119 / 202
囚われの身
決意
しおりを挟む
あれから庵はご飯をお腹いっぱいに食べた。もちろん龍之介にされるがままになりながら食べさせてもらっていた。その後突如庵は眠くなってしまったようで今は龍之介の腕の中で眠っている。そんな庵を見て龍之介らは安心しているようでどこか不安そうな顔をしていた。
「庵、ぐっすりですね。」
「そうだな。」
瀧雄が庵の頭を撫でながらそう言うと龍之介はただ一言そう言った。それもとても不安そうに。龍之介はずっと心配でたまらないのだ。庵が家に帰ってきたのはいいもののいつパニックを起こすか分からない。そして庵はもしかしたら辛いという気持ちを押し殺すかもしれない。庵の性格上それは有り得る話だ。だから3人はとても不安なのだ。
「まぁあれだけのことがあった後だから仕方ないですよ。」
と、亮。
「相当トラウマになってるでしょうね。」
と、瀧雄。
「それに関しても徐々に調べていこう。」
と、龍之介が言った。庵がトラウマになるものを龍之介らは知らない。庵がどんな目に遭ったのかを直接見ていないから。だから分からないのだ。しかしある程度のものは分かる。例えば注射器に似ているものや玩具、そして裸を見せたりしないこと。これだけは3人の中で徹底するつもりだ。
「そうですね。じゃあ暫くは俺たち我慢大会ですね。」
我慢大会…。亮が言ったその意味は庵を抱けないということ。だから亮達は我慢しなくてはいけない。彼らはもう庵以外考えられいのだから。だからこそ我慢する。庵をこれ以上傷つけないように。
「ああ。こいつが自ら求めるまでは抱くことはやめておこう。」
「「はい。」」
龍之介に言われずとも亮も瀧雄もそうするつもりだ。だけどいざ言われると我慢出来るかどうか不安になる。目の前にあんな可愛い庵がいるのだ。それを前にして我慢しなくてはならない。それは亮や瀧雄、そして龍之介にとっても至難の業だった。そのため亮が上を向きながらため息をつき…。
「あーそう分かっててもきついですね。けど庵の為です。俺のせいであんな事になっちまったんですから。でも不安です俺。組長我慢できそうですか?」
「出来るできねぇじゃねぇよ。我慢すんだ。意地でもな。」
龍之介は亮に甘ったれてんじゃねぇよと言わんばかりにそう言った。そんな龍之介に対して亮は…。
「そうですよねぇ。けど俺我慢出来るかどうかわかんねぇです。」
と、言った。すると今度は瀧雄が亮の方を向いて話し始めた。
「安心しろよ亮。もしお前が一線を超えそうになったら俺が止めてやるからよ。殴ってな。」
「容赦ねぇな。瀧、お前こそ我慢出来んのかよ。」
「あったりめぇだ。俺は亮とは違う。それに庵はあんだけ酷い目に遭ったんだぞ。」
「まぁそうだな。そういえば組長、栗濱達はどうなったのでしょうか?」
亮は突如頭に栗濱のことが浮かんだ。そして気になった。益田のこともだ。いや1番は益田の事だ。栗濱達が死のうが生きようがはどうでもいい。どちらにせよ生き地獄だろうから。何せその処分を下すのは寛也だ。寛也が優しい制裁を下すなんてことはしないだろう。そのためそこは安心している。だが益田はいくら裏切り者とはいえ亮にとっては家族のような存在だった。だから亮は龍之介にそう聞いたのだ。
「旭川さんからの連絡はまだ来てねぇ。亮にも来てねぇだろ?」
「はい。俺のとこにも来てません。ですが寛也さんのことです。きっと栗濱は殺されないにしても生き地獄を味わうことになるでしょうね。」
「そうだな。」
そこで会話が終わった。そして3人は庵を見た。まだ眠っている庵の姿を…。どこを見ても庵は痣ばかり。手には縛られたあとが着いており乳首も腫れている。そして後孔も腫れていた。先程普通に話していたのがおかしいと思うぐらいに庵の身体は痛々しかった。さっきまで庵は起きていたからそれをまじまじと見ることは出来なかった。服も着ていたから。だが眠った庵は動きが止まっている。だから嫌でも亮らの目に庵の子の痛々しい姿が入った。
「これから俺達は庵のためにも頑張っていかないといけませんね。」
二度とこんな目には遭わせない。絶対に。それを覚悟した亮がそう言った。それに続くように龍之介も…。
「だな。一から作り直してまた新しい南里組を作っていこう。親父が死んだからって悲しんでる暇なんてねぇ。絶対にこいつを守る。旭川さんに頼らずにな。」
「「はい。」」
寛也がいれば最強だ。だが龍之介はそれに頼らずに庵を守っていきたいのだ。自分の力で。しかしそれが無理とわかった時は遠慮なく寛也を頼る。そうしなければ危ないのは庵だから。そんなことを龍之介が考えているとあることを思い出した。それは翔真の事だった。
「亮。すまねぇが翔真に連絡してくんねぇか?ちょっと心配でよ。」
翔真は家を失った。そして家族も…。一気に色んなものを失った。だから龍之介は心配だったのだ。いくら翔真があの家の事が嫌いだったとしてもきっとこの事件はショックだろう。だから今の翔真の状態を知りたいと思った龍之介は亮にそういったのだ。
「承知しました。けど翔真のやつ、松下さんに連れていかれてましたよね?その時なんか飲みに行くとか言ってませんでした?」
「あー言ってた気もするな。もう少し後で電話をかけることにしよう。」
