。どうしよう…と俺が周りを見た。けど俺を助けてくれる人なんてここにはいなかった。だから俺は龍に素直に謝った。



「ごめんなさっ、ぃ…っ、もうしないからっ、」

「今更後悔しても遅い。これはただ単に逃げるよりも重罪だ。」



…そんなっ、てことはさっきよりももっと酷い事されるってこと…?嫌だ…っ。



「瀧、亮。庵の腕しっかり抑えてろよ。」

「はい。」

「お任せを。」



瀧と亮は龍の指示にそう答える。その後俺の両腕をバンザイさせてベットにぬいつけた。だから俺は脇が丸見えの状態になったんだ。そんな状態のままくすぐられでもしたら…と俺は考えるだけで怖くなってしまった。



「りゅう…っ、おねがぃっ、ゆるして…っ。」

「なんだお前。そんな事どこで覚えてきた。俺は教えた覚えはねぇぞ。」



俺はくすぐられたくないがあまりに龍に上目遣いをしてそう言った。だけどそれは間違いだったようだ。



「お願い…っ、」

「駄目だ。お前にはしっかりと教えてやる。お前という存在がどれだけ尊いかって事をな。」



龍はそう言って俺の脇に手を近づけてきた。龍はいきなり脇をくすぐるつもりなんだ。そんなの…そんなの我慢出来るわけが無い。



「やめてっ、やだってば!!」

「そりゃ嫌な事してるからな。」

「いやっ、いやだっ、やめっ…………、ぅ、ふっ、あははっ、ははっ、はははっ、やめてっ、くるしっ、あはっ、くるしいっ!」



龍による容赦ないくすぐりに俺は頭を振りながら耐えた。逃げようと必死にもがいた。けど逃げられなくて…。龍はそんな俺の脇を容赦なくくすぐってくる。



「組長容赦ないですね…。」



亮ですらそう言ってしまうほど龍は容赦がなかった。龍は俺の脇ばかりをくすぐり手を緩めない。俺はその龍の容赦ないくすぐりに既に泣いてしまっている。



「当たり前だろ。本当にこいつは…。反省しろ。」

「りゅっ、あはっ、ははっ、りゅうっ、やめてりゅうっ!」

「なら体に刻み込め。二度と同じ真似をしねぇって。」

「しないっ、ぜったいしないっ、ははっ、はははっ、おねがいっ、やめてっ!」

「ならこれからは命を大切にするか?」

「するっ、あははっ、ははっ、はははっ、あはっ、するからっ、ぁ!」

「よし。いい子だ。じゃあもう勝手に家に出ないか?」



どんどん龍から質問が来る。けど俺はまともに答えられなくなっているほど笑い苦しんでいた。あまりのくすぐったさに脳が麻痺してるんだ。



「あはっ、ははっ、でなっ、ぃ、でないっ!」

「いい子だ。それなら俺との約束をちゃんと守れるな。」

「う゛んっ、まもるっ、からっ、あはっ、はははっ!」

「よし。約束だぞ庵。二度としねぇな?」

「しなっ、はは、あはっ、しないっ、しませんっ、しないからっ!」

「いい子だ。じゃああと5分な。」

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