血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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消毒という名の快楽地獄

拷問

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「いってぇ…。お前ついに噛み癖までついちまったか?」



亮が好き勝手やってくる上に話を丸で聞いてくれない。だから庵は亮の舌を噛んだのだ。なのにそんなことを言われて庵は腹が立った。



「亮がやめてくれないからじゃんかっ!!」

「ガラガラの声で叫ぶな。悪化すんぞ。」

「誰のせいだ…っ!!」

「俺だな。」

「わかってるならもうなにもしないで……っ!」



そういった庵の顔を見て亮は思った。ちょっとばかりやりすぎてしまったな…と。思った以上に庵は今体が痛むらしい。それを堪えているためか先程からずっと涙目だ。亮はそんな顔を庵にさせたい訳では無い。そのため亮は庵のことを抱きしめた。



「分かった。もうしねぇなら休んどけ。」

「…約束?」

「ああ。もうしねぇよ。」

「…でも近くにいてね。」

「ああ。分かった。」



そういい亮は庵を抱きしめ続けた。そして庵が寝るまでずっと亮はそばにいた。あることを考えながら…。そのあることと言うのは宏斗らの事だ。今龍之介と瀧雄、そして益田は宏斗と玲二のところにいる。だから亮がここにいるのだ。万が一庵に何かあった時直ぐに対処できるように…。だから龍之介は安心して仕事に出かけられたのだ。

そしてちょうどその頃………。



「く゛ぁっ!!!」



外に声が漏れないよう防音になっているある部屋の一室で男の叫び声が響いていた。その声の主は宏斗だった。



「坊ちゃんやりすぎですよ。全く…少しは控えてくださいよ。」



その宏斗に呻き声を上げさせた人物こそ龍之介だった。その龍之介に少し怒りを抑えるよう注意しているのは益田だ。なぜこんな状況になっているのかって?それは龍之介は宏斗からあることを聞き出そうとしていたのだ。しかし宏斗が答えないがために拷問をしていたのだ。



「お前は黙ってろ。親父に言われてきただけの分際でしゃしゃり出るな。」

「腹立つ気持ちも分かりますがちゃんと押えてください。殺したりしたら何も聞けないじゃないですか。」



益田の言っていることは正しい。だけどだからこそ腹が立ってしまう龍之介。だが益田の方が正しいことをしているのは間違えない。そのため龍之介は…。



「…チッ、ならお前がやれ。」

「全く仕方の無い人ですね。親父そっくりですよ。」



怒ったかと思えば今度は益田に押し付けてきた。そんな龍之介に益田は頭を抱えてしまう。その様子を瀧雄は黙って見ていた。



「いいから早くやれ益田。」

「はいはい。」



そういい益田は龍之介から金属バットを受け取った。そしてそれをもうボロボロに砕けているであろう宏斗の足の上に乗せる。



「く゛っ…。」

「じゃあ宏斗さん、続きやりましょうか。」

「はぁ…はぁ…、俺は何も吐かねぇぞ。」



宏斗はもうまともに歩くことが出来ないだろう。骨もボロボロに砕け修復は不可能な程になっている。それなのに宏斗は口を割らない。そんな宏斗をみて益田は…。



「そうですか。それは残念です。」



そう言うと何故か益田は龍之介の方を振り返った。その益田の行動を龍之介も瀧雄も目を丸くしながら見ていた。そして次の益田の発言によってより2人は驚くことになる。



「ということなので諦めましょう坊ちゃん。」

「…は?」



拷問が得意な益田が何も手を加えずにそう言った。その状況が理解できなかった龍之介は思わずそう言ってしまった。だが益田も益田で考えがあったらしく…。



「無理ですよこれは。宏斗さんは吐きません。こんなにしてるのに何一つとして言わないんですよ?ここまでして無理なら無理です。なので人を変えましょう。」

「兄貴にするってことか?」

「そういうことです。玲二さんに変えましょう。」



卑劣極まりないことを淡々と話す益田に瀧雄は少しだけ背筋が凍った。そしてこの人だけは絶対に敵に回してはいけないと改めて思った。そんな様子をずっと黙って見ていた宏斗だったが益田が宏斗の方を向いた時なにやら話し始めた。



「おいお前ら…兄貴は何も知らねぇよ。だから何をやっても無駄だ。」

「そうでしょうか。実は知ってるかもしれないですよ。その証拠に今宏斗さんは焦ってるんじゃないですか?」

「知らねぇっつってんだろ。いい加減にしねぇとぶち殺すぞ。」



宏斗がそう言い怒り始めた。人はなにか聞かれてはまずい時や嘘をついている時怒る。そのためそんな宏斗をみて龍之介は宏斗が何かを隠している…その確信へと変わった。



「どうやら聞かれたらまずいことがあるようだな。でもお前が吐かねぇんなら兄貴に聞くしかねぇ。それが嫌ならさっさと口を割れ。」



宏斗はそう言われて迷っている様子だった。だが宏斗には玲二が拷問に耐えられるという自信がなかった。そうなれば余計なことまで玲二は話し始めるかもしれない。痛みを我慢できない玲二のことだ。直ぐに吐くだろう。それを思うと今ここで言った方が早い。だから宏斗は…。



「…分かった。言うから兄貴には手を出すな。」

「話が早くて助かるぞ兄貴。じゃあ聞かせてもらおうか。なんでお前が庵を狙ってたのかって事とどうやってハッキング技術を身につけたのかってことをな。」



宏斗は確かに庵を気に入っていた。だが龍之介は不信感が消えなかったのだ。ただ単に気に入っただけなのか…と。もしかしたらものすごい力が裏で働いていたのかもしれない。ハッキングだってそうだ。やはり何度考えても宏斗にできることとは思えなかった。そのため龍之介はこうして宏斗を拷問をしているのだ。そしてやっとその答えが聞けることになった。



「…お前ら国と繋がった事はあるか?」

「国?」



何を言い出すのかと思えば宏斗は『国』と言ってきた。これは龍之介らが想像していたよりも大きな力が働いているのかもしれない…。



「そうだ。国だ。」

「そう言うってことは兄貴は国と繋がってんのか?」



さすがにそんなはずは無い。そう思いながらも龍之介は宏斗にそう聞いた。すると宏斗は…。



「ああ。そうだ。俺が親父を潰すと決めたあの日…話しかけられたんだ。国務大臣を勤めていた男にな。」

「そいつが庵を狙ってたと?」

「いや違う。そうじゃねぇよ龍之介。そいつと繋がっているまた別の組の奴がいてな。そいつが庵を欲していた。」

「それは誰だ。」



何やらややこしくなってきた。だが龍之介は宏斗を殺さないでよかったと心から思った。殺してしまえばこの事実は闇に葬られてしまっていただろうから。そして益田も瀧雄も口を出すことは無かったが2人も龍之介同様に宏斗の話に全神経を注いで聞いていた。そして次の宏斗の発言によって3人は驚きのあまり言葉を失うことになる。



「…栗濱組の奴だ。そいつに庵を渡すまでの間俺が庵を所有していいという条件で俺は庵を攫った。その間だけでも庵を俺のものに出来るからな。」



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