「はい。じゃあそれまで俺ここにいてもいいですか?」
「勿論だ。庵のそばにいよう。」
「庵、ぐっすりですね。」
「そうだな。」
瀧雄が庵の頭を撫でながらそう言うと龍之介はただ一言そう言った。それもとても不安そうに。龍之介はずっと心配でたまらないのだ。庵が家に帰ってきたのはいいもののいつパニックを起こすか分からない。そして庵はもしかしたら辛いという気持ちを押し殺すかもしれない。庵の性格上それは有り得る話だ。だから3人はとても不安なのだ。
「まぁあれだけのことがあった後だから仕方ないですよ。」
と、亮。
「相当トラウマになってるでしょうね。」
と、瀧雄。
「それに関しても徐々に調べていこう。」
と、龍之介が言った。庵がトラウマになるものを龍之介らは知らない。庵がどんな目に遭ったのかを直接見ていないから。だから分からないのだ。しかしある程度のものは分かる。例えば注射器に似ているものや玩具、そして裸を見せたりしないこと。これだけは3人の中で徹底するつもりだ。
「そうですね。じゃあ暫くは俺たち我慢大会ですね。」
我慢大会…。亮が言ったその意味は庵を抱けないということ。だから亮達は我慢しなくてはいけない。彼らはもう庵以外考えられいのだから。だからこそ我慢する。庵をこれ以上傷つけないように。
「ああ。こいつが自ら求めるまでは抱くことはやめておこう。」
「「はい。」」
龍之介に言われずとも亮も瀧雄もそうするつもりだ。だけどいざ言われると我慢出来るかどうか不安になる。目の前にあんな可愛い庵がいるのだ。それを前にして我慢しなくてはならない。それは亮や瀧雄、そして龍之介にとっても至難の業だった。そのため亮が上を向きながらため息をつき…。
「あーそう分かっててもきついですね。けど庵の為です。俺のせいであんな事になっちまったんですから。でも不安です俺。組長我慢できそうですか?」
「出来るできねぇじゃねぇよ。我慢すんだ。意地でもな。」
龍之介は亮に甘ったれてんじゃねぇよと言わんばかりにそう言った。そんな龍之介に対して亮は…。
「そうですよねぇ。けど俺我慢出来るかどうかわかんねぇです。」
と、言った。すると今度は瀧雄が亮の方を向いて話し始めた。
「安心しろよ亮。もしお前が一線を超えそうになったら俺が止めてやるからよ。殴ってな。」
「容赦ねぇな。瀧、お前こそ我慢出来んのかよ。」
「あったりめぇだ。俺は亮とは違う。それに庵はあんだけ酷い目に遭ったんだぞ。」
「まぁそうだな。そういえば組長、栗濱達はどうなったのでしょうか?」
亮は突如頭に栗濱のことが浮かんだ。そして気になった。益田のこともだ。いや1番は益田の事だ。栗濱達が死のうが生きようがはどうでもいい。どちらにせよ生き地獄だろうから。何せその処分を下すのは寛也だ。寛也が優しい制裁を下すなんてことはしないだろう。そのためそこは安心している。だが益田はいくら裏切り者とはいえ亮にとっては家族のような存在だった。だから亮は龍之介にそう聞いたのだ。
「旭川さんからの連絡はまだ来てねぇ。亮にも来てねぇだろ?」
「はい。俺のとこにも来てません。ですが寛也さんのことです。きっと栗濱は殺されないにしても生き地獄を味わうことになるでしょうね。」
「そうだな。」
そこで会話が終わった。そして3人は庵を見た。まだ眠っている庵の姿を…。どこを見ても庵は痣ばかり。手には縛られたあとが着いており乳首も腫れている。そして後孔も腫れていた。先程普通に話していたのがおかしいと思うぐらいに庵の身体は痛々しかった。さっきまで庵は起きていたからそれをまじまじと見ることは出来なかった。服も着ていたから。だが眠った庵は動きが止まっている。だから嫌でも亮らの目に庵の子の痛々しい姿が入った。
「これから俺達は庵のためにも頑張っていかないといけませんね。」
二度とこんな目には遭わせない。絶対に。それを覚悟した亮がそう言った。それに続くように龍之介も…。
「だな。一から作り直してまた新しい南里組を作っていこう。親父が死んだからって悲しんでる暇なんてねぇ。絶対にこいつを守る。旭川さんに頼らずにな。」
「「はい。」」
寛也がいれば最強だ。だが龍之介はそれに頼らずに庵を守っていきたいのだ。自分の力で。しかしそれが無理とわかった時は遠慮なく寛也を頼る。そうしなければ危ないのは庵だから。そんなことを龍之介が考えているとあることを思い出した。それは翔真の事だった。
「亮。すまねぇが翔真に連絡してくんねぇか?ちょっと心配でよ。」
翔真は家を失った。そして家族も…。一気に色んなものを失った。だから龍之介は心配だったのだ。いくら翔真があの家の事が嫌いだったとしてもきっとこの事件はショックだろう。だから今の翔真の状態を知りたいと思った龍之介は亮にそういったのだ。
「承知しました。けど翔真のやつ、松下さんに連れていかれてましたよね?その時なんか飲みに行くとか言ってませんでした?」
「あー言ってた気もするな。もう少し後で電話をかけることにしよう。」
「はい。じゃあそれまで俺ここにいてもいいですか?」
「勿論だ。庵のそばにいよう。」
18
お気に入りに追加
630
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